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日向山

 山行日
2008年12月14日(日)      雨後晴   単独行
 コース
広沢寺温泉入口(10:11)〜(10:25)広沢寺温泉〜(10:48)ゲート〜(10:53)山神隧道〜(11:06)一の橋(11:09)〜左岸尾根の斜面〜(11:40)一の橋〜(11:56)山神隧道〜(12:04)ゲート〜(12:31)大釜弁財天(12:34)〜(12:55)日向山(13:02)〜(13:42)日向薬師(13:46)〜(13:57)日向薬師バス停
 先日、ブログ「富士夫日記」を開設されていた富士夫さんが三峰山・境界尾根で帰らぬ人となってしまいました。丹沢の美しい光景をブログ上で紹介されていた同趣味の方を突然、失ってしまったことに言葉が出ません。
 その後、ニカニカ集会でのメンバーの方々が慰霊登山をされております。私も同行したかったのですが、仕事の都合上、どうしても時間があわず、不参加となりました。
 といううことで、遅ればせながら、本日、境界尾根の取付きにて、花を供えてきました。


 広沢寺温泉入口バス停にて下車。(写真下)
 ここから歩くのは、第一回ニカニカ集会の時以来である。あの時は、朝から暑い一日だった。だが、今日は、雨である。登山者の姿どころか、歩く人の姿すら見かけない。

 傘を差しながら歩く。雨具は着用していない。
 いつだったか、こうやって傘を差しながら、鍋割山を登ったことを思い出す。
 あの時は、ミズヒ沢を渡るまでは雨だった。その後、後沢乗越を通過していくと、雨がいつの間にか雪に変わった。傘の上に雪が積もっていく。山頂では、完全に雪だった。雪の中、飛び込んだ鍋割山荘にて甘酒を注文し、山荘のご主人、草野さんとカメラ撮影について会話したことまで記憶が蘇った。
[広沢寺温泉入口バス停]

 鐘ヶ嶽は、雨雲がかかり、手前半分だけしか姿を見せていない。(写真下左)
 夏の時では、橋の工事かどうかもわからなかった場所だったが、今では、立派な橋が出来ていた。もうすぐ完成だろう。(写真下右)
 雨は、相変わらず降り続いている。
[鐘ヶ嶽に雨雲がかかる] [橋の工事場所を通過]

 工事中の橋を通り抜けると、上り坂となる。
 ハアハア言いながら、上っていくと、ゲートに到着した。手前に駐車場があるのだが、さすがに今日は、1台も駐車していない。
 
 山神隧道を通り抜け、境界尾根が見えてきた。(写真下)
 尾根の斜面の植林帯にガスが薄く広がっている。
[トンネルを抜けて境界尾根を眺める]

 一の橋に到着。
 周囲の光景をデジカメ撮影し、境界尾根の斜面に取り付こうとしたら、作業道らしき道を発見。
 これを登っていく。
 作業道は、不動尻に向かうように、尾根のトラバース路になった。
 このあたりでいいだろうと、尾根の斜面に花を供え、尾根に向かって手を合わせる。
[一の橋に到着] [尾根の斜面にて]

 正面の植林帯の尾根を見上げていると、ブログ「富士夫日記」で、この11月にUPされてあった大山の紅葉の写真が思い浮かんだ。
 大山寺でのモミジの紅葉は、カメラを持った人ならば、必ず撮影したくなるポイントだろう。
 あの独特の、深紅の紅葉は、逆光気味のとき、ひと際、印象的な色彩を醸し出す。
 そして、下社階段横の黄葉の写真。下社で、ここまで鮮やかな黄葉は、私自身、遭遇したことがなかったゆえ、強烈なインパクトを受けた。 

 戻る時は、傘を差しながら、ストックも使用した。
 再び、一の橋に出てきた。
 さてどうするか。この雨の中では、このまま奥に進む気にはなれなかったので、引き返し、日向山あたりでも登ろうと考えた。あそこならば、傘を差してでも登れるだろう。

