トップページ山行リスト(日付)>丹沢山・塔ノ岳_記録20080913


丹沢山・塔ノ岳

 山行日
2008年9月13日(土)       曇一時雨  単独行
 コース
三叉路(7:45)〜(8:32)唐沢川出合〜(9:09)塩水橋〜<塩水林道>〜(10:23)堂平(10:33)〜(11:42)堂平分岐〜(12:23)天王寺尾根分岐〜(12:26)丹沢山(13:08)〜(13:37)竜ヶ馬場(13:53)〜(14:02)日高〜(14:26)塔ノ岳(15:05)〜(15:21)花立〜(15:58)堀山の家(16:03)〜(16:15)駒止茶屋〜(17:28)大倉
 今日は、ちょっと手違いがあり、堂平〜丹沢山〜塔ノ岳といった縦走山行になりました。
 何故、そうなったのかは、以下をご覧下さい。
 但し、そのおかげでちょっとした光景に出会うことができました。 


 今日は、中型カメラを持参せず、ザックを軽量化し、歩き回り型の山行のつもりだ。
 目指すは、丹沢三峰の某所。
 
 7:40、宮ヶ瀬の一つ手前のバス停、三叉路にて下車。(写真下)
 下車したのは、単独の男性と私だけ。
 バス停でデジカメ撮影している間にその男性は、先に出発していった。
 こちらも7:45に出発。
 公共交通機関利用派としては、まず塩水橋まで県道を歩かなくてはならない。
[スタート地点の三叉路バス停]

 ここから今では、県道となった舗装路をテクテク歩いていく。
 塩水橋までは、それほど勾配がある訳ではないので、登り道で息が切れることはないのだが、やはり長く感じる。
 道巾が狭くなったところで、長者屋敷キャンプ場。
 右上の斜面にバンガローが見えたら、一の瀬キャンプ場。
 左に道が分かれるところが、唐沢キャンプ場。(写真下左)
 キャンプ場通過が、マイルストーンとなる。
 ヤビツ峠方面から続いている送電線鉄塔(新多摩線)が3つ、並んで見えた。(写真下右)
[唐沢キャンプ場入口] [一送電線鉄塔が3つ]

 県道が大きく左にカーブする箇所にあるのが、金沢キャンプ場。中津川の河原に広がる、このキャンプ場は、開放感があり、眺めていて楽しい。
 青宇治橋を通過。(8:56)
 ここまで来れば、もう少しで塩水橋だ。細い車道を進んでいく。
 塩水橋を渡って、ようやく林道ゲートに到着したのは、9:09。
 3連休の初日ということだろうか。駐車している車は、10台以上。(写真下左)

 ここで、あれっと、サプライズな出会いがあった。
 丹沢山頂上にある「みやま山荘」オーナーの石井さんご夫妻とバッタリ。
 これから山荘に向かわれるところだった。

 そう言えば、昨年、堂平から塩水林道に出る箇所で、雨の中、お会いしたのを思い出した。
 挨拶の後、話しながら歩くことに。
 奥さんとは、何年か前、父とみやま山荘に宿泊したことを覚えておられ、会話が弾む。
[駐車した車の列(振り返って撮影)] [本谷林道のカンバン]

 本谷林道から塩水林道に入り、今までフラットな歩きだったが、ここからは上り坂となる。
 林道がUターンしながら高度を稼ぐようになると、弁天杉が姿を現す。(写真下)

 「今日は、弁天杉を見に行こうと思っているのですよ〜」と、話をしながら歩く。
 行き方は、
  ・この林道から堂平に向かう際、途中で、堂平に近道となる山道との分岐点がある。
  ・そこから山道に入り、ワサビ沢を渡って、対岸の尾根に取り付く。すると、尾根を登る踏み跡がある。
  ・途中の分岐点で、尾根の上に向かわず右に行くと弁天杉に到達する。
 事前に暗記した内容を思い出しながら、説明する。

 そう、ポイントは、この塩水林道から分岐する山道である。
 昨年は、その場所を、ちょうど軽トラックに乗せてもらって通過した。その時、堂平への道標があったような記憶があった。

