トップページ山行リスト(日付)>大棚・高指山_記録20060729


大棚・高指山

 山行日
2006年7月29日(土)  晴後曇        単独行
 コース
明神峠(8:51)〜(9:09)壱之沢橋〜(9:42)四の沢橋〜(11:05)大棚橋〜(11:20)大棚(12:12)〜(13:04)切通沢橋(13:07)〜(13:15)日蔭沢橋〜(14:12)切通峠(14:20)〜(14:55)高指山(15:22)〜(16:12)平野
 7月の山行は、中型カメラを持たずに3回、実施しましたが、やはり、月に1回ぐらいは、カメラを持って歩きたいという反動が生じました。ということで、今回は、被写体を探すことから始め、行き着いた結論は、下記の通りです。
 対象山域は、西丹沢とし、
  ・大棚を撮影すること(大棚を訪れるのは、1997年5月以来、9年ぶりです)
  ・自己未踏の下記2ルートを歩くこと
   (1)水ノ木林道(明神峠〜大棚橋間)
   (2)切通峠から高指山手前の分岐点
 (2)を歩くことで、鐘撞山から三国山までの甲相国境尾根ルートを歩き通したことになります。
 これだけでは、山に登っていないことになるので、
  ・高指山に登る(高指山は、1992年5月以来、何と14年ぶりです)
というのも取り入れました。


 今日は、いい天気になりそうだ。朝、起きた時、そう思った。
 自宅を出て、100mぐらい歩いた時、帽子を忘れたことに気がつく。さすがに今日は、帽子なしでは済まされないと思い、引き返す。
 
 7:57、御殿場に到着。バス停に急ぐと、登山者が目立つ。「そうか、皆、富士登山だ」と気がつくまで、少し時間がかかった。今日は、明神峠に向かうバスに乗車。発車は、8:05。すでに発車1分前だというのに自分以外に乗客が見当たらない。結局、乗客一人でバスは、出発。
 途中で、一人のおばさんが乗車。これで、乗客は、2人となったが、このおばさんも明神峠入口で降りてしまった。
 何気なく車窓を眺めていたら、明神峠入口周辺の車道も、バス停も新しくなっていたことに気がついた。
 
 ヤスドウ尾根をバスは、登っていく。左手に三国山が見えた。その西側には、富士山が見えるはずだが、今日は、残念ながら雲に覆われて姿を見せなかった。
 バスは、一度、明神峠を通り過ぎ、Uターンして明神峠に到着。(8:43)(写真下)
 水ノ木林道ゲート前に自家用車が2台、駐車していた。
 記念撮影した後、いざ出発。これから自己未踏の水ノ木林道を歩くことで、気分は、ワクワク状態。
 下り道を進んでいくと、正面に送電鉄塔が見えた。(8:56) 林道は、その鉄塔手前で左カーブしていたが、ここは、寄り道をする。
 鉄塔下近くまで寄って、鉄塔名を確認。「西群馬幹線No.268」だった。最近は、鉄塔に出合うと、自然とその銘板を探してしまう。
[明神峠にて]

 9:08、沢の音が聞こえてきた。
 9:09、古い橋に出会う。橋の欄干部分に「壱之沢橋」と書かれてあった。
 まず、1本めの沢を渡る。
 渡った後、右手に一ノ沢を見ながら歩いていく。(写真下)

 9:20、ニノ沢を渡る。一の沢の時と同様、渡った後、右手に沢を見ながら歩く。
 9:31、三ノ沢を渡る。欄干がなく、橋の上も土だらけなので、沢の音が無ければ、橋だと気がつかないようなところだ。
[水ノ木林道を歩く(壱之沢橋を過ぎたあたり)]

 9:42、四の沢橋に到着。橋上の土は、ドロドロ状態だった。
 この先も沢沿いに歩いていくが、だいぶ沢との高度差が出てきた。林道は、かなり沢の上部に位置している。
 また、遠景は、手前の木々が邪魔をして、殆ど見えない状態が続く。
[四の沢橋にて]

 9:59、木立の間から久々に遠景が見えた。丸尾山の稜線のようだ。(写真下)
[日向沢橋手前にて]

 10:01、日向沢橋に到着。今回は、遠景が撮影できないせいか、橋の写真ばかり撮っている。
 上空を見上げると、いつの間にか雨雲のような雲が覆っている。雲行きが怪しくなってきた。
 薄暗くなってきたせいか、ヒグラシが鳴いている。
[日向沢橋にて]