 山神隧道に入る前に境界尾根を振り返る。(写真下)
 尾根の斜面には、ガスが立ち込めていた。
 しばし、このガスが尾根に纏わりつく光景に対し、シャッターを押し続ける。
[境界尾根を振り返る(振り返って撮影)]

 山神隧道を通過すると、下り道となり、一気に広沢寺温泉手前まで下ってきた。
 右手から大沢林道が下ってきて合流する。
 ここで、Uターンするように右折し、その大沢林道に入る。

 上り坂を進んでいくと、右手に弁天岩が見えてきた。(写真下左) 晴れの土休日であれば、たいていクライマーが見られるのだが、さすがに今日は、誰もいない。
 左手に、日向山や見城に登っていける分岐点があるはずだが、と坂を上っていくのだが、なかなか見つからない。そのうち、大釜弁財天に到着してしまった。(写真下右) ということで、寄り道して参拝。

 そろそろ分岐点かなと思いながら、さらに坂を上っていくと、2分ぐらいで分岐点に到着した。ここで、クマ鈴を取り出し、左折して登山道に入る。左手に傘、右手にストック&クマ鈴という格好で登っていく。

 ものの5分で鞍部に到着。ここは、十字路になっている。直進:七沢温泉、左:見城、右:日向山である。右折し、斜面を上り、日向山に向かう。木立の間から、右手に弁天オグシ尾根のピークが見える。標高は低いが、ピークの形は、格好がいい。
[クライミングの岩に人影無し] [大釜弁財天]

 直線状に登っていき、日向山頂上に出た。(写真下)
 すると、雨が止み、正面の木立の間から、一瞬、光が差し込んできた。
 日向山ゆえに雨が止んだかと、その偶然に驚きながら、関東平野側の市街地方面を眺める。
 んっ!、よく見れば、平野部の方は、すでに青空が見えていた。どうやら天気は回復していくようだ。
 ようやく傘を畳む。
[日向山にて]

 日向山で休憩しようと思ったが、どこも濡れており、直に腰掛けるような場所がない。ザックの中には、ビニールシートが入っているのだが、面倒臭くて取り出す気がしない。
 結局、歩き始めてしまった。

 日向山からは、雨が完全に止んだ。
 日が差し込んできたタイミングで前方を撮影。(写真下) 午前中にあれほど雨が降っていたのが、ウソのようだ。
[日向山から西へ向かう]

 右手に弁天オグシ尾根が再び見えてきた。
 手前の樹林が気になるが、思わずデジカメ撮影。(写真下)
[弁天オグシ尾根を眺める]

 下りに入り、十字路に出る。
 右折は、先日、ニカニカ集会のあった弁天の森キャンプ場に向かうルート。直進は、梅の木尾根。左折は、日向薬師方面。今日は、左折する。雨の心配がなくなり、道もしっかりしているので、スタスタと下っていく。

 右手に梅園を見た後、車道(薬師林道)に出て、すぐ先で日向薬師に裏手から入る。
 境内は、静寂に包まれていた。参拝客は、2、3人といったところ。
 この古刹には源頼朝が参詣した記録が残っており、訪れる度に時代の流れを感じさせてくれる。
[日向薬師を裏手から入る] [日向薬師にて]

 表参道を下っていき、日向薬師バス停には、13:57着。
 次のバスは、14:15だった。
 [日向薬師バス停にて]


 日向薬師バス停で、帰りのバスを待つ間、ほんの一瞬、大山方面の雲が途切れ、大山の山肌が真っ白になっているのに気がつきました。
 今日の雨は、大山上部では、完全に雪だったようです。偶然とはいえ、ちょっとでも、その姿を見せてもらえたのは、ラッキーでした。富士夫さんからの挨拶だったのかなと思えました。



※山行時間には、撮影時間を含んでおりますので、ご注意下さい。