 林道がUターンして高度を上げるような箇所で、ここかな?と思い、近寄ってみるが、堂平への道標がなく、山道らしき踏跡もよくわからなかった。またコースタイムから判断すると、まだ早過ぎるかと思い、林道に戻って、再び、話しながら歩き続ける。
 だが、歩いていくうちに行き過ぎたことに気がついた。弁天杉のある尾根(円山木ノ頭 南東尾根)から、どんどん離れていくのである。
 「ああ〜、やはり、さっきの所だった!」
と気がつくが、すでにだいぶ上っており、堂平には、あと少しという場所だった。

 予定が狂ってしまい、これからのルートについて、あれこれ考える。
 まあ、今日は、石井さんご夫妻と同じように、このまま丹沢山を目指すかと、昨年10月と同様のコースを歩くことにした。
[塩水林道から弁天杉を眺める]

 10:23、堂平登山道入口に到着(写真下左は、丹沢山への登山口)し、小休止。

 ここには雨量観測所の小さな小屋が建っているが、その右手に山道がある。そこから下って、先程、見落とした山道入口に向かうことも考えたが、道標もなく、草ボウボウの世界。(写真下右)
 やはり丹沢山を目指すことに。
 ....下れば、ヒルが出そう。
[堂平:山道への入口] [右手の下山道]

 石井さんご夫妻を残して、先に出発。(10:33)
 山道に入ると、植林の下には、テンニンソウが繁っている。(写真下)
 丹沢の風景として、ちょっと気になるところ。
[植林とテンニンソウ]

 さて、この先、まだ登りが続くことを考えて、腹ごしらえすることにした。
 ....ちょうどベンチあり。


 ザックからパンを取り出す。今朝は、本厚木の駅前で、しっかり朝食をとったのだが、それでも腹が減っている。周囲は、木々に囲まれ、全く視界の広がらない箇所だが、緑一色のせいか、妙に落ち着く。(写真下)
 食べ終わる頃、石井さんご夫妻に追い抜かれた。
[途中のベンチ]

 歩き始めて、右手にブナ林が広がる。堂平のブナ林入口には、立入禁止の札が相変わらず立っていた。
 ブナ林の端を登っていくと、前方の視界が広がる。(写真下左)
 すぐに堂平沢を渡る。(写真下右)
[山道横のブナ] [堂平沢を渡る]

 ここからが天王寺尾根への登りがスタート。一番、キツイ斜面だ。
 小さな男の子を連れたお父さんとすれ違う。男の子は、やや疲れ気味の様子。

 ジグザグに登っていくと、だんだん樹林にブナが目立ってくる。
 あれっ、こんな所に植生保護柵なんかあったかな〜と思いながら、進んでいく。シカは、以前よりだいぶ見かけなくなったが、保護柵は、やたらと目につくようになった。
[テンニンソウの群落] [植生保護柵多し]

 11:42、天王寺尾根に乗る。(写真下)
 ここは、合流点でもある。右折して頂上に向かう。
[天王寺尾根の背筋に乗った]

 この辺り、やたらと白い小さな花が目立つ。
 一面お花畑状態だった。

 以前、この白い花を調べたことを思い出した。確かシロヨメナ、ノコンギク、サガミギクのどれかだろうということで、絞り込めず。
 前方で、石井さんの奥さんもこの光景を撮影中だった。
[天王寺尾根を行く(一面、シロヨメナ?の白い花)]

 ここは、昨年も撮影した気がするな〜と、ブナの幹とシロヨメナ?の組合せ。(写真下)
 だが、前回は、時期が遅かったせいか、ここまで一面には咲いていなかった。今回は、どうもタイミングがよかったようだ。
[デジカメ撮影しながら、歩く]

 ガレ場に出る。(写真下左)
 左手の山道ルートは、徐々に浸食され、少しずつ、左にシフトしているような感じだ。
 ガレ場の上で小休止。(11:56〜12:00)

