トップページ>山行リスト(日付)>辺室山・鍋嵐_記録20071117
土山峠(7:38)〜(9:16)辺室山(10:17)〜(11:02)鍋嵐分岐点〜(能ノ爪を巻く)〜(11:33)719m峰〜(12:12)鍋嵐(12:48)〜(719m峰を巻く)〜(13:23)能ノ爪(13:42)〜(14:36)597峰手前(14:44)〜(15:16)堤川林道終点(15:18)〜(15:52)林道入口〜(15:57)土山峠 |
久々に辺室山に行ってきました。辺室山というのは、植林帯のイメージが強かったのですが、今回、雑木林が結構、残っている山であることを知りました。その後、鍋嵐に向かい、鍋嵐山頂で、楽しい山岳グループの方々にお会いし、その後、宮ヶ瀬尾根へと歩きました。
今回は、中型カメラ・三脚を担いで、紅葉の撮影も兼ねておりましたが、その結果は、如何に。
以下をご覧下さい。 |
本厚木駅前に出る。
ビルの谷間には、まだ陽が当たらず、街灯もまだ点いていた。(写真下)
本厚木を6:55に発車する宮ヶ瀬行きのバスに乗車。 登山姿の乗客もチラホラ。 バスの振動に揺られ、いつの間にか寝てしまった。(いつものパターン)
気がついたときは、別所温泉あたりだった。煤ヶ谷は、通過。結局、土山峠で下車する私が、登山姿の乗客として一番最初に下りることになった。 |
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[本厚木駅前にて] |
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7:33、土山峠着。(写真下左)
バスを降りた途端、吐く息がものすごく白い。こりゃ、気温は、0℃以下かもれない。耳がすぐに冷たくなる。ザックから毛糸の帽子を取り出す。 煤ヶ谷方面に戻るように歩くと、熊注意の看板が。(写真下右) と思ったら、すぐにヤマビル注意の立札が。 いやはや、注意だらけの登山である。他に登山者もいないので、ストックと熊鈴を取り出す。
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[土山峠にて] |
[熊注意看板] |
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車道から離れて、辺室山への山道を進む。 すると、すぐに紅葉の樹林が目に入った。もうこの高度で紅葉ということは、辺室山は、終わりかなと思ってしまった。 |
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[紅葉していた斜面] |
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だが、よく見れば、全部が全部、紅葉している訳ではなかった。まだこれからの木々もあり、ちょっと期待感が高まる。
このあたり、意外にモミの木が目立つ。また、山道には、ドングリが大量に落ちていた。ふと、熊目撃の看板を思い出す。
写真を撮りながら歩いているため、歩くペースが、かなりゆっくり。 |
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[道標にて] |
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8:28、小ピークを通過。(地図上の503m峰のようだ) ここで、山道は、右に曲がる。
8:31、道標あり。[物見峠2.4km・辺室山0.9km、土山峠0.6km] ここで、辺室山の「室」の字近くに「宝」の手書き文字が、書かれていた。
これは、以下の理由によるものだろう。 「かながわ山紀行」植木知行(かもめ文庫:神奈川新聞社 1991年12月発行)によれば、辺室山は、下記のように記載されている。(部分抜粋)
『この山(辺室山を指す)は、八菅修験の七宿30ヵ所の峰人修行の15番目にあたる。 〜(途中略)〜 この山の行場は、児ヶ墓と呼ばれ、崇拝対象は児ヶ墓天童であった。「新編相模国風土記稿」によれば「辺宝山(倍無保宇佐牟)上山に児塚と呼るあり塚上に四囲許の松樹あり、古大山修験入峯の時、児を葬りし所と云」と記され、修行のための入山のおり稚児を葬ったという伝承がある。〜(途中略)〜 風土記稿に記された「へんほうさん」のほうの宝がいつしか室に変わって「へんむろさん」と呼ばれるようになった。』
「宝」から「室」に変わったのは、明治の頃、地図作成時の記入ミスだろうか。そんな情報をどこかで得たような気がする。 |
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[道標] |
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左側に柵があり、その向こうは、植林帯になっている。山道は、雑木林側についているため、あまり植林は、視界に入らない。
8:43、登りの途中、前方を眺める。(写真下)
林相が美しい。目に優しい世界が広がる。 |
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[前方の光景] |
