トップページ山行リスト(日付)>檜岳・山神峠_記録20070203


檜岳・山神峠

 山行日
2007年2月3日(土)    晴       単独行
 コース
寄大橋(7:18)〜(8:32)753m峰(8:34)〜(9:59)檜岳(10:31)〜(11:12)伊勢沢ノ頭(11:19)〜(12:30)山神峠(12:50)〜(14:41)境隧道(14:47)〜(15:51)玄倉
 1月中旬以降、なかなか山に行ける機会がありませんでした。久々ということで、気合が入りました。今回、檜岳からの冬の同角山稜を眺めたかったので、目標を檜岳としました。そのルートは、以下の通りです。
   寄大橋〜檜岳  :直登ルート(バリルート)で、今回初
   檜岳〜伊勢沢ノ頭  :一般登山ルート
   伊勢沢ノ頭〜山神峠  :地図上は、赤点線で、逆ルートは、以前、登ったことあり
   山神峠〜境隧道  :地図上は、赤点線で、今回初
   境隧道〜玄倉  :林道歩き
 さて、その結果は、如何に?
 下記ご参照下さい。


 渋沢には、大倉行きの始発バスに乗れる時間に到着。(6:44)
 改札口に出る前、振り返ると、朝日が昇るところだった。(写真下)
 今日は、雲ひとつない青空が広がる。いい天気になりそうだ。
 6:48に大倉行きのバスを見送って、コンビニに向う。ちょっと暖かい飲み物が欲しくなった。缶コーヒーを飲み終えた後、タクシー乗り場へ。(といってもコンビニの前が、タクシー乗り場なのだが)
 今回は、時間節約のためにタクシーを利用して寄大橋に向かう。
[渋沢駅から日の出を眺める]

 7:15、寄大橋入口着。タクシー料金は、2900円。タクシーを降りて準備運動していると、一人の男性登山者がゲートに向かって歩いていくのを見かける。ゲート方面は、鍋割峠や雨山峠に向かうルートだ。
 今回は、檜岳直登ということで、そのゲート方向には、進まず、寄大橋を渡る。(7:18)(写真下左) 
 7:24、橋の先の別のゲートを通過して、右手に道標を見つける。(写真下右) 周遊歩道入口の所なのだが、事前調査によると、ここからも檜岳に登っていけることがわかっている。だが、この林道の先からも登っていけることも知っていたので、敢えて直進する。だが、地図を見ながら、歩いているうちにさっきの周遊歩道からのルートでもいいやと思い始め、引き返して、再び周遊歩道入口に戻る。(7:27)
 
....さっさと山道に入りたかったという単純な理由。
 なお、道標には、周遊歩道の途中で、橋が流れたため、通り抜け出来ない旨のカンバンもぶら下がっていた。
[寄大橋を渡る] [ゲートを過ぎた後、右手に道標がある]

 周遊歩道を歩いていく。ほんの数分、歩いた後、クマ鈴と、ストック(1本)を取り出す。クマ鈴は、ストックにぶら下げる。そうすると、いい音が出るのだ。誰も居ないし、迷惑になるまいと、鈴を鳴らしながら、細い尾根を登っていく。右手の木立の間から本流の寄沢が見下ろせた。

 植林帯の中に大きなカンバンが立っていた。内容は、「巨木林をめざして」とあった。(写真下)
[カンバンがあった]

 さらに進んでいくと、道が分岐する。左:作業用径路、右:周遊歩道。周遊歩道をそのまま進んでしまうと、いつまでも上には登っていかない筈のため、ここでは、作業用径路を選択。(作業用径路は、行き止まりと書かれてある)

 1/25000地形図を見ながら登っていく。どこが山道か、わからなくなる箇所あり。とにかく、上へ、上へと登っていく。(写真下左)
 登りがきつくなると、人手で整備された作業路を発見。しっかり、階段状に道ができていた。作業路をそのまま利用して登っていく。途中、左手後方にシダンゴ山を望む。(写真下右)
[植林帯を登る] [シダンゴ山が見えた]