 晴れていたら、素晴らしいビューポイントなのだが、今日は、どうにか肉眼で大山北尾根が見える程度でサッパリ。丹沢三峰の上空には、雨雲が浮かんでおり、この先の天気が心配になる。

 標高のせいで気温がだいぶ下がっているようだ。これで、風が吹いたら、かなり寒気を感じるだろう。もう秋だな〜と感じるひととき。
[ガレ場を行く] [ガレ場から天王寺尾根を振り返る]

 ガレ場の上を出発する。この先もちょっとした登りとなる。
 だが、ブナ林の広がる風景となるため、苦にならない
[ブナ樹林帯]

 ブナ林に突入。ちょっとガスがかかってきた。(写真下左)
 ブナ林の地面には、下草のシロヨメナ?の白い花が一面に咲いている。
 立止まっては、デジカメ撮影。
 日が射さない状況ではあるが、この雰囲気は、とてもよく、我を忘れてブナ林を見入った。

 目の前に直線の階段が現れる。(写真下右)
 これが今回の核心部。なんたって足が上がらない。一気に登れず。
[ブナが目立ち始める] [最後の登り]

 この階段を上りきった所が、三峰方面との合流点。(12:23) (写真下)
 ここまで来れば、もうたいしたことない。
 山頂までは、緩やかな登りだ
[三峰方面との合流点]

 12:26、丹沢山頂上到着。
 ベンチには、10人ぐらい、登山者が休憩中だった。
 まずは、みやま山荘に入り、ペットボトル(サイダー)を1本、購入。
 ....まだビールは、お預け。

 すでに小屋の受付番をされている奥さんと、しばし談話。
 挨拶して、退出する。
[丹沢山頂上] [頂上のみやま山荘]

 空いたベンチで昼食のパンを取り出す。今日もガーリックバターだ。....ワンパターン
 周囲には、続々と到着するグループがやってくる。今日は、蛭ヶ岳での泊まりだろうか。

 さて、どちらに下ろうか、今後のルートを検討する。三峰側は、確か今年、栂立尾根の後、歩いているなぁと思いつつ、雨が降り始めそうな天候ということもあり、結局、楽な塔ノ岳経由とした。
 パンを食べ終わった所で、薄いガスの中、出発する。(13:08)
[昼食は、今日もガーリックバター]

 塔ノ岳に向かって歩き始めてすぐ、この辺りもシロヨメナ?の群落になっていることに気がつく。
 山道の左右は、草の上に真っ白い粉をかけたように見える。
 ここは、先程の天王寺尾根を登っていた時に見かけた、花が咲いているエリアよりは、狭いのだが、花の密度は、こちらの方が高く、白さの度合いが濃かった。
 すぐさま、デジカメ撮影。
[ガスの中、丹沢山から塔ノ岳に向かう]

 最後は、シロヨメナ?に覆われた登山道を掻き分け、進んでいく。(写真下)
 だが、白い花の群落もここまで。
 竜ヶ馬場への下りに入ると、目立たなくなってしまった。
[この辺りもシロヨメナ?の群落]

 竜ヶ馬場へ向かう途中、左手に捕中網を上に向けたような網が並ぶ。(写真下左)
 天王寺尾根でも見かけたのだが、どうやら木々の種子を採取しているようだ。

 枯れ木群を通過。(写真下右)
 ここは、だいぶ立木が減ったような?。
[種子の収集のためのネット] [枯れ木群]

 竜ヶ馬場のベンチにて小休止。(13:37〜13:53)
 丹沢山と違って、誰も休憩していない。6つあるベンチの一つを独占。
 今日初めて、横になる。。。。。セルフ撮り(写真下)
 上空は、怪しい雲が漂う。
[竜ヶ馬場のベンチにて]

 竜ヶ馬場から見た塔ノ岳方面も雨雲のようだ。(写真下左)
 こりゃ雨が降ってくるな〜と思い、ザックを背負って出発。

 寿岳との分岐点である日高のピークには、幹の間に古い道標が挟んであり、よく見ると、中央に「日高」と書かれてあった。
 それならば、現在、「日高」表示として立っている道標も、ここに持ってきて欲しいものだ。(現在、日高と表示されている道標は、この先、塔ノ岳寄りの小ピークに立っている)
[塔ノ岳上空は、雨雲っぽい] [日高での古い道標]

