トップページ山行リスト(日付)>大丸・鍋割山_記録20071125


大丸・鍋割山

 山行日
2007年11月25日(日)     快晴     同行者:父
 コース
大倉(7:34)〜(9:04)駒止茶屋〜(9:29)堀山の家〜(10:49)花立(10:58)〜(11:03)金冷シ〜(11:17)大丸〜(11:43)小丸〜(12:10)鍋割山(13:14)〜(14:16)後沢乗越〜(15:07)二俣〜(16:16)大倉
 今回も鍋割山稜です。
 先月、父(といっても数え年80歳の爺さんです)と鍋割山を訪問しましたが、冷え込む季節になってきますと、鍋焼きうどんが食べたくなりました。そんな訳で、父と再び、3連休の最終日、日帰りで鍋割山稜を歩きました。
 詳細は、以下をご覧下さい。すでに鍋割山稜には、冬が訪れていました。


 朝から素晴らしい青空が広がる。首をぐるりと回しても、全く雲が見つからない。こんな快晴の日というのは、極めて稀なケースだろう。
 渋沢から、7:18発の大倉行きバスに乗車。朝3番目のバスだ。
 3連休の最終日というせいか、3番目のバスのせいか、それほど車内は、混んでいない。

 7:26、大倉着。(写真下左)
 上着を脱ぎ、準備を終えて、出発。(7:34)
[大倉バス停にて]

 父に言わせるとペースが速かったようだ。雑事場のベンチで小休止。ここで父が上着を脱ぐ。(写真下左)
 見晴茶屋を通過し、一本松への登りに入る。コンディションが悪いと、この登りでバテてしまうのだが、今日はどうだろうか。
 日が照っているわりには、気温が低い。このため、汗がそれほど出ないので、歩きやすい。(写真下右)
 そんな訳で、一本松の道標に8:37。ほぼ1時間で、ここまで来れたというのは、父のペースにとって、スピードの出し過ぎでは?と思ってしまう。すぐ先のベンチで小休止。(8:42〜8:50)
[雑事場のベンチにて] [木道を進む]

 駒止茶屋を通過し、フラットな道に出る。
 さて、今日は、雲が無いだけに富士山も見えるだろうと、西側の光景に期待してしまう。
 案の定、富士山にも雲が無かった。(写真下)
 ここで、父が、「来年の年賀状用の写真にしたい」と、富士山をバックにした記念撮影を強いられ、何度もシャッターを押す。
[富士山が姿を見せる]

 その後、堀山の家の前のベンチで休憩かと思ったら、父は、あっさり通過。おやおや、今まで休憩をとっていた間隔とは、異なる動きとなった。だが、調子がよさそうで、その後もペースを落とさず、歩き続ける。
 
 平坦な山道で、呼吸を整え、これからの登りに備える。(写真下左)
 こちらが撮影しながら歩いていると、父との間隔が空いてしまう。今日は、本当に調子がよさそうだ。
 花立山荘下の階段でも、特に立止まることもなく、登っていく。(写真下右)
 上空は、本当に澄み切った青空。
[平坦な山道でペースを整える] [花立山荘下の階段登り]

 花立山荘に到着。(10:22) ここで、小休止。
 周囲も多くの登山者が休憩中だった。
 ベンチに腰掛けると、父が、ザックから何やら果物を取り出す。ミカンかと思いきや、柿だった。(普通、柿が出てくるだろうか)やや小振りのサイズだが、あっという間に2個食べてしまった。(予想以上に甘かった)
[柿を食べる]

 柿を食べた後、出発。(10:38) 花立への登りとなる。(写真下左)
 上の方から、ササをかき分けるような音が近づいてくる。誰かが走って下っているのかと思って、顔を上げると、何と立派な角を持った雄ジカだった。雄ジカ1頭が山道の右側のササの中を下ってくるところだった。(写真が撮れなかったのが残念)
 人間を見ても、それほどスピードを上げることもなく、堂々と下っていき、林の中に消えてしまった。
 花立よりも手前の大倉尾根でシカを見るのは、随分久しぶりのような気がする。(確か以前、花立山荘で見かけたことがあった)
 今年は、シカにとって災難の年だろう。シカの捕獲は、例年冬季だけだったのを、今年度は、通年で実施しているのだ。

