トップページ山行リスト(日付)>臼ヶ岳・檜洞丸_記録20081011


臼ヶ岳・檜洞丸

 山行日
2008年10月11日(土)・12日(日) 雨後晴・曇  単独行
 コース
寄大橋(7:20)〜(9:10)雨山峠(9:15)〜(9:57)ユーシンロッジ(10:12)〜<朝日向尾根>〜(13:00)臼ヶ岳(13:15)〜(13:32)神ノ川乗越〜(14:07)金山谷乗越(14:20)〜(15:10)青ヶ岳山荘(泊)
青ヶ岳山荘(10:36)〜(10:39)檜洞丸(10:44)〜(12:06)展望園地(12:13)〜(12:54)ゴーラ沢出合(13:00)〜(13:43)西丹沢自然教室
 久々に丹沢の奥地、蛭ヶ岳の西側にある臼ヶ岳を訪れました。
 今回の主目的は、ブナ林が美しいと言われる朝日向尾根(臼ヶ岳南稜、臼ヶ岳南尾根とも記されます)を登ることです。
 出発時は、雨中の山行でしたが、その結果は如何に。
 詳細は、以下をご覧下さい。 


<第1日>
 渋沢駅に6:43着。
 改札口を出ると、オニギリを売っている人たちがいる。今日は、連休初日。書入れ時だろう。威勢のいい商売声が聞こえる。
 本日の天気予報は、曇だったが、渋沢の駅では、ポツリポツリと雨が降っていた。
 駅前のタクシーに乗車。今日は、時間が惜しいので、タクシー利用だ。タクシーのワイパーが動くのを恨めしく思いながら、寄大橋にて下車。(7:08)
 木立の下で、小雨の降る中、雨具着用。そんな訳で出発は、7:20となってしまった。
 ....せっかくタクシーに乗ってきたのに
[寄大橋がスタート地点]

 天気が悪いため、デジカメを取り出すのが億劫になり、意外にペースよく歩いていく。この辺りは、ついこの前、後沢右岸尾根を歩くために訪れた箇所である。山道は、途中で迂回路に入る。まだ、前回同様、工事中だった。(写真下左)

 川沿いのルートを何度か対岸に渡りながら、標高を稼ぐ。ふと振り返ると、シダンゴ山が見えた。(写真下右)
[まだ工事が続いていた] [シダンゴ山を眺望(振り返って撮影)]

 8:33、寄コシバ沢着。
 あれっ、ここに以前、道標があったような?と思っていたら、左下にその道標が落ちていた。どうやら道標の柱が腐って折れたようだ。山道下に落ちた道標をデジカメ撮影。(写真下)

 この先は、トラバース路となる。滑落したら下の沢まで停止しそうにない急斜面が所々にある。前回、トレースの無い積雪の時は、結構、スリルがあった。だが、今回は、雪は無いし、ザックは軽いということもあり、一気に通り過ぎてしまった。
[倒れていた道標]

 その後、再び沢に出た。(8:59)
 ここで、右折し、沢沿いに歩いていく。初めて歩く場合、迷いそうなところだが、沢の分岐点のような箇所には道標がある。今回は、前回の記憶があるだけにサッサ、サッサと進む。
 9:07、鉄の階段下に到着。ここまで来れば、雨山峠は近い。(写真下)
[鉄の階段が現れる]

 9:10、雨山峠に到着。
 相変わらず、雨は降り続いている。ベンチにザックを下ろす。
 さて、どうしようか...
 初志貫徹で、ユーシンに向かうか、それとも、この雨ゆえ、左か右の山稜コースに変更するか...
 呟いたところで、他に誰もいない。

 上空を見上げる。
 この程度の雨なら、たいしたこともないだろう。沢を渡ることもないし。
 ということで、予定通り直進し、ユーシンに向かう。(9:18)
[雨山峠に到着]

