トップページ山行リスト(日付)>鍋割山・小丸_記録20070429


鍋割山・小丸

 山行日
2007年4月29日(日)   晴       同行者:父
 コース
 県民の森ゲート手前(7:12)〜(7:31)二俣〜(7:54)ミズヒ沢(8:06)〜(8:30)後沢乗越(8:38)〜(9:53)鍋割山(11:22)〜(12:03)小丸〜(12:20)小丸分岐〜(12:26)変形ブナ(12:51)〜(12:57)小丸分岐〜(13:07)小丸〜(13:40)鍋割山(14:01)〜(14:50)後沢乗越(14:52)〜(15:15)ミズヒ沢(15:18)〜(15:34)二俣〜(16:39)大倉
ゴールデンウィークがやってきました。今年は、GW前半は天気がいいという予報でしたので、丹沢のコースプランを考えていると、前夜、父より電話がかかってきて、「明日、鍋割山に行く。お前も来い。」
 ということで、鍋割山に行くことに。

 以前、「丹沢は、泊まって行くようなところではない」と言っていた父(といっても、今年79歳の爺さん)ですが、みやま山荘、鍋割山荘と宿泊し、今では、丹沢の小屋が大のお気に入り。
 特に鍋割山は、
  ・父の脚力レベルには、ちょうど良い(そろそろ塔ノ岳から先(丹沢山など)は、限界か?)
  ・缶ビールと山荘名物の鍋焼うどん
  ・富士山光景(箱根・相模湾も)
など、魅力が溢れています。
 さらに、エリアを鍋割山稜まで広げますと
  ・ブナなどの自然林帯(特に霧中がいい)
  ・蛭ヶ岳・不動ノ峰などの眺望
などが加わります。
 現在、二俣から後沢乗越まで植林間伐のため、通行禁止区間となっていますが、このゴールデンウィークは、通行可となっており、どの程度、伐採されたか確認する上でも、いいチャンスと思い、出掛けてきました。 


 いつものように父と途中で合流し、渋沢に向かう。上空は、雲ひとつない青空。絶好の行楽日和だ。
 渋沢からタクシーで、表丹沢県民の森の中にあるゲート手前に到着。(7:09)
 GWということもあり、もう既に数多くのマイカーが駐車していた。デジカメで記念撮影して、即出発。(7:12)
[県民の森ゲート手前にて] [新緑の中を二俣に向かう]

 二俣で、勘七沢を渡ると、小丸分岐点手前にペットボトル置場があった。いつもは、ミズヒ沢にあるだが、この先が通行止めのため、ここに移設されているようだ。
 しかしながら、今日は、通行OKのため、置台だけがあり、ペットボトルは無かった。おそらく、いつものミズヒ沢にあるのだろう。
 小丸分岐点にて、林道を直進していく。(写真下)
[林道を直進する]

 本沢を渡ってすぐ、林道横が、伐採箇所となっていた。(写真下)
 だが、間伐ということで、倒されている木は、そんなに多くなかった。
 (いつぞや、大山の見晴台から日向薬師に降りるルートの途中、植林の伐採地があったが、ものの見事、あたり一面、1本も残さず伐採されていたの思い出す)
[切り倒された木の横を通る]

 ミズヒ沢に到着。ここで小休止。(7:54〜8:06)(写真下左)
 案の定、ここに水入りペットボトルが置かれてあった。鍋割山荘用の水である。これらの水は、登山者のボランティアに委ねられている。2リットルペットボトルを2本、ザックに入れる。

 北側斜面の植林地を見ると、ここも一部伐採されており、切り倒された木が搬出されずに斜面に置かれたままになっている。(写真下右)
 さて、ここからいよいよ本格的な登り道である。
 ストックを取り出し、上着を脱ぐ。
[ミズヒ沢にて] [ミズヒ沢道標の北側斜面]

 小沢沿いから植林帯に入る。
 今回、このあたりが、結構、伐採されるのではないかと想定していたのだが、風景が一変するほどのレベルではなかった。(まだ間伐の途中なのだろう)
 切り株から年輪を数えてみる。外側の年輪が細かい。約80年ぐらいだろうか。結構な年月が経っている。
[植林帯にて] [切株]

 植林帯を過ぎて、急斜面を登っていく。
 見上げると、芽吹いた木々の新緑が目に入る。目に優しい萌黄色だ。
 「いい色だね〜。」
 父が呟く。
[後沢乗越への急登]

 8:30、後沢乗越に到着。
 上から7人ぐらい、若い学生の団体さんが下ってきた。父が、「昨夜はどちらですか」と尋ねたところ、「塔ノ岳です」との返事。朝早く、小屋を出たらしい。元気な挨拶だけでなく、皆、溌剌とした表情だったので、見てても気持ちがよかった。
[後沢乗越(もう何回、この道標を撮影しただろうか)] [植林間伐を示すカンバン]

 父と、久しぶりに雑話しながら登る。おかげで、知らないうちに標高1000m地点を越えていた。
 9:10、富士山が頭を出した。真っ白である。この季節にありがちな霞もなく、非常にクリアな姿である。(写真下)
[富士山が頭を出した]

 山頂に近づくにつれ、富士山の姿が徐々に見えてくる。(写真下)
 だが、ほぼ全容が見えてきた段階で、手前に何やら白くない雲が湧いてきた。雲というより、何だか煤煙の塊のような感じのする物体である。
 「おやっ。」 富士山の隣の南アルプスに気がつく。
 真っ白な赤石岳、荒川三山がはっきりと見える。こちらは、富士山手前の雲の影響を受けず、まだクリアな姿を見せていた。
[富士山に嫌らしい雲が出てきた]

