トップページ山行リスト(日付)>源次郎尾根・塔ノ岳_記録20080504


源次郎尾根・塔ノ岳

 山行日
2008年5月4日(日)       曇時々晴   単独行
 コース
大倉(7:28)〜(8:59)戸沢出合(9:14)〜<源次郎尾根>〜(12:22)花立直下(12:29)〜(12:33)花立〜(12:58)塔ノ岳(14:03)〜(14:18)花立〜(15:05)堀山の家〜(15:32)駒止茶屋〜(16:33)大倉
 GWも5月に入り、ようやく「明日は晴れ」という天気予報を聞き、出かけてきました。
 しかし、GW前半のぐうたらな生活のためか、源次郎尾根の後半からパワーが出ず、フラフラな状況でした。
 その後、ようやく到着した塔ノ岳は、自分の目を疑うほどの最高の人出でした。改めて丹沢の人気を再認識した次第です。


 前日での天気予報は、晴れとのことだったが、出発時の朝は、ガッカリの曇空。

 大倉7:13着。既にバス停の周囲には、多くの登山者が朝食をとっていたり、準備中だった。
 大倉尾根には、かなり低い部分から山にはガスがかかっていたが、青空も見え始め、日差しが強くなりそうな状況だ。天気予報通りに晴れそうかなと思いながら、7:28、出発。吊橋を渡って戸川林道へ向かう。
[大倉バス停にて]

 今年の正月以来の戸川林道だ。あれほど、大倉には、人がいたのに、この林道には人影が見当たらない。
 8:02、竜神の泉に到着。先客は、中年ご夫婦が1組。だが、その1組も入れ違いに去っていった。

 林道周辺の木々は、新緑となり、時々、生温い風が吹く。
 時々、自家用車やマウンテンバイクが追い越していく。

 新茅ノ沢を過ぎる頃から、林道は、勾配が急になる。
 息が切らしながら、坂を上っていくと、この正月、谷側の道半分が崩壊したままだった箇所は、キチンと復旧工事が実施されていた。(写真下右)
[大倉尾根方面を見上げる] [修復工事完了]

 8:55、作治小屋から戸沢出合の河原を見下ろす。
 正月の時は、寂しい河原風景だったが、今回は、駐車している車も多く、賑やかな河原になっていた。
 8:59、休憩所に到着。ここでザックを下ろし、小休止。オニギリを1個食べる。
[戸沢出合]

 9:14、出発して、パトカーの横を通り過ぎ、戸沢、本谷と、沢を渡る。
 そのまま道なりに進んでいくと、「山火事用心」の幕がかかっている場所に出る。(写真下左) 書策新道の道標も立っていた。ここで、右手の沢沿いに進む。すぐに前方は、左:源次郎沢、右;水無川本谷の合流点となった。
 踏む石を選びながら、源次郎沢を渡る。(写真下右)
[書策新道を進む] [源次郎沢を渡る]

 源次郎沢と水無川本谷の間の尾根に登山道がついている。書策新道だ。
 目立つ入口には、道標「源次郎沢入口、本谷F5近道]が立っており、その少し奥には、書策新道の道標[書策小屋]も立っていた。
 この山道に入っていく。道は、歩きやすい。急斜面をジグザグに登っていく。
[書策新道のジグザグ登り]

 そろそろジグザグから本谷側にトラバースしていかないかなと思いつつ、取り付き点を見落とさないように尾根の方ばかり、見ていた。

 9:47、源次郎尾根取り付き点到着。(写真下)
 この先、書策新道は、右の本谷側に進むようになっていた。
 取り付き点は、意外と簡単に見つけることが出来た。ここで書策新道を外れ、源次郎尾根を直登するように前進する。
[源次郎尾根へ]

 少し尾根の中に入っていくと、一定の斜度が続き、遥か先まで植林帯である光景が目に入る。何となくスキーのジャンプ台に植林が植えてあるようなイメージだ。
 「うわ〜」と思うほど、かなり先まで見えるので、ちょっと意気消沈気味。(写真下)

 足元は、微かな踏跡があり、それに従って登っていく。
[一直線登り]

 こんな植林帯をを登るのは、寿岳の登り以来ではないかと、寿岳の記憶が甦った。(但し、寿岳の方が、作業道・踏跡が明確だったと記憶)
 
