トップページ山行リスト(日付)>コンピラ尾根・大山_記録20051103


コンピラ尾根・大山

 山行日
2005年11月3日(木)    曇        単独行
 コース
ヤビツ峠(8:45)〜(9:23)諸戸〜(11:17)大山(11:30)〜?
 10月下旬は、週末に天気が崩れ、なかなか山行日和にならなかったのですが、11月3日は、久々の休日での晴予報。ということで、山行を計画。このところ、西丹沢方面が多かったので、今回は、東の大山としました。
 大山地域は、まだまだ自己未踏ルートが山ほどあります。その中でも興味のあった「コンピラ尾根」と「ネクタイ尾根」を組合わせて、ルートを計画しました。
 さて、結果は、如何に。

<補足>
 今回は、バリエーションルート2本立てということで、軽量化を敢行しました。まず、35mmコンパクトカメラは、無し(今までデジカメのバックアップ用として持参)、三脚は、35mmカメラ用の1kg程度のもので代用、中型カメラ用レンズは、55mm1本(以前は、2本以上、持ち歩いていました)。食料もパン系にする等。
 今までは、沢歩きや泊まりのときだけ、このような軽量化を図っており、従来は、トレーニングも兼ねるという目的もありましたので、日帰り尾根歩きの時は、あまり意識していませんでした。それだけ、今回、歩行に気合を入れたつもりです。
 しかし、上記のように軽量化といっても、まだ中型カメラは、持参しています。今回、計量してみたら、まだ14kgありました。う〜ん、やはり、中型カメラ無しで、デジカメ1本にするか。でも、このカメラ無しで歩くとなると、自分のカラーが消えそうで・・・・・。思案どころです。(最近の悩みです)

 秦野からの臨時増発バスが秦野を8:02出発。ヤビツ峠には、8:40到着。
 オニギリを食べて、準備運動を軽く行い、出発したのは、8:45。

 今回は、門戸口へのバイパス登山道を選択。駐車場奥の階段から入る。
 こんな登山道を歩くのは、マニアックなルートを選択した登山者しか居ないはず(大山ならば、イタツミ尾根へ、表尾根ならば、車道で富士見橋へ)なので、殆ど登山者を見かけないのだが、今回、中高年女性の2人組のパーティに追いつく。
 この後、シャツを脱いだりして、こちらも停止するので、この2人組とは、抜かれたり、追い抜いたりの繰り返しとなる。行き先を聞いたら、私と同じようにコンピラ尾根で、大山を目指すとのことだった。
[ヤビツ峠にて]

 ヤビツ峠からのバイパス登山道は、夏だと草が多く、歩きにくいが、この季節は、問題なかった。但し、あまり道らしい道では、ないので、注意しないと迷う可能性がある。(道標は、途中1ヶ所程度)

 前方の視野が広がったところが、門戸口。この先で、車道に合流する。(9:10)

 車道を歩いていると、大粒の雨がポツリポツリと....
 しかし、上空を見上げると真上は、青空が見える。一過性のものだろうと判断したが、果たしてその通りとなった。
[門戸口に出た]

 諸戸の手前で、地図を見ていると、先ほどの女性2人組に追いつかれた。2人組から、コンピラ尾根経由の大山登山ルートは、この先の事務所に道標があると言われ、お礼を述べて先に進んでいく。

 諸戸事務所の入口に大山ルートを指す、小さな道標(写真下右)があった。
[諸戸事務所前にある道標] [大山への道標]

 諸戸神社の前を通り、奥へ進む。道は、カンスコロバシ沢沿いに続いていた。その後、分岐点に簡単な道標があり、大山は、右方向を示していた。
 この分岐から傾斜がきつくなり、植林の中を登っていく。
[カンスコロバシ沢の堰堤]

 尾根筋を登っていく途中、振り返ると、先ほどの中高年女性2人が後ろから登ってくるのが見えた。(写真下)
 道は、明確で、歩きやすい。
 だいぶ登ったなと思った頃、尾根を登りきった。(9:41) ここは、下ってきた場合、間違えて尾根沿いに進んでしまいそうな感じもする。一般登山道であれば、道標が立つような場所だろう。
 また、この場所からは、正面の樹林の向こうに送電鉄塔が見えた。
 左方向に進んでいく。
[植林の中の登り(振り返って撮影)]

 緩い登りの後、正面に黄色い杭が立っていた。杭には「新多摩線12号に至る」と書かれてあり、右手の道を指していた。先ほど見えた送電鉄塔に行くルートのようだ。
 ここは、直進して、尾根沿いの道を進む。
[送電鉄塔巡視路との分岐点]

 左手にシカ柵が現れる。そのシカ柵沿いに登っていく。直線的な登りなので、少々きつい。
 左側の視界が広がったところでデジカメ撮影。(写真下)
[隣の尾根の紅葉を眺める]

