トップページ山行リスト(日付)>鳥ノ胸山・畦ヶ丸_記録20061125


鳥ノ胸山・畦ヶ丸

 山行日
2006年11月25日(土)    晴        単独行
 コース
唐沢(8:21)〜(9:05)秋葉山(9:10)〜(10:18)鳥ノ胸山(10:28)〜(10:58)雑木ノ頭(11:01)〜(11:37)浦安峠(12:14)〜(12:59)大界木山(13:02)〜(13:37)モロクボ沢ノ頭(13:43)〜(14:13)畦ヶ丸(14:15)〜(14:52)大滝峠上〜(15:27)一軒屋避難小屋(15:51)〜(16:53)大滝橋
 今回は、三ヶ木からの月夜野行きのバスに乗った後、さらにバスを乗り継ぎ、道志中央部まで行ってきました。目的は、鳥ノ胸山への登頂です。この山は、奥深いため、なかなか行ける機会がなかったのですが、この度、ようやく訪れることが出来ました。
 詳細は、以下をご覧下さい。


 今回も橋本駅北口6:20の三ヶ木行きバスに乗るため、3時半に起床。4時前に自宅を出発。JR駅まで歩く。横浜線でウトウトしながら(本当に眠ったら乗り過ごす可能性大なため、非常に中途半端な状態)、橋本に到着。(6:00)
 外は、まだ寒い。このため、駅の改札口付近で新聞を買ったりして時間を潰す。6:15になって、バスターミナルに向かう。バスに乗ったら、ビックリ。意外にも、座ることが出来ない程、乗客が多かった。登山者が7割ぐらい占めている。
 座れないのであれば、出口に近い所ということで、運転士近くに立つ。
 定刻通り、6:20にバスは、発車。
[橋本駅北口にて]

 途中、渋滞も無く、三ヶ木に6:50過ぎに無事到着。渋滞に引っかかると、次のバスに乗れなくなる可能性があるので、いつもヒヤヒヤしてしまう。
 すぐに月夜野行きのバスに乗車。このバスも満員である。だが、東野で殆どの登山者が下車。東野を過ぎると、7,8人の小学生グループと、数人の登山者となった。
[三ヶ木にて月夜野行に乗り換える] [月夜野にて]

 終点月夜野で下車。「久々の月夜野だな〜」と思って、道志の山々を眺めると、これが、紅葉の真っ最中。吐く息が白く、まだ朝の冷込みが厳しい中、デジカメを取り出し、朝日に照らされた紅葉を撮影する。
 長又行きのバスが、やってきた。乗客は、月夜野行きから乗り継いだ登山者4人。(自分を含む)
 7:50、月夜野を出発する。
 せっかく、バスが運行しているのに、この人数では、申し訳ない気分だ。
[月夜野から長又行きのバスに乗る]

 まだ道志エリアで、バスの便数が多かった頃、丹沢からの下山後、道志方面から月夜野に向かって乗車したことがある。この時、月夜野に近づくあたりで、袖平山あたりの山腹の紅葉が夕日に反射し、鮮やかな橙色系の光景に感動したことを思い出す。
 今回は、どうかなと、興味津々に左側の車窓に視点が向く。
 朝日が当たっている大きな山が見えた。いったい、どのあたりだろうと注意深く見ると、特徴ある小笄を見つけた。どうやら、大笄や熊笹ノ峰のあたりのようだ。これらの山々に細い雲が、部分的にかかり、その雲にも朝日が当たって、とても印象的なシーンだ。
 これが自家用車だったら、思わず停車して、撮影したくなるような光景だった。非常に惜しい...

 3人目の乗客(登山者)が和出村で下車。この中年女性登山者の方は、丹沢側の山行(加入道山方面)だろうか。それとも、道志の菜畑山だろうか。その前の2名の登山者は、道志山塊側の登山口バス停で下車していた。
 和出村からの乗客は、自分一人となる。

 8:20、唐沢バス停着。デジカメで記念撮影した後、すぐさま、山中湖方面に向かって歩き始める。
[唐沢バス停にて下車]