 この下りは、久しぶりだ。殆ど記憶の残っていない沢沿いルートを行く。
 途中、橋が倒れていた。(写真下)
 どうやら、右側から土砂が流れて、倒されたようだ。だが、倒れても、その土砂のおかげで、橋がなくても問題なく通れた。
 ...AYさんがこの橋を撮影されていたのを思い出す。
[倒れたままの橋]

 左手の沢は、他の沢と合流していき、徐々に水量が増えていく。道は、やがて金属製の桟道となった。このあたりは、駆け足で通過。
 沢から離れて右手に曲がって下っていくと、 左下に林道が見えた。(写真下左)
 9:40、玄倉林道に合流。
 相変わらず、雨は降り続いている

 玄倉林道を東に進み、ユーシンロッジを目指す。(写真下右)
[左下に玄倉林道が見えた] [雨の中、玄倉林道を進む]

 途中、玄倉林道を左折し、道なりに進み、舗装された車道を上っていく。
 やがて、正面にユーシンロッジが現れた。手前の公衆トイレの入口にザックを下ろし、小休止。(9:57)
 実に1993年以来、15年ぶりの訪問である。ロッジは、現在、玄倉林道通行止めのため、休業中となっており、静寂な世界に包まれていた。
 到着したとき、シカ2頭をロッジの前で見かけた。かつて、ロッジに泊まった翌朝、シカの集団がここに集まっていたのを思い出す。シカにとってここは、オアシスなのかもしれない。
 ここで、mapケース等を取り出し、これからのバリルートに備える。
 水分補給して出発。(10:12)
[ユーシンロッジにて]

 トイレからロッジに向かう道を進んでいくと、右手にシカ柵に囲まれた植林帯がある。その柵の裏手に回る。(つまり、シカ柵を左に見る)
 眼前に尾根の斜面が近づく。どうやら、この斜面を登り、尾根筋に乗るのがコースのようだ。
 辺りに踏跡がないか、探してみるが、よくわからないので、適当な箇所からジグザグに登っていく。
 登り終わると、植林の幹に赤い矢印を発見。(10:17)下山時のルートを示す矢印ではないかと推察。(写真下)
 これから尾根の背筋を登っていく。
[矢印あり(振り返って撮影)]

 10:27、相変わらず、植林帯が続く。(写真下)
 事前情報により、この尾根の前半は、植林帯であることはわかっている。クマ鈴を鳴らしながら、一歩一歩進む。クマ鈴は、十分満足できるほどの音量で、鳴り響く。
 ....クマにも十分聞こえるだろう。
[植林帯の斜面を進む]

 尾根の先端のような場所に出る。そこをさらに進むと、白ザレた細い山道となる。
 そこを一気に越えていく。

 雨が降り続く中、ガスも出てきた。まだ植林帯である。(写真下)(10:43)
 時々、植林の間から隣の稜線(鍋割山あたりか?)の一部が見えるが、ガスが湧いており、全体が見えない状態。
[植林帯が続く]

 10:52、前方がフラットな尾根となるとともに植林帯から抜けたようだ。(写真下)
 ここから先、自然林となった。

 10:58、尾根は細くなり、急登となった。
[植林帯を抜けて気持ちのいいルートとなった]

 11:04、小ピークに到着。周囲は自然林となる。少し下って、再び登り返すとき、尾根は、やや左に曲がっている。次のピーク(尾根の先端)が見えてきた。(写真下)

 11:11、尾根の先端に到着。地図上では、単に尾根の先端のように記載されているが実際は、小ピークになっていた。ここで、尾根筋は、右に曲がる。
[自然林の中を登っていく]

 登りがきつくなるが、それを我慢して登り続けたら、目の前がフラットになった。
 どうやら、ここが1196m峰のようだ。(11:24)
 手前の岩がちょうどベンチ代わりになるので、ザックを下ろして、あたりを徘徊してみる。前方には、樹高のあるブナの木が立っていた。 

 いつの間にか雨が止んでいた。おかげで撮影は、非常に楽だった。
 小休止(というより撮影徘徊だったが)した後、出発。(11:38)
[ようやく1196m峰に到着]

