トップページ>山行リスト(日付)>宮ヶ瀬尾根_記録20070421
土山峠(7:39)〜(7:46)堤川林道入口〜(8:13)林道終点〜(9:11)597m峰〜(10:13)617.2m峰(10:26)〜?〜?〜(14:40)宮の平 |
宮ヶ瀬尾根に気がついたのは、だいぶ前に丹沢山の帰り、塩水橋から宮の平バス停に向かって、ひたすら県道を歩いていた時、宮ヶ瀬湖の向こうにちょっとしたピークが目についた時です。帰宅後、調べてみますと、そのピークが宮ヶ瀬尾根にある617.2m峰だとわかりました。
その後、2005年5月に鍋嵐山頂にて、偶然、お会いした「しんご」さんと、鍋嵐から宮ヶ瀬湖まで一緒に下った際、清川トンネル入口が見える所まで、寄り道したことがあります。その時、617.2m峰を間近に見ることができました。 そんな訳で、いつかは、登りたいと思っていました反面、狩猟期だ、ヒルだとかで、なかなか足が向かなかったのですが、今がチャンスと出かけてきました。
途中、ビックリ出来事がいろいろありました。
先ずは、以下をご覧下さい。 |
いつものように本厚木に6:22着。宮ヶ瀬行きのバスは、6:55発。ということでバスを待つ間に朝食をとる。 6:42、バス停に着くと、既に宮ヶ瀬行きバスが到着していた。今日は、団体さんが乗っていて、空いていたのは、タイヤの上に当たる座席ぐらいしかなかった。まあ座れただけでもラッキーと思い、席を確保する。出発したら、すぐに眠り込んでしまった。
目が覚めたのは、清川村役場あたり。煤ヶ谷では、4、5人のハイカーが下車。
7:34、土山峠着。他の登山者2、3人とともに下車。
例によって、出発のバス停の写真を撮影した後、出発する。(7:39)(写真下) |
|
[土山峠バス停)] |
|
すぐに何やら大きな石が目に入る。近づいてみると、石のそばに「座禅石」なる説明板が立っていた。その板によると、
『里の人々は、南北朝時代の仏果禅師和尚が修行していた山を「仏果山」、座っていた石を「座禅石」と呼んで語り継いできた。この座禅石は、仏果山南東の山腹にあったのだが、近年その地域が採石場となってきたため、ここに移転安置した。』
等が、記載されていた。(写真下左)
湖岸の道からすぐに堤川林道に入る。意外にも舗装路だ。路辺には、時々ヤマブキが咲いていたのを目にする。(写真下右)
|
|
|
[座禅石] |
[路辺のヤマブキ] |
|
林道は、蛇行しながらも南南西に進む。途中、右側の崖から落ちた岩がゴロゴロしている箇所もあった。 左側を見上げると、辺室山が近づいてきた。と思ったら、前方が行き止まりとなっていた。林道終点である。(8:13)
さて、この先のルートを探そうと周囲を見渡す。正面の斜面に赤テープを発見。他に道らしきものが見当たらないので、直進することにした。 |
|
[林道終点] |
|
行き止まりを3、4m登ったら、その先は、急斜面で、下は、沢だった。なるほど、このため、林道が終点だったのだと納得する。
ここで、右折し、斜面を登っていく。(写真下)
すぐ先に脚立が見えた。シカ柵に出会う。(8:17) さて、脚立で越すのかと思ったら、シカ柵の一部に穴が開いているのに気がつく。そんな訳で、難なく通過。
植林帯の中は、大きなジグザグを描きながら登っていく。遠回りになるケースもあったが、道なりに進んでいく。 |
|
[斜面を登る] |
|
8:34、再びシカ柵と脚立。今度もどこか開いているのではないかとシカ柵を目で追っていくと案の定、左手に大きな穴があった。ということで、ここも難なく通過。 シカ柵を越えると、踏跡も不明になるが、とにかく上を目指せばよいので気にせず。
8:38、左手の樹林が無くなり、視界が広がった。鍋嵐方面を眺める。
さらに登っていくと、8:48、尾根を登りきった。正面にシカ柵があったが、ここも破れていた。右手を眺めると、登ってきた方の植林は、背が低く、4、5m程度の檜林だったが、反対側は、樹高のある杉林だった。 ここは、右折して、シカ柵に沿って檜林の中を進んでいく。 |
|
[尾根を登りきる(右手の風景)] |
