トップページ山行リスト(日付)>鬼ヶ岩ノ頭・白馬尾根_記録20081025


鬼ヶ岩ノ頭・白馬尾根

 山行日
2008年10月25日(土)        曇    単独行
 コース
大倉(7:10)〜(8:10)駒止茶屋〜(8:26)堀山の家〜(9:09)花立〜(9:25)塔ノ岳(9:40)〜(9:59)日高〜(10:16)竜ヶ馬場(10:20)〜(10:39)丹沢山(10:44)〜(11:29)不動ノ峰(11:33)〜(11:41)棚沢ノ頭(11:45)〜(12:01)鬼ヶ岩(12:16)〜<白馬尾根>〜(14:21)雷平〜(15:30)伝道(15:37)〜(15:53)魚止橋〜(16:22)三日月橋〜(17:10)早戸川橋〜(17:25)金沢橋〜(18:08)宮ヶ瀬
 前々回の山行で丹沢の奥部、朝日向尾根(臼ヶ岳南尾根)を訪れましたが、その第2弾として、今度は、鬼ヶ岩ノ頭北東尾根(通称:白馬尾根)にトライしてきました。
 予想外の光景にビックリでした。
 詳細は、下記をご覧下さい 


 今回の目的地は、白馬尾根。
 丹沢の奥地である。そのため、日帰りとなると、長丁場になる。
 この対策としては、装備の軽量化が一番だ。そのため、今回、軽めのザックを新規購入。
 さらに予備の電池数を削減したり、普段、何気なくザックに入れている備品を見直しした。その結果、今回の装備全体は、10.5kgとなった。(水2リットル、雨具、着替、予備ロープやカラビナ、エイト環を含む)
 やはり、ザック自体の軽さが、だいぶ貢献しているようだ。また、靴も今回は、トレイルランニング用の軽量シューズとした。

 渋沢6:43着。一番バスに乗車(6:48発)
 車内は、座席が全部埋まる程度の乗車率。
 大倉に向かう間、ちょっと窓の外が気になる。今日の予報は、曇りだったのだが、大倉に近づくに従って段々、霧が濃くなる。これだと、山は、雨が降っているのではないかと思えるほどだ。

 大倉7:00着。(写真下)
 登山届を出しましょうと、係りの人が、登山者に呼びかけている。さて、バリルートの場合、どう書けばいいのだろう。何か言われるかなと思いつつも、予定のコース、大倉〜塔ノ岳〜丹沢山〜鬼ヶ岩ノ頭〜白馬尾根〜宮ヶ瀬と記入。これで提出したが、特に何も指摘されなかった。
  ....他に登山者が多かったせいかも...


 自販機で買った缶飲料を一気に飲んだ後、いよいよ出発。(7:10)
[霧の中の大倉バス停]

 大倉尾根を登っている最中、ビックリしたのは、駒止茶屋手前の登りや、堀山の家を過ぎてからの登りの際、全く息が切れないで登れたということだ。いつもだと、ゼイゼイと息が乱れるのだが、今回はそういうことが起きなかった。やはり軽量化は違うと、しみじみ感じ入る。

 だが、やはり花立山荘下の階段では、息が切れた。休憩がてら、デジカメを取り出し、振り返って撮影。(写真下左)
 いつの間にか、大倉での霧は消えてしまっていた。(写真下右)
[途中で紅葉に出会う] [下界を振り返る]

 花立山荘を通過後、疲れが出てきたようだ。ペースが落ちたのが、自分でもわかる。花立への登りが辛く感じ始めた。
 9:09、どうにか花立に到着。塔ノ岳は、ガスで全く見えなかった。(写真下)
[花立にて]

 金冷シを通過し、塔ノ岳直下まで来た。
 すると、左手にシカを発見。このためデジカメを取り出す。このシカ、人馴れしているのか、近づいても逃げない。そんな訳で、ちょっと道草を食う。(写真下左)
 シカ撮影後、ラストスパートだと自分に言い聞かせ、ペースを上げるが、階段下にて、息切れ。(写真下右)
[途中でシカに出会う] [塔ノ岳への最後の階段]

 9:25、山頂到着。記念撮影後、尊仏山荘に入る。
 小屋のスタッフの方々に挨拶。先客は、男性一人だけだった。そのお客さん曰く、今朝、大倉尾根で足元にヒルがいてビックリしたよとの事。この時期にまだヒルがいると聞いてビックリ。今回は、軽量化ということもあり、スパッツ等は持参していなかった。
 ホットコーヒーを注文。
[塔ノ岳山頂にて (ガスの中)] [ホットコーヒーを注文]

