トップページ山行リスト(日付)>鍋割山・塔ノ岳_記録20061103


鍋割山・塔ノ岳

 山行日
2006年11月3日(金)・4日(土)  晴・曇  同行者:父
 コース
大倉(9:14)〜(10:25)二俣〜(10:49)ミズヒ沢(10:58)〜(11:11)ミズヒ大滝(11:33)〜(11:45)ミズヒ沢(11:50)〜(12:14)後沢乗越(12:36)〜(14:20)鍋割山(泊)
鍋割山(7:15)〜(7:42)小丸〜(8:30)大丸〜(9:02)塔ノ岳(9:48)〜(10:05)花立〜(10:56)堀山の家〜(11:13)駒止茶屋〜(12:14)大倉
 先月、父(といっても78歳のジイサンです)が一人で鍋割山界隈を歩いた後、連絡が入り、「今度は、是非、鍋割山荘に泊まってみたい。」というような話が出ました。振り返ってみれば、鍋割山荘は、私もまだ一度も宿泊したことがありません。ということで、今度の3連休に泊まってみようと、早速、小屋に予約の電話を入れました。
 山小屋では、豪華な夕食にビックリし、山荘主人の草野さんご夫妻を始めとして、いろいろな方々とも話しができ、終始和やかな雰囲気の中、酒を楽しむことができました。(よく飲みました)
 詳細は、以下をご覧下さい。


<第1日> 
 一泊山行だが、コース自体は、日帰りコース。それゆえ、初日の朝は、そんなに早くなくていいのだが、父のリクエストにより、通常よりほんの1時間ぐらい遅い程度で、出発する。
 上空は、薄っすらと雲がかかっている程度の青空。今日は、いい天気になりそうだ。

 8:30、渋沢着。
 早速、大倉行きのバス停に向かう。階段を下りて、ビックリ。既に長蛇の列。50人ぐらいの列が出来ており、その後ろには、小学生がこれまた50人ぐらい並んでいた。(写真下)
 しかしながら、小学生の団体は、引率のお兄さんから、「次のバスで行きますので、前に並んで下さい」とありがたい言葉。
 発車5分前ぐらいにバスが到着。車内は、小学生が乗らなかったものの、満員状態。こんな時間帯でも満員になることを初めて知る。
 8:46、バスは定時に出発。
[渋沢駅大倉行きバス停]

 9:02、大倉に到着。
 バスから降りると、皆、殆どすぐさま出発していく。5分もすると、あっという間に人が居なくなった。
 我々は、急ぐ必要もないので、トイレに行ったり、上着を脱いだり、ゆっくりと準備を行なう。
 さあ、出発しようとザックを背負った時に次のバスが到着し、小学生が降りてきた。バス停前が再び賑やかになる前に立ち去る。(9:14) 
[大倉バス停は、登山者で賑わう]

 大倉バス停前の車道を渡って、西山林道に向かう。思えば、鍋割山方面に行く際、この大倉から歩くのは、久々である。最近は、表丹沢県民の森のゲートまでタクシーで行ってしまうパターンばかりだった。

 9:31、西山林道に出る。日が差してきて、暑くも寒くも無い、心地のいい山歩きとなる。(写真下)
[西山林道を歩く]

 10:49、ミズヒ沢にぶつかる。ここで、小休止。父は、腹が減ったとアンパンをザックから取り出して食べ始めた。
 その後、まだ時間があるので、寄り道してミズヒ大滝を見に行くことにした。(10:58)
 ミズヒ沢の左岸を登っていく。緩やかなルートなので、それほど疲れる歩きではない。10分ちょっと歩いて、「もうそろそろだ」と思ったら、正面に滝らしき水音が聞こえてきた。
[ミズヒ沢にて休憩]