|
モミの大木の下に来る。(写真下) この先は、シカ柵で、行き止まりとなっていた。結局、さっき登ってきた箇所まで引き返すことに。 破れたシカ柵を通り、今度は、樹高のある杉林を歩いていく。 |
|
[モミの大木が多い] |
|
進んでいくと、正面のシカ柵に当たる。このあたりが、地図上の597m峰かなと思う。左折し、シカ柵沿いに進む。
ちょっと進むと、ほんの少し高い箇所があった。この先、緩い下りとなっていた。(写真下) さっきの場所ではなく、ここが、597m峰かなと、思った。
左手の杉林が終了したと思ったら、その先は、ヤセ尾根となる。 |
|
[この先緩い下り(ここが、597m峰?)] |
|
ヤセ尾根を登ったら、小ピーク。(写真下左)(9:21)
赤頭白杭あり。(写真下右) 1/25000地形図を見ながら進む。急斜面の下りとなった。
|
|
|
[小ピークに立つ] |
[赤頭白杭あり] |
|
尾根がやや太くなる。下りきったところは、十字路のようになっていた。(写真下左)
右手に石祠があり、日本酒が奉納されている。(写真下右) 酒は、ちゃんと入っていた。
手を合わせた後、立ち去る。 |
|
|
[小ピークから下ったところで、十字路?に出会う] |
[石祠あり] |
|
急な下りが始まる。しかし、すぐ登り返す。 小ピークに到着。(9:41〜9:44)
前方に尖がったピークを眺める。(写真下) どうやらあれが、617.2m峰のようだ。 地図上では、読み取れないが、実際の尾根は、ナイフリッジで、スリルがある。尾根沿いにシカ柵(バラ線と針金)が続くので、それを使って、足下に注意しながら下っていく。
風も強くなってきた。帽子留めを忘れたため、この際、帽子をザックにしまい込む。 |
|
[前方に617.2m峰] |
|
何度もシカ柵の針金が幹に食い込むのを見ていたが、流石にこれは、すごいと思ったのが、下の写真。ここまで、いったい何年の月日が経っているのだろう。
※帰宅後、M-KさんのHP(俺の山紀行)や、丹沢写真館さんのHPで、この宮ヶ瀬尾根を調べたら、やはり、「幹に針金が食い込む写真」が掲載されていた。 |
|
[[針金が完璧に食い込んでいる] |
|
登りやすい斜面を登っていくと、10:13、617.2m峰に到着。
三角点を確認。(写真下左)
また、三角点傍の立木に「猿島」と書かれたオレンジ色テープを発見。(写真下右) |
|
|
[617.2m峰(1)] |
[オレンジ色テープ] |
|
そばには、天然のベンチが。
ここに腰掛け、水分補給。西側からの風が汗で濡れた背中に当たり、心地よい。 10:26、ピークを後にする。
※帰宅後、M-KさんのHP(俺の山紀行)や、丹沢写真館さんのHPで、この宮ヶ瀬尾根を調べたら、やはり、「この天然ベンチの写真」が掲載されていた。 |
|
[617.2m峰(2)] |
|
617.2m峰のピークから先は、少しばかり、尾根が太くなり、歩きやすくなる。(写真下) |
|
[617.2m峰を出発] |
|
自然林の木立の間から宮ヶ瀬湖(やまびこ大橋方面)が見えた。
この先で、尾根が2つに分かれる。1/25000地形図で確認し、右手の尾根を下っていく。 しかし、この先は、急な斜面となり、進行不可。ここで、1/25000地形図と実際の尾根をよく見ると、どうも本来の左側の尾根が正しいルートだと分かった。 結局、斜面(急斜面でなかった)をトラバースし、本来のルートに合流する。
※宮ヶ瀬尾根は、1/25000地形図だと、厚木、大山、青野原、上溝の4つの地図に分割されてしまい、全体が非常に把握しにくい場所となっている。(単なる言い訳) |
|
[木立の間から宮ヶ瀬湖が眺められた] |
|
再び、シカ柵沿いのヤセ尾根となった。(よくこれだけヤセ尾根が続くものだと妙に感心してしまう)
下るためにちょうど尾根の中心に立っていた径30cmぐらいの幹を左腕に抱えるようにして、体重をかけたら、木の根元からグラッと傾いた。急遽、足場を確保し、両手でその幹を動かしてみると、根元から折れてしまった。ちょっとビックリ!
