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大山

 山行日
2009年9月6日(土)       曇時々晴    単独行
 コース
ヤビツ峠(8:33)〜(10:14)大山(11:05)〜<北尾根>〜(11:20)ブナ(12:16)〜<北尾根>〜(12:30)大山(12:50)〜(13:50)見晴台(14:02)〜(14:31)653.4m峰(エボシ山)(14:36)〜<日向林道>〜(15:32)雷神社(15:43)〜<日向林道>〜(17:05)学習センター〜(17:29)日向薬師バス停
 s-okさんのHP「ようこそ! 山へ!!」の掲示板の書込みから、大山の雷神社が静かなブームになっております。その結果、先月の唐沢集会の方々が続々と訪れておられます。ということで、今回、私も参拝してきました。
 また、久々に大山・北尾根にあるブナの木を撮影したくなり、カメラを担いで登ることを計画しました。
 詳細は、下記をご覧下さい。 


 予想外の天気になり、午前中、「しまった!」と思ったのは、先週の日曜日。結局、山行チャンスを逸してしまった。そんな訳で今回は、ほぼ1ヶ月ぶりの丹沢となり、前夜から気合は、十分。

 だが、自宅を出て、電車に乗ったとき、中型カメラのフィルムを忘れたことに気がつく。すぐ次の駅で下車し、自宅に引返した。
 フィルムを忘れたなんて、今まで一度も経験したことない出来事だった。出鼻を挫かれた思いで、再度、電車に乗る。ちょうど30分のロスだ。こりゃ、ヤビツ峠行きの一番バスは乗れないなぁ〜と、前夜とは、打って変わって意気消沈。

 しかし、どういう訳か、乗り換えの電車の待ち時間が殆どなかった。おかげで秦野に何と、7:27に着いたのである。急いで駅の階段を下りていくと、ヤビツ峠行きの一番バスが、既に停車していた。空いている座席は、なかったが、無事、乗車できた。これは、ツキがあると思え、急に目の前が明るくなる。単純な自分に苦笑い。

 8:09、ヤビツ峠着。上空は、一面雲に覆われている。奥の駐車場には、まだ駐車するスペースが十分あった。今日は、あまり登山者は入っていないようだ。朝食のオニギリ2個を食べて、いざ出発。(8:33)
 ...ちょっとヤビツ峠で、ゆっくりしすぎたと反省。
[ヤビツ峠バス停にて]

 登山道を登り始めてすぐに、道が整備されていることに気がつく。(写真下左) だいぶ前から整備されていたのかなと過去の記憶を思い出そうとするが、どうも思い出せなかった。
 だんだん霧が立ち込めてきた。幽玄な世界に入り込み、山に来てよかったと思える瞬間だ。(写真下右)
[登山道が整備されていた] [霧が立ち込める]

 だが、体調の方は、どうも万全ではなかったようだ。いつものようなペースで歩けないのだ。ということで、ゆっくり歩くことにした。
 9:15〜9:23、ベンチにて小休止。(写真下左)
 休憩していると後から、50代〜60代ぐらいの単独男性が3人、続けざまに目の前を通過していく。皆、速いスピードで歩いており、歩き慣れた方々と推察。その後姿を見送った後、出発。

 9:56、ガレ場の上に出た。(写真下右)
 天気が良ければ、富士山や表尾根、丹沢山等の山々が見渡せる場所である。残念ながら、今日は、下からガスが舞い上がり、手前の大山の斜面しか見えない。結局、休憩することなく、すぐ歩き始める。
[ベンチで小休止] [丹沢山方面はガスの中]

 下社からの山道と合流すれば、山頂は、もうすぐ。
 その途中、グレーチング階段という設備が設置されてあった。(写真下)
 階段の横に付けられた説明文を読むと、シカ等の蹄を持つ動物は、このような格子状構造物上を歩くのを嫌がるという習性を利用し、山頂部にシカが進入するのを防ぐ目的で設置されたとのこと。そういえば、雑誌か何かで、この記事を読んだことを思い出した。でも、こんなに長い階段である必要があるのかな?と、ちょっと首を傾げる。
[グレーチング階段]

