トップページ山行リスト(日付)>栂立尾根・本間ノ頭_記録20080412


栂立尾根・本間ノ頭

 山行日
2008年4月12日(土)         曇    単独行
 コース
宮ヶ瀬(7:47)〜(8:24)金沢橋(8:35)〜(9:58)六百沢ノ頭(10:05)〜(10:37)栂立ノ頭(10:46)〜(11:49)鐘沢ノ頭(11:54)〜(12:38)本間ノ頭(13:20)〜(14:19)金冷シ〜(15:29)御殿森ノ頭(15:43)〜(16:38)宮の平 
 通称、栂立尾根と言われる尾根に行ってきました。この尾根は、三叉路から本間ノ頭に向かっていく一般登山道の途中、金冷シあたりで、北側に見える尾根のことで、最終的には、本間ノ頭に通じています。いつかは、訪れてみたいと思っていましたが、今回、ようやく実行に移せました。
 また、帰りのバス停では、....。 


 予定通り、本厚木に6:50到着し、6:55発、宮ヶ瀬行きのバスに乗車。すでにバスは停車中で、座席も半分以上、埋まっている。今日は、終点まで乗っていけばいいので、グッスリと眠ることが出来ると思っていたのだが、今日に限って眠くならない。そんな訳で、今のうちにスパッツを装着。
 また、バス内の登山者をチェック。
 登山者風の乗客は、自分以外で8人ぐらい。その下車バス停は、下記。
   煤ヶ谷 :3人  坂尻 :1人
   土山峠 :0人  仏果山登山口 :0人
   三叉路 :4人    
 なんと、土山峠、仏果山登山口がゼロ。仏果山は、人気薄なのだろうか。
 逆に三叉路での4人にビックリ。皆、丹沢山に向かうのだろうか。

 7:39、終点宮ヶ瀬にて下車。登山者は、私一人だった。
 バス停にて記録写真を撮影し、出発。(7:47)

 思えば、宮ヶ瀬が出発点というのは、久々だ。確か、ここから御殿森ノ頭に向かうルートを目指したのだが、登り口がわからず、結局、三叉路の交差点までバス道を引き返した経験がある。おそらく、それ以来の出発点だろう。
[宮ヶ瀬バス停にて]

 道路の左手を注意深く見ながら歩いていくと、進むべき道は、すぐ見つかった。ガラガラの駐車場を見下ろしながら、クネクネと曲がる、濡れた道を進んでいく。

 道は、湖畔沿いに続いている。対岸には、虹の大橋が見えた。曇空のせいか、あまり橋がパッとしない。
 「しかし、いい道だな〜」と思いつつ、歩いていくと、正面に茶色の橋が見えた。
 金沢橋だった。(8:22)
[虹の大橋を眺める] [金沢橋に到着]

 事前チェックによれば、橋を渡った所が尾根の取り付き点となる。(写真下)
 ここで、上着を脱ぎ、ストックを取り出し、クマ鈴をつけたりと、準備に取り掛かる。(8:24〜8:35)
 
 いざ出発と、道から外れて進んでみるものの、どこがルートか分からず。ササを掻き分けてみると、足下に何となく山道らしきものがあることを発見。
 「これがルートか」と思い、進んでいく。
[金沢橋を渡ってすぐの取り付き場所]

 このササヤブが、厄介なことに濡れており、早くも下半身は、濡れ状態。ちょっと先が思いやられる出発となった。
 また、ルートがはっきりしなくなった。前方を見ると、このササヤブが続くので、左側にトラバース気味に進む。尾根筋から見て、どうせ左手に行かなくてはならないからだ。

 8:41、ようやく尾根に乗った。
 何と、尾根の背筋に出たら、全くササヤブのような箇所はなく、今までの状況がウソのようだった。
[いきなりササヤブ]

 その後、踏跡のはっきりしない植林帯の急登になる。
 ガムシャラに直登し、登りきると、再び歩きやすい植林帯となった。(写真下)
 これは、気分爽快。ようやく登りのエンジンがかかってきた。
[尾根の背筋沿いに登っていく]