 日陰の部分は、霜が降りていて、真っ白になっていた。路上の落ち葉が見事なくらい、白くなっている。秋だと思っていたが、すっかり冬の様相だ。
 右手に道坂峠への道を見た後、少し下って、左折し、道志川を渡る。
 このあたりが観光農園なのだろうか。まだ開いていない飲食店の前を通る。道なりに進んでいくと、看板があった。「オートキャンプ場 無断進入禁止」、あれっ、どこで間違えたのだろうと、立ち止まっていると、遠くから男性の声が。
 左側の、ちょっと先の建屋の前で、おじさんが手を振っているので、そちらに向かう。
  「鳥ノ胸山に登るのだろう。山に行く道は、あの店の裏にあるよ」
  「ありがとうございます」
 おじさんは、道志村漁業組合の方らしい。建屋は、漁協会館と書かれてあった。
[キャンプ場無断進入禁止?] [この撮影後、店の裏にまわる]

 飲食店の建屋の裏にまわると、立派な林道に出た。ご丁寧にも案内図まであった。林道を登っていく。
[案内図あり]

 林道の途中で、鳥ノ胸山への標識があり、山道に入っていく。落ち葉が多く、山道を隠すように積もっている。
 小沢を渡って、少し上流に歩いていくと、壊れた道標が落ちていた。
 その先は、急な階段が続いていた。

 階段を登るも、5分で、息が切れる。息を整えるついでに撮影。(写真下)
 恐ろしく急な階段である。途中でウィンドブレーカやシャツを脱ぎ、長袖一枚となる。

 登り始めて15分後、ようやくフラットな尾根に上がる。どうやら、ここを左折した先が秋葉山のようだ。
[急登となる]

 ほんの1分、進んだところで、視界の広がる尾根の先端箇所に出て、ここが秋葉山だと分かった。白い富士山の姿が眺められた。(写真下)

 右手の御正体山が意外に大きく見えたことと、冠雪した富士山の姿が印象的だった。もう少し、ゆっくりと眺めていたかったが、今日のコースは、時間的な余裕があまりない。5分ちょっと、デジカメ撮影しただけで、引き返す。
[秋葉山?からの富士山]

 戻ろうと振り返ると、これから登る鳥ノ胸山が聳り立つ。(写真下左)
 来た道を引き返した後、フラットな尾根を進んでいくと、植林の中に下り用の道標を発見。(写真下右)
[鳥ノ胸山を見上げる] [道標発見]

 目の前に急斜面が現れた。踏跡がはっきりしない。木にテープの印があったりするが、多くはない。
 強引に直登していく。(写真下)
 ピーク手前にあった大岩の右側を通過し、踏み跡もない、急斜面を登っていく。ようやくピークに達する。しかし、ピークと思ったのは、誤りで、単なるフラットな尾根の先端だった。(9:38) 
 右手奥に本当の小ピークが見える。ここは、その小ピークの肩のような場所に見えた。
 この肩には、テープが2箇所、木の幹に付けられてあったが、これだけでは、正直なところ、下りの場合、不安が残る。(まあ、登ってきたルート自体が本来のルートではなかったと思うので、何とも言えないが)
[再び、急登となる(道は、はっきりしない)]

 ピークと思ったら、尾根の先端のような場合が多かったが、着実に高度を上げていく。
 左側には、葉を落とした木立の間から加入道山の稜線が見え、更にその奥に檜洞丸のピークが見えた。初めてのルートゆえ、眺める光景が新鮮だ。
 
 登りが幾分、緩やかになる。(写真下)
 この先で、右側からの尾根が合流するのがわかった。
[傾斜が幾分緩くなる]

 右側の尾根と合流。(10:13)
 ここからは、フラットな尾根道となる。5分ほど、歩くと、富士山が見え、ピークを示す標柱が立っていた。(写真下)
 鳥ノ胸山頂上に10:18着。
 初めての訪問である。運よく、富士山がまだはっきりと眺めることが出来た。
 今回は、残念ながら、中型カメラを持参しなかった。今度来る時は、是非、ここで、三脚を立て、富士山を撮ってみたいなと思う。
 まだ時間が早いのか、誰もいない静寂な山頂だった。
 10:28、山頂を出発する。
[鳥ノ胸山山頂に着いた]

 山頂を下った後、再び登り返し、鳥ノ胸山南峰に到着。こちらのピークは、植林も多く、視界は、広がらない。
 南峰から急な植林帯を下っていく。途中、ロープが3箇所、設置してあった。植林帯の中、道標を見つける。(写真下)
 「道志の湯」に思わず、キョトン。
 登山地図を取り出して、確認する。鳥ノ胸山南峰から恋路峠の方に下っているかと思ったからだ。そんな道あったっけ?と思いながら、磁石も取り出す。
 結局、周囲の山々を確認して、この「道志の湯」というのは、「浦安峠経由での道志の湯」ではないかと思った。
 ということで、道標の「道志の湯」の指す方向に進んでいく。
[鳥ノ胸山南峰を経て、下りとなる]

