トップページ山行リスト(日付)>高松山_記録20090501


高松山
 山行日
2009年5月1日(金)          晴      単独行
 コース
東山北駅(7:07)〜(7:25)尺里〜(8:53)ビリ堂(9:04)〜(9:30)高松山(10:22)〜(11:18)657m峰あたり〜(11:41)620m圏峰(11:43)〜(12:50)皆瀬川左岸(13:03)〜(13:04)皆瀬川右岸(13:22)〜(14:06)東名高速下〜(14:22)山北駅
 今日は、久々に高松山に行ってきました。約3年ぶりの訪問です。
 山頂到達後は、西側の派生尾根を下っていきました。ここは、丹沢の中でも地味なエリアですが、以前から興味のあったエリアです。ですが、狩猟期間中は、やたらとハンターが入ってくる領域でもあります。
 ということで、訪問期間が限られますので、今回、チャンスとばかり行ってきました。
 さて、結果は如何に。詳しくは、以下をご覧下さい。 


 今日は、平日ということで御殿場線東山北駅では、高校生と一緒に下車。
 まだ授業には早い筈だ。朝練だろうか、高校生のバッグには、運動部の名称がついていた。
 駅名板が見つからず、その代わりに開設50周年の石碑を見つけたので、これで記念撮影。(写真下)
 今日も天気は、いいようだ。駅を降りた後、R246に向かう。
[今回のスタート地点:東山北駅]

 R246を北西に歩き、旧道に入る。
 旧道を歩いていくと、立派な道標を発見。(写真下)
 道標の通り、右折する。(7:25)
[旧道R246で高松山の道標を発見]

 住宅街の中を進んでいくと、東名高速の下に到着。
 道標がここにも立っていた。(写真下)
 高松山は?と道標を見ると、「高松山入口ハイキングコース」とは記載されているが、この先、直進とも左折とも示していない。直進方向には、「大六天」と記載されている道標があった。
 ....「第六天」だと思っていたが、「大六天」なのか?、謎である。

 また、左折と直進の間を示す方向には、道標「公衆トイレ」があった。
 ....この方向は、川しかないのだが。

 左折と直進しか進めないのに変だなと思いつつ、指示方向の延長を眺めると、対岸にトイレらしき建屋が見える。どうやら、あの建屋をダイレクトに指している道標「公衆トイレ」だと分かった。
  ....こんな道標は、初めて見た

 ということで、ここでは、左折し、橋(上の台橋)を渡った後、右折する。
[東名高速下で、よくわからない道標あり]

 尺里川を渡って右折し、東名高速をくぐると、右手にトイレを発見。
 新しいトイレだ。
 先程の道標が立っていた地点では、実際のところ、直進でも左折でも高松山・第六天に行けるのだが、せっかくここにトイレがあるのだから、全部左折として案内すればいいのにと思った。
 このトイレのすぐ先が分岐点だ。
[新しいトイレ(右)あり]

 7:35、分岐点に到着。左側に道標が立っていた。 (写真下)
 あれっ!ここでは、直進方向に「第六天」と書かれてある。やはり、さっきの「大六天」は、誤字なのかなと思う。
 ここの道標には、「高松山」という文字がなく、「ビリ堂」となっている。まあ、地図を持ってくるハイカーなら間違えないだろうが、「ビリ堂経由 高松山」と記載したいところだ。

 実際は、第六天の方向に進んでも、約450m先で左折し、ミカン畑の中の農道を上って行けば、ここで左折した場合と同じ山道に合流する。・・・ ★
 (但し、そのルートは、ちょっと遠回りになる)
[分岐点での道標]

 道標の分岐路を左に進む。「ビリ堂」と書かれた方向だ。
 左手に東名高速を走る車の音を聞きながら、坂を上っていく。今まで平地だっただけに、ちょっと息が切れそうになる。坂は、舗装路だったが、傾斜が緩くなったところで未舗装の山道になった。

 7:50、舗装路に出た。右からの農道が合流している。(上記★のルート)
 ここは、直進していく。
 ミカン畑の中を進むが、ムムム...暑い。日陰でなくなったのが痛い。
 ふと、右から振り返る。

