トップページ山行リスト(日付)>塔ノ岳・鍋割山・栗ノ木洞_記録20070616


塔ノ岳・鍋割山・栗ノ木洞

 山行日
2007年6月16日(土)・17日(日)  晴    同行者:父+宝塚すみれさんチーム(17日)
 コース
大倉登山口(8:27)〜(10:01)駒止茶屋〜(10:34)堀山の家〜(12:09)花立〜(12:37)塔ノ岳(13:25)〜(13:54)大丸(13:58)〜(14:39?)小丸〜(15:35)鍋割山(泊)
鍋割山(7:30)〜(8:09)後沢乗越(8:15)〜(8:42)栗ノ木洞〜(9:21)勘七橋〜(10:28)大倉
 昨年、鍋割山荘で知り合った「宝塚すみれ」さんチームの方々から、招待状が我々親子に届きました。内容は、わが父の傘寿(80歳)の祝いの夕食会を鍋割山荘で開催するというものです。(今年、父は、傘寿を迎えており、6月は、父の誕生月でもありました。)
 ということで、今年5回目の鍋割山へ。

 月曜あたりの天気予報では、週末は、雨との予報だったため、どうなることやらと思いましたが、金曜夜での予報では、週末は、快晴という当初とは、正反対の予報となりました。実際、当日は、雲ひとつない快晴となり、絶好の山行日和に。その上、この季節には珍しく空気が澄んでおり、陽が高くなっても、クリアな富士山を仰ぐことが出来ました。
 詳細は、以下をご覧下さい。

 ※「宝塚すみれ」さんという名は、鍋割山荘のK野K子さんが命名されております。


<第1日>
 渋沢駅で大倉行き始発のバスに乗るほど、早く出発することはないだろうと、前日、父と話す。
 ということで、ゆっくり出発することに。
 当日の朝、いつもとは、1時間程度遅めで、途中の駅で、父と合流。
 渋沢、8:08着。大倉行きのバス停には、すでに30人以上の行列が出来ていた。
  「タクシーで行こう」
 父は、スシ詰めが予想されるバスに嫌気が差したのか、そう言って、タクシー乗り場に向かう。

 大倉バス停の先、一般車道から細い舗装路に入る所(「大倉」という道標が立っている)からスタート。(8:27)(写真下)
[大倉登山口にて]

 前後には、大勢の登山者が山頂を目指して歩いている。
 この6月は、北アルプスなどの夏山登山のためのトレーニングという人も多いだろう。また、短パン姿の山岳ランナーも目立つ。この人たちは、富士登山競走あたりのレースのためのトレーニングだろうか。
[一本松の登り] [フラットな歩き]

 駒止茶屋を過ぎると、呼吸を整えるには、ちょうどいい平坦な道となる。雲がなければ、西側に富士山が見えるのだが、今日はどうだろう、そんな気持ちで西側を望むと、
  「オッ!」
と言葉が出るほど、驚嘆。
 そこには、真冬に見るようなクリアな富士山が姿を現していた。
 「6月で、こんなにクリアな富士山が見れるなんて」、堀山の家に向かう登り道で、そのことばかり気になっていた。
[6月では珍しく富士山がくっきり]

 堀山の家を過ぎ、一番きつく感じる登り道をゆっくり歩く。ラジオで東京都心では、本日、最高30度になるとの予報を聞く。
 木陰がない箇所では、強い太陽光線を手の甲に感じる。今日は、相当日焼けしそうだ。

 10:55、「ちょっと休憩しよう。」 父が木陰の箇所で、ザックを下ろす。
 父の話だと、すみれさんチームも大倉尾根を登り、金冷シで左折し、鍋割山に入る予定だと聞く。そんな話をしていたところに一人の男性が登ってきて、父に挨拶する。見れば、すみれさんチームの一人、HHさんだった。
 「後から、すみれさん達も登ってきますよ」
 HHさんの言葉から、ここで待つことに。
 すると、数分後、すみれさん達と合流することができた。
 挨拶を交わし、しばし談笑。
 「それでは、後ほど、鍋割山荘で」
 我々は、先に出発する。(11:17)

 12:15、金冷シを通過。この辺りから、父のペースがゆっくりとなった。塔ノ岳山頂までは、あと少しというところだが、そう簡単には、頂上に着かせてくれない。ここからの階段登りが、キツイのだ。

 12:37、ようやく塔ノ岳山頂着。
 まだ富士山は、姿を見せていた。裾野の方は、霞んでいたが、雪がまだ残っている頭の部分は、くっきり見えていた。
 父は、尊仏山荘にビールを買いに行く。相変わらず、ビール好きな父である。こちらは、夜に備えて、ビールは、パスし、昼飯用のオニギリを食べる。
 食べ終わっても、まだ時間的にはたっぷり余裕があるので、今度は、私が山荘に行き、山荘のご主人、花立さんに挨拶。ついでに今日の記念にと、バッチを購入。
[塔ノ岳山頂にて]

 13:25、塔ノ岳を出発。
 金冷シまで戻り、鍋割山稜に向かう。

 大丸を通過し、変形ブナに到着。(14:05) ついこの間のゴールデンウィークでは、まだ葉もついていなかったのに目の前のブナは、濃い緑の葉をつけていた。
 父は、「(絵には、)幹に立体感が、出ていないんだよなぁ〜」と呟きながら、変形ブナの隣のブナを眺めたり、撮影したりしている。このブナの木は、父の絵のモデルになっていて、絵自体は、ほぼ出来上がっているのだが、作者本人としては、まだ納得していないようだ。そのため、今回も時間をかけて、モデルの周りを歩き回っている。(写真下左)
 父が、隣のブナの木を観察している間、こちらは、変形ブナの撮影を実施。濃緑色のブナの葉に強い太陽光線が当たり、もはや真夏のようだと思いながら、シャッターを押す。(写真下右)
[変形ブナの隣のブナにて] [変形ブナ(左手前)]

