トップページ山行リスト(日付)>大洞山・鉄砲木ノ頭_記録20051119


大洞山・鉄砲木ノ頭

 山行日
2005年11月19日(土)   晴        同行者:父
 コース
籠坂峠(8:40)〜(9:30)1308.6m地点(9:35)〜(9:52)畑尾山〜(9:59)アザミ平〜(10:40)大洞山(10:42)〜(12:53)三国山(12:55)〜(13:06)三国峠〜(13:35)鉄砲木ノ頭(13:52)〜(14:07)パノラマ台(14:14)〜(14:32)東電寮入口〜(15:06)旭日丘
 金曜の夜、出張先から新幹線に乗って帰宅する途中、父から携帯に電話があり、何の用かなと思いましたら、いきなり、「明日、山に行こう」という命令に限りなく近い勧誘でした。
 「一泊は、無理だけど、日帰りならOK」
というと
 「それでもいい。コースは、任す」
との返事。ということで、久々の親子山行となりました。

 親子山行と言えば、去年の11月に檜洞丸を登って以来なので、ほぼ1年振りとなります。その間、山と言えば、当方、丹沢しか行ってませんが、父の方は、夏に北ア(鹿島槍)、つい先月も「寒かった〜」といいながら、八ヶ岳(硫黄岳)に行ったり(それも息子に無断で単独)しています。いつ人様にご迷惑をかけるか、家族の心配をよそに本人は、自由に歩き回っているのが現状です。

 今回、どこに行こうかと考えたとき、先月行った三国山稜の紅葉が気になったこと、明日は、雄大な富士山の姿が眺めそうなこと(この2、3日は、天気が安定する予報あり)、父にとっては、未踏ルートなどの理由から、この大洞山・鉄砲木ノ頭ルートに決定しました。

 さて、結果は、如何に。
 詳細は、以下をご覧下さい。


 途中の駅で、父と合流した後、東海道線、御殿場線と乗り継ぎ、御殿場へ。
 御殿場8:00のバスに乗り、籠坂峠には、8:37到着。
 前回の10/15に来た時、峠の気温を示す電光掲示板には、14℃が表示されていた(9:04)が、本日は、2℃だった。前回より若干早い到着だったが、ほんの1ヶ月の間に10度以上も下がったことになる。
 同じバスに乗っていた登山姿の乗客(我々以外に3人組と4人組のパーティあり)は、皆この籠坂峠で下車した。撮影後、出発する。(8:40)
[籠坂峠バス停]

 道路を渡り、正面の墓地に続く坂道を登っていく。
 墓地で先行していた同じバスのパーティを追い抜いた。
[墓地内の道標にて]

 クマ出没注意の掲示板を見て、登山道に入る。
 先月の八ヶ岳にて、父は、クマに出会ったとの事。最初は、カモシカだと思ったそうだ。しかし、その後、よく見たら、クマだと分かった。写真も撮ったという。そんな話をしながら、登山道を行く。

 登山道の風景は、前回と全く異なっていた。ほんの一ヶ月前は、まだ緑の林であったが、今日は、殆どの葉が落ちてしまい、冬枯れ状態となっていた。あっという間に紅葉は、終了していたのだ。
[葉の落ちた樹林帯を歩く]

 8:57、分岐点に到着。
 ここで、ウィンドブレーカを脱ぐ。父もフリースを脱ぐ。
 前回は、ここを左に向かって、天狗ブナに会ったが、今回は、右の道を選ぶ。
 9:00出発。
[分岐点にて]

 V字状の谷を歩いて、登っていく。
 途中、倒木が邪魔し、歩きにくい箇所がいくつもあった。

 9:17、V字の谷状が終了すると、ちょっとルートが分かりにくくなる。
 しかし、何度か通った経験があるので、進むべき方向は、分かっている。歩きやすい場所を選んで、南へと進んでいく。
[V字状の谷を行く]

 9:20、登山道に出たところで、道標と出会う。その道標は、左:あざみ平、右:たちやま(太刀山 又は立山)、後方:籠坂峠を指していた。また、道標の真ん中は、赤テープで、畑尾山という文字を消すように貼られていた。ここが、畑尾山でないことからの処置だろう。
 ここを右折する。
[丁字路に出た]

 どこが、立山(太刀山)なのか、よくわからない。1/25000地形図上の1330mピークの山を立山というのだろうか。結局、立山の山頂標識には、気がつかなかった。

 1330mピークは、非常に緩やかな斜面上のピークであり、殆ど、真っ平な形状をしている。(写真下) ここで、左に90度、曲がっていく。
[1330mピーク?]