 8:01、舗装路を突き進むと、舗装路が終了した。(写真下)
 ここから、いよいよ山道に変わる。山道の横には、ミカンの搬送用なのか、モノレールが設置してあった。
[舗装路が終了し、山道に変わる]

 山道を登っていくが、GW期間の平日のせいか、誰にも会わない。明るい道ではあるが、ちょっと気味が悪い。

 8:21、右手に送電線鉄塔を見る。(写真下左)
 ここで、ザックを下ろし、小休止。
 送電線のある箇所は、結構、風が吹くものだが、今日は、そんなこともなく、こんなことであれば、団扇でも持ってくればよかったと後悔。
 7分間の休憩後、出発。
 途中、左手の斜面の上に馬頭観音を発見。(写真下右)
[送電線鉄塔下にて休憩] [馬頭観音]

 山道をゆっくり登り、8:53、ビリ堂に到着。
 ここでも馬頭観音に手を合わせる。
 じっと見ていると、何か語りかけてくるようだ。

 傍に立っている小さな説明板によれば、ここ、ビリ堂を通る道は、昔から山北から八丁への通り道で、花女郎路と呼ばれたらしい。
 そして、ビリ堂の由来は、一番びり、最後にある観音堂であるため、ビリ堂と呼ばれたそうな。
 水分補給して出発する。(9:04)
[ビリ堂にて小休止]

 やがて、植林帯の登りにさしかかる。
 ここは、年々、植林の根元の土砂が流れていくような感じだ。
 剥き出しの根が痛々しい。
 振り返って見た植林の根元は、半分ぐらい土砂が流れていた。(写真下)
 これで、よく倒れないものだと妙に感心する。
 見上げれば、すぐそこが稜線なのだが、なかなか届かない。
[根の周りの土が流されている植林(振り返って撮影)]

 ハアハア息を切らして、稜線に上がった。(写真下)
 ここで、右折し、高松山の山頂を目指す。山頂までは、ほんの僅かな距離だ。
 山頂に向かう緩やかな登り道の両側は、自然林となり、逆光で新緑が眩しい。
[山頂の肩に乗った]

 9:30、高松山頂上に到着。
 山頂は、ちょっとした草の広場になっている。(写真下) ここでも人の姿を見ることはなかった。
 時々、鶯の鳴き声が聞こえるのが嬉しい。
 ここで、中型カメラをザックから取り出し、富士山を撮影する。今日の富士山は、頭の部分が裾野部分に比べて、まだクリアに見えたものの、やはり、今の季節柄、霞んでいた。
 その後、デジカメを持って、山頂を歩き回り、撮影する。
[山頂にて(手前は三角点)]

 10:22、山頂を出発。
 いよいよこれからは、北側に向かい、高松山西側の尾根を下っていく予定だ。
 来た道を引き返し、先ほどの道標のあった場所を直進(道標に方向標なし)し、右手にシカ柵を見ながら、経路を進んでいく。
 その後、シカ柵が右に90度、曲がると、同じように経路も右に曲がっていく。

 すると、右手の朽ちた植林の木?にテープが巻かれ、そこに文字が。(写真下)
 「秦野峠方面は、この先20mで右へ」
と書かれてあった。
 ということは、あの三角形の山が西ヶ尾か?と、右手前方に見える山を眺める。
 ここから見ると、登りがキツそうな斜面となっている。
[手書きの案内文]

 10:37、分岐点に到着。なんと、立派な道標が立っていた。(写真下)
  右:「ダルマ、シダンゴ、秦野峠方面」
  左:「山北八丁方面(花女郎道)」
と記されてあった。
 右に進めば、急斜面を下った後、登り返し、先ほどの三角形の山、西ヶ尾経由で林道秦野峠に通じている。今日は、左の八丁方面を選択する。
[分岐点には道標が立っていた]

 道標の示す方向に進むと、急な斜面に踏跡が続いていた。(写真下)
 1/25000地形図と磁石を片手に慎重に進んでいく。

 下りきった所に赤頭白杭があった。(杭のNo.203)
 その後、目の前の小ピークに登る。
[踏跡を辿る]