 コーヒーを飲んだ後、小屋を出る。こんな短い小屋の滞在は初めてだ。
 すぐに出発。(9:40)

 相変わらず外は、ガスがかかり、景色もよく見えないので、スタスタと日高まで一気に進む。だが、この先でガスが切れ始め、前方の光景が見え始めた。

  ・ガスが切れて現れた光景その1

  ・ガスが切れて現れた光景その2
[日高にて]

 その後、ガスが消えて、周囲の光景がはっきりしてきた。

  ・不動ノ峰方面の光景

  ・箒杉沢方面の光景

  ・大山方面の光景

 デジカメ撮影のために足が進まない。これでは、鬼ヶ岩まで時間オーバーになってしまうと内心、焦る。10:16、竜ヶ馬場着。ペットボトルを一口飲む。(〜10:20)
[竜ヶ馬場にて]

 10:39、丹沢山に到着。(写真下)
 山頂には、薄っすらとガスが漂っていた。時間が早いせいか、山頂のベンチには、二人しか見えず、もの静かな山頂だった。
 先程、竜ヶ馬場で休憩したこともあり、丹沢山頂上では、記念撮影だけして、すぐに歩き始める。
[丹沢山にて]

 丹沢山からの急な下りを一歩一歩進む。ここの階段は、段差が大きく、歩きにくい。
 前方の不動ノ峰の山頂付近には、再び、ガスが覆うようになった。
 下りきったところで、大滝沢側を眺めると、これまた息を呑む光景が。

 不動ノ峰への登りとなる。(写真下左)
 ここは、丹沢山から眺めた時、再びあんなに登らなければならないのかと、いつも思うのだが、実際に登っている時は、そんなに苦にならない。ちょっと周囲の景色が草原状態で異色なのと、それほど急登だと感じないためだろう。

 登りが緩やかになり、休憩所が近づいてきた。
 ガレ場上を通過する際、ふと右手を見ると、一部草原状態の尾根が見えた。(写真下右)
 あれが、今回の目的の白馬尾根のようだ。ここからだと、尾根の上部は、完全にガスがかかっており、ちょっとルートが心配になる。
[不動ノ峰への登り] [白馬尾根を望む]

 11:21、休憩所に寄り道。扉がないので、冬は、ちょっとつらそうな建屋だ。(写真下)
 山道に戻って、不動ノ峰を目指す。
 今日は、完全にガスに覆われ、手前の草木程度しか眺めがない。
 晴れていれば、塔ノ岳や丹沢山などの連なる山並が広がる雄大な眺めとなり、いつか、このあたりで三脚を立て、朝日が昇るシーンを撮りたいと思っているのだが、なかなか実現できないでいる。
[休憩所にて]

 11:29、不動ノ峰頂上に到着。(写真下左)
 久しぶりの不動ノ峰だ。訪れる人も少ない、地味な山頂である。ガスが立ち込める中、紅葉した樹林をデジカメ撮影する。

 この先、ますますガスが濃くなってきた。(写真下右)
 殆ど視界が遮られ、足下の山道しか見えない場合があった。そんな状態で稜線を歩いていたため、どこが鬼ヶ岩ノ頭のピークだったのか、さっぱりわからず、いつのまにか下りに入り、鬼ヶ岩まで来てしまった。
[不動ノ峰にて] [鬼ヶ岩ノ頭への稜線歩き]

 12:01、鬼ヶ岩に到着。
 ほぼ予定通りの時間に到着することが出来た。
 本来であれば、岩の間から蛭ヶ岳を眺めることが出来るのだが、今日は、全く視界ゼロ。乳白色の世界が広がるだけだった。

 ここで時間もちょうどいいので、昼食とする。
 岩の下に腰を下ろしていると、寒気がしてきた。やはり、高度1600mぐらいになると気温は、かなり低めだ。薄着のウィンドブレーカを着込む。
 また、パンを食べながら、地図やメモを見て、これからの白馬尾根ルートを復習する。

 12:16、出発。鬼ヶ岩ノ頭へ引き返すように進む。
[鬼ヶ岩]

 鬼ヶ岩ノ頭のピーク手前の北東側にある保護柵の間の斜面を進む。
 明確な踏跡は、下草のため、よくわからないので、とりあえず、奥の保護柵に向かって進んでみたら、踏跡が見つかった。(写真下)
 だが、下草は完全に濡れており、ズボンがビショビショ。やはりスパッツを持ってきた方がよかったかと後悔。
[白馬尾根に入る]