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高度を稼いでいくと、尾根の先端のような場所に出た。そこから先は、緩斜面となっていた。(写真下) 左は、植林。右は、雑木林。中央には、倒れていて全く役に立っていない柵。
左も右も樹高があり、奥行きもあり、ちょっと印象的な光景。こんなシーンがあるならば、記憶に残っていそうだが、「辺室山って、こんな山だったけ。全く記憶が無いな〜」と自問自答。 |
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[尾根の先端にて] |
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緩斜面を進んでいくと、紅葉したエリアが見えてきた。山頂付近は、どうやら紅葉しているようだ。 |
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[もうすぐ山頂] |
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9:11、ピークの手前に道標があり、標柱には「辺室山三角点」と記載されてあった。1/25000地形図上では、辺室山の標高は、ここの三角点の場所の644.3mが採用されている。
地図上では、南西側に少し行くとピークがあり、653m峰が記載されている。 目の前にも確かにその方向に少し高い場所がある。 そちらに向かう。 |
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[辺室山の三角点] |
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このあたり、山道が完全に落葉で埋っていて、フワフワと歩きやすい。踏跡がはっきりしないが、木立の間の歩きやすい所を選んで進む。 |
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[落葉を踏んでいく] |
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9:16、ピークに立つ。ここに辺室山山頂の道標が立っていた。この標識には記憶があった。地図上の653m峰のようだ。三角点のある場所より、こちらの方が高いので、実際、山頂としては、ここだろう。
(帰宅後、調べたら、8年ぶりの訪問だった。8年前の写真も、やはり、これと同じ標識が写っていた。)
ザックを下ろし、宮ヶ瀬湖の方へ歩いてみる。 |
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[道標上の辺室山] |
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宮ヶ瀬湖の方を眺めると、少しだけ湖が見えた。手前の紅葉もいい感じの色を出している。
鍋嵐方面は、紅葉が見事だった。ただ曇天ゆえ、色の鮮やかさは、出てこないのが残念。
ここで、中型カメラ・三脚を取り出し、撮影開始。山頂周辺を歩き回る。 |
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[宮ヶ瀬湖方面を眺める] |
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すると、7人の団体さんが、山頂に到着。中高年の男性、女性の団体だ。 記念撮影のシャッター押下を頼まれる。 一枚だけ撮影する。 「もう一枚、撮影しておきましょうか」と、カメラを返す前に尋ねると、 被写体の一人だった中年女性が、 「いいのよ。一枚で」 「でも、どなたか目を瞑っておられると、問題では?」と私。 「その時は、この人(カメラ所有の男性)が、ちゃんとパソコンで目を入れてくれるのよ」とのご回答。 なるほど、現在のデジタル技術ならば、それも可能だろう。こういった技術情報が、既に通常生活の中に溶け込んでいることにちょっぴり、驚いてしまった。
団体さんが先に出発し、再び静寂の世界に戻る。 数分後、こちらも、カメラを片付け、出発する。(10:17)
約1時間、山頂で過ごしてしまった。
右手に宮ヶ瀬尾根方面を眺める。沢の上から見下ろすと、堤川林道が見えた。(写真下では、ちょっと分かり辛いが)
辺室山側の斜面も、結構、紅葉しているのがわかる。 |
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[[堤川林道が見えた] |
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小ピーク到着。(11:02) (写真下左)
ピークには赤頭白杭(水源の森林)があり、手書きで「ナベワラシ←」と書かれてあった。(写真下右) 一般登山道は、ピーク手前で、左に下っていくが、今回は、この鍋嵐に向かうことにする。
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[ここで一般ルートから外れる] |
[赤頭白杭] |
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この小ピークを下る時、慎重に進む。滑ると危険だ。さすがに一般登山道では、なくなっただけの事はある。