 9:53、ようやく鍋割山頂上に到着。
 山頂に建つ鍋割山荘に入り、山荘ご主人の草野さんに挨拶。
 水入りペットボトルを渡し、缶ビール2本と鍋焼うどん一つを注文。(さすがにまだこの時間だと、まだそれほど食欲はなかった) 缶ビールで乾杯。
[鍋割山に到着] [鍋焼うどんと缶ビール]

 缶ビールを飲みながら、相模湾方面を眺める。真鶴半島の先に初島が、そのさらなる先は、霞んだ天城山脈が視界に入る。あいにくと富士山は、手前の濁った雲のため、うっすらとしか見えなくなっていた。富士山の周りには、雲が発生しやすいものだと、つくづく思う。

 ゆっくりと、食事を済ませ、さて、これからの予定を検討する。父としては、不在だった草野さんの奥さん(宿泊の時など、いろいろお世話になっている)にも挨拶したかったのだが、先ほどの草野さんからのお話だと、昼ぐらいに山荘入りされるのではないかと、我々は、推定した。時計を見ると、まだ11:22。
 結局、今からスタートして、鍋割山稜の変形ブナの木(大丸の手前)を見に行き、また鍋割山に戻ってくることにした。
[相模湾を眺めながらビールを飲む] [いつの間にか山頂には多くの人が休憩していた]

 鍋割山頂上を出発し、緩い斜面を下っていく。すぐに左側がガレている場所の横を通過する。
 ここで、ちょっと寄り道。北側斜面に入ってブナの自然林を見た後、ガレ場を覗き込む。そして見上げると、塔ノ岳のピークが。ここから塔ノ岳が見えるというのは、ちょっと驚き。(塔ノ岳から鍋割山は、よく見えることを考えれば、当然なことではあるが)
 山道に戻って、ガレ場上から北側を眺める。ここは、どっしりとした印象を与える蛭ヶ岳・不動ノ峰の山容が眺められる。
 左手のブナ林をウォッチしながら進んでいく。父もブナの木を撮影しながら進んでいる。
[ブナの木と奥に蛭ヶ岳・不動ノ峰] [これも気になる木]

 12:03、小丸到着。
 まだ樹林の光景は、冬と同じ。新緑になるには、まだ1ヶ月ぐらいかかりそうだ。
[小丸ピークにて]

 12:26、変形ブナの地点に到着。
 太い幹が根元付近から分かれている独特のスタイルだ。
 デジカメを取り出し、撮影アングルを探す。
 撮影が一段落したところで、「あれっ、爺さんは、どこだ?」と、辺りを見渡す。
[変形ブナに出会う]

 父は、隣のブナの方にいた。
 父がもう一度、見たいといっていたのは、この細めのブナだった。
 このブナが印象的だったようで、前回、写真撮影した後、自宅で、このブナの絵を描いていたらしい。だが、手許の写真だけでは、詳細不明のため、現物を再度見たかったのが、ここの訪問理由。
 近くに寄って、しばし見続けた後、父は、デジカメ撮影していた。(写真下)
 12:51、目的を達成したので、ここで引き返すことに。
[そっちのブナだった?]

 帰りは、急斜面が下りとなるので、比較的、楽な歩きとなる。
 今日は、さすがに、すれ違うパーティも多い。
[再び鍋割山へ]

 13:40、再び鍋割山。
 山荘に入って、草野さんの奥さんに挨拶し、缶ビールをまた注文。
 外に出て、ベンチにて乾杯。青空の下、冷えたビールが喉を潤す。
 「うまい!」
 「さあ出発しよう。」 そう言ってザックを背負った時刻は、14:01。
[鍋割山にて再度、乾杯]

 下りは、サッサ、サッサとノンストップ。後沢乗越(14:50〜14:52)でもデジカメ撮影する程度で、休まず通過。
 再び、植林帯に入る。切り倒された木の横を通り過ぎる。
[後沢乗越からの下り] [植林帯に入る]

 西山林道に出ても、休むことなく歩き続け、大倉には、16:39着。
 バスを待っていると、後からどんどん下山者が並んでいく。これだけのハイカーを見るのも久しぶりだ。発車を待つバスに乗ったら、運転手から「この後、臨時便がでます」とのアナウンス。やはり、今日は臨時便も出る程、ハイカーが繰出したようだ。
 16:55、車中の人となる。 
[大倉までの途中、咲いていたシャガ] [大倉バス停にて]


 今回も無事下山できました。

 植林の間伐というのが、現時点での程度であれば、景観の面では、そんなに変化がないように見えました。(日々、見ているような人から見れば、別かもしれませんが) 
 間伐期間は、まだ4ヶ月あり、作業の途中なのかもしれません。間伐終了後にも、訪れたいと思っております。
 私がいつも歩きながら、ブナなどの自然林をデジカメ撮影しているのを見て、父も最近、絵の題材として、ブナの木に興味を持ったようです。父の絵は、山岳、山村、海岸などの風景画が主体(ごくたまに人物画、静物画がある)ですが、果たして、ブナの出来栄えは、如何に。完成の声を聞いたら、実家まで見に行きたいと思っています。



※山行時間には、撮影時間を含んでおりますので、ご注意下さい。