 踏跡に沿って緩い斜面を下っていく。
 ガスが流れ去り、左手に林が見えてきた。(写真下)
 それほどの紅葉でもないな〜と思い、下っていくと、前方に何やら紅葉が見えてきた。

 よく見れば、左手に紅葉した林が広がっている。思わず、デジカメを取り出す。
[ガスが流れ、林が見えてきた]

 樹林帯を下っていく。踏跡は、ササに覆われ、明瞭とは言えない。
 このため、踏跡は、一歩一歩手前で確認しながら、進んでいく。(写真下左)

 12:49、カヤトの草原に出た。(写真下右)
 踏跡は、進んでいくと、Y字のように分岐していた。予習によると、左側に寄るべきとあったので、左側のルートを選択。
[踏跡がわかりにくい] [草原に出た]

 草原を下っていく。踏跡は、明確になっている。
 だが、ガスの中ゆえ、進んでいる方向が正しいのかも微妙だったが、その時、前方のガスが流れ、三峰の山容が見え始めた。(写真下)
 白馬尾根から、三峰が見えたことに大満足。この光景が見たくて白馬尾根を今回、選択したのだから。
.....紅葉は、想定外。

 よく見れば、三峰の山肌は、これまた見事な紅葉だった。三峰というと、ツガのイメージがあり、紅葉とは無関係という先入観があったが、実際は、そうではなかった。
[三峰が姿を現す]

 踏跡は、草原から左側の樹林帯の斜面に入っていく。
 その入口で、一際、目立った木があった。

 その後、樹林帯の中に入っていくと、思わず立止まってしまった。

   ・樹林帯の光景その1

   ・樹林帯の光景その2

   ・樹林帯の光景その3

 とにかくデジカメが手放せない状態で、常に撮影という状態だった。
 樹林帯の中から出て、右手に草原が広がる端を下っていく。
 結構、急な下りである。
 13:15、前方のガスが消えて、早戸川上流の光景が見えてきた。(写真下)
 ここにも1本、紅葉した木が目に入った。
[雷平方面を見下ろす]

 まだまだ紅葉の樹林帯は、左手に続いている。
 このあたり、ルート面で不明瞭な箇所がいくつか出てきた。踏跡の上に草木が覆っているために一瞬、先がわからなくなるという状況に何度か陥る。このため、おかしいと思ったら、立止まり、周囲をよく見るということを何度か、繰り返す。(写真下)
[踏跡の上に草木が覆う]

 13:23、赤土の斜面に出た。(写真下左)
 ちょっと滑りやすそうで、難儀な箇所だ。だが、そんなところで、前方を見ると、榛ノ木丸が姿を見せていた。

 13:27、倒れてしまっているシカ柵を通過。(写真下右)
 ここから檜の植林帯に入る。
[赤土の斜面を下る] [壊れたシカ柵]

 植林帯と自然林の間には、シカ柵が続いており、そのシカ柵を左に見ながら、ほぼ一直線に下っていく。(踏跡は、植林帯側にある)
 植林帯の中で、いつの間にか、道は、踏跡ではなく、立派な作業道となる。

 植林帯を下り続け、13:40、左手にポツンと紅葉している木を発見。
 近づいてデジカメ撮影。
[左にシカ柵を見ながら植林帯を下っていく]

 飽きるくらい、長い植林帯だと思いながら、小さな尾根を横切り、小さな沢沿いに下っていく。
 14:16、沢の手前のシカ柵に到着。
 シカ柵の先は、原小屋沢系と大滝沢系の合流点である。ようやく、下り終えたかと、ひと安心。
 ここで、デジカメ用メモリカードを交換。(本日、2回目)
[長い植林帯]

 14:21、沢に出る。(写真下左)
 何年振りかの雷平である。
 やはり、前日の雨のせいか、水量が多く感じた。
 どこか、渡れるところはないかとキョロキョロしていたら、雷滝側に橋を発見。近づいて渡ろうとしたら、手製の橋で、見た目でもかなり不安定だった。まあいいか、たいした距離ではないし、と思い、一気に渡る。(写真下右)
 ....ナナメだったのでヒヤヒヤもの。
[雷平に出た] [手作りの橋]

 早戸川左岸を歩く。振り返ると、白馬尾根方面が眺められた。(写真下)
 もう昼間のガスは消えてしまい、天気は回復していくようだった。
 このあと、左岸が岩壁になり、設置されたロープを使ってへつる。 
[白馬尾根方面を振り返る]