 この水ノ木林道というのは、大棚橋まで、下り一辺倒だと思っていたが、然に非ず。日向沢橋を渡った後、林道は、緩い登り道となった。
 また、今日は、どういうわけか、林道上で羽をバタバタさせているセミを何度も見かける。寿命が尽きる前兆なのだろうか。
[緩い登り道となる]

 10:22、丸尾沢と土沢の間の尾根を越える地点に着いた。(写真下左) 登りとなっていた林道もここから、再び下りになるようだ。
 この尾根沿いに歩けないものか、東側に少し歩いてみる。するとシカ除けネットによって、先には進めないようになっていた。
 また、ここで咲いているヤマユリを見つけた。(写真下右)
[尾根を越える箇所に到着] [ヤマユリ]

 10:30、尾根を越える地点を出発。
 すぐさま、視界の広がる箇所があった。思わず、デジカメを取り出す。(写真下)
 右側が大栂、左側が 菰釣山だ。ここから見ると、その2つのピークの間の鞍部は、かなり低いように見えた。
 ここからは、案の定、下り道となり、歩くテンポも速くなる。
[菰釣山方面を眺める(中央: 菰釣山、右:大栂)]

 10:39、丸尾橋に到着。
 このあたり、ヒグラシの大合唱。(でもミンミンゼミと違って、個人的には苦にならず)
 (またしても橋の写真!)
[丸尾橋にて]

 10:59、右手に植林を見ながら歩く。このあたりは、緩い下りが続く。道の窪みが多いせいか、水溜りが多い。水溜り周辺には、ドロドロの部分が多いのだが、人の歩いた形跡は、全く見られない。
 もうそろそろ、大棚橋に着くかなと思い始めた。
[水溜りのある道]

 11:05、見覚えのある大棚橋に到着。ようやく、大棚沢にたどりついたかとホッと一息。
 ここで、カメラを持った一人の男性登山者に出会った。
 橋を渡り、丁字路に出たところを右折し、大棚に向かう。
大棚橋にて]

 11:13、林道の傍らに立っている大棚の標柱に出会う。
 「棚=滝」の意味からすると、地図上で表記されているように単に「大棚」というのが、正式名称ではないかと思うのだが、それでは、「棚=滝」の意味を知らない人には、不親切ということか。
 ここでは、「大棚の滝」とわざわざ、滝を強調している。
[大棚へ下る分岐点にて]

 11:20、沢に下り、大棚に出会う。
 9年ぶりの訪問だ。相変わらず、水量は、多いし、音も大きい。足元の斜面は、水飛沫のせいで、完全に濡れっぱなしである。
 ここで、カメラと三脚を取り出し、撮影開始。しかし、足場が限られているので、別のアングルから撮るのが難しい。ああでもない、こうでもないと思いながら、歩き回る。撮影が一段落した時、時刻は、12:00を回っていた。
 カメラをザックにしまって、いざ出発。(12:10)
[大棚]

 林道に上がって、再び、来た道を戻る。いつもは、浅瀬方面に歩くのだが、今日は、反対方向の切通峠に向かう。
 西側の空を眺め、「こりゃ雨雲だ」と思った矢先、雨が降り始めた。それも本降りである。新しく購入したオレンジ色の雨具を取り出そうかと思ったが、この先、林道歩きだし、風もないので、ザックカバーと傘を取り出す。
 この間の二ノ塔の山行後、新しい雨具を購入したのだが、いざとなると使用を惜しむ自分の性格に苦笑い。
 また、ザックカバーもおニューだったが、今回、標準の三脚をザックの外側に担いできたので、カバーしきれず。この三脚だったら、前回同様、大きいザックカバーでよかったのだと思ったが、後の祭り。
[雨の中の林道歩き]

 林道を傘を差しながら歩く。はるか遠くに送電線の鉄塔が見えた。あの送電線を越えなくてはならないと思うと、ちょっと足取りが重くなる。
[はるか遠くに鉄塔が見えた]

 13:04、切通沢橋に到着。橋の手前にあった道標は、草に隠れていた。(写真下)
 雨が幾分弱まる。
 雨の中、座ることができないため、立ったまま、少し休憩。常に持ち歩いている山行用のメモ帳は、水に濡れ、裏表紙がボロボロになってしまった。
[切通沢橋での道標]

 13:15、日蔭沢橋通過。再び、雨が本降りとなる。
 13:22、「あれっ、林道が終わっている」と思ったら、右側斜面のガケ崩れで林道が塞がれているのだった。倒れた木の間を通り抜け、緩い登り道を進む。