 尾根が細くなるが、経路は続いている。シカの糞が目立つ。南から吹いてくる風のおかげで、大汗をかかずに済んでいる。

 10:09、いつの間にか植林は、視界から消え去り、周囲は、自然林になった。また、緑色した下草が広がっていた。
[コンピラ尾根の登り]

 それにしてもこの尾根の登りは、ほとんど直線的なルート。ジグザグに登っていくというような道筋ではない。もし下りに使ったら、物凄く加速して下っていくような感じになるのでは?と思ってしまった。(非常に効率的な下りとなる)
 このあたりから、紅葉した木々が目立つようになる。時間をあまりかけずにデジカメで紅葉撮影を実施。
[登りがちょっと緩くなる]

 横倒しとなった木が、山道にクロスしていた。ここで、カメラを取り出し、この横倒しの木の撮影を行なう。(写真下)
 このとき、下から例の中高年女性2人組に追い抜かれた。
 約10分、撮影に費やす。
[横倒しの紅葉した木]

 10:54、ササが現れる。
 その後、猛烈なケモノ臭に遭遇。近くにシカがいるのか?ひょっとしたらクマ?そういえば、雑誌等で以前入手した「大山近辺では、三峰山や春岳沢でクマを見た」という情報が急遽、記憶の中から引き出される。
 無理やり咳払いを2度3度、行なう。しかし、ガサガサという音もなく、無事通過。

 11:03、ササが茂ってくる。(写真下)
[ササが増えていく]

 振り返ると、三ノ塔や、塔ノ岳の姿がやや霞んで見えた。また、目を凝らすと、霞んだ富士山に気がついた。(写真下)

 11:04、左に分岐するはっきりした山道が、連続して現れたが、今まで直進していただけにまっすぐ進んでいく。
[振り返って表尾根方面を眺める]

 11:09、見覚えのある看板の後姿を見る。ようやく頂上の裏道に出た。(写真下)
 この丁字路で、メモを書いていると、何人もの登山者が右から左へと通過していく。やはり、今日はハイカーが多いという事を認識。
[大山頂上の山道に出る]

 丁字路を右に進み、すぐ鳥居をくぐって山頂に到着。(11:17)
 物凄い人の数。こんなに多いハイカーを見たのは、何年か前のゴールデンウィーク以来。
 ふと思う。
 丹沢で年間訪問登山者数No.1は、大山? 
 おそらくそうだろう。
 ちょうど、早めの昼食時間に当たるせいか、食事中の人が多かった。
 ザックを下ろすと通行の邪魔になりそうで、裏手にまわる。さすがに裏手の方は、それほど混雑していなかった。ちょっと霞んだ丹沢山塊を眺めながら、オニギリを食べた後、北尾根に向かって出発する。(11:30)
[大山頂上]

 今年の4月にも、この尾根を歩いているが、樹林に葉がついている時とそうでないのでは、だいぶ印象が違う。今回歩いてみて、こんな場所があったっけ?というような箇所が、いくつも存在した。
[木立の中を歩く]

 上記の写真を撮っていたとき、後ろから声がした。振り返ってみると、なんとあのコンピラ尾根の女性2人組だった。あの人だらけの山頂では、見つけられなかったが、偶然、また再会したのだった。

 歩きながら、この先のルートを聞く。すると想定外の答えが返ってきた。「大山の後は、ネクタイ尾根を下る」との事。小柄な普通のおばさん(失礼!)の口からネクタイ尾根の名が出たことに驚く。どうも、ハイキング関連の雑誌で、コンピラ尾根&ネクタイ尾根の紹介があり、そのコピーを持って歩かれているのであった。あのコンピラ尾根の登りのペースからすれば、それなりの体力はありそう(失礼!)だ。また、諸戸からの登りの時も進路ルートに対し、コピーを見ながら慎重に歩かれていたことを思い出し、不安なく、後ろ姿を見送る。
 見送ることになったのは、次のブナの大木に目が留まったからだ。
 この4月に通った時は、このブナの大木に対して、全く印象になかった。今回、黄葉していたため、目に留まったのだった。ここで、思わず、中型カメラを取り出す。

 11:58、撮影終了。フィルムも使いきる。「後は、歩くだけ」の心境で、気合を入れる。なんたって、今回は、軽量化している。
[ブナの大木を見上げる]

 小走りに進んでいくと、西側の丹沢山塊が目に入る。崩壊地のすぐ上なので木がないため、視界が広がっている。少し霞んではいるが、デジカメで撮影。
 どんどん進んでいく。
[丹沢の山々を眺める] [西沢ノ頭の道標]

 ミズヒノ頭付近で、視界が広がり、丹沢三峰が見えた瞬間、ふと思った。
 あれっ、今日は、ネクタイ尾根を下るつもりだった筈....