 ギンリョウソウを見つけた。思わずデジカメで撮影する。(写真下左)

 途中のベンチで、ゆっくり休憩し、時間を潰しながら、ブナ木立の鍋割山稜を歩く。以前は、木立の間から遠景が望めたのだが、もう今となっては、葉が茂ってしまい、視界を塞いでいる。4月末に歩いた印象とは全く異なる様相だ。(写真下右)
[ギンリョウソウ発見] [緑の中を歩く]

 15:35、鍋割山に到着。山荘にて、すみれさん達の出迎えを受ける。小屋のご主人、草野さんにも挨拶。
 17:00、いよいよ夕食会がスタート。
 小屋のご主人、草野さんのご発声を戴いて、乾杯。
 次に、バースデイケーキに蝋燭8本を立てて、父に消してもらう。(このバースデイケーキは、わざわざ、すみれさんがケーキ1式を背負い、山荘にて、スポンジケーキに生クリーム等を飾って作られた逸品)
[バースデイケーキ] [今宵は、ワインで乾杯]

 その後、プレゼントとして、杯(酒好きの父には、ピッタリのプレゼント)や、お祝いの言葉の入った和傘を戴く。(傘寿ゆえの洒落たプレゼントなのだ)
 酒が入り、山仲間ということもあり、自然と、山の話になる。
 この間のゴールデンウィークに北ア燕岳に登られたすみれさんチームに対し、父が、50年前に登った当時の燕岳の写真を持ち出す。
 (父も50年前、5月連休に猛吹雪の中、燕岳に登ったものの、縦走を断念し、合戦尾根経由で引き返した経験あり)
 その後、厳冬の八ヶ岳(赤岳)での父の滑落の話や、草野さんの剱岳、穂高山行など、話は尽きない。
 ようやく日暮れになった頃、皆で夕焼けを見に外に出る。
[傘寿で和傘のプレゼントを戴く] [記念撮影]

 同角山稜に陽が沈んでいく。
 富士山に向かうような一筋の飛行機雲が印象的だった。(写真下)
 6月だというのに南アルプスも見えていることに気がつく。
 北岳の雪は、だいぶ消えているのがここからでもわかる。
 北岳、塩見岳、荒川三山、赤石岳、聖岳、3000m級の山並を日が沈むまで眺めていた。
 
 再び、山荘に戻って、ワインや酒を飲みながら、談話は、続く。山道具の話、深田久弥氏についての話や、鍋割山を称える歌「鍋割讃歌」等、山に関する話や歌は、エンドレスに続く。
 しかしながら、消灯の時間が近づいてきたところで、夕食会もお開きとなった。
[黄昏の富士山]

<第2日>
 翌朝、4:20起床。
 外に出ると、朝日に染まった富士山の姿が目に入る。今日も天気はよさそうだ。

 6:00に朝食をとる。
 朝食をとりながら、草野さんから、ホタル、キノコ等の話を聞く。ホタルといえば、幼虫は、淡水中にいるものだとばかり思ったが、ホタル全体から見るとそういった水生ホタルは、少数派で、陸生ホタルが多い等、なかなか興味深い内容だった。
[朝の富士山]

 7:30、鍋割山をすみれさんチームと一緒に出発。
 植林の伐採で、ミズヒ沢付近の登山路の一部が通行止めということで、今回は、栗ノ木洞経由で下山する。
 後沢乗越まで一気に駆け下りる。この間、すれ違った登山者は、7人。
[後沢乗越への下り]

 8:09〜8:15、後沢乗越。(写真下左)
 ここから、栗ノ木洞に向かう。今年1月にも通った道だが、鍋割山の迂回ルートになったため、道が以前より整備されていた。後沢乗越と栗ノ木洞の標高差は、約100m。それほど苦にはならない。

 栗ノ木洞山頂には、8:42着。
 私のザックには、昨日戴いた和傘と、寄書きがザックの外にくくりつけてある。(写真下右)
[後沢乗越にて] [栗ノ木洞にて]

 栗ノ木洞からの下りは、初めてのルートである。最初は、急斜面をジグザグに下っていく。(写真下左) そのうち、尾根に沿って、一気に下っていく。
 標高が下がるにつれ、暑くなってくる。
 9:19、ようやく林道に出た。(写真下右) ここで、左折し、勘七橋を渡る。
 後は、西山林道をひたすら歩き、大倉に向かうことになる。
 その林道でも、すれ違う登山者は、多かった。昨日に引き続き、今日も相当な人出になるだろう。
[栗ノ木洞からの下り] [林道に出た]

 10:28、大倉着。
 すみれさんチームは、大倉に残り、バス停前のソバ屋の開店を待たれるとのこと。我々は、10:38発のバスに乗車の予定。ということで、ここでお別れとなった。別れの挨拶後、バスに乗り込む。
 こうして、この度の父の傘寿山行も無事帰路についた。
 [大倉バス停に到着]


 【謝辞】
 今回の企画をして戴きました宝塚すみれさんチームの皆様、及び、草野さんを始め、小屋のスタッフの皆様、本当にありがとうございました。また、同宿となりました他パーティの皆様にも、大変お世話になりました。
 この場を借りて、厚く御礼申し上げます。
 親子して、この度のパーティは、この上なく感激致しました。
 今後もどうか宜しくお願い申し上げます。



※山行時間には、撮影時間を含んでおりますので、ご注意下さい。