 10:49、花立到着。
 富士山が素晴らしい。(写真下右)
 やはり、ここでも父から年賀状用記念撮影を強いられる。ああでもない、こうでもないと単にシャッターを押すだけでは済まされない状況が続く。
[花立への登り] [花立にて]

 どうにか富士山をバックにした撮影を終え、馬の背を通過し、金冷シに辿り着いた。(11:03) (写真下) 予定通り、塔ノ岳はパスし、左折して鍋割山を目指す。
[金冷シにて左折]

 大丸との鞍部に向かう途中で、右側斜面に動くものが。
 よく見るとシカだった。数えると、3頭で、そのうちの1頭は、まだ子ジカらしく、身体が小柄だった。人間には、警戒心があるようで、一定以上の距離を保ちながら歩いているが、だからといって、逃げようとは、しない。餌を期待しているのだろうか。(写真下左)
 今日は、先ほどの雄ジカといい、シカにこれほど遭遇するのも最近では、珍しい。

 大丸への登りとなる。(写真下右) 
 ここでも父の歩行ペースは落ちない。こちらが、撮影しながら歩いていると、追いつくのに苦労してしまう。
 このあたりでは、既に紅葉が終わっており、冬枯れの林の中を登っていく。
[3頭のシカと遭遇] [大丸への登り]

 大丸付近(大丸のピークは、山道から少しずれている)にて、幹が完全に折れ、倒れてしまっているサワシバの木が目に入る。(写真下)
 前回、この光景を目にして唖然としたことを思い出す。この木は、この場所(大丸)でのシンボルみたいな木だったのだが、非常に残念だ。
[大丸付近にて]

 その後、木の階段を下っていくと、ブナの木が目立ってくる。
 気がつけば、撮影が定番になりつつある「変形ブナ」に到着。
 父にすれば、変形ブナの隣のブナの方が、お気に入り。(写真下左) 最近は、趣味の油絵の対象にもなっている。
 私としては、変形ブナの方が、その幹の形からして、ブナらしく、気に入っているのだが。(写真下右)
 父に言わせると、変形ブナは、あまりにも三次元過ぎて、立体感の表現が難しいらしい。ブナを絵の題材として見ているためか、評価が分かれるようだ。
 その後、ちょっと左手に進んで、斜面に出る。ここから、富士山の姿を望む。
[変形ブナの隣のブナ] [変形ブナ(左)]

 さあ、ここからは、ブナ林が続く鍋割山稜の核心部。
 冬枯れ状態の林ではあるが、ブナの枝振りを見ているだけでも気分がいい。
 父もデジカメ撮影しながら歩くので、二人のペースは、グンと落ちる。
[既に冬枯れの林を行く(1)] [既に冬枯れの林を行く(2)]

 小丸のピークの林も完全に落葉していた。
 しかし、青空と冬木立の組合せの眺めは、何となく心を落ち着かせてくれる。
 父の歩行ペースが上がった。
 鍋焼きうどんのためだろうか?
[小丸にて]

 小丸と鍋割山の間にある緩やかな小ピークを登る。
 このあたりも木立の雰囲気がいい。
[鍋割山まで、もう少し]

 毎度ながら、鍋割山手前にある、山道の右手が崩壊している箇所から蛭ヶ岳方面を望む。
 この鍋割山稜では、珍しく、目前の木々が無い形で視界の広がる場所だ。
[蛭ヶ岳(左)、不動ノ峰(中央)、丹沢山(右)を望む]