 ブナの大木を出発した後、どういう訳か、ネクタイ尾根の意識が吹っ飛んでしまい、山道沿いにとにかく進むという意識しかなくなっていた。その証拠に西沢ノ頭の時など、デジカメで道標を撮影したりして時間を費やしているのに、全くネクタイ尾根分岐点を通過していることに気がついていない。
 こんな体験は、初めてだった。歩く集中力が強すぎたのか、単なる注意力散漫だったのか...
 時計を見ると12:41。引き返そうかとも考えたが、心理的な面で不安が残った。しばし、腰を下ろすこともなく、ボーと丹沢三峰を眺めていた。(写真下)

 すると、背後から人の声がした。中年ご夫婦が一組、こちらに向かっていた。挨拶をすると、「ここは、初めてですが、いいところですね〜」などと北尾根について、感想を聞かせていただく。
 その後、またすぐに別の人声が。
 今度は、団体さんだった。12人ぐらいのパーティで、ヤビツ峠から来られたとのこと。ミズヒノ頭は、どこを指すのかで話題となったが、やはりこのあたりだろうとの話をした。
 その時、チョコレートや、飴やいろいろご馳走になる。その団体さんが去って、再び静寂になった時、やはり、今日は、このまま下っていくことに決めた。
 13:16出発する。ここで35分も過ごしてしまったが、全く腰は、下ろしていなかった。
[ミズヒノ頭付近にて、丹沢三峰(奥)を望む]

 団体さんの後を追うように山道を下っていく。
 913mピークで、再び団体さんに追いつく。しかし、すぐに団体さんは、出発していった。

 誰も居なくなったピークで、ドカッと腰を下ろし、新多摩線16号鉄塔を眺めながら、遅めの食事をとる。(大山山頂では、オニギリ1個だけ食べただけなので、ここで、本格的な昼食をとった。といっても食パンとジャム程度であるが)
[913mピークにて]

 13:53、913mピークを出発。団体さんと同様、地獄沢橋へ下っていく。
 このルートは、久々のルートで、帰宅後、調べたら、9年ぶりに通る山道だった。
 送電鉄塔の巡視路のためか、急斜面では、プラスチックのような材質での階段が出来ていた。(写真下)
[植林の尾根を下っていく]

 植林の中を下っている最中、右手奥の斜面で紅葉している木々を見つけたとき、9年前、山桜が咲いていたところだとすぐにピンと来た。デジカメで、何枚か夢中で、撮影する。9年前の時も、山桜が満開で、夢中で撮影したことを思い出す。
 帰宅後、9年前の写真と見比べてみたのが、下記。紅葉しているのは、桜でなかったが、場所は、やはり、同じ場所だった。
[植林の中の紅葉] [9年前の春]

 14:20、正面に小ピーク(667mピーク)が現れた。しかし、山道は、そちらに向かわず、手前で左に下るようにつけられてあった。
 14:32、沢沿いに歩く。途中、いくつかスリルを味わう箇所があった。
[沢沿いの山道]

 14:48、地獄沢橋のちょっと先で、車道に出る。(写真下)
 昨夜、寝たのが、1:30だったことからか、車道に出た途端に欠伸が出始める。車道に出て緊張感が無くなったせいだろう....
[車道に出た]

 15:04、再び、諸戸に到着。
 写真を撮るため、ザックを下ろしただけで、すぐ出発。
[再び諸戸へ]

 15:15、門戸口に着いた。帰りも、車道歩きより早い登山道ルートを採ることにした。この時刻ならば、ちょうどバスの発車時刻に間に合うと思った。というのも、確かヤビツ峠発のバスは、50分台でなかったかと記憶していたからだ。
 登山道に入ったところで、なんと雨が降ってきた。それも小雨ではなく、しっかりと降ってきた。しかしながら、林の中を歩いているため、そんなに濡れることもなかったので、カッパも傘も出さずに歩き続ける。

 15:31、道標の前を通過(写真下)
[登山道経由でヤビツ峠へ]

 右上から、車やバイクの排気音が聞こえてくるようになった。
 ここまで来たら、いつの間にか雨は、止んでいた。

 15:41、ヤビツ峠の駐車場に出た。バス停に行くと、驚いたことに長い列が出来ていた。ものの数分で、バスが到着。見れば、15時51分の発車だった。
 結局、帰りも立ちっぱなしでの乗車となった。(次のバスという手もあったが、今日はサッサと帰ることにした。でも長い....)
 [ヤビツ峠からバスで帰途につく]


 今回の山行は、結局、ネクタイ尾根をパスすることになり、消化不良となりました。この宿題は、すぐ処理したいと考えています。


 コース
ヤビツ峠(8:45)〜(9:23)諸戸〜(11:17)大山(11:30)〜(12:21)西沢ノ頭〜(12:41)ミズヒノ頭(13:16)〜(13:33)16号鉄塔〜(13:37)913mピーク(13:53)〜(14:38)地獄沢橋〜(15:04)諸戸〜(15:41)ヤビツ峠



※山行時間には、撮影時間を含んでおりますので、ご注意下さい。