 鳥ノ胸山を下ると、フラットな歩きとなる。少し登っては、再びフラットになるという感じで、非常に歩きやすい道だ。
 犬を連れた中年ご夫婦とすれ違う。今日初めて、山中で会った人たちだ。

 10:58、雑木ノ頭到着。「雑木ノ頭」という標識は無かったが、分岐点の道標から察する。(写真下)
 ここでも、道志の湯という方向が浦安峠方向を指していることで、先ほどの推理が正しいことを確信する。
[雑木ノ頭にて]

 雑木ノ頭で、ちょっと「道志の森キャンプ場」方向に進む。
 振り返って、鳥ノ胸山の双耳峰を望む。(写真下) 何やら猫の耳のようだ。

 11:01、雑木ノ頭を発つ。
 この先、登山地図上では、平指山という山名が記されているが、どこがそのピークか、わからないまま、通り過ぎていた。
 11:25、右手に甲相国境尾根が眺められる小広場に出会う。
 富士山は、白い頭の部分だけ、チョコンと姿を見せていた。
[鳥ノ胸山を振り返る]

 ジグザグに斜面を下っていくと、林道が見え、浦安峠の少し、道志の湯寄りに下り立った。(11:37)(写真下)
 手許の登山地図では、浦安峠から大界木山方面の稜線への赤破線ルートが記載されている。そこで、大界木山への取り付きは、どこだろうと、周囲を見渡す。まず、道志の湯寄りに下り立ったので、そちら方面に少し下ってみる。林道は、山を切り開いたような形で作られ、正面には、崖が見え、とても登れるような箇所はないなと引き返す。
 今度は、峠を越えて、西側の道志の森キャンプ場へ続く林道を歩いていく。(1/25000地形図には、大界木山への山道だけでなく、この林道すら記載されていなかった) しかし、これまた取り付くような箇所はなく、大界木山側は、崖が続く。結構、歩いてみたが、涸沢が2箇所あった程度で、山道らしき箇所は、見当たらなかった。
[浦安峠に出た]

 結局、再び、峠を越えて、林道に下りた箇所に戻ってきた。そして、再度、道志の湯側を進んでみる。
 「あれっ」と、今度は、目の前の「大界木山 登り口」の標柱に気がつく。そして、その反対側には、朽ち果てたような木のハシゴがあった。(写真下)
 「こんな近い所にあったとは」
 なんとも恥ずかしい出来事だった。林道に出た箇所から、ほんの10m先に大界木山の登り口があったのだ。このあたりも急斜面だったので、ハナから登れるような箇所ではないと、遠くばかりを見ていたのだ。
 そんな訳で、約30分間、時間をロスしてしまった。
[大界木山への取り付き地点]

 急斜面をジグザグに登っていく。尾根に乗ったかと思ったら、山道は、あるものの、完全にササに覆われた状態だった。
 さすが登山地図上で、赤破線だけのことはある。ササをくぐる様にして、進んでいく。
 「こりゃ、大変」と思いながら進んでいくと、ササヤブから一転、脱出することができた。左側の斜面に出たのだった。ここで、左手の光景が広がる。思わず足が止まる。

 再び、ササに覆われた山道となる。しかも、この山道、よく足下を見ておかないと、危険極まりない。左側は、急斜面で、踏み外すと滑落してしまう箇所があった。
[ササに覆われた山道を登っていく]

 ようやくササが落ち着いてきたかなと思った頃、丁字路に出た。(写真下)
 ここを左折し、斜面を登っていく。
 しかし、この丁字路、下りに使用したら、間違いなく、直進してしまいそうである。右手にテープがあるものの、これだけで、右折すべき地点と判断できるだろうか。
 下りに使用するときは、要注意のポイントだ。
[わかりにくい丁字路 (振り返って撮影)]]

