トップページ山行リスト(日付)>三増峠・雨乞山_記録20081004


三増峠・雨乞山

 山行日
2008年10月4日(土)         快晴  単独行
 コース
上三増(8:24)〜(9:03)三増峠(9:25)〜(9:55)志田山(10:00)〜(10:48)雨乞山(10:58)〜(12:40)根小屋中野〜(13:08)城山登山口
 今回は、三増峠エリアに行って来ました。
 手許にある古いガイドブック(アルペンガイド18 丹沢 羽賀正太郎 山と溪谷社1991年)では、上三増〜三増峠〜清正光というルートが紹介されています。当時は、それなりにルートは、あったようです。ちなみにこのときは、まだ三増トンネルもできていませんでした。
 ということで、快晴の一日に自己未踏ルートである三増峠に向かいました。 


 本厚木駅に7:10着。いつもだと、車道手前側にある半原行きのバス停か、車道を渡り、反対側にある宮ヶ瀬行きのバス停に向かうのだが、今回は、宮ヶ瀬行きのバス停を通過し、相模川方向に進んでいく。これから乗る上三増行きのバスは、厚木バスセンター発なのである。
 丹沢に通い始めて17年ぐらいなるが、厚木バスセンターからバスに乗るのは、初めてだった。
 バスセンターは、駅から歩いて5分ぐらいということしか情報を持っていなかったので、案内板などを見ながら進んでいく。

 幸い、迷わずバスセンターに到着。上三増行きは、10番のりば。(写真下)
 まだ発車時刻まで時間は、あったが、既に多くの高校生が列をなしている。これでは、列に並んでも座れないな〜と思い、せっかくなのでバスセンターを周回する。
 すると、登山姿でバスを待つ人々を発見!
 いったい、どこ行きのバスかと見たら、七沢行きだった。なるほど、本厚木から七沢行きのバスは、ここから出るのかと納得。私の場合、七沢行きだと、伊勢原駅発のバスを利用しているので、普段、使用することはないのだ。(※七沢手前の神奈川リハビリまでであれば、伊勢原駅発より早朝便があるのだが、それに間に合う小田急は、朝が早すぎて乗れない)
 ...地元のAYさんは、利用されている。

 一周して、10番乗り場に戻る。やがて、上三増行きのバスが到着。
 高校生の団体が上三増行きのバスに乗車していく。最後の期待として、目の前の高校生団体が、違う行先のバス待ちであって欲しいという願いは、脆くも崩れた。どうやら、県西部の高校の野球部のようで、練習試合に向かうようだ。このバスに乗ってパッと思いついた相手の高校は、愛川高校。終点上三増に近い所だ。他に野球場のようなところはないな〜、こりゃダメだと思い、中間ドア近くに立つ。だが、高校生の礼儀正しい姿には好感が持てた。

 しかし、どこにラッキーな事が落ちているかわからない。左側に立ったことで、車窓から大山が見え始めたことに気がつく。これがまた、すばらしい山容だった。ちょうど真東から眺められるので、朝日を浴び、北尾根を連ねる姿が、妙にカッコよかったのだ。

 やがて愛川高前で高校生グループが案の定、下車。車内は、ガラガラとなる。
[厚木バスセンター10番のりば]

 8:20、上三増に到着。
 バスが折り返しできるぐらいの広場を持ったバス停だった。(写真下左)
 周囲には、店などもなく、殺風景なバス停だ。デジカメ撮影して、すぐに出発。(8:24)

 ゴルフ場へ行く道を横断し、北西に続く県道を進む。
 道路沿いの掲示板に「三増合戦まつり」のポスターを見る。第9回と書いてあったから、それほど古くからある祭りではないようだ。(写真下右)
[上三増バス停にて] [三増合戦まつりのポスター ]

 県道の緩やかな坂を登っていく。結構、交通量のある道路で、スピードを上げた車が追い越していく。(写真下左)
 さて、事前調査によれば、右手に旧道があるはずなのだが、なかなか見つからない。正面には、徐々に三増トンネルが近づいてくる。
 行き過ぎたかな、いや、そんなことはないと自問自答しながら進んでいくと、ようやく、旧道を発見。(8:39)(写真下右)
[三増トンネルに向かう] [三増トンネル手前にて]

 目の前に「三増峠登り口」の石柱が建っていた。(写真下)
 石柱の側面には、
 『みませとうげのぼりぐち
  この峠は、三増合戦のおり、武田勢が帰陣に用いたと伝えられるなど、愛甲と津久井、山梨方面とを結ぶ道筋の要衝であった。』
と記されてある。
 北条軍との合戦後、武田軍がここを越えていく甲冑姿を思わず想像してしまう。(ひょっとしたら、この地点は、まだ合戦場所だったかもしれないが)
 右折して、旧道に入る。
 だんだん暑くなってきたので、長袖シャツを脱いでTシャツ1枚で歩き出す。 
[三増峠登り口を示す石柱]

