トップページ山行リスト(日付)>塔ノ岳・鍋割山_記録20090418


塔ノ岳・鍋割山

 山行日
2009年4月18日(土)・19日(日)  曇後晴・晴  同行者:父
 コース
大倉(8:04)〜(9:35)駒止茶屋〜(9:56)堀山の家(10:05)〜(11:28)花立(11:37)〜(12:07)塔ノ岳(12:56)〜(13:25)大丸〜(13:59)小丸〜(15:27)鍋割山(泊)
鍋割山(7:26)〜(8:04)小丸〜(10:24)二俣(10:37)〜(11:45)大倉
 今回は、久々の父との山行です。記録によりますと、父との山行は、昨年の10月、鍋割山荘のイベント「丹沢のキノコ鍋を食べる会」&「山荘ご主人草野さんの還暦祝い」以来で、かれこれ、半年経っておりました。
 この度も、鍋割山荘のイベント「花の集いパーティ」ということで、山行を企画しました。
 父は、今年の6月で81歳になります。
 私、花立小僧、親族からは、父の登山許可審議会会長に任命されており、いずれは、父に対し、引退勧告をせねばならぬ立場におります。
 さて、父は、まだ山に登れるでしょうか。じっくり、父の行動を観察したいと思います。

 今回は、大倉尾根を登っていきますと、途中で予想外の出来事が待っていました。
 詳細は、以下をご覧下さい。 


<第1日> 
 途中で、父と合流した後、小田急に乗るが、どういう訳か、急行ではなく、各駅停車の小田原行きで、渋沢7:23着。
 今日は、天気予報では、これから晴とのことだったが、見上げた上空は、完璧な曇り空。ちょっと先行きが心配だ。
 大倉行きのバス停には、既に20人ちょっとの列が出来ていた。バスの発車は、7:34。大倉行きの朝4番目のバスである。

 満員となったバスは、定刻通り出発し、大倉には、7:48着。(写真下左)
 吊橋の方には、大勢の登山者が集まっていた。団体さんのようだ。
 表尾根方面を見上げると、低い雲が、一面に立ち込めており、全く稜線は、見えない。すでに雨が降っているようにも見える。
 「これじゃ、天気予報と大違いだな〜」と、父と話しながら、出発の準備をする。
 缶コーヒー(ホット)を自販機で買って飲んだ後、出発。
  ....最近、缶コーヒーを飲むのが出発前の儀式になってきた。

 8:04、出発するとすぐに「丹沢まつり 山開き」の幕が出ており、明日が、その当日だと知る。(写真下右)
[大倉バス停にて] [大倉を出発]

 車道を歩き始めると、登山者の姿は、疎らになった。「さっきの団体さんが出発してくると、ちょっと恐ろしいな〜」と話しているうちに、細い舗装路になった。
 「あれっ、木がない」
 以前は、植林帯で、薄暗いイメージしかなかった、この辺りだったが、いつの間にか、植林帯が間伐されており、明るい登山道になっていた。
[間伐された植林帯]

 8:45、雑事場のベンチで小休止。(写真下左)
 ベンチが濡れた状態だったということもあり、ここで、早めにザックにカバーを掛ける。
 かれこれ14年ぐらい使用しているザックだが、経年変化のため、内側のコーティングが完全にオシャカになっている。そのため、防水スプレーをかけてはいるものの、雨などの水には、弱いのだ。
 父は、ベストを脱いで、パンを食べ始める。今日の朝飯は、4:30だったそうで、既に腹が減ったとの事。  

  ....食欲があるのは、いいこと

 8:57、出発。
 見晴茶屋の前を通過し、一本松跡への登りとなる。ここは、大倉尾根で、最初に大汗をかくところ。それでも、途中休むことなく、登っていき、9:15、一本松跡に到着。
 「さっきの休憩を入れても、ここまで1時間10分。まあいいペース。」
と自己満足な父。