 10:14、ようやく山頂に到着。(写真下) 山頂には5、6人の登山者が休憩中だった。
 着いた瞬間、上空のガスが切れ始め、明るい山頂になった。
 山頂からトイレ方面に下り、広場にあるベンチで休憩する。
 ....完全にゴロ寝。

 11:05、体調が回復したところで、北尾根に向かう。
 電波塔の横を通過していく。この時間、山頂裏側には、誰もいなかった
[大山山頂]

 すぐさま、シカ柵にぶつかった。(写真下)
 新しい脚立が用意されているので、これを利用。シカ柵通過後、だんだん道がよくなってきた。
[脚立で越える]

 踏跡を辿っていく。(写真下左)
 緩く下ると、左手に視界が広がる。だが、まだガスは濃く、二ノ塔・三ノ塔も見えない。どうにか手前の送電線が見える程度だ。
 
 ブナの木は、このあたりだったような、と思っていたら、前方(やや左)にピンクのテープが。
 あれっ、そっちは、西側の支尾根の方だが、と思い、北尾根方面のルートを見ると、そちらにもピンクのテープがあった。だが、奥の方にあり、ちょっと目立たない。初めてここを通る場合、テープに誘導されると、左の支尾根に下ってしまう可能性がありそうだ。

 北尾根ルートのテープを通過すると、左の支尾根の方から、モノレールが敷設されていることに気がつく。支尾根からモノレールは、大きくカーブし、北尾根を北上するように続いていた。(写真下右)
 そのモノレールに気をとられ、危うく目的だったブナの木を通過するところだった。
[久々の北尾根] [ブナの横にはモノレールが]

 11:20、目当てのブナの木に到着。(写真下)
 前回は、確か紅葉シーズンの頃に訪れ、黄葉したブナが印象的だった。
 ここで、カメラ・三脚を取り出し、じっくり撮影。

 ブナの木を何周も回りながら、撮影した後、来た道を引き返す。(12:16)
[目当てのブナの木]

 大山山頂に戻る途中、上空を見上げると、青空が見えたものの、入道雲が気になる。(写真下)
[青空に入道雲]

 大山山頂のベンチ(トイレ横の広場)に再び到着。(12:30) (写真下左)
 ここで、昼食とした。この時間帯でもこのベンチの周辺には、1組のパーティしか休憩しておらず、静かな山頂だ。
 今日の昼食は、パンにバターというシンプルなもの。
 但し、バターは、ようやく見つけた小さなカップに入ったタイプのもの。よく喫茶店で見かけるのだが、なかなか、手に入らなかった。チューブタイプは、大きすぎるし、かといって、必要分だけ取り出して持っていくのも面倒くさい...。ということで、手も汚さず衛生的に使えるバターにちょっと感動。
  ....でもガーリック入りで、単独行専用


 ザックを背負って、時計を見れば、12:50。これから、まだ行かなくてはならない箇所がある。ちょっとペースを上げて進むことに。
[再び大山山頂] [昼食用のパンとバター]

 見晴台へと下っていく。
 ガスが立ち込める中、下っていくと、少し登る箇所に辿り着く。「大山の肩」というという小さな標識を見かけたが、このあたり、植生保護柵だらけになっていた。
 その後すぐに分岐点に到着。右を行く。(13:06) (写真下)
[分岐点を見晴台に進む]

 モミの木が混じるようになる。(写真下左)
 幾度も通っているコースだが、この季節なのに、なんとなく緑が少なくなったような気がした。シキミのようなちょっと低めの常緑樹が減ったような感じだ。

 13:50、見晴台に到着。
 ここで、これからのヒル対策として、脛にネオプレーン製の沢登り用スパッツを装着。この間、沢登り用の道具を片付けていたら出てきたもので、ヒル対策に使えるのではないかと今回、持ってきた。
 装着後、時間が勿体無いということで、さっさと出発。(14:02)
[モミの木が混じる樹林帯] [見晴台(振り返って撮影)]