 9:05、小ピークに到着。
 地図で見ると、ここは、送電線の手前の小ピークで、事前調査では、「タロベエ峰」という名前がついていた所だ。(写真下)
 正面にシカ柵があり、視界は、木立のために広がらない。それでも木立の間から目を凝らすと、先ほどの「虹の大橋」を発見。
[最初のピーク:タロベエ峰]

 シカ柵沿いにタロベエ峰を下っていくと、鞍部にて柵に穴が開いていた。
 ここをくぐって植林帯に入る。

 シカ柵を右側に見ながら登っていくと、正面に送電線鉄塔が見えた。(写真下)
 手前のシカ柵にかかっている脚立を使えば、鉄塔側に入れるが、ここは、敢えて入らず、そのままシカ柵沿いに進んでいく。
[新多摩線32鉄塔]

 鉄塔の後方で、ピークを迎えた。(ここにも脚立があった)このあたりが地図上の532m峰かなと判断。(9:19)
 相変わらず、右手にシカ柵を見ながら進む。
[鉄塔の先のピーク]

 9:25、鞍部に到着。シカ柵が複雑に合流していた。
 ここは、脚立を使用して、シカ柵を越える。全体重を脚立のステップのパイプ一本に掛けることにちょっとビクビクしてしまう。
[シカ柵だらけの鞍部]

 9:36、またまたシカ柵。脚立も用意されていた。(写真下)
 だが、シカ柵には、大きな穴があり、ここは、穴を利用。

 この先、自然林の中を歩くことになるが、踏跡は、明確でない。
 段々、急登になっていく。
 昨日の雨のせいか、土が軟らかく、足が滑って地面にヒザを着く。登りで、こんなに滑ったのも珍しい。雪山のようだった。

 9:58、背の低い赤頭黒杭(K38)を発見。ここで、右から別の尾根が合流していた。この後、進路は、南となる。尾根は、やや細くなり、周囲にモミ・ツガの木が目立ってきた。
[シカ柵の先は、自然林]

 9:58、小ピークに到着。ここが六百沢ノ頭(732m峰)だった。(写真下)
 今日初めてペットボトルで水分補給。こんな曇天なので、それほど水が欲しいとも思わず。
 ここも今までのピークと同様、視界は広がらなかった。
 そんな訳で、10:05、出発する。
[六百沢ノ頭にて]

 六百沢ノ頭から下っていく。ここもシカ柵沿いに進む。
 今回は、シカ柵沿いのルートが続くなぁ〜と思いながら、下っていくと、正面に脚立が現れる。
 脚立にてシカ柵を越える。(本日2回目)
[鞍部にてシカ柵に脚立]

 10:24、急登が始まる。
 シカ柵は、右手。植林帯側を登っていく。最初は、足だけで登れたが、そのうち手を使わないと登れなくなった。結局、右手でシカ柵を掴みながらの登りとなる。

 約5分程度、登ったところで、シカ柵に穴が開いていた。ここで、右手の自然林側に移ることにした。というのも、右手にストックを持ち、左手でシカ柵を掴む方が登り易かったからだ。
[栂立ノ頭への急登が始まった]

 10:37、ようやく前方が緩やかになったかと思ったら、そこが頂上だった。
 ピークには、脚立があり、シカ柵をそのまま植林帯側で進んできても、問題なかったことに気がつく。(シカ柵には、穴も開いていたが)
 苔のついた岩が幾つか有り、ここが栂立ノ頭だとわかった。
 ザックを下ろしてしばし休憩。
 ここも周囲は、樹林だらけで視界が広がらない。だが、目の前の苔むした岩が印象的で、ガスも湧いてきたため、何やら幽玄の世界に踏み込んだ気分。
 静寂な山頂だ。考えてみれば、山に入って、まだ誰にも会っていない。
 名残惜しいが、10:46、出発。
[栂立ノ頭頂上(振り返って撮影)]