 小ピークを登った所に赤頭白杭を、また発見。(杭には、17-No.16と記載されてあった)(写真下)
 この先で、直進する方向と、左折する方向の2つに踏跡が分かれていた。
 地形図から判断して、さっきの分岐点にあった道標の山北八丁方面は、ここを直進する場合だろうと推測。だが、ここの分岐点に道標は、見当たらなかった。
 今回の目的は、南西側に伸びている派生尾根なので、この分岐を左に曲がる。 
[小ピークが分岐点]

 1/25000地形図を見ると、分岐点から南西にのびている尾根筋を進むことになる。
 ここからは、磁石やコンパスで次の目標を確認しながら進んでいく。そのため、だいぶ歩行スピードが遅くなった。
 尾根沿いに緩やかに下っていく。(写真下) 敢えて尾根の背筋を通っていくが、倒木などで歩き難い。
[南西尾根に乗る]

 南西に進むと、前方に小高いピーク(地形図上の670m圏峰)が見えてきた。
 かすかな踏跡を見つけたので、その踏跡を辿っていくと、ピークには向かわず、左側から巻くようだ。(大きく巻く訳ではないが)
 ピークを右手に見ながら、通過していく。
 再び、南西に続く尾根の背筋に乗った所で振り返って撮影。(写真下)
 その後、鞍部に着いた。(11:06)
[670m圏峰(振り返って撮影)]

 鞍部から、南西方向に直登していくと、右手にシカ柵が現れ、その柵沿いに登っていく。

 11:10、尾根の先端のようなところに到着。(写真下)
 地形図で確認すると、657m峰東端の肩に着いたようだ。
 ここで、尾根は、右に曲がり、西側にのびている。シカ柵も、同様に90度右に曲がっていた。
[657m峰ピークの肩(東側)(振り返って撮影)]

 進路を西にとって進む。地形図通りの緩やかな登りだ。
 右手にシカ柵が続いている。
 どのあたりが、657m峰ピークかよくわからなかったが、この辺だろうと思った所で撮影。(写真下)
 しかし、覚悟はしていたものの、見事に植林ばかりである。この先も視界が広がるような所は、とても期待できそうにない。

 657m峰ピーク辺りを過ぎると、下りになった。やはり、遠景を眺めないと楽しみがないな〜と歩いていくと、植林の僅かな間から右側の風景が少し見えた。

 この先、すぐに鞍部となり、正面を登っていく。今、歩いているルートは、1/25000地形図だと破線が記されているのだが、どう見ても道は、ない。
[657m峰ピークのあたり(推定)]

 登った所は、自然林となっていた。(写真下)
 ここから再び南西の方へ進んでいく。
 だが、小さい木が邪魔となり、歩き難いので、左へとシフトしていった。
 あれっ!いきなり情景が....
[620m圏峰への登りの途中]

 さら進んでいくと、樹高のある植林帯に到着。
 右手のシカ柵が終了していた。
 この辺りが一番高そうなので、地形図と照らし合わせ、620m圏峰かなと推察。(写真下)
 ここで小休止。(11:41〜11:43)
 景色は広がらないが、多少、開放感を与えてくれる場所だった。 
[620m圏峰]

 620m圏峰を出発し、防火帯通りに歩いていく。
 すると一直線の下りが待っていた。(写真下)
 これは気持ちがいいと、一歩を踏み出したものの、ここで地形図と磁石で位置を確認。
 なんと、この防火帯は、南側に下っているではないか。
 このまま南下すると、オオタ沢に下ってしまう。ということで、西へ方向転換する。(ちょっと惜しい気もするが) 1/25000地形図上では、この南下ルートに破線が記されているのだが、無情にも途中で、消えている。

※帰宅後、ネットで調べたら、この南下ルートは、「峠のむこうへ」さんが下っておられた。
  その顛末は、HP「峠の向こうへ」をご覧下さい。
  ・峠の向こうへ>ぷちウォーク>高松山バリエーションルート
[620m圏峰からの下り]