 右手に伐採地を見ながら、一気に下っていく。
 歩きやすいフラットな道が終了したところで、道標に出会う。(14:19) (写真下左)
 右側にお地蔵さんが立っている箇所だ。一般ルートをこのまま歩けば、九十九曲が始まるのだが、ここで右折し、すぐ左折。
 653.4m峰に向かう。
 途中、アップダウンが何度かあり、ピークが紛らわしいのだが、初めてではないので、どんどん進んでいく。(写真下右)
[この道標から一般ルートを外れる] [653.4m峰へ向かう]

 尾根筋にシカ柵が現れ、それに沿って進んでいく。傾いていたり、壊れている箇所があったり、どこまで役に立っているか、わからないような柵である。
 14:31、653.4m峰に到着。(写真下)
 ここは、3回目の訪問のはずだが、毎回、印象が違う。今回は、周囲の植林が整備されていたせいだろうか、明るく感じる。
 日本の名山 別巻1「丹沢」(博品社1997年8月発行)に掲載されている丹沢の地図には、このピークは、「エボシ山」と記載されている。
 ふと三角点を見ると、その傍にビニールで覆われている紙切れが置いてあった。
 引っ張って拾い上げると、
  「烏帽子山  653.4m 平成20年4月  ○○県 烏帽子踏破同好会」
と記載されてあった。世の中、いろいろな同好会があるものだと妙に感心してしまった。元のように三角点横に半分、埋めておく。

 だが、のんびりしていられない。まだ、今回は、寄る場所があるのだ。ザックを背負って山頂を後にする。(14:36)
 これから、南側に張り出している尾根を下ることにする。
[653.4m峰(エボシ山)]

 ちなみに1/25000地形図の上では、北東側にも破線のルート表示があるが、その北東側ルートで進んでいくと、林道の上の崖にでてしまい、道具がなければ、ちょっと簡単には林道に下りられないので注意が必要だ。(大山_記録2007-7-16)

 尾根伝いに下っていく。(写真下左)
 この植林帯は、歩きやすい。その後、この植林帯は、一旦、終了するが、すぐに別の植林帯が始まる。
 この辺りになると、踏跡が不明瞭になってきた。だが、とにかく南側に下っていけばいいので、あまり踏跡は、気にならなかった。(写真下右)
 ガムシャラに下っていくと、眼下に林道のガードレールらしきものが見えた。予定通り、林道に出られると、ホッとしたとき、この光景が目の前に現れる。

 おかげで林道に出るまでにちょっと時間を喰ってしまった。
[ピークから南下する] [踏跡の薄い斜面]

 14:50、林道に出た。
 こちらは、北東ルートとは異なり、林道には、容易に下り立つことができる。(写真下)
[林道に出た所(振り返って撮影)]

 林道に出たところでヒルチェック。(写真下)
 今回、使用したネオプレーン製のスパッツ。幸いにもヒルは、付いていなかった。
 水分補給して、林道を西に向かう。(14:57)
 目指すは、雷神社だ。
[今回のヒル対策]

 この林道は、殆ど、フラットに続いている。おまけに舗装路だ。そんな訳で、ガスのかかった大山の南側尾根を眺めながら、鼻歌交じりで進んでいく。(写真下左)
 15:17、林道終点に到着。意外と近かった。(写真下右)
 ここから先のルートは、この間の唐沢集会でお会いしたmassyさんのブログで書かれてあったので、迷わず、終点先を進んでいく。
 シカ扉を通過した後、左に下っていく明瞭な踏跡が雷神社へのルートだが、右側にも、急斜面にトラバースするように続いている微かな踏跡があった。ということで、ちょっと興味本位で右側に進んでみる。
 途中、滑落したら、遥か下の沢まで止まらないような箇所もあり、スリル満点。小さな尾根の出っ張りを回って、新たな光景が見えるようになるが、今までの延長のような状況なので、引き返すことにした。
 シカ扉まで戻り、今度は、下っていく。
[日向林道を西に進む] [林道終点]

 下っていくと、すぐに鞍部に出た。
 その先にちょっとした小ピークがある。そちらに進むと、小さな社殿が見えた。
 雷神社だった。(15:32)

 まずは、帽子をとって、参拝する。その後は、記念撮影などをして、周囲を見渡す。ここは、聞いていた通り、登ってきた方向だけが歩けるような所で、他の三方は、崖のような所である。木の間から崖下をのぞくと、すぐ下に堰堤があるのがわかった。
[雷神社にて]