 鞍部に到着。この辺りは、尾根が細くなっている。
 相変わらず、ガスが湧いており、左右の視界は、写真にならないほど、乳白色になってきた。
[尾根が痩せてきた]

 11:02、急登が始まる。
 目の間に大きな岩が現れる。ここは、大岩の左側を通過していく。
 11:11、ようやく尾根の巾が広がってきた。
[大岩の左を行く]

 11:18、尾根の合流点に到着。(写真下)
 ここで倒木を椅子代わりにして小休止。
 この座り心地が最高で、なかなか動けず。
[尾根の先端に到着]

 この後、傾斜は緩やかになっていく。
 11:29、このあたりが1043m地点かな〜と思いながら、進んでいく。
 ピーク地点がはっきりせず、確信が持てないまま、通過してしまった。
[1043m地点あたり?(振り返って撮影)]

 11:43、前方が非常に緩やかな斜面となる。右手側から尾根が合流しているのがわかった。
 
 11:49、このあたりが少し高くなっていたので、おそらく鐘沢ノ頭だろうと推測。(写真下)
 ガスが濃くなっており、高畑山から続く尾根等、全く見えず。
[鐘沢ノ頭(1108m峰)あたり]

 さらに登って高度をかせぐ。ますますガスが濃くなってきた。
 前方に幹から折れた大木(モミ?)が目に入る。痛々しい限りだ。強風で折れたのだろうか。(12:04)
[登りの途中にて(振り返って撮影)]

 傾斜が緩み、濃いガスの中を歩いていくと、右手に山道らしきものを発見。そちらに向かう。近寄って見れば、確かに山道だった。(写真下)
 このあたりも整備されるのだろうか。
[何やら山道らしきものが現れた]

 その山道を利用して進んでいくと、前方のピークを右に巻いていく。
 すると前方にトラ塗りのロープが張ってある箇所に出た。(12:19)
 ここは、本間ノ頭から旧丹沢観光センター(本間橋)に続くルートとの合流点だ。
 左折して、本間ノ頭に向かう。
[ロープにぶつかる(振り返って撮影)]

 先ほど、ピークを右に巻いたが、その巻いたピークに向かって登っていく。
 すると札のぶら下がったロープに出会う。
 さっきの山道を歩かず、ピークに向かって進んでいったら、このロープに当たることに気がついた。
[本間ノ頭に向かう途中にて]

 札のぶら下がったロープから本間ノ頭まで、非常に長く感じてしまった。
 最後の登りをゼイゼイ言いながら終えると、目の前にベンチが見えた。本間ノ頭のピークにようやく到着。(12:38)
 ベンチにザックを下ろし、昼食のパンを食べる。

 すると、私が登ってきた方向から、小柄なオジサンが軽快に登ってきた。
 聞けば、早戸川ゲート手前(松茸山の下)から早戸川を渡り、直登し、ここに来たとのこと。
 また、丹沢山方面から来た単独男性の方とも話をする。3人で丹沢の尾根歩きに話が咲く。その後、オジサンは、パンを食べ終わると、来た道を戻るように本間橋方面へ下って行った。
 男性も出発。その後、こちらもザックを背負って三叉路に向かって歩き始める。(13:20)
[本間ノ頭に到着]

 今日は、トレイルランニングシューズを履いている。いつもの登山靴よりも軽い靴である。ザックの荷が軽い時は、この方が歩きやすい。そんな訳で、リズムよく下っていく。下るにつれ、ガスが薄くなっていった。
 
 金冷シ付近のクサリ場で、登ってきた栂立尾根を眺める。
 その後、嫌らしい橋を渡り、さらに進むと、14:30、橋が折れて、代わりにロープが張ってある場所に出た。(写真下)
[橋が折れて代わりにロープが張ってあった]