よくよく見ると、この木は、高さ2m程度で、完全に立ち枯れの木だった。危うく木を抱えながら、急斜面を転げ落ちるところだった。
11:10、小ピークに立つ。(写真下) 風が非常に強く、注意していないとバランスを崩してしまう。
ここは、樹林が少なく、視界が広がり、丹沢山方面が眺められた。 |
|
[周囲の木が立ち枯れて、視界が広がる小ピーク] |
|
11:21、次のピークが525m峰だと確信しながら、ようやくピークに到着する。
すると何やら、前方に人工物を発見。(写真下左)
近づいてよく見ると、それは、道標だった。(写真下右) 「え!〜」
|
|
|
[525mピーク(1)] |
[道標] |
|
このときの衝撃は、大きかった。まさに予想外だった。 丹沢の秘境と思っていた宮ヶ瀬尾根に道標なんて...しばし開いた口が塞がらなかった。 冷静に道標の示す方角を見ると、
・至土山峠 :右側の斜面に下っていく階段状の山道が出来上がっていた。
土山峠と記されているのだから、東側の湖岸道路沿いに歩けるということだろう。
(あれっ、湖岸道路は、全通していたのだろうか?)
・至清川トンネル : 前方の尾根沿いに山道が続いている。
ということがわかった。
もう少し先を行くと、宮ヶ瀬湖が木立の間から見えた。(写真下) 整備された道は、ここが最高地点になるようだ。だとすると、今、目の前にある木々は、湖の風景を遮るということで、伐採されてしまうのではないか、そんな思いが浮かぶ。 |
|
[525mピーク(2)] |
|
しかしまあ、なんでこんなルートが、整備されるのか、考えながら歩く。 道標から判断するに、山道は、清川トンネルから、この525m峰を通り、その後、下りになっている。ということは、清川トンネルから先の湖岸道路が出来ていない箇所(ちょうど宮ヶ瀬尾根の尖端部分あたり)をカバーするために、山道を作り、東側の湖岸道路と接続させたかったということだろうか。 それは、清川トンネルの利用価値を高めるためだろうか。そんなことを思いながら、整備された山道を歩く。(写真下左、右) |
|
|
[整備された山道] |
[その先での整備された山道] |
|
整備された道と、緩い下りということもあり、ピッチがあがった。すると、前方に人影を発見。
これら山道を整備されていた作業員の人たち(4名)だった。挨拶ついでにその1人の方に尋ねた。 「この山道は、いつ完成するのですか。」 「この5月連休の後ぐらいには、完成する予定です。」 「えっ、もうそんなに出来ているのですか」 「あのピーク(525m峰)の下りの一部が、まだ残っていますが、それが出来れば、完成です。」
ということで、山道は、ほぼ完成状態だった。
この後、尾根の先端に到着。(11:49) ここから下りになる。下を見れば、整備された山道が続いている。そこで、前方を見ると、視界が広がった。
整備された山道を下っていく。
11:59、道は、尾根筋から、左に曲がる。(写真下) いよいよトンネルに近づいてきたということだろう。
さて、今回の宮ヶ瀬尾根の山行にあたり、前々から行ってみたい箇所があった。それは、この尾根の最北端である。ということで、ここでトンネルへの道を外れ、北を目指す。 |
|
[植林帯を下る] |
|
ササヤブに突入。だが、かすかに踏跡がある。また、シカのフンも多い。ナイフリッジを歩いている時は、シカが通行しないせいか、フンは、全く見た記憶がなかったが、ここは、やたらと目立った。 |
|
[ササヤブを直進する] |