 視点を上げて、大山川の対岸の尾根を眺める。(写真下)
 すると、林の中に階段らしき場所が見えた。追分から下社に通じる男坂の階段だろう。
[大山川の向こうに階段が見える]

 雷神社を出発し、来た道を引き返す。
 鞍部に着いて、神社側には、立派な杉の大木が立っていたことに初めて気がついた。幹の太さから見ても、相当な樹齢だろう。
[神社手前の杉の大木]

 15:50、再び林道終点に戻る。(写真下)
 さて、これからどうするか。ちょっと考える。今日は、前半、あまりにもゆっくりしすぎたため、すでに16時近かった。最近、日の入りが早くなったと感じることもあり、今日のところは、このまま林道歩きで帰ることにした。(15:56発)
[再び林道終点]

 林道終点に向かうときは、気がつかなかったが、林道のカンバンが立っていた。(写真下左)
 途中、左手に伐採地を見上げる。(写真下右)
 ここからだと傾斜が急過ぎて、伐採エリアの全容が見えないため、伐採の規模がピンと来ない。(事前にチェックしていたgoogleマップの航空写真から見て、この林道からは、伐採エリアがもっと広々と見えるものだと思っていたが、実際は違った)
[日向林道の看板] [伐採地を見上げる]

 653.4m峰から下ってきた場所を通過。(16:18)

 左手に見覚えのある崖が見えた。(16:32)
 以前、653.4m峰から北東に下り、崖上に出てしまい、ここでロープを使用して林道に下りた所だった。林道から見ると、7mぐらいの高さの崖である。
 どの木にロープを掛けたのか、今となっては、よくわからない。だが、こうやって下から見上げると、よくもまあ下りてきたもんだと、我ながら感心してしまった。
[前回、ロープを使って下りた崖]

 舗装路を歩き続けているせいか、だんだん足の裏が痛くなってきた。
 もう少しだと、自分に言い聞かせる。

 16:54、九十九曲の登山道と、交差。(写真下)
 ここで右折し、近道を選択。未舗装ゆえ、少しは歩きやすいかと思ったけど、今度は、段差のショックが、膝を襲う。
[右手に登山道]

 もうすぐ車道だというところで、よく見かけるヒル注意の張り紙。(写真下左)
 だが、その下には、塩の入った大きなプラスチック容器が。
 まだヒルの季節は、続くのか...

 17:05、車道に出た。ここからは、緩やかな下り坂だ。(写真下右)
[大きな塩の容器] [車道に出た]

 足の裏よりも大腿骨と骨盤の間の関節が痛くなってきた。ヒザを庇っているせいだろうか。

 目の前に田んぼが広がる。(写真下)
 稲穂は、垂れ下がり、すっかり秋の気配だ。ここまで来れば、日向薬師のバス停も近い。
[田んぼは、すっかり秋の気配]

 17:29、ようやく日向薬師バス停に到着。
 バス停周辺の店は、既に閉まっていた。自販機で冷えた炭酸飲料を買い、どうにか暗くならないうちに到着できたことを一人祝う。

 17:45、伊勢原行きのバスが定刻通り、発車。乗客は、最初、自分一人だけだったのだが、次々と乗客が乗ってきて、車内は、賑やかになっていった。
 [日向薬師バス停に到着]


 今回は、massyさんのブログ「丹沢ウロウロ」で、林道終点からの雷神社ルートを参考にさせていただきました。
 massyさん、どうもありがとうございました。

 実は、653.4m峰(エボシ山)からの南側尾根下降は、2度目だったのですが、1回目(1998年5月)の記憶は、完全に飛んでいました。但し、林道には、崖上というような場所ではなく、簡単に下り立ったことだけは、記憶しておりました。

 山行復帰されたAYさんが、この日の午前中、雷神社を参拝されたこと、及び日向薬師バス停から16:45発のバスで帰宅されたことをM-Kさんの掲示板で知りました。あと1時間、早く歩いていたら、バス停で、2度目のバッタリが起こりえたかと思うと、残念でなりません。本当に惜しかったです。



※山行時間には、撮影時間を含んでおりますので、ご注意下さい。