 1330mピークから南側へ緩く下っていく。最初は、登山道らしき道が認識できるが、進んでいくとよく分からなくなる。しかし、とにかく南へ進むとすぐに登山道に出る。
 ほんの少し、先の小高い所に登ると、そこが、富士山の展望台(1308.6m)だった。(9:30)
 残念ながら、富士山の頭は、手前の雲のため、半分しか見えていなかった。(写真下)
 う〜ん、非常に残念である。この雄大な風景を父に見せるのが、今回の目的の一つだったからだ。
 しかし、父は、富士の裾野の見て痛く感動。(富士山の頭の南側だけ雲が湧いていたので、裾野は、愛鷹山の方まで雄大な姿を呈していた)
 ここは、本当に「雄大な富士」という言葉がピッタリの場所である。富士山を思いっきり近くで眺めたいという要求に見事に応えてくれる。
 9:35出発。その際、ちょっと奥に三角点の標石らしきものを見た。
[1308.6m地点にて富士山を眺める]

 来た道を戻り、再び丁字路の道標の前を通り、今度は、直進していく。
 道は、殆ど一直線。畑尾山の登りに取り付く。
[畑尾山を目指す]

 9:52、畑尾山頂上と思われる所に到着。ここにも鳥獣保護区の赤い立札が立っていた。(写真下)
 ここで、木々の間から富士山が見えた。驚いたことにあの南側の雲が見事、消えている。ありゃ〜、もう少し粘っていれば、1308.6m地点で、最高の富士山が眺められたかもしれなかった。
 ちょっと後悔。
[畑尾山頂上]

 畑尾山からは、下りとなる。この下りは、それなりに傾斜があった。
[アザミ平へ向かう]

 下り切った所が、アザミ平で、9:59到着。ここで、籠坂峠からの最短ルートと合流する。
 特に休憩もせず、歩き続ける。
[アザミ平に出た]

 この辺り、前回の10月には、ヤマトリカブト、リュウノウギクなどが、咲いていたが、今回は、何もなし。
[アザミ平を歩く]

 アザミ平を過ぎて、登りにかかる頃、振り向くと富士山の姿が。
 富士山の頭が見えたことから、父より、富士山を背景に撮ってくれと依頼される。聞けば、今度の年賀状の写真にしたいと言う。
 というわけで、デジカメで撮り続ける。撮っては、チェックの繰り返し。
[富士山が姿を見せる(振り返って撮影)]

 緩い登りを歩く。周辺は、ブナが多く、自然林の中を歩くようになる、
 葉の落ちたブナを見上げると、とてつもなく大きなハチの巣のような物体を発見。スズメバチの巣だろうか。幹と反対側の部分に大きな穴が開いていた。
 ちなみにハチ自体は、全く見なかった。
[スズメバチの巣?]

 つい1ヶ月前に緑の葉をつけていた木々が、今では、完全に葉を落としていた。
 ブナのクネクネした不規則な枝振りを眺めていると、ブナにとって、この方が本当に風雪に耐えられる姿なのだろうかと思ってしまう。
[ブナが目立つ]

 10:40、大洞山頂上に到着。
 2人組のパーティが休憩中だった。山頂といっても、ここもピークらしくなく、殆ど真っ平。
 写真を撮るだけで出発する。
[大洞山頂上]

 大洞山のピークを過ぎ、樹林帯の中を歩いていく。
 1ヶ月前の緑の林も良かったが、冬木立の林も、やはりいい。
[樹林帯を行く]

 11:00、樹林帯を緩く登っているところで、父が突如、大休止宣言。
 何で?と思ったら、父曰く、今日の朝飯は、5時に食べた。6時間経っているので、昼飯としたいとのこと。
 山頂あたりで、昼食を予定していたのだが、こっちも早く荷が軽くなるので異論なし。
 ということで、樹林の一角で、ランチタイムとなった。

 父に500mlの缶ビールを渡し、ビールとチューハイで乾杯。それと同時におでんを温める。日が射してポカポカする林の中での酒&おでん&父との会話。・・・ 至福のひと時。
 おでんの具が一通りなくなった後、追加でガンモを買ってきたことを思い出した。ということで、ガンモを投入。さらに父が焼酎を取り出す。ガンモを口にしながら、焼酎を飲む。その後、クロワッサンや、バナナなどを食べ、満腹となった。

 おでんを食べ終わり、後片付けしていると、籠坂峠の方から、中高年の団体さんがやってきた。聞けば、40人以上の団体で、鉄砲木ノ頭経由、パノラマ台まで歩くという。そこで、バスが待っているとの事。その団体さんの一人から、「もう顔、真っ赤だよ」と冷やかされる。そりゃ、アルコールが入れば、顔も赤くなるというもの。
 団体さんが過ぎてから出発。ランチタイムで約1時間、過ごした。
[ランチ用のおでん] [ガンモを追加]

 ヅナサカ峠に12:21着。
 ここで、山中湖側に立っている一本の木を撮影する。ここの一本木が好きで、昔から通る度に撮影していた。20分ほど、撮影に費やした。
[づな峠(ヅナサカ峠)にて]