 さらに少し進むと、ベンチが右手に見えてきた。ここで小休止。こまめに休憩をとる。(写真下右)
 休憩中に通過していった登山者は、2名のみで、まだ、大倉の団体さんが来ないためか、辺り一帯は、静寂な世界。
 鶯の鳴声がはっきり聞こえた。10分休憩した後、腰を上げる。
[雑事場のベンチにて] [ベンチにて、新緑のモミジ]

 今のところ、暑いという意識はない。むしろ涼しい感じだ。
 前方20mも離れると、人影が見えなくなるほど、ガスが濃い。
 晴れていれば、富士山が望めるフラットな尾根筋を通っていく。すると、地面には、無数の桜の花びらが散っていた。(写真下)
 ここまで、特に父の歩行ペースが遅いということはなかった。
[桜の花びらが一面に散っていた]

 9:56、堀山の家に到着。
 相変わらず、ガスの中である。ここでも小休止とした。 
 小屋の前の花を撮影していると、ちょうど小屋の方が、「花桃ですよ」と教えてくれた。(写真下左)
 そんな時に、何やら人の声が。
 ついに団体さんがやってきた。小屋から少し離れたベンチ周辺は、アッという間に団体さんに占有されてしまった。人が多くなったところで出発することにした。(10:05)
 だが、10分も歩かないうちに追いつかれた団体さん(20人ぐらい)に先に行ってもらう。精鋭部隊のようだ。登りのペースがだいぶ速く感じる。

 戸沢の分岐を過ぎて、その先にあるベンチで小休止することにした。(10:31)
 ベンチでは、ちょうどさっきの団体さんが出発していくところだった。休憩していると、次の団体さんが登ってきた。ということで、この時間、人通りが絶えない状況だ。
 そんな折、霧雨が降ってきた。
 「とうとう降ってきた」と、この先、雨具を着用すべきか悩む。いつも着ると、止んでしまうというパターンが、結構、多いためである。結局、まだ着るのは、やめにした。
 父は、ここでもパンを食べていた。10:41、出発。

 10:57花立山荘下の階段入口に到着。
 ここで、後から来た2番目の団体さんに追い越される。この団体さんが通り過ぎるのを待っている父は、ニコニコしている。聞けば、この階段下までくると、嬉しいのだそうだ。視界が広がり、もうすぐ花立だと思うと、パワーが湧くらしい。
 階段を登り始める。(写真下右)
 先ほど降っていた霧雨は止み、ガスの濃さが幾分、薄れてきたようだ。
  ....やはり雨具をつけないで正解だった。

 「この明るさであれば、雨の心配はないね。」と話をしながら、一歩、一歩、階段を登る。
 父は、辛そうだったが、途中、休みもせず、花立山荘まで一気に登ってきたことに少々ビックリ。
[堀山の家にて] [花立山荘下の階段にて]

 11:07、花立山荘前に到着。(写真下)
 ここは、人、人、人という状態だった。ということで、5、6分間の休憩のみで先に進む。
[花立山荘に到着]

 花立へ黙々と登っていると、急に明るくなり、薄日が差してきた。(写真下左)
 ようやく晴れてきたかと思ったら、そうではないことが、この光景を見てわかった。

 その後、花立に到着。(11:28)
 富士山方面から振り返って、表尾根方面を眺める。
 随分、花立で時間を食ってしまった。北側の塔ノ岳方面は、すっかり晴れとなっていた。(写真下右)
[花立への登りにて] [花立]

 金冷シを過ぎて、塔ノ岳頂上にいよいよ後わずかというところあたりで、右手に何か動くものを発見。
 その後、階段状の登山道をゆっくり歩く。だいぶ父も疲れたようだ。ペースが落ちている。
 左手の山道には、バイケイソウが新緑の葉を伸ばしていた。 茶色い地面には、目立つ存在である。(写真下)
 塔ノ岳山頂まであとひと登りというところで、南側(相模湾方面)を望む。
[バイケイソウの葉]