 西側にトラバースしていくと、南西に下っていく尾根に出合う。
 地形図で見ると最初は、南西だが、そのうち真西にのびる尾根である。
 「これが今回の目的ルートだ。」と、下っていくが、前後左右、全て植林帯である。(写真下)
 ....先ほどの防火帯ルートが恋しい。

※帰宅後、ネットで調べたら、この尾根より、北側で、同じように西北西にのびている尾根をHP「俺の山紀行」のM-Kさんが下っておられた。その顛末は、HP「俺の山紀行」をご覧下さい。
 ・俺の山紀行>山行一覧>2006-1-30(八丁ー高松山ー人遠)
[620m圏峰から南西に下る]

 南西へと下っていった後、尾根が右に曲がっており、地形図通り、西へ下っていく。
 1/25000地形図では、左手に465m峰があり、この分岐を確認しようと思ったのだが、植林で肝心の465m峰がよく見えず、断念してしまった。
 このあたりは、単純に高度計で測定した値と、地形図の等高線を比較しながら下っていく。

 少し登り返し始めた所で赤頭白杭(No.P-51)を見る。

 前方に緩やかなピークが現れた。(写真下)
 完璧に360度、植林帯である。
 視界も植林帯で遮られ、全く方角がわからないところだ。(12:08)

※帰宅後、ネットで調べたら、HP「yamanoko」のykさんが、465m峰経由で下っておられた。
 その顛末は、HP「yamanoko」をご覧下さい。
 ・yamanoko>丹沢・箱根・道志>高松山
[緩やかな小ピークに到着]

 磁石を頼りに西へと下っていく。
 植林帯の中では、間引かれた倒木が多く、歩くのに難儀する。
 赤頭白杭(a156)の近くに白いカンバン(神奈川県「水源の森林づくり契約地」)が立っていた。
 ....このカンバンは、白いので結構、目立つ。

 
 そのうち、植林帯が終わり、自然林に囲まれた尾根の先端にどうやら到着したようだ。(12:24) (写真下) ここから先も真西に進もうとしたが、木が密集しており、下れそうになかった。
 南側であれば、なんとか下っていけそうだ。地形図で確認すると、南側は西側に比べて急斜面なのだが、下れないほどの斜面ではない。ということで、南寄りに下っていく。
[西に向かった尾根の先端にて]

 南寄りに下っていくと、左手に植林帯が見えた。
 結局、歩き易さから左へシフトしていき、植林帯に入る。その後、左:植林帯、右:自然林という境界を下っていく。(写真下)
 いつもの事ながら、未知の尾根筋を歩いているうちは、何ら問題ないのだが、最後の詰めで、課題に出くわす。さて、今日は、どうだろうか。
 ....崖の上に出たり、沢に出たり、いろいろあり。
[結局、南側を下っていく]

 植林帯が終わり、前方にササが出てきた。(写真下)
 だが、何となく、ササの中に踏跡がある。これは、ラッキーと下っていく。前方右の木立の間からは、皆瀬川対岸の白いガードレールが見える。あともう少しだ。
 小さな尾根に乗る。左手は、崖になっている。その下は涸沢のようだ。
 前方にピンクのテープを発見。きっとルートに違いないと確信する。
[植林帯が終わり、ササが出てきた]

 だが、現実は、そう甘くなかった。前方は、急斜面で降りられず。
 ここで、どの方向に進むか、キョロキョロすると、左手に小沢があった。さっきまで涸沢だったのだが、ここでは水が流れていた。
 その小沢に下っていく。小沢に下り立つと、左岸にトラバースするような踏跡を発見。
 ということで、左岸の小さな尾根を登っていく。
[直進できず、左の小沢に降り立つ(振り返って撮影)]

 この小尾根をトラバースしていくと、前方には、植林帯が広がっていた。
 足下に赤頭白杭(K-92)を発見。(写真下)
 ここまで来れば、後は問題ないだろうと思いつつも、慎重に進む。
 ごく小さな沢に出たので、その沢沿いに下ってみる。
[左の尾根にトラバースし、下っていく]

 すると、段差もなく、あっけなく河