 10:05、尾根巾が少し広がってきた。左端を進んでいたら、右端の方が尾根の背筋の本流だとわかり、途中、右側へ軌道修正する。
 だが、前方は、相変わらず植林帯だ。(写真下)
[まだ植林帯]

 10:13、ふと左を見ると、大倉尾根の枝尾根である天神尾根が急斜面を見せていた。そして、手前にも一つ尾根があることに気がつく。(写真下)

 1/25000地形図で確認すると、手前の尾根は、標高1100mぐらいで、この尾根と合流するようだ。
 (ここは、標高950m手前ぐらいと判断)
[左を眺める]

 10:27、小休止。(〜10:38)
 前後の風景は、延々と続く植林帯。
 ペットボトル(500ml)1本めが空となった。
 植林の間からは、太陽の光が差し込んでくるかと思えば、すぐ雲に隠れる。今日は、晴れと言っても、常に日が差すという状態ではなさそうだ。
小休止(振り返って撮影)]

 再び歩き出し、尾根が若干細くなり、植林帯も終わりかと思ったが、そうではなかった。
 10:47、左手のガレ場がついに消え、先ほどの左手の尾根と合流。
 花立からの下りにこのルートを使用すると、おそらく、このガレ場の存在がわからず、隣の尾根に入り込む可能性は高い...そう思った。
[左の沢の源頭部分(黄色に囲まれた部分が源頭部)]

 10:53、ようやく前方が明るくなってきた。植林帯が終了するようだ。
 10:56、植林帯を脱出。
 踏跡がはっきりしなくなったが、とにかく上へ上へと進む。
[ようやく植林帯を抜ける]

 やたらとシカの糞が目立つ。
 そのうち、木が少なくなってきて、前方が草原状態になった。(写真下)
 どうやら、ここが草原地帯のようだ。
[草原に出た]

 11:00、ザックを下ろして小休止。
 振り返ると、水無川本谷側にマメザクラが咲いていた。
 遠く三ノ塔は、北側からの雲がかかっており、山頂は隠れていた。(写真下)

 表尾根北部は、全般的に雲に覆われており、この分だと、この先、ガスが発生する予感がしたので、ここで、背負ってきた中型カメラを取り出し、撮影することにした。(〜11:33)

 新緑の山肌は、見ていて気分がいい。

 結局、ここで30分ちょっとの休憩となった。
[振り返って三ノ塔方面を眺める]

 右側がガレ場となる尾根筋を進み、再び、草原状態の広場に出た。
 ここでもマメザクラが満開だった。

 振り返って見下ろすと、先程の草原では見えてなかった戸沢出合の河原が、ここでは、はっきり見えた。(写真下)
[もう一段、上がった草原にて]

 さらに登っていくと、スズタケのヤブが現れる。
 ここでは、中央突破を避け、右端の方に向かっていくことにした。
[前方には、ヤブ]

 ヤブに近づくと、ヤブの間に踏跡があり、難なく通過。(写真下)
[ヤブの間に踏跡あり]

 これならば、問題ないなと思って、さらに進むと、再びヤブとなった。しかし、今度は、踏跡自体、はっきりしなかった。(写真下左)
 ヤブを漕ぎながら、シカの糞を頼りにケモノ道を探す。
 少しでも楽な方向へと進んでいくと、左にシフトするようになる。

 奮闘、約3分、ようやくヤブから脱出。(長い3分だった)
 だが、踏跡らしきものもなく、強引に木の根っこなどを利用し、登っていく。(写真下右)
 急斜面で上部の光景もよく見えない。
 また、ここにきてどうもパワー不足となり、足取りが重く、速度が極端に落ちてしまった.
[だが踏跡は、続かず] [ヤブを出たら急斜面]

 急登の斜面を登りきり、ようやく一段落。
 傾斜が緩くなったところで、前方は、木立の中にササ原が広がっていた。ササ原には、一筋の踏跡が続いており、ここから歩きやすい道と化した。
 雰囲気のいいササ原を進んでいく。(写真下)
[ササ原の中に踏跡あり]

 源次郎沢の源頭部分を見下ろし、西側へ進む。
 途中、花立山荘方面に向かう分岐点があったが、花立に向かうルートを選択。
 前方から人の話し声が聞こえてくると、大倉尾根の登山道に飛び出した。(12:22)
 合流した所は、花立と花立山荘の中間ぐらいの地点だった。