 舗装路を進む。
 結構、道がいいではないかと思ったのも束の間、緩やかな登りの途中で、舗装路は終了。
 まあ、峠まで舗装されているとは、思わなかったが、その後、草が繁った山道になる。今までと、ちょっと極端過ぎやしないかと苦笑い。
[峠への舗装路]

 草の繁った山道を進むと、右手に地面に置いてある、草に囲まれた道標を発見。(写真下左)
 ハイキングコースだった昔日の面影が残っていた。

 その後、すぐに草は消え、道がよくなった。(写真下右)
 だが、誰も歩いていない証拠だろう。やたらと蜘蛛の巣にひっかっかる。
 ストックの先端を前方にして上下に振り、蜘蛛の巣を破っていく。
[道標を発見] [すぐに山道の状態は、よくなる]

 昔の山道、そのままなのだろうかと思いながら、一歩一歩進んでいく。
 山道は、大きなUターンを描き、高度を上げていく。
 前方は、峠のようだ。青空が見えてきた。(写真下左)

 すると、その峠に着く手前に大きな石地蔵さんがあり、思わず手を合わせる。(写真下右)
 やはり、ここは、古くからの峠だったのだと実感が湧く。
[三増峠が見えてきた] [大きな石地蔵]

 峠の向こうには、林道が左右に走っており、林道との丁字路が、この峠だった。
 林道と山道の間には、柵がしてある。通行禁止か?と思ったら、林道に自転車・バイクを通行させないための措置で、人の歩行はOKとなっていた。
 柵を越えて、林道側に出る。ここに峠の標識が建っていた。(9:03)(写真下左)
 ここから反対の津久井側に下っていく道があるのかと思っていたが、草木が繁っており、よくわからない。
 足下をよく見れば、標識の反対側に倒れた道標を発見。これもかつてハイキングコースだった面影を残している。(写真下右)
[三増峠にて(視界は、よくない)] [倒れた道標]

 峠で地図を取り出し、これから先のルートを確認。林道を歩いても目的は達せず、南西に向かう尾根の稜線伝いに登っていく必要があることを認識。
 さっきの石地蔵さんの所まで戻ってから尾根の背筋に登る。
 登っていくと明瞭な山道があり、これならば、問題なしと思いつつ、進んでいく。
[尾根沿いを進む]

 ひと気のない所なので、クマ鈴を取り出す。
 相変わらず蜘蛛の巣が多い。 .....ストック大活躍
 たまに巣に気がつかないで、ストックを振らずに進むと、蜘蛛の糸が顔に絡まる。このとき、顔面直前に蜘蛛が現れ、思わず、絶叫しそうになる。
 ....それなりに大きい蜘蛛

 ちょっと木立の間から覗けたので何気なく撮影。津久井の町並が遠くに見えた。(9:35)(写真下)
[津久井側を望む]

 9:44、最初の小ピークに到着。
 林野庁の境界見出標(No.261)が転がっていた。
 だが、ピークと言っても植林帯の中で、視界は広がらない。
 すぐに歩き始めた。(9:46)
[最初の小ピークにて]

 小ピークの下りを終え、再び登りになる所で、右手に道標を発見。(写真下左)

 すると前方は、二手に道が分岐していた。左はピークを巻く道のようだ。(写真下右)
 ここは、直進し、ピークに向かう。
[道標あり] [トラバース路と直登路に分岐]

 踏跡を登っていくと、ピークを右に見るようになる。そこで、ちょっと右折して、最高地点に向かう。
 驚いたことに、そこには、道標が立っていた。(写真下)
 道標の柱には、手書きで、「志田山」と書かれてあった。

 ピークということもあり、じっくり地図を見ていたのだが、虫がやたらと飛んでくる。
 そんな訳で、早々に退散するハメに。
 ここも先程の小ピークと同様、植林帯に囲まれた所だったので、名残惜しいという訳でもなかった。
[山頂に到着(志田山と記載されてあった)]

 本当に視界が、広がらないな〜と思いながら、下っていく。(写真下)
 道は、一直線。それほど急斜面と言う訳ではないので、歩きやすい。
[山頂からの下り]

 下り終わった後、緩い登りになる。
 すると、緩やかな小ピークに到着。(写真下左)
 ここで左右に道が分岐していた。右には、[志田峠、三増]という道標が木の幹に掲げてあった。(写真下右)
 地図で確認すると、左は、ゴルフ場の方に向かうようだ。
 ここは、右折する。

[緩やかな小ピークが分岐点(境界見出標No.269)] [道標あり]

 この先、韮尾根と志田峠の分岐点があるはずと地図を見ながら進んでいく。
 左手の尾根筋に登るのが、志田峠方面ではないかと見ていたら、果たして左手に山道が分かれているのを発見。ここが分岐点かと思った瞬間、足下に壊れた道標が落ちていた。(写真下左)

 思った通り、左折が、志田峠で、直進が韮尾根方面となっていた。(写真下右)
 ここで志田峠に行くか韮尾根に行くか迷ったが、韮尾根方面に進むことにした。
[壊れた道標を発見] [左手に志田峠への分岐路あり]