 12:07、塔ノ岳到着。
 約4時間ちょっと、かかった。途中、撮影のため、かなり時間をとってしまったこともあり、実際は、休憩を入れて3時間40分ぐらいだろう。父としては、この時間で満足の様子。まあ、ここまで来れれば、まだ山に登れるという自信にもなるだろう。

 西側の富士山方面を見渡す。
 一通り、撮影したところで、尊仏山荘に入ることにした。山荘の中では、山荘のご主人、花立さんが受付をされていた。缶ビールを2本注文する。室内で乾杯。一気に飲んでしまった。
[塔ノ岳山頂に到着] [山荘内で乾杯]

 まだ時間的には、余裕がある。今日は、暖かいこともあり、外で、昼食とした。
 日ノ出山荘の廃屋の横で昼食。オニギリを食べる。
 東側の風景を眺めながら、食事をしているのだが、こんな光景は初めてだった。
 12:56、まだ頂上には、大勢の人々が休憩中だったが、一足先に出発することにした。
[尊仏山荘は、外壁工事中]

 下りとなると、父の歩行ペースが少し速くなった。
 金冷シのところで直進し、鍋割山稜に向かう。この後、大丸への登りがつらいな〜と思っていたら、案外、簡単に登ってしまった。
  ....撮影しながらのペースなので。

 13:35、変形ブナに到着。(写真下左)
 いつものように同じ場所から、このブナを撮影する。

 13:42、二俣分岐。鍋割山荘に到着するには、まだ時間が早いということで、ここで左折し、すぐ先の展望地まで寄り道する。(写真下右)
 だが、まだ雲海が広がっているだけで、相模湾側は、雲以外、何も見えない。西に目を向けると、富士山が薄っすらと見えた。
[変形ブナを定点撮影] [二俣分岐からちょっと寄り道]

 再び、稜線の山道に戻り、ブナ林を観賞しながら、山道を歩く。
 小丸の道標を過ぎて、下りに差し掛かるとき、右手に形のいいブナ?(たぶん)を発見。(写真下)
 見事な枝振りで、千手観音のように見えてくる。その形が気に入って、何枚もデジカメで撮影してしまった。
[見事な枝振り]

 14:06、ベンチにて大休止。まだ鍋割山荘到着には、早すぎるということで、休憩。(写真下)
 先ほどまで雲海だった雲は、薄くなっていき、下界の秦野盆地が見えるようになった。どうやら、盆地あたりも晴れになったようだ。
 ここで、なんだかんだと、二人でペチャクチャ、話しをしていた。その後、先ほどのビールのせいか、眠くなってきたので昼寝を少々。
 14:55に出発。
[ベンチにて大休止]

 自然だなぁと思われるような樹林帯の中を突き進んで行けば、鍋割山だ。(写真下左)
 15:27、鍋割山(鍋割山荘)に到着。あいにく富士山は、見えることは見えるのだが、完全に霞んでしまい、被写体には難しい状況だった。
 小屋に入って、草野さんご夫妻に挨拶。
 そして缶ビールをオーダー。外に出て乾杯。(写真下右) まだ日は高い。風がなく気温も高いので、冷えたビールがうまい。
 やはり、1缶では足りなかった。再び、小屋にビールを買いに行く。2本目は、草の上に座って、ツマミを食べながら飲む。以前は、シカのフンが多かったのだが、シカが減ったせいか、フンも見当たらない。
 17:30に夕食が始まる。今回は、イベントということもあり、特別料理で、日本酒とワインも振舞われた。皆がワイワイしているときに外にカメラを持って出る。富士山は、相変わらずクリアでなかったが、夕日は、印象的だった。

 また、檜岳山稜方面は、別世界だった。
[鍋割山に到着] [鍋割山荘にて乾杯]