 12:10、鍋割山頂上に到着。
 恐ろしいほどの登山者数だ。
 小屋の前に立っていると、屋外で鍋焼きうどんを食べ終えた人たちが、器を返しに小屋に続々と入っていく。今日は、相当、鍋焼きうどんが売れていることだろう。
 小屋の中に入って、草野さんご夫妻に挨拶。お二人とも、案の定、鍋焼きうどんの注文対応に大童。カウンターの奥では、いくつもの鍋焼きうどんが並行して作られていた。
 父は、ロング缶のビールを注文。そして、鍋焼きうどんを2つ、注文する。
[鍋割山頂上にて]

 天気もいいので、外でうどんを食べることに。
 ちょうど運よく、ベンチが空いた。ザックからワインを取り出す。ちょっと遅いが、ボジョレ−ヌ−ボ−である。
 ということで、父は、缶ビール+赤ワインに鍋焼きうどん。私は、赤ワインに鍋焼きうどん。鍋焼きうどんは、具も多く、美味。ボリュームも結構あり。
[名物鍋焼きうどんとボジョレ−ヌ−ボ−]

 気がつけば、ワインもビールもうどんも空となった。
 周囲をよく見ると、結構、若い人たちのグループも登っている。聞こえてくる会話から察して、どうやら鍋焼きうどんが目的のようだ。
 今日は、外でじっとしていても寒気を感じることなく、アルコールが程好い酔い気分をもたらしてくれる。いや〜満足、満足。
 「父は、その後、缶チューハイを自分のザックから取り出して飲んでいる」
 ....忘れないよう、ここに追記。

 爺さんなのに、よくもまあ、こんなに入るものだ。
[完食、完飲]

 小屋に入って、器を返すとともに草野さんご夫妻に挨拶。
 その後、ほろ酔い加減で、下山開始。(13:14)
 アルコールのせいか、ちょっと足が軽く感じる。後沢乗越までは、下りが続くが、やはりペースが遅い。後から来るハイカーに追い抜かれていく。
[後沢乗越に向かって下る]

 後沢乗越に14:16。ここまで、1時間もかかってしまった。(昭文社の丹沢地図によれば、コースタイムは、50分) 途中、休憩した訳でもないのにこの時間である。いかにゆっくり、安全に下ったかがわかる。
 しかし、後沢乗越を過ぎた辺りから、酔いは醒めた様で、急にピッチが上がったような感じとなる。
[後沢乗越] [急斜面を下っていく]

 植林帯を下っていく。(写真下) 
 ここで、父がデジカメを取り出し、何やら撮影し始める。何を撮っているのかと見ると、新しくできた植林の切り株だった。何となく絵の題材になるのではないかとの事。思えば、今年、この間伐作業で長らく、この山道は通行止めだったことを思い出す。
[植林帯を下っていく(振り返って撮影)]

 14:42、ミズヒ沢に出た。
 ここから林道になるが、恐ろしいほど、父のペースが速い。爺さんとは、思えぬスピードで歩いていく。
 林道に出た辺りは、紅葉の真っ最中だった。但し、撮影には、手前の木立が邪魔になり、イマイチ。途中、紅葉し始めたモミジを撮影。(写真下左)

 大倉バス停にもう少しというところで、表尾根に西日が当たっている光景に出くわす。(写真下右)
[西山林道での紅葉] [表尾根を眺める]

 16:16、大倉バス停に到着。
 日の入り前のちょうどいい下山時刻だと思うのだが、意外に下山者は、少ない。
 発車直前のバスだったが、座ることができた。
 16:18、バスは、渋沢に向けて出発。こうして、今回も無事帰路についた。
 [大倉バス停にて]


 今回は、澄み切った青空の下、絶好のコンディションで、大倉尾根の登りを経験しました。いつものヒイヒイ言いながらの登りと異なり、異常な程、気持ちよく登ることができました。
 今回は、鍋焼きうどんを食べるという目的も達成し、遅めではありましたが、ボジョレーヌーボーも山頂で味わうことができ、上述の通り、満足な一日となりました。
 まだまだ、父の脚力は衰えていないことが、よく分かりました。お気に入りの鍋割山稜への山行は、来年もどうやら続きそうです。



※山行時間には、撮影時間を含んでおりますので、ご注意下さい。