|
12:12、先端に出たと思ったら、右手にまだ尾根があった。(写真下) どうやら西に寄り過ぎて、最北端のひとつ西側の先端に出てしまったようだ。 またしてもルート間違いである。 だが、ここでは、地図を敢えて見ず、ドキドキしながら進んでいくことの楽しさ優先だったので、落胆は無かった。 とりあえず、引き返すことに。
再び植林帯に戻り、東側に進む。そして、尾根沿いに進んでいく。
そして、ついに出たのが、ここ。(12:28〜12:40) |
|
[宮ヶ瀬尾根の最北端と思いきや] |
|
12:49、再び山道に戻った。
2、3分間、斜面をトラバースするように進んでいくと、前方にトンネルの入口が見えた。(写真下)
軽トラックが駐車している。さっきの作業員の人たちの車だろう。
トンネルの先(こちらから見ると手前)には、道が無かった。 |
|
[トンネル入口が見えた] |
|
清川トンネル入口に到着。(12:53)
その手前に道標があった。(写真下) しかし、 至 県道64号線 至 県道70号線 という標識には、苦笑い。この記載で、方向が分かる人は、果たして何人いるだろうか。
トンネルに近づくと、ものすごい向かい風がトンネルの入口から吹き出す。たまらず、入口右側に逃げる。そこには、トンネルの銘板があった。延長653m、1995年6月。 開通してもう10年以上の年月が経っている。 |
|
[清川トンネル入口にて] |
|
長いトンネル(653mは、半端ない)を歩いて、反対側の出口に出た。(写真下) 広葉樹の淡い緑と、針葉樹の濃い緑といった緑系での世界が広がる。 |
|
[反対側のトンネル出口(振り返って撮影)] |
|
2005年に「しんご」さんと寄り道した場所を再び訪れる。(写真下)
鍋嵐から下り、ここまで来て、2年前は、引き返したのだった。 奥のピークが、617.2m峰だ。 |
|
[617.2m峰を望む(振り返って撮影)] |
|
橋を渡ると、前方に人影が。 釣り人のようだ。(13:35) 渡った所で、昼食とした。ちょっと風が強かったが、なんとか食事を続ける。(13:38〜13:55) |
|
[前方に釣り人?が一人歩いていた] |
|
県道を歩いていく。
宮ヶ瀬湖を右手に見ながら、歩いていくと、ちょっとした光景が広がった。
また、こんな光景も。
宮の平バス停には、14:40着。バスダイヤを見ると、14:52。 全くバス時刻を意識しないで歩き、かつ1時間に1本という運行ダイヤにもかかわらず、このタイミングは、運がいい。ベンチに腰掛けてバスを待つ。 |
|
[宮の平バス停に到着] |
|
今回は、 ・尾根筋のナイフリッジ ・幹に食込んだ針金 ・525mピークで遭遇した道標 などにビックリ、ドッキリでした。
特に最後の道標には、唖然とさせられました。知らない間に、どんどん人の手が入っていくものなのですね。そのうち、丹沢の奥地、早戸大滝や雷滝あたりまで林道ができてしまうのかもしれません。そんなことを考えさせられた山行でした。
|
土山峠(7:39)〜(7:46)堤川林道入口〜(8:13)林道終点〜(9:11)597m峰?〜(10:13)617.2m峰(10:26)〜(11:21)525m峰(11:25)〜(12:12)尾根先端(西側)〜(12:28)尾根最北端(中央)(12:40)〜(12:53)清川トンネル入口(12:59)〜宮ヶ瀬湖畔〜(14:40)宮の平 |
※山行時間には、撮影時間を含んでおりますので、ご注意下さい。
|