<第2日>

 翌日、5:15に起床。外に出て、富士山を眺めるが、昨日と同様、霞んでおり、ガッカリ。
 朝食後、種をビニール袋に分ける。(写真下左)
 種は、イタドリ、ヨモギ、ススキの3種類。一人2袋を持ってもらい、途中の裸地にこの種をまいてもらおうというものだ。
 また、昨日のイベントの続きで、登山道修繕として杭打ちのボランティアの方々が先に出発していく。(写真下右)
[種が入った袋] [[杭打ちボランティアの皆さん]

 我々は、杭打ちのボランティアは、遠慮させていただき、昨年と同様、種袋を持って、小丸方面に出発した。(写真下)
[小丸方面に出発]

 朝日に向かうように歩く。(写真下左) 小丸への登りも、涼しいので、汗は、それほど出ない。スタスタと歩いて、二俣分岐に到着する。
 分岐先の展望地にて、小休止。(写真下右)
 昨日は、雲海で下界は、全く見えなかったが、今日は、眼下の山並がよく見えた。だが、遠景の箱根の山々は、霞んでいた。まあ、これが通常の4月の光景だろう。
[朝日を浴びながら] [分岐点先の展望場所]

 分岐先の展望地からは、そのまま二俣に下っていく。
 白い花をつけている馬酔木の群落を通過していく。その後、細いジグザグ道となり、ちょっと歩きづらい。(写真下)
[急斜面をジグザグに下る]

 ジグザグ道が終了すると、ヤセ尾根となった。(写真下左)
 この後、植林帯と自然林の境界部分を歩くようにして、尾根を下っていく。
 尾根の下りに飽き飽きしてくる頃、前方に小さなピークが見えた。道は、その小ピーク(745m地点)を小さく左を巻いていくが、ちょっと寄り道(それほどの寄り道では、ないが)して、小ピークに向かう。

 小ピーク(745m地点)から振り返ると、新緑が眩しい。(写真下右)
 この時点で、すでに鍋割山荘から持ち歩いていた種は、2袋分、蒔き終えていた。
[ヤセ尾根を行く] [745m地点を振り返って撮影]

 小ピークの後は、フラットな尾根歩きとなる。この辺り一面は、新緑ゾーンとなっていた。(写真下)
[新緑の中を行く]

 右手に林道が見え、見えた方向に下って、林道に出ることも可能だったが、ここは、登山道を忠実に進んでいく。
 尾根の先端まで進んだ後、左手から下っていく。
 10:20、林道に出た。(写真下左) ちょうど、今から鍋割山に向かっていくと思われる団体さんが目の前を通過していくところだった。
 10:24、勘七ノ沢を渡った所(二俣)にて、小休止。(写真下右)
 ここで、パンを食べたり、水分補給する。そういえば、尾根の下りでは、一回も休憩しなかった。
 10:37、出発する。
[二俣手前で林道に合流] [二俣にて小休止]

 その後は、ひたすら西山林道を黙々と歩く。
 大倉分岐で左折し、大倉バス停に到着したのは、11:45だった。
 まあまあの歩きだったと、父は、自己評価。
 バス停の奥の広場で、野菜の即売会が行われていた。丹沢まつりの一環のようだ。父は、バスを待つ間、トマトとネギを買っていた。
 [大倉に到着]


 ウ〜ム、まだ父は、歩けるようです。すぐに引退してもらうようなレベルでは、ありませんでした。
 ですが、単純な下りはテンポよく、速かったのですが、急斜面では、遅くなった感じでした。
 ということで、ボチボチ、父の脚力にも翳りが出たような。
 まあ、次回山行で、分かってくるでしょう。

 また、今回は、今までの丹沢山行の中でも、べスト5に入るぐらいの印象に残る光景でした。
 こういった遭遇があるからこそ、山歩きは、やめられません。



※山行時間には、撮影時間を含んでおりますので、ご注意下さい。