 丁字路から5分ほど緩やかに登っていくと、甲相国境尾根上の山道に出た。(12:45)
 入口は、ササに覆われており、一般登山者が、間違って進入しないようになっている。標識類も見当たらなかった。
 ここで、ペットボトル飲料の口を初めて開け、レモン飲料でうがいを行なう。レモン味で、うがいをするのは、初めての経験だ。やはり、ササヤブ通過は、シンドイ。
 5分休憩後、出発する。
[甲相国境尾根の山道に出た]

 少し登って、大界木山山頂到着。(12:59〜13:02)
 周囲は、木に覆われ、視界は、それほどでもない。(写真下)
 久々の訪問である。なんとなく、以前よりも山道が広くなったような感じだ。
[大界木山頂上にて]

 大界木山から下りになる。
 13:20、左手に下っていく山道を発見。分岐点には、赤や黄色のテープが木の幹に付けられてあった。ここも昭文社の登山地図上では、赤破線の道だ。

 正面に登り斜面が現れる。直登して、登りきると、そこが、モロクボ沢ノ頭だった。(13:37〜13:43) (写真下)
 時間が気になった。ここから畦ヶ丸への道は、比較的歩きやすい山道である。ザックからパンを取り出し、食べ終わる前に歩き出す。
[モロクボ沢ノ頭にて]

 13:58、畦ヶ丸への登りの途中で、ミカンを食べる。
 ここで、デジカメ一眼レフを持った同世代ぐらいの男性一人とすれ違った。紅葉の撮影だろうか。しかし、この時間帯で、甲相国境尾根に向かうというのは、どこに行かれる予定なのだろうか。ふと気になった。

 14:08、避難小屋の前にあるベンチに到着。休まず、畦ヶ丸に向かう。(写真下)
[畦ヶ丸避難小屋に到着]

 14:13、畦ヶ丸山頂に到着。
 ここも久々の訪問である。調べてみたら、1992年5月以来だった。山頂標識や道標を入れた撮影を実施。(写真下) 背中に西日が当たり、長い影が生じていた。
 撮影後、すぐに山頂を立ち去る。
[久々の畦ヶ丸山頂]

 再び、避難小屋の前を通り、大滝峠の方へ下っていく。
 緩い下りが続いた後、急な下りがあったりするも、それほど下ったという印象は、なかった。

 14:52、大滝峠上に到着。 休むことも無く、先に進む。(写真下)
 15:04、ステタロー沢に出た。その後、沢沿いに下っていく。沢沿いは、ルートが分かりにくいが、ここは、東海自然歩道。しっかりと、ところどころに道標が立っていた。
[大滝峠上にて]

 15:27、一軒屋避難小屋に到着。
 最終バスに対して、時間的に余裕が出てきたので、遅ればせながら食事とした。行動食として、モロクボ沢ノ頭〜畦ヶ丸間で、パンやミカンを食べたが、ここでは、テルモスの湯で、コーヒーを入れたり、チーズを食べたりと、ゆったりした時間を過ごす。
 15:51、出発。
[一軒屋避難小屋の前のベンチで休憩]

 出発してすぐ、沢沿いの紅葉に出会う。
[紅葉その1]

 紅葉したモミジが鮮やかだった。「そうか。この高度が、ちょうど紅葉のピークだったのか」と気がついた。であれば、食事に時間をかけず、撮影すればよかったと後悔。すでに日は、かなり傾いていたのだ。
 その後、大滝沢に下るまでが、最高だった。(写真下左右)
[紅葉その2] [紅葉その3]

 だいぶ薄暗くなった頃、大滝橋バス停に到着。(16:53)
 最終バスには、まだ20分程度、時間があった。その間、シャツを着込んだり、ザックの中を整理したりして、過ごす。
 バスを待っている間、瞬く間に暗闇が深まる。

 17:12、最終バスに乗り込む。乗客は、自分を入れて3名だった。
 [大滝橋バス停]


 前半の鳥ノ胸山〜浦安峠間は、非常に歩き易い、快適な道のりでした。ですが、その後、大界木山への取付きで、時間をロスしてしまい、そこからあまり余裕のない行程となりましたが、どうにか予定通り、大滝橋バス停に到着しました。
 天気は、文句無く、木立の向こうに聳え立つ加入道山、大室山、檜洞丸、そして富士山。素晴らしい光景でした。最後は、紅葉にも遭遇。景色を堪能しながら、とても静かな山行が味わえた一日でした。   満足、満足....



※山行時間には、撮影時間を含んでおりますので、ご注意下さい。