 11:11、ミズヒ大滝が、正面に見えた。私にとっては、久々の訪問だが、父にとっては、約1ヶ月ぶりの訪問。父は、先月もこの滝を見に来ているのだった。
 紅葉した樹林が滝の左右にポツンポツンと見える。まだ紅葉には、早いようだ。
 デジカメを取り出し、何枚も滝を撮影する。
 以前、中型カメラで撮影したときは、手前の小滝も入れた大滝のアングルが得られたのだが、デジカメだとどうしても入らない。小滝から離れようとすると、後ろは、別の小滝(段差)がある。どうやって撮影したのだろうと、ああでもない、こうでもないとウロウロしてしまった。
 だが、冷静に立止まって考えたら、デジカメが35mmまでの広角だったことにようやく気がついた。中型カメラは、28mmの広角レンズ(35mmカメラ相当)だったのだ。
[ミズヒ大滝:手前の小滝の上から撮影]

 先月、この沢の淵にデジカメを落とした父。あのあたりにポチャンと落ちたと指を指す。(写真下)
 しかし、その後、電池を取り出し、カメラ内部の水を落とそうと、手にぶら下げながら歩いたとのこと。すると、次の日、なんと復活したそうな。ということで、父は、水中に落としたデジカメを本日、持参していた。
 ちなみに父は、誤って携帯電話を洗濯機の中に入れてしまい、携帯を衣服と一緒に洗ってしまった経験があるのだが、その携帯も見事復活した。(決して防水仕様といった携帯ではないのだが)
 いったい、どんなデジカメ、ケータイを持っているのだろうかと、驚きは、隠せない。 
[沢の淵を指す父]

 再び、ミズヒ沢の山道に戻ってくる。(11:45)
 鍋割山荘用にペットボトル2Lの水をザックに入れる。
[[再びミズヒ沢の山道に戻り、置いてあるペットボトルを選ぶ]

 ミズヒ沢を渡り、小沢の左岸を少し登り、左岸の斜面を登っていく。すると、そこは、スギ植林帯。この植林帯の中は、緩い登りである。(写真下)
 植林帯といえども、ちょっと気に入っている場所である。

 スギ植林を終えると、涸沢を渡り、急斜面をジグザグに登っていく。左手には後沢乗越沢の源頭部が眺められた。
[スギ植林帯を登る]

 12:14、後沢乗越に到着。
 西側の崖下をよく見ると、自分の足元は、えぐれているような感じだ。西側の方へ後沢乗越の部分が、崩れ落ちてしまうのも時間の問題のようだ。(ここに来るたびに当HPで指摘している件)
 そういった意味で、危険場所を示すロープの張っている場所が気になる。もうちょっと東寄りにロープを張ってもいいのではないかと思った。
 ここでも時間調整。まったりと休憩。出発は、12:36。
[後沢乗越にて小休止]

 後沢乗越の登り始めは、急登。
 歩き始めて5分後、上からヘルメットをぶら下げた若い男性パーティとすれ違う。どこの沢を遡行されたのか、一人に尋ねてみると、「ミズヒ沢」とのこと。先ほど、滝見物した、あの沢だ。
 「それは、珍しいですね。」
と返答する。てっきり、勘七沢あたりかと思ったからだ。
 「これから、後沢を下っていく予定です。」
 「お気をつけて。」
と会話を交わす。ミズヒ沢から後沢とは、なかなかバラエティに富んだルート選びだ。

※後日、どこかの大学ワンゲル部でないかと、ネットで「ミズヒ沢」を検索したら、見事ヒット。
 彼らは、東京大学ワンダーフォーゲル部のメンバーだった。ワンゲル部HPを読むと時刻とコースが一致する。間違いないだろう。
[鍋割山を目指す(その1)]

 木の幹に1000mの赤ペンキ。標高1000mに達したようだ。(13:08)
 その後、ややフラットになる箇所で、またも小休止。(13:16)
 西側の檜岳山稜が薄っすらと見えた。ここでも時間調整を兼ねて、ゆっくり休憩。出発は、13:35。

 14:00、4回目ぐらいのフラットな場所に出た。(写真下)
 14:10、後沢乗越で先に行かれた中年ご夫婦が、山頂から戻って来られ、すれ違う。「山頂は、まだ人が多いですよ」とのこと。
 多くの下山者とすれ違いながら、山頂を目指す。
[鍋割山を目指す(その2)]