 分岐点からすぐに山道が一部崩れている箇所があったが、それを通過してしまえば、道はかなり歩きやすくなった。(写真下)
 だが、ここでも蜘蛛の巣の連続攻撃に当たる。
 ....誰も本当に歩いていないようだ。
[韮尾根への道]

 ストックに蜘蛛の巣が絡み、綿菓子のようになってきた。
 そんな時、前方に分岐点が現れる。(10:32) 道標を見ると、左:韮尾根、右:雨乞山となっており、両方とも関東ふれあいの道だった。
 ここには、ベンチがあったので、小休止とした。地図を取り出す。左は、韮尾根に下る道で、当初、これで車道に出る予定だったが、まだ時間もあるので、右の雨乞山に向かうことにした。
  ....展望を期待。


 水分補給し、10:42、出発。(10分休憩しているが、半分以上は、身体についた蜘蛛の巣の除去作業)
[分岐点に到着(左:韮尾根、右:雨乞山)]

 雨乞山は、分岐点から0.4kmと書いてあったので早足で歩いてみたが、もう少し、距離的にはあるように思えた。
 10:48、雨乞山の標識に到着。(写真下) ここも周囲は、植林で、視界は広がらず、ガッカリ。
 セルフでの記念撮影だけして、この場を去る。(10:58)

 山頂から少し下った地点で、左にベンチがあった。ベンチの奥は、その先の植林が壁のようになって視界を塞いでいる。おそらく、植林の高さがなかった頃は、見晴のいい場所だったに違いない。韮尾根あたりの町並が眺められたことだろう。
[雨乞山に到着]

 左斜面でチェーンソーのような音が聞こえる。
 そういえば、すぐ前で「水源林を整備しています。通行注意」の紙が貼られてあったが、このことだろう。今回、山中で初めて見た人影だった。
 その音を聞きながら、急な山道を下っていく。(写真下)
[急な下りの始まり]

 桜山という分岐点を通過。(11:17)
 このまま直進し、関東ふれあいの道を進む。
[桜山への分岐点]

 11:30、尾根を下ったところで、ひっそり、ベンチがあった。時間的には、丁度いいので、ここで昼食とした。(昼食は、ロールパン+ハム+カラシという至って単純)
 11:45、出発。

 ※ここから尾根伝いに進む山道もあったが、今回は、関東ふれあいの道を進む。
[ベンチで昼食]

 尾根の斜面をトラバースするように進んでいく。
 左側が沢で、右側が山(尾根)である。その尾根を見上げると、植林が見事に崩れていた。
 表層雪崩のように表面の植林が根付いている土砂の部分だけが、滑り落ちているような感じだ。まだ残っている箇所(写真下)もあるが、これが崩れ落ちてしまうのも時間の問題のような気がする。
[崩れた斜面]

 ようやく里の雰囲気になってきた。
 11:54、道標がポツンと立つ小広場に出た。(写真下)
 いつの間にか道標の指示先は、明日原から城山に変わっている。
[城山への道標となっていた]

 ようやく視界が広がったと思ったら、下山したような場所である。
 左手に山が見える。(このときは、あれが城山だと気がつかず)
[車道から左手を眺める]

 畑の横の道を歩いていく。
 正面は、小倉山のようだ。ここまでは、持参の丹沢の地図でなんとかわかった。
[正面の山は、小倉山のようだ]

 12:10、車道に出た。(写真下)
 三増トンネルから続く県道である。
 ここで、この先の帰宅ルートを考える。
  (1)トンネルに向かって歩き、出発点の上三増に戻る。
  (2)トンネルとは反対側に下り、バス路線に出る。
 せっかくなので、(2)を採択。
 ....公共交通機関利用派は、出発点に戻らないのがモットー

 ということで、左折し、県道を下っていく。
[三増トンネルに続く県道に出た]

 無事、串川を渡ってバス通りに出た。東側に進み、根小屋中野バス停に到着するが、次のバスまで約40分あった。周囲に時間を潰せるようなところはないので、このままバス通りを東へ歩くことに。

 13:08、城山登山口バス停着。
 橋本駅行きバスの時刻を見たら、13:23だったので、ここで待つことにした。
 バスは、恐ろしく正確に定刻通り、やってきた。
 [結局、城山登山口まで歩く]


 この三増峠付近のコースは、かつてハイキングコースであったことを思わせる道標が幾つかありましたが、どれも無残な状態でした。
 植林帯が育ってしまい、視界不良なためでしょうか、誰も歩かなくなり、蜘蛛の巣だらけになってしまったようです。
 結局、山中では、三増峠の後、尾根筋を登っていた時、撮影した津久井側の光景(上記にあり)だけが、唯一、視界が広がった箇所でした。
 ですが、このあたりは、標高も低く、お手軽コースですので、いろいろと巡ってみたい気がしております。 ....合戦があった場所でもありますし。



※山行時間には、撮影時間を含んでおりますので、ご注意下さい。