以前撮影したことのある稜線から、経ヶ岳方面を眺める。
能ノ爪のピークの左を巻く。ここも一歩間違えると、左の沢に滑落する可能性がある。
ここからは、延々、ヤセ尾根を進んでいく。 |
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[まだ歩き易い部分] |
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719m峰も左に巻いていく踏跡があるのだが、途中で分からなくなり、ピークに登ってしまった。登った先には、紅葉した林が広がった。(写真下左)
相変わらず、ヤセ尾根沿いに進んでいく。途中で、倒木に出会う。(写真下右) その後もヤセ尾根の中央にドンと立っている木を抱えるようにして通過し、鞍部に出た。 最後の登りである。 これが、結構、急斜面。2年前もヒイヒイ言いながら登った記憶がある。
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[719m峰ピーク付近の紅葉] |
[ヤセ尾根の上の倒木] |
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12:12、鍋嵐のピークに到着。
誰もいなかったが、北側から人声が聞こえてきた。ここで、昼食とし、オニギリやパンを食べる。
周囲は、樹林だが、丹沢三峰方面だけ、木立の間から眺めることができる。 その後、視界が広がる箇所は、ないかと、南西側の尾根の方に進んでみた。 |
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[鍋嵐ピークに到着] |
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南西側に進んでも、相変わらず、樹林帯である。しかし、一面、落葉で赤く染まっている地面が目に入った。(写真下) 結局、この写真を撮って引き返す。
山頂に引き返すと、8人の中高年の団体さんが記念撮影をされる最中だった。ここでもカメラのシャッター押下を頼まれる。
結局、3台のカメラで計6回、シャッターを押す。先ほどの辺室山で出会った団体さんと同様、賑やかなグループだ。聞けば、これから宮ヶ瀬尾根方面に行くと言われる。団体さんが先に出発し、辺室山と同様、一人山頂に取り残された。
再び、山頂付近でデジカメ撮影を実施。「ナベワラシ」の標識などを撮影する。 |
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[モミジの落葉] |
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12:48、山頂を出発。
先ほど登ってきた斜面を下っていく。ストックが無いと、ちょっとつらいところだ。(写真下左)
再び、ヤセ尾根を進んでいく。すると、さっきの団体さんが休憩されていたので、追い抜くことに。
13:15、行く時は、ピークを通った719m峰は、右側を巻いていく。こちらから行く場合は、簡単にルートが分かった。 13:17、小ピークに向かう。能ノ爪と呼ばれる箇所だ。(写真下右) |
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[鍋嵐ピークを下る] |
[能ノ爪への登り] |
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13:23、能ノ爪到着。ここで小休止。赤頭白杭には、能ノ爪の手書き文字が。
すると、先ほどの団体さんに追いつかれた。 |
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[能ノ爪にて] |
[赤頭白杭に手書き] |
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再び挨拶し、これからのコースを尋ねられる。 今回は、素直に来た道を戻って物見峠に出るつもりでいたが、まだ時間もあることと、団体さんが宮ヶ瀬尾根方面に行かれるということもあって、宮ヶ瀬尾根に向かうと返答。(実は、今回、この宮ヶ瀬尾根方面と惣久径路は、予習しておいた)
ここで、団体さんのお一人と話をする。神奈川県在住のmikkoさんと言われる。ブログも公開されているということで、URL記載の名刺を戴く。今回は、地図読みトレーニングと称して山行計画されたとの事。それで皆さん、地図を見ながら歩かれていることに納得。
団体さんに先に行って戴く。 こちらは、ゆっくり出発。団体さんの姿が小さくなったところで出発。 尾根の幅が広い斜面を下っていく。
地図読みが必要な箇所だ。そのまま尾根を直進するのではなく、尾根の先端で右に折れていく。そこでは、その右に折れる方向にテープが付けられてあった。
このあたりは、さっきまでの鍋嵐のヤセ尾根とは対照的な幅広い尾根道だ。
ふと、右手に木立が切れた。その向こうには、辺室山が山肌を見せていた。 |
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[広い尾根を下っていく] |