 13:28、だいぶ山深くなったと思ったら、林道が舗装路に変わった。しかし、その舗装路上には、岩がゴロゴロしている。こんな状況なので、今すぐ右手の斜面が崩れてもおかしくない。足早に通り過ぎる。
[ガケ崩れで林道が遮断されていた]

 林道が右にカーブしていくところで、分岐し、直進する山道があった。(13:40)
 道標があり、山道方向に[切通峠:1.0km]と表記されていた。(写真下) あと1kmで峠だと思うと、気合が入る。ここで、ペットボトル2本目を開けて、水分補給。
 13:46、出発する。

 13:49、道標あり。[切通峠:0.8km、浅瀬入口バス停:15.3km]
 ここで、左側の沢を渡り、細い山道となる。
 このとき、残り800mなら、すぐ着くだろうと思った。
[林道との分岐点]

 しかし、その800mが長かった。急斜面の登りが続いた後、トラバースしていくような山道を歩いていく。いくらなんでも、もう800mは、歩いただろうと、一人でブツブツ言いながら歩く。

 14:05、そのトラバース道の途中で、一人の中年男性登山者とすれ違う。この時刻だと、浅瀬には、17時ぐらいになるかな?と思いながら、後姿を見送った。
[自然林の中、山道を登っていく]

 14:12、切通峠にようやく到着。
 いや〜長かった。ここでも立ったまま小休憩。
 周囲は、一面、幻想的な霧の世界。雨は止んでいた。
 14:20、高指山に向かって出発。ここから、今回の目的の一つである自己未踏ルートを歩く。
[霧が立ち込める切通峠]

 緩い登りをたどっていくとピークに着いた。地図上の1086m地点のようだ。ここでも一面、霧の世界。自然林と霧がマッチし、印象的な光景だった。
 この後、緩い下りとなる。
 14:32、道標あり。直進の他に左に曲がる道があった。左は、平野へ通じる道だ。
 ここは、直進していく。
[霧の中を歩く]

 左手がカヤトっぽくなっていた。(霧のためはっきりしない)
 14:39、二つ目の平野への分岐点に到着。(写真下)
 ここには、ベンチがあったので、ちょっと腰を下ろして休憩。よく考えると、バスを降りて、初めて腰を下ろしたことになる。
 14:32、出発する。この先は、歩いた記憶がある。これで、今回の目的3つは、達成した。
 後は、高指山登頂だけだ。
 しかしながら、登りが急になり、息が切れる。
[ベンチのある分岐点]

 息を切らしながら、最後は、倒れるようにして山頂に到着。(14:55)
 これで最後の目的も達成した。
 高指山は、14年ぶりの訪問だった。
 前回のときは、天気が良く、ここから富士山を眺めたことを覚えている。今日は、残念ながら霧が視界を遮っている。
 ビニールシートを敷いて、腰を下ろし、遅めの食事をとるが、あまり食欲がない。スライスチーズばかり食べていた。
[高指山頂上にて]

 到着した時は、何も見えなかったのだが、そのうち、うっすらと山中湖が見えてきた。(写真下)
 写真下では、写っていないが、一瞬、富士山の頭の一部が見えた。「あんなに高いところが富士山の頭か」と予想以上の高さに驚く。
[うっすらと山中湖が一瞬、見えた]

 隣の鉄砲木ノ頭と同様に富士山に向かって下っていく道が、この高指山にもあった。晴れていれば、気持ちのいいパノラマ風景が見れるだろう。
 15:22、このルートを歩く。
 下っている途中、足の裏が痛くなったため、そればかり気になった。
[山中湖に向かって下っていく]

 別荘地の中を通り過ぎ、車道に出た。このあたり、分岐点には、道標があるので、迷うことはない。道標にしたがって、平野に向かう。
 今は、夏休みなので、周囲は、テニス、ハンドボール、少年サッカーと様々な球技が行なわれていた。
[テニスコートの横を歩く]

 16:12、平野に到着。
 切通峠からは、雨も止んでいたため、歩きやすかったが、やはり、富士山を見ながら歩けなかったのは、残念だった。(前述のようにホンの一瞬、高指山で富士山の頭の一部を見ただけだった)
 [平野バス停に到着]


 こうして、今回も無事目的を達成した山行ができました。9年ぶりの大棚でしたが、全く変化がなかったという印象です。いつまでもこのままでいて欲しいと思っています。



※山行時間には、撮影時間を含んでおりますので、ご注意下さい。