 12:53、三国山頂上到着。
 1組の中高年ご夫婦が休んでいただけだった。ほんの2分程度の休憩で、山頂を後にする。
[三国山頂上]

 三国峠に下っていく。落ち葉が多かったのが印象的。
 父の方は、今回の山行が殆ど登りらしい登りがないせいか、ピッチが早い。デジカメで撮影していると、すぐに二人の間の距離が遠のく。
 三国峠に近づいてくるとササが現れた。(写真下)
[三国峠に下る]

 13:06、三国峠に出た。
 父は、休むこともなく、車道を横断し、すぐさま鉄砲木ノ頭の登り道に取り付く。
[三国峠に出た]

 鉄砲木ノ頭の登りで、左手の斜面を登ってみると、幅の広い道に出た。この時、富士山は、雲から離れた姿を見せていた。
 これは、いいアングルだということで、再び、父の年賀状用撮影を行なう。ここでもデジカメで撮っては、表示してチェックという繰り返し。
[鉄砲木ノ頭の登りにて]

 13:35、鉄砲木ノ頭頂上に到着。先ほどの団体さんが休憩していたので、山頂は、すごい人数。しかしながら、団体さんは、ちょうど出発するタイミングだった。
 そんな訳で、5分も経つと人がどんどん減っていき、いつの間にか山頂は、父と二人だけになった。
[鉄砲木ノ頭頂上にて]

 北東方面を眺めると、遠く三角状の山が目につく。調べると大室山だった。(写真下)
 この山は、道志の平丸やこの鉄砲木ノ頭から見ると三角状だが、西丹沢自然教室辺りから見ると台形状である。見る方向から姿が全く変わってしまう、丹沢では珍しい山だ。

 また、富士山の北側をよく見れば、南アルプスが、甲斐駒から赤石岳まで、はっきりと眺められた。間ノ岳、悪沢岳には、雪がついているのが分かった。
 父が、自分のデジカメで南アルプスを撮影し始める。そんな姿を見ていたら、北岳&間ノ岳、赤石岳&荒川三山と、以前、父と登った山行を思い出した。
[大室山を遠く望む]

 13:52、団体さんと同じように我々もパノラマ台に向かってカヤトの斜面を下っていく。
 富士山は、もう手前の雲で頭が隠れてしまった。
 山中湖を見下ろしながら下っていくこの辺りは、まさにパノラマ景色が堪能できる。(写真下)
[カヤトの斜面を下っていく]

 14:07、パノラマ台着。
 さっきの団体さんが、大型バスに乗り込んでいるところだった。
 我々は、大型バスが出発する前に車道を歩いて、東電寮入口バス停を目指す。

 14:20、車道から左折し、東電寮バス停に向かう山道に入る。(写真下)
[東電寮入口バス停への山道に入る]

 舗装された車道に再び出る。(写真下)
 この後、R413に出た。東電寮入口バス停に14:32着。
 しかし、タイミングの合うバス時刻がないので、ここから旭日丘まで歩くことにした。

 「昔、山中湖を歩いて一周したことがある」と父。
 聞けば、絵を描くため、道具1式を背負い、山中湖に来たらしいが、描く場所が決まらず、結局、湖畔を一周してしまったとの事。歩くことを苦にしない父らしい行動だ。
 父曰く、その時、たしか一周するのに2時間半ぐらいかかったから、ここから旭日丘まで30分ぐらいだろうと勝手に推測していた。
[車道に出た後、バス路線道路に向かう]

 15:06、旭日丘バス停に到着。東電寮バス停から、まさに30分ちょっとだった。

 今回、父の健脚ぶりを確認できた。特に最後の湖畔道路を歩く時でもペースは、落ちなかった。
 こうして、今回の山行も無事終了。

 バスを待つ間、昭和40年代前半の頃、家族で山中湖のバンガローで泊まった記憶がある(実際は、その当時の写真があったので覚えているのだが)が、その場所を父に尋ねると、それは、旭日丘から籠坂峠にちょっと登ったあのあたりと指す。(今は、別荘地になっていた)
 40年前!の記憶が、父にまだはっきりと場所を特定できるくらい、残っていたことに驚く。
 [旭日丘バス停にて]


 久々の親子山行でした。紅葉は、既に終了していましたが、天気予報通りの穏やかな日和の中、富士山の姿を眺めたり、ランチタイムなど、楽しめた山行となりました。 

※今回も帰りの途中、父との反省会となりました。でも生ビールジョッキ2杯/1人に、追加として紹興酒1本を二人で空ける程度の酒量でした。なお、その時、父からは、山には忘年山行という言葉があると教えられ、来月の山行の約束をさせられしました。



※山行時間には、撮影時間を含んでおりますので、ご注意下さい。