 その後も作業路を進んでいくが、この道も、いつまで経っても登りにならない。寄沢と並行にトラバースしていくだけのように思えた。それゆえ、途中、作業路から離れて尾根に取り付く。
 尾根に登ると、立派な山道があった。1/25000地形図で自分の位置を確認しながら登っていく。

 753m峰手前で、山道を見失う。1/25000地形図で確認しながら、753m峰のピークを目指して登っていく。ようやく山頂に着いた時、時計は、8:32を指していた。予定より、だいぶ遅れているが、気にすることはない。まだ時間は、たっぷりある。
 この小ピークを下っていき、3、4分で、鞍部に着いた。振り返ると、左手(振り返っての「左」)にピークを巻く山道を発見。なんと、トラバースする山道があったのだ。どうもピークを直登する方向に進んだために山道から外れたようだ。
[753m峰にて]

 鞍部を8:40、出発。植林帯の急登が始まる。(写真下左)
 これは、歩きにくそうだと思ったら、立派な山道がついていた。小さくジグザグに登っていく。これは、歩きやすい。
 しかし、飽きるぐらい登りが続く。登りの途中、植林の幹にピンクのテープあり。(写真下右) ここは、分岐路だった。このテープに気がつかなかったら、直進してしまうところだった。
[急登が始まる] [テープでの標識]

 8:59、左側に続いていたシカ柵が終了し、左手は、自然林になる。
 9:03、左後方を振り向いて、シダンゴ山を望む。(写真下) だいぶ登ってきたのがわかる。
[シダンゴ山をい見下ろす]

 9:12、登りが緩やかになってきた。ちょうど植林帯と自然林帯の間を登るようになる。(写真下) 
[登りが緩やかになった]

 右手には、木立の間から鍋割山稜が目に留まる。(写真下左)
 9:23、前方が自然林となった。(写真下右) 上空は、真っ青。風も無く、太陽を背中に受けながら、緩い斜面を登っていく。
[鍋割山稜を望む] [自然林の中を歩く]

 山道は、植林寄りについていたが、自然林の草原沿いを歩いていく。植林帯の日陰を歩くよりは、太陽を受けて歩きたかったからだ。ちょっと木立が少なくなり、視界の広がる箇所に出た。(写真下)
 遠く箱根山を望む。手前を見下ろせば、シダンゴ山がかなり低い。
[箱根方面を眺める]

 9:49、西側に視線を移せば、今まで伊勢沢ノ頭に隠れていた富士山が顔を出した。(写真下左)
 今日は、空気が澄んでおり、クリアな富士山に大満足だ。思わず、デジカメで何度もシャッターを押してしまった。

 ついに緩やかな斜面から、ほぼフラットな地形になる。ようやく山頂手前に出たようだ。(写真下右)
[富士山が現れた] [ついに平坦になる]

 9:53、一般登山道に出た。日陰部分には、雪が薄っすらと残っていた。
 静かな山ゆえ、一人、雪を踏みつけるときの音だけしか聞こえない。

 見覚えのある玄倉川寄りのシカ柵を見ながら、北東方向に進んでいく。
[一般登山道に合流]

 9:53、檜岳山頂の道標に到着。三角点を探す。2、3分探した後、発見。記念にデジカメで撮影。
 ザックを下ろして、同角山稜をデジカメで撮影する。これが見たくて、今回は登ってきたのだ。今日は、空気が澄んで、山々がとてもクリアだ。ここから眺める同角山稜は、ひとつの岩の塊のように見える。惜しむらくは、暖冬のせいで、南側斜面ゆえ、雪が全くついていないことだ。雪がついていたら、もっと迫力のある光景になっただろう。

 雪の積もった地面にヒザをつけて、シャッターを押す。よく見ると、手前の雪の斜面には、いろいろな動物の足跡があった。
 ここで早い時間だったが、他に誰も居ない静寂な中で食事をとる。
[檜岳山頂のベンチにて]