 さらに進んでいく。
 脚立があるということは、中に入るのがルートかと思い、保護柵の中に入ってみる。
 緩く登った後、下り斜面になるところで、新たなブナに遭遇。
[保護柵に脚立あり]

 下った所で脚立があり、保護柵から外に出る。
 すると、再び、前方に保護柵と脚立が現れた。(写真下)
 よく見ると、保護柵の外側(西側)に踏跡がある。であれば、わざわざ保護柵の中に入る必要もないと判断し、柵の外側(西側)を進む。
[また保護柵があった]

 フラットなブナ林が終わり、下り斜面になる手前にて、正面に臼ヶ岳、蛭ヶ岳が目に入った。(写真下)
 あれが蛭ヶ岳か?、あの西側の急斜面は蛭ヶ岳しかないと思い、地図で確認。やはり、蛭ヶ岳だった。
 ここから急な下りとなる。地上では、一度下った後、臼ヶ岳への登りとなっていた。
 慎重に下っていくと....

    ・光景その1

    ・光景その2

    ・光景その3

    ・光景その4           
[臼ヶ岳(左)と蛭ヶ岳(右)]

 まだ先程の光景の余韻を楽しんでいると、山道(踏跡)が急登になった。
 大きな岩が足下に現れる。
 だが、そこは、視界の広がる場所でもあった。
 奥に檜洞丸が、頭だけ見せていた。(写真下)
[檜洞丸が奥に見えた]

 細い尾根の登りが続く。だが、それほどスリル感は、ない。

 樹林の密集度合いが大きくなると、急登になり、小さくジギザグに登っていく。(写真下)
 急傾斜部では、なかったが、左側にロープが出てきた。
 12:44、高度を稼いだ後、前方の光景が一変した。
[臼ヶ岳への急登]

 その先、気合を入れて登り続ける。
 12:51、左手に保護柵を見る。

 保護柵にぶつかってしまったので、右側に回る。すると、右手に蛭ヶ岳が姿を現した。
 いつの間にか天気は回復し、晴れの兆しだ。雨山峠で予定通りユーシンに向かってよかったと一人満悦。
[保護柵が現れる]

 13:00、臼ヶ岳のベンチに出た。(写真下)
 ようやく一般道に合流できた。人影もなく、風の通り過ぎる音だけが耳に入る。
 ここで、昼食とした。

 さて、この先、どうしようかと思案。予定では、宿泊先を檜洞丸(青ヶ岳山荘)としている(但し、未予約)のだが、山荘だけを考えたら、時間的には蛭ヶ岳(蛭ヶ岳山荘)の方が近い。
 だが、檜洞丸の場合、小屋が満杯だったら、そのまま下って西丹沢の最終バスに乗ることもできる。結局、予定通り、檜洞丸へ進むことにした。
[臼ヶ岳ベンチにて休憩]

 13:15、ベンチを出発。
 今日は、ザックが軽いこともあり、テンポよく下っていく。
 天気は、益々よくなっていく。
 すでに青空が見えてきた。また北側の風景は、雲の変化が激しく、思わず撮影。(写真下)
[熊笹ノ峰方面を望む]

 13:32、神ノ川乗越通過。(写真下左、右)
 
雰囲気のいい稜線歩きだ。もう少し遅ければ、紅葉のピークと重なったかもしれない。まだ少し早かったようだ。
 13:55、久々に北部の風巻ノ頭を見下ろす。
[神ノ川乗越] [気分のいい山道を行く]

 14:04、紅葉したツツジを発見。(写真下)
 やはりツツジの紅葉が最初に始まるようだ。他の木々は、まだ本格的に紅葉していなかった。
 ちょっと時間を使って、このツツジの紅葉を撮影。
[目の前に紅葉したツツジ]