 登る人、下ってくる人の数といい、ものすごい通行量だ。
 デジカメ撮影しようと、人の通過を待っていたら、なかなかシャッターが押せないので、先にペットボトルで水分補給。
 人の通行が途切れた一瞬を狙って撮影。(写真下)
[一般登山道に出た(振り返って撮影)]

 12:29、出発。だが、ペースが遅く、後から登山者にどんどん追い越される。
 
 12:33、花立通過。目の前の塔ノ岳は、やはり雲の中だった。

 12:38、金冷シ通過。何かのスタッフの方々が通行者の人数をカウントしていた。
 いよいよ塔ノ岳登山の一番キツイ登りとなり、ヘロヘロ状態。このとき、数多くの下山者とすれ違うが、さすがGWというべきか、日頃見かけない小学生ぐらいの子供達が目立った。
[花立を通過]

 12:58、塔ノ岳頂上に到着。ここでも登山者数を数えているスタッフが何人か居た。
 やはり、山頂は、ガスに覆われて、東西南北、全く景色が広がらない。そんな状況なのだが、休憩している登山者の数は、さすがGWだ。最初、数えてみたものの、途中で挫折。
 西側の斜面の板に腰掛け、昼食とした。

 昼食後、小屋を覗いてみると、小屋内は、空いていることがわかり、入ることに。
 受付には、花立さんが居られ、挨拶。
 お茶をオーダーし、しばし休憩。その後、コーヒーを追加注文し、小屋のスタッフの方とカメラ談義。時間も忘れて、話に花が咲く。
 
 小屋を出ても、山頂の人数は、全く変わっていないように見えた。山頂周辺の光景をデジカメ撮影した後、下山開始。(14:03)

 来た道の大倉尾根を下ることにした。
 だが、下山者の数も半端ではない。金冷シを過ぎ、馬の背通過時は、一方通行になるケースが多いので、渋滞するほど。
[塔ノ岳山頂]

 花立の下りでは、再び、雲の下となり、景色が広がる。これほど、人が多いのも、何か記念になるだろうとデジカメを取り出す。(写真下)
[花立からの下り]

 花立山荘前にも多くの登山者が休憩中だった。特に20代の若い人々が10人ぐらい、ワイワイしていた。その彼らが、相模灘をバックに記念撮影している時の会話を聞いたら、日本語でなかった。どうやら中国語のようだ。会話の声の大きさと、笑い声を聞くと、その状況を見てているだけで羨ましくなってしまった。

 花立山荘の階段を下っていく途中、シカを左手に発見。(写真下左) 今日初めてのシカだった。最近、シカ管理捕獲により、だいぶ数が減ったような印象だ。

 15:21、天気が良ければ、富士山の望めるフラットな箇所を通過すると、左手に一瞬の光景が広がった。

 15:26〜15:32、ベンチにて休憩。下っているうちに何故か首筋が痛くなり、ベンチで一時的に首を休めることにした。次から次へと下山者が目の前を通過していく。
 
 一本松からの下りは、見事なほど、新緑が鮮やかだった。(写真下右)
[[途中でシカ遭遇] [新緑の中を下っていく]

 16:33、大倉到着。
 バス停手前の店内には、多くの客が入っており、なんとも賑やかな状況。あれほど下山者が多いので、バスを待つ行列も長いのではと思ったが、臨時のバスが出ているようで、長い列は、できていなかった。
 水場にて靴や、ストックを洗うため、バスを一本、パスする。
 次のバスは、16:55だが、案の定、臨時便が出て、16:44発車。おかげで、ギュウ詰めの車内にならず、ゆったりと乗ることが出来た。
 [大倉バス停に到着]


 源次郎尾根は、やはり我慢の尾根でした。
 尾根登りの途中、左足のアキレス腱が伸びたような感触になり、ちょっと焦りました。結局、無事下山しましたが、最後まで一抹の不安がありました。

 今回の山行にあたり、イガイガさんの「イガイガの丹沢放浪記」(源次郎尾根から塔ノ岳へ)を参考にさせていただきました。ありがとうございました。



※山行時間には、撮影時間を含んでおりますので、ご注意下さい。