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その後、植生保護柵の左側を通過し、地図を見ながら下っていく。(写真下左)
このあたり、1/25000地形図だと、ちょうど地図の境目(大山、厚木)で読みづらいこと、この上ない。 13:58、尾根の先端に到着。ここから急な下りとなった。(写真下右) |
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[とても歩き易い尾根だ] |
[尾根の先端で急斜面となる] |
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急な下りもそれほど危険ば箇所はないものの、再びあのヤセ尾根状態に戻った。だが、あっさり下ってしまった。地図から判断すると、この辺りが最低鞍部のようだ。 すると、前方に先ほどの団体さんが休憩されていた。先に行かせてもらう。
ほぼ水平に進んでいくと、右手前方に以前、堤川林道終点から宮ヶ瀬尾根の稜線に続く植林帯が見えた。この時点で、後は、以前通った道につながると確信する。
14:19、小ピークにて休憩。 ここで、本日初めてのペットボトル1本めの口を開けて飲む。
数分後、団体さんに追いつかれた。よくよくコースを聞けば、これから宮ヶ瀬尾根の617.2m峰まで行くと言われる。であれば、明るいうちに下山してもらうためにも、最後の挨拶を交わし、先に出発してもらう。 |
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[小ピークにて休憩] |
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14:32、小ピークを出発。ピークを下って、登り返すと、植林帯となった。
14:36、今年4月に来たことのある植林帯に着いた。(写真下) |
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[植林帯に出た] |
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14:44、出発。
ここで尾根筋ではなく、右手の植林帯の中に入っていく。
途中、鍋嵐の稜線の見える場所に出た。今年4月の時は、新緑だったが、今回は紅葉である。
思う存分、デジカメ撮影した後、さらに植林帯を下っていく。
以前歩いたことのあるルートだが、この下りは、分かりにくい。なんたって既に暗いのである。 |
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[暗い植林帯を下っていく] |
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15:16、ようやく植林帯を出て、林道終点に飛び出した。 あとは、ゆっくりと林道を下っていくだけだ。 |
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[林道に出た(振り返って撮影)] |
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15:55、土山峠バス停が見えてきたと思ったら、既に長い列が。(写真下)
こりゃ、バスは混むなあと思いつつ、バス停に近づく。 |
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[土山峠バス停が見えた] |
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土山峠バス停に15:57着。 さて、バスの時刻は?とダイヤを見ると、何と15:56。これは、ラッキーと、列の最後尾に並ぶ。 まさに2,3分後、バスが到着した。
やはり、席には座れなかった。だが、温泉(別所温泉や飯山温泉)に入るためか、途中で下車するハイカーが多く、飯山温泉の先から座ることができた。
本厚木に近づく頃、既に日は、沈んでいた。無事、下山できたかなと、あの宮ヶ瀬尾根の奥に向かって行かれた団体さんを思い出した。 |
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[土山峠バス停] |
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無事、鍋嵐から宮ヶ瀬尾根に歩くことが出来ました。この間のルートは、事前情報から察して、鍋嵐のヤセ尾根以上にスリルがあるかと思っておりましたが、あっさり通過してしまいました。
宮ヶ瀬尾根を進んでいかれた団体さんも、その後の連絡で、無事、明るいうちに617.2m峰から宮ヶ瀬湖に下山されたことを聞きました。
今回は、辺室山・鍋嵐近辺の紅葉が素晴らしく、惜しむらくは、午前中から斜光線が当たっていれば、もっと鮮やかに見えたかな、といったところです。
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※山行時間には、撮影時間を含んでおりますので、ご注意下さい。
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