 紅葉したツツジの後、すぐに鉄の桟道が現れる。その先が金山谷乗越だった。

 14:07から4:20、金山谷乗越にて休憩。休憩中は、やたらと北部の山々を撮影していた。
 ゆっくり時間を過した後、檜洞丸を目指す。
 正面の檜洞丸を見上げる。
[金山谷乗越手前の崩壊地]

 檜洞丸の登りは、時々、山道がわからない箇所があった。また山道も荒れていた。
 ゆっくり登っていくと、青い小屋が見えてきた。(15:06)
 さて小屋が空いているだろうか。
[青ヶ岳山荘まで、もう少し]

 15:10、小屋に入る。
 本日の宿泊(素泊り)を尋ねるとOKということなので、宿泊することに。
 .....缶ビールの誘惑に負けてしまった。


 缶ビールと、檜洞丸バッジを購入。
 ちょっと小屋から、山頂に向かって歩き、振り返って、蛭ヶ岳を望む。

 本日の小屋は、11人の団体さんが予約客だった。16:00ぐらいになると、その団体さんが山頂から下りてきた。明日は、蛭ヶ岳、丹沢山、塔ノ岳とつなぎ、大倉に下る予定らしい。
[缶ビールを一気に飲む]

 <第2日>
 5:20起床。
 すぐに外に出る。東の空は、上空に厚い雲が浮かんでいる。まともに見えている山は、袖平山ぐらいだ。蛭ヶ岳は、頭が雲の中だった。じっと待っていると、5:45、朝日が顔を出す。(写真下)

 だが、見えたのは、ほんの一瞬だった。すぐに雲の中に消えてしまった。これは、もう見えないなと判断し、小屋に戻る。
 その後、小屋のスタッフの人と話したり、小屋に入ってくるお客さんと話をしながら、ガスが切れるのを待った。しかしながら、どうもガスの切れる兆候はなかった。ということで、10:36、他のお客さんと一緒に小屋を出発する。
 .....ゆっくりしすぎた。
[一瞬の朝日]

 10:39、檜洞丸山頂にてザックを下ろす。山頂には、既に4人の登山者が休憩中だった。
 いつも気にしていたブナの木を撮影する。
 ガスの中、出発することにした。(10:44)
[檜洞丸山頂にて]

 木道を行く。このような木立の中ではガスが似合う。
 予想外にツツジが紅葉していた。そんな訳で、ガスの中、ツツジを撮影しながら歩く。
 11:09、分岐点でツツジ新道に入る。
[霧の中を行く]

 11:21、ベンチにて小休止。(写真下)
 今日は、大室山はガスにより、全く見えず。そんな訳でザックを下ろしたものの、すぐに出発した。
[ツツジ新道のベンチにて]

 ツツジの紅葉ゾーンが終了したところで、一気に下る。
 12:06、展望園地着。手前の木の枝が伸びて、そのうち、富士山が見えなくなるかもしれない。
[展望園地にて]

 12:54〜13:00、ゴーラ沢出合にて小休止。(写真下左) 休憩後、沢を渡ろうとしたら、飛び石が流されており、簡単には渡れなかった。

 13:34、ツツジ新道入口に出た。ここからは、車道だ。バスは、14:00ちょうど。まだ時間的に余裕はある。右手に見えたキャンプ場は、盛況で、ものすごいテント数だった。(写真下右)
[ゴーラ沢出合] [キャンプ場を見下ろしながら歩く]

 13:43、西丹沢自然教室到着。ちょっと館内を見学した後、バスに乗車。
 こうして、今回の山行も無事帰路についた。
 [西丹沢自然教室(西丹沢バス停)に到着]


 今回、初めて歩きました臼ヶ岳の朝日向尾根は、実際のところ、予想以上の光景で、丹沢の中でも屈指の美景だと痛く感動しました。
 まだこんな場所が丹沢に残っていたんだ...と、身体が思わず固まりました。
 あらためて丹沢の奥深さを認識した次第です。



※山行時間には、撮影時間を含んでおりますので、ご注意下さい。