 10:31、檜岳を出発。伊勢沢ノ頭を目指す。歩き始めてすぐシカ5頭の群れに出会う。人慣れしていない5頭だったので、すぐさま逃げていった。
 富士山を見ながら歩けるのは、なんとも気持ちがいい。デジカメで撮影しながら、進む。また、左前方には、相模湾が見え、酒匂川の河口が反射して光っていた。

 11:07、山神峠の分岐点を通過。この先で、本日、初めて山中で登山者とすれ違う。単独行の中年のおじさんだった。

 11:12、伊勢沢ノ頭到着。(写真下)
 前回、訪れたのは、秋だったと思う。ヤマトリカブトがあちこちで咲いていたのを思い出す。
 デジカメで撮影した後、分岐点まで引き返す。
[伊勢沢ノ頭にて]

 11:22、再び山神峠への分岐点に戻った。(写真下) ここから山神峠に向かう。このルートは、以前、登りで使用したことのあるルートだ。
 ただ気になるのは、ここから猟区に入ってしまう。しかし、今日は、銃声も聞こえないので、まあ大丈夫だろうと楽観的に考え、下っていく。
 左手には、またしても富士山の姿が。

 11:31、山道の右手にモノレールが出現。どうも伐採する人を搬送するために設置されたようだ。

 11:36、富士山の手前には、丹沢湖があった。この光景をデジカメ撮影。
[山神峠への分岐点に再び戻る]

 11:48、レールは、右手の枝尾根へ曲がっていた。1/25000地形図を見る。
 やはり、レールの方向が山神峠に続く枝尾根だった。ここで、右折する。この分岐点は、要注意だ。気がつかないと、そのまま直進して主尾根を下ってしまう。

 だが、ここでアクシデント。この斜面、北側だけのことはあって、雪がコチコチに凍っていた。ストックを突き刺そうとするが、硬く凍りついてストックが刺さらない。雪ではなく、岩かと思ったが、そういう訳でもなかった。これには、ビックリ。
 このままでは危険と、持参してきた8本爪アイゼンを装着する。これで安心して斜面を下っていけた。
[山神峠に続く枝尾根に入る]

 山道がはっきりしない斜面を下っていく。そういえば、以前、ここを登ったときは、山道がわからず、結局、右手(下りから見て)のシカ柵沿いに直登した記憶がある。
 ようやく斜面を下り終えた頃、眼下に山神峠のベンチを見る。(写真下左)
 下りきる前に蛭ヶ岳を木立の間から望む。

 12:30、山神峠に到着。(写真下右)
 雨山橋に続く山道は、途中崩壊のため、通行止めとなっていた。また、すぐ目の前でも既に山道が崩れていた。
[眼下に山神峠のベンチが見えた] [山神峠の標識]

 山神の祠に参拝した後、奥の送電線鉄塔下に向かう。ここからの蛭ヶ岳の眺めは、最高である。唯一惜しいのは、送電線が邪魔になっていることだ。
 ベンチに戻って地図を眺める。丹沢湖の方から弱い風が吹いてきて、汗をかいた背中を急激に冷やしてくれる。
 ここからは、境隧道に向かう道を選択する。このルートは、自己未踏ルートなのだ。
[山神峠のベンチ] [峠から丹沢湖方面を眺める]

 12:50、山神峠を出発。植林帯のトラバースルートを進む。

 13:00、崩壊場所に到着。山と高原地図「丹沢」(昭文社:2006年)でも危険マークが付いている箇所だ。
 てっきり、崩壊箇所の上部を迂回するように歩くのかと思っていたら、崩壊場所そのものを慎重に通過する(写真下:黄色の矢印)だけのことだった。(上部もガレ場で、歩けるような感じでは全くなかった) ちょっとスリルがある。事故が発生してもおかしくない箇所だと思った。
 その後、すぐに岩が突き出ているトラバースルートを通過する。ここも要注意だ。上半身と下半身とのバランスが崩れそうになる。枯れた木の枝を木の根っこと間違えるケースが何度かあった。
 その後もノイバラ攻撃で、散々な目にあう。
[トラバース路での崩壊箇所(振り返って撮影:黄色の矢印がルート)]