 14:39、青宇治橋への分岐点に到着。この辺りは、昔からヒル注意ゾーンだったので、立ち止らず、さっさと通過。

 14:42、高畑山分岐に到着。(写真下)
 小さな立札があり、直進路は山道が崩落しているので、高畑山経由で歩くように書かれてあった。だが、手書きで「通れる」とも書かれてあったので、引き返す覚悟の上、直進してみることにした。
[高畑山山頂への分岐点]

 14:46、前方の橋が谷側に落ちている箇所に遭遇。これが原因で、通行止めになっているようだ。慎重にトラバースして通過。(写真下左)
 また、トラバースせず、一旦、谷側に下って、再び登るというような踏跡もあった。
 橋は、片側が外れ、谷側に落ちていた。(写真下右)
[橋が落ちていた場所(振り返って撮影)] [木橋が落ちていた]

 14:52、高畑山からのルートと合流。
 考えてみれば、この迂回路指示部分を除外しても、栂立尾根より、こちらの一般登山道の方が金冷シ付近等、よっぽどスリルがあるな〜と思いながら、下っていく。
 ちなみに栂立尾根は、ヒヤヒヤ・ドキドキといった緊張感は、あまり無かったが、下りに使うと尾根の先端で間違った方向に下って行きそうで、全く自信なし。
[高畑山との分岐点(振り返って撮影)]

 15:29、御殿森ノ頭下に到着。(写真下)
[御殿森ノ頭の直下]

 ここで、寄り道して、山頂に登ってみた。小さな石の祠がポツンとあるだけだった。
 ただ気なる点が2つ。
   ・ピークの南側に山道らしきものが造られていること。
   ・山頂付近で焼けて黒くなった木がいくつもあったこと。
 前者は、どこまで続いているのだろうという疑問も湧く。宮ヶ瀬尾根と同じような山道だろうか。いつか、訪れてみたい。
 後者は、インターネットで帰宅後、調べたら、2007年12月に山火事が発生した模様。その結果の光景だと知る。
[御殿森ノ頭頂上にて] [頂上から山火事跡を見下ろす]

 15:43、御殿森ノ頭を出発。
 進んでいくと、1本の山桜が満開だった。その先、ミツバツツジの花があちらこちらで見られた。ここまで下ってしまうと、もうすっかり、春の彩りである。
[ミツバツツジが咲いていた]

 16:21、ようやく県道が見えた。(写真下)
 16:26、県道に出た所でザックを下ろし、スパッツや、ザックカバーを外す。
[県道を見下ろす(中央奥は、三叉路)]

 三叉路に出た。左折して三叉路のバス停に行っても、周囲には、店もないので、宮の平バス停に向かう。
 
 16:38、宮の平バス停に到着。バス停のベンチには、既に一人の男性登山者がバスを待っていた。次のバスは、16:52。道路を渡って、自販機で飲料を購入。さらに湖側に進む。そこは、まだ桜が満開状態だった。デジカメで桜を撮影したりして、時間を潰す。
 
 定刻より、やや遅れてバスが到着。
 こうして、今日も無事に帰路についた。
 [宮の平バス停にて]


 今回の山行では、事前調査として
  ・「おっさん」さんのHP「みけとうに&おっさんの山歩き」栂立尾根(2007/2/24)
  ・丹沢写真館さんのHP「丹沢登山&丹沢写真館」本間ノ頭(栂立尾根)登山記録(2004/4/18)
 を参考にさせていただきました。ありがとうございました。

 この栂立尾根では、前半、シカ柵が多く、展望は、送電線鉄塔の場所を除いて殆ど広がらないのですが、後半の自然林の緩やかな斜面は、ガスの中、なかなか興味深い光景を見せてくれました。

 また、下山して数日後、M-KさんのHP「俺の山紀行」でのAYさんコーナーを見て、ビックリ。
 あの宮の平バス停のベンチに座っておられた男性が、AYさんでした。
 う〜ん、残念でした。そうと分かれば、帰りのバスも、より楽しい時間だったかもしれません。
 AYさん、またいつかお会いできることを楽しみにしております。



※山行時間には、撮影時間を含んでおりますので、ご注意下さい。