 「あれっ、もう山頂?」
 そんな感じで、山頂に着いてしまった。もう一つ先にピークがあるかと思っていたので、何となく得した気分だった。(14:20)
 周囲は、ガスで何も見えない。山頂には、5、6人程度のパーティが休憩しているだけだった。時間が時間だけに皆、出発してしまったようだ。実に静寂な山頂だった。

 まだ時間的には、早かったが、小屋に入って、ミズヒ沢から担ぎ上げたペットボトルを取り出す。(小屋のスタッフの方から、お礼の言葉をもらう)
 その後、チェックインする。
[鍋割山に到着]

 小屋の中には、10人以上の登山者が、休憩中だった。
 山荘主人の草野さんご夫妻が名物「鍋焼きうどん」を作りながら、宿泊の手続きや飲み物のオーダー受付等、マルチに処理されていた。(我々は、缶ビールを注文する)
 早速、小屋の中で乾杯。
 やはり山頂に着いた時のビールは、うまい。
 その後、2階の寝室に上がり、布団の上で、しばし横になる。
[小屋の中で乾杯]

 17:30、夕食スタート。30人ぐらいの宿泊者が一同に集まっての食事だ。メニューは、オデン、野菜の天ぷら、鰻の蒲焼、それに枝豆、キウイなどのフルーツと盛りだくさん。(写真下左)
 再び、缶ビールを購入。2度目の乾杯。

 ここで、草野さんご夫妻や、丹沢ブナ党の方々、山歩きに目覚めてしまったご夫妻、単独行で登ってこられた若い男性といった人々と、談話しながら、食事を楽しむ。(我々は、最初から酒だったが)
 草野さんからは、今年の蛭の猛威について話を聞かせていただく。今年、草野さんが焼殺した蛭は、ミズヒ沢あたりで累計8000匹。気をつけないといけないのは、林道に駐車した自家用車に蛭が付着するということ。これも蛭を拡散させた要因の一つではないかと。(草野さん談) 蛭の移動手段は、決してシカなどの動物だけでは、ないのだ。

 気がつくと、500mlの日本酒がなくなり、続いて900mlの日本酒を追加注文。
 こうして、夜は深まっていく。
[夕食:ボカシで一部紹介] [月が照らす鍋割山荘]

<第2日>
 5:40、目覚めて、外に出てみる。あたり一面、ガスに覆われ、昨日よりもガスが濃い。
 「こりゃ、今日も遠景は、ダメだな〜」と、ちょっとガッカリ。

 6:10、朝食。おかずは、鮭の塩焼き、豆腐、卵焼き、焼海苔、漬物等。熱い味噌汁が体内に残った酒を追い出してくれるようだ。また、デザートとして、ミカン、バナナ、リンゴ、ブドウ等、朝からこんなに多くのフルーツが食べられるのは、有難い。

 7:15、草野さんご夫婦を始めとして、昨晩、お世話になった人々に挨拶をして出発。
[朝もガスに覆われ、視界不良の状態だった]

 天候は、あまり良くないが、予定通り、塔ノ岳に向かう。
 山荘を出発して、すぐさま、木立にガスが立ち込める幽玄な雰囲気に包まれる。
 父に言わせると
 「”羽化登仙”の余韻に浸りながら歩く」
とのこと。急に四字熟語が出てきて、何?と思ったが、要は、「昨夜の酒がまだ抜けない山歩き」。
[鍋割山稜を歩き始める]

 どこまで歩いても、このガスの立ち込める状況は、変わらない。小丸のピーク(二俣への分岐点ではなく、真のピーク点)には、7:42着。(写真下)
 このあたりで、ブナの木も目立つことから、中型カメラをザックから出そうと考え始めた。

 小丸のピークを少し下ったところで、カメラを取り出す。
 小型三脚を立てて、ブナを撮影。(7:50〜8:14)
[小丸のピークにて]