 塔ノ岳との鞍部に到着。(写真下)
 ここでは、ツツジがすでに紅葉し始めていた。このツツジは、確かシロヤシオだったと記憶しているが、もう15年以上の付き合いになる。今も元気なのが嬉しい。中型カメラを持っていたら、間違いなくここで三脚をセットしただろう。
[すでにツツジは紅葉(奥は、塔ノ岳)]

 歩き慣れたせいか、塔ノ岳への登りは、それほど苦にせず、一気に登る。
 塔ノ岳山頂には、14:26、到着。

 山頂には、まだ多くの登山者が休憩中だった。だが、ここもガスの中には変わりない。
 尊仏山荘に入ることにした。
 入って、サイダーを注文。....ここでも禁酒。

 小屋のご主人、花立さんに挨拶し、ちょっとおしゃべり。
 なんでも8月の宿泊者のうち、単独行で宿泊する人は、殆ど予定外の宿泊なのだそうだ。
 というのも、暑さでバテてしまい、日帰りできないで宿泊されるそうな。
 確かに夏の表尾根・大倉尾根なんて、昼間歩いたら日陰が少ないだけに、熱中症にかかる可能性は高そうだ。....夜も暑かったけど。(今年の7月5日)

 昨年の10月、丹沢山から雨の中を歩いてきて、結局、小屋に泊まったことを思い出した。あの時、客は自分ひとり。
  ....いや〜ご馳走さんでした。


 今日も、なんだかここで雨が降り始めたら、宿泊しそうになるが...。
 そんなことを思っていると、本当に雨が降り始め、外に出ていた宿泊者の人たちが、皆、小屋に戻ってきた。
 この状況は、昨年10月の再来かと思えたが、今日は、それほど疲れている訳ではない。
 そんな訳で、15:05、山頂を出発。大倉尾根を下ることにした。
[塔ノ岳頂上]

 途中、花立手前で激しい降りとなったため、ついに雨具を着用するが、花立を下る頃には、すでに止んでいた。
 花立山荘の階段を下ったところで、雨具の上着を脱ぐ。
 続いて堀山の家で、雨具のズボンを脱ぐ。もう雨は、大丈夫のようだ。

 今日の大倉尾根は、どこまで下っても、ガスが立ち込めており、景色を堪能する機会もなかった。
 また、ベンチのあるところでは、チョコチョコ休憩。今日は、ローカットのシューズのせいか、靴の中に小石が入るのである。
[大倉尾根の下り1] [大倉尾根の下り2]

 17:28、大倉バス停到着。
 ちょうど35分発のバスが到着していたが、パスすることに。
 大倉に着いたら、まず、トイレの水場で靴をサッと洗う。なんたってタワシがそのために設置されているだ。家に帰ってからすると、泥水の処置で面倒なのだが、ここだと全く問題なし。
  ....電車・バスの中ではキレイな靴でありたい。

 17:48発のバスに乗車。帰路につく。
 [大倉バス停にて]


 結局、今日は、普通の丹沢山・塔ノ岳歩きとなってしまいましたが、
   ・みやま山荘オーナーの石井さんご夫妻と歩けたこと
   ・丹沢山付近でのシロヨメナ?の群落に出会えたこと
など、予想外の出来事に満足でした。また、今回幸いにも、ヒルには、全く遭遇しませんでした。

 弁天杉は、そのうち、チャレンジしようと思っています。せっかくルートを暗記したのだし。

 大倉尾根の下りで、若い人達は、皆、下りが速いな〜と、ビックリしました。彼らは、ザックが軽いということもあるかと思いますが、普段の自分のペースが結構、ゆっくりなのを自覚しました。これでは、ちょっとトレーニングにならないかと、今後は、下りも意識して速く歩こうと決めました。



※山行時間には、撮影時間を含んでおりますので、ご注意下さい。