 山神峠には、道標があったが、その後、境隧道まで道標は、なかった。時々、木の幹にテープが付いているくらいである。山道もはっきりせず、テープと地図で確認しながら、進んでいく。

 13:22、尾根の先端に到着。ここから急な下りとなる。(写真下)
 左手には、シカ柵のネットが続く。
[尾根を下る]

 13:34、左側のシカ柵ネットの先に林道を発見。
 その後、ネットから離れるように右側(自然林)に下っていったが、13:41、再び林道が現れた。(写真下)
 林道に下って行こうと思えば、行けるのだが、今回は、とにかく境隧道に続くルートを進む。
 また、ミツマタの群落に遭遇。ミツマタの枝には、白い花芽?が既に数多く付いていた。
[左下に林道が現れる]

 植林帯の急な下りとなる。どこが山道かよくわからない。とにかく一直線に下っていく。途中、再びミツマタの群落に遭遇。(写真下)
 その後、目印の赤・黄色のテープを頼りに下っていく。
[ミツマタの花芽?]

 14:04、左下に林道が接近。ここで、林道経由で下って行こうかと一瞬考えたが、初志貫徹で、やはり山道(踏跡)を進む。(写真下)

 14:17、人工の細い階段が現れる。だが、結構、これもスリルあり。階段の左右が、両方とも崩れている。
[林道がすぐ目の前に]

 14:23、右下に玄倉林道が見えた。(写真下)
 ようやくゴールが見えたと思った。だが、このあたりは、ヤセ尾根の急な下りで、慎重に歩かなければならなかった。
[右下に玄倉林道が見えた立る]

 14:37、ヤセ尾根上の十字路に出た。右は、境隧道に続く道。左は、玄倉川に下っていく道。直進は、尾根の先端まで続いているような道。
 ちょっと直進してみる。だが、視界が広がるような箇所は無かった。
 再び十字路に戻り、境隧道に向かう。

 だが、ここからが、本日の核心部だった。途中、トラロープがあったりして、安心して歩ける箇所もあったが、最後になって、右手で確保できるような箇所がなく、足下は、滑りやすい細い下り道ということで、滑ったら、玄倉川まで落ちていくようなスリル感があった。(写真下) 山神峠の先での崩壊場所も危険箇所だったが、個人的には、こちらの方がもっと緊張した。(非常に短い区間だが)
 ちなみにここは、山と高原地図「丹沢」(昭文社:2006年)で、「トラバース注意」と記載されている。
[境隧道手前でのトラバース路]

 14:41、どうにか境隧道に無事到着。(写真下)
 ペットボトルで水分補給。
 最後のトラバースルートを通過するぐらいであれば、やはり、途中、何度か出会った林道に出てしまい、林道経由で下ってくる方が安全だと思った。(林道ルートを確認している訳ではないが)
 ストックをしまい、玄倉に向かって出発。(14:47)
[境隧道にようやく出た]

 玄倉川の左岸沿いについている玄倉林道を歩く。
 途中、何度か振り返って、石棚山方面を眺める。青空の下、石棚山稜が高く見える。(写真下左)

 15:48、丹沢湖に出た。(写真下右) 林道歩きは、1時間弱だった。
[石棚山方面の眺め] [丹沢湖に出た]

 15:51、玄倉バス停に到着。
 バスの時刻を調べると、16:06。ちょうどよいタイミングだった。少し戻って公衆トイレで、顔や手を洗う。西日が射す光景を見ながら、自分一人、バスを待つ。

 16:08にバスがやってきた。乗っていた客は、3人だけだった。
 [玄倉バス停に到着]


 【謝辞】
 今回のルートは、
   M-KさんのHP「俺の山紀行」(水棚沢右岸尾根ー檜岳ー檜岳南東尾根)
   s-okさんのHP「ようこそ! 山へ!!」(寄−檜岳−伊勢沢ノ頭−山神峠−954m−862m−玄倉)
 のレポートを参考にさせていただきました。ありがとうございました。



※山行時間には、撮影時間を含んでおりますので、ご注意下さい。