 8:17、二俣分岐を過ぎて、5、6分歩くと、変形ブナに再会。(写真下)
 今年の正月に出会って以来だ。今回は、カメラを取り出さず、デジカメのみの撮影で通過。

 8:30、大丸を通過。
 8:39、金冷シを通過。金冷シを過ぎた途端に登山者と数多くすれ違う。
[変形ブナと再会]

 金冷シの先で、前回は、立派な角をもった雄ジカを見たなと思い出していたら、今回は、子ジカ2頭と立て続けに遭遇。(写真下)
 その後、すぐ立派な角を持った雄ジカにも出会う。前回、出会ったシカに違いない。
[ ミズヒ沢で先月、水没したデジカメで子ジカを撮影する父]

 9:02、ガスの中、塔ノ岳山頂に到着。
 今日は、本当にガスが濃い。山頂の標識前に立っても、尊仏山荘が見えないほど。
 ここまで来たので、山小屋に立ち寄る。
[塔ノ岳頂上は、濃いガスの中]

 小屋に入って、受付をされていた花立さんに挨拶。
 コーヒーを注文する。
 小屋の中は、この時間帯の割には、混んでいた。この時間帯であれば、宿泊者の人たちは、出発し、一番バスで登って来る人たちは、まだ到着しない時間帯だと思ったのだが....自分たちと同じように周辺の山小屋宿泊者が訪れているのかもしれなかった。
 尊仏日記の頁をめくる。
 塔ノ岳世界チャンピオンのHさんが2000回登頂を達成されていた。すごい記録だ。
[コーヒーを注文し、尊仏日記に目を通す]

 9:48、相変わらずのガスの中、塔ノ岳を出発。大倉尾根を下ることにする。

 10:05、花立通過。(写真下)
 ここもまだ、ガスが濃い。しかしまあ、塔ノ岳に登って来る人の多いこと。次から次へとすれ違う。
[花立も濃いガスの中]

 10:13、花立山荘。暑くなってきたのでウィンドブレーカを脱ぐ。
 10:27、いつもの所。(写真下) ここで、ちょっと小休止。
 ここまですごい登山者ラッシュだった。ざっと300人ぐらいの登山者とすれ違ったのではないかと思う。(恐るべし3連休)
 10:56、堀山の家通過。
 11:13、駒止茶屋通過。
 下りでは、休憩しないという父本来のペースで歩いていく。
[いつもの所にてザックを下ろす]

 ようやく、ガスが消えて、周囲の景色が見えてきた。というか、よく見ると、標高が下がったためにガスの下に出てきたということだった。
 11:37、新築の見晴茶屋を通過。
 11:41、雑事場のベンチも通過。
[雑事場ベンチ手前において]

 12:14、大倉バス停に到着。
 結局、下りは、いつもの所で5分程度、小休止しただけだった。
 また、途中、全く水分補給しなかった。(下山開始時には、意識していなかったが、見晴小屋あたりから、下山後のビールを美味しく飲むために意識し始めた)
 トイレ手前の水場で、顔を洗ったり、靴のドロを落とし(水場には、このためにタワシが設置されている)、いざビールのもとへ。
[大倉に到着]

 向かった先は、バス停前の手打ち蕎麦屋「さか間」。
 ここで、生ビールで乾杯。(写真下)
 昨晩、あれだけ飲んだにもかかわらず、目の前のビールが美味い。
 かき揚げせいろ蕎麦も注文。この「かき揚げ」が好物なのだ。こんなにサクサクしたかき揚げは、珍しい。ボリュームも満点。
 最後は、蕎麦で、仕上げる。これが、最近、大倉に下山した時の定型パターンになりつつある。
 ほろ酔い気分で、バスに乗車し、帰路についた。
 [生ビールで乾杯]


【後記】
 今回も無事、父と一緒に歩くことが出来ました。今後も出来るだけ、父の山行には付き合っていこうと考えております。



※山行時間には、撮影時間を含んでおりますので、ご注意下さい。