 14:38、沢を渡る場所に出た。だが、目の前の橋は、水没しており、使用不可。(写真下)
 どこか渡れる箇所はないかと、底が浅く、流れが急でない箇所を探す。
 このあたりでいいだろうと決まったら、デジカメ、携帯などをビニール袋に入れて密閉した後、ザックに入れ、靴のままジャブジャブと沢を渡る。
 今回は、トレイルランニングシューズなので、あまり気にならない。だが、沢底は水垢のせいか、滑りやすく、おまけに流れが速いので、足が思うように動かせない。ストックが重宝した。水温は、それほど冷たくなかった。

 その後、また沢をへつるような箇所があり、ロープが用意してあった。
 ここは、以前、逆方向から歩いた時の記憶があった。確かその時は、ロープの他に桟道もあったような気がしたが、今は、ロープのみだった。足下がよく見えなかったので、スリルあり。
 この時、ちょっと恥ずかしいポーズを経験。誰も見ていないけど。
殆ど水没している橋]

 14:57、またしても沢を渡ることに。(写真下左)
 木橋が水没しており、役に立たない。さっきと同じように靴のままジャブジャブ。
 今度は、状況がわかっているので、デジカメを出したまま渡り、途中撮影。(写真下右)
  ....でも、ストックは、必須。

[3つめの橋も役に立たない] [沢底は、滑りやすい]

 この先は、山道を進むが、これまたシビれるような場面が出てきた。

 個人的に苦手としている、巾の狭い木橋が現れる。(写真下)
 まあいいかと、一歩一歩進む。スリル感を味わいつつ、2本目の橋の真ん中を過ぎた辺りで、板が撓み、左足が沈んだ。ウワツと、即、左足を持ち上げ、両足がジャンプしたかの如く、一気に駆ける。やはり体重のある人間にとって、恐ろしい場所だった。
[ちょっと橋脚が心配な木橋]

 また、嫌らしい木橋が現れる。(写真下左)
 ここは、木橋自体、たいした事はなかったのだが、渡った直後の足場がよくわからず、岩を抱えるようにして通過。
 すぐ連続して、これまた古い桟道。(写真下右)
 ここも慎重に進むが、やはり、左足が一瞬、沈む箇所があった。

 これらの桟道を過ぎてから、通常のトラバースルートとなる。
 15:16、造林小屋を通過。
 ここまで来れば、もう安心。伝道までは、あと少しだ。
[またしても嫌らしい木橋] [壊れそうな桟道]

 15:30、伝道(早戸川林道の終点)に到着。(写真下)
 どうにか無事、ここまで到着することが出来た。後は、林道歩きである。
 ここで、小休止し、ペットボトルで水分補給。
 結局、腰を下ろさないまま、15:37、出発。
[伝道に出た]

 16:49、ゲートを通過。(写真下)
 かなり、薄暗くなってきた。

 17:10、早戸川橋到着。陽は、完全に落ちていた。ここで、ゲートの横を通り、宮ヶ瀬に進む。この先は、車両通行止めゆえ、車も入ってこない。再びクマ鈴を取り出す。
 気味が悪いな〜と思いながら、人気のない舗装路をヘッドランプを点けて進むと、以前、栂立尾根に登った時に通った金沢橋に到着。(17:25)

 すると橋の反対方向で人声がする。それも子供の声だ。何事だと思い、近づいてみると、20〜30人の家族連れが、ライトも点けずに道路の上に座って休憩中だった。聞けば、宮ヶ瀬ビジターセンターのイベントでナイトウォークというのが実施されているとのこと。ここで休憩した後は、再び宮ヶ瀬に戻るとのことだった。 ....集団遭難かと思った。
 
 この先は、背後にあの団体さんがいるということで、気分的に楽になった。
 [ゲートを通過(振り返って撮影)]

 左手に虹の大橋の道路灯が見えた。(写真下左)
 宮ヶ瀬まであと少しだ。
ようやく前方に明かりが見え、18:00、ゲートに到着。
 ここから、県道に出る。
 18:08、宮ヶ瀬バス停に到着した。(写真下右)
[虹の大橋の道路灯] [宮ヶ瀬バス停にて]


 今回は、文中にも書きましたが、これほど紅葉のピークに出会ったのは、本当に久しぶりでした。
 丹沢全体が、素晴らしい光景でした。今年は、秋に台風が来なかったので、最後まで枝に葉がついていたせいかもしれません。

 おかげで、最後の林道歩きも苦になりませんでした。



※山行時間には、撮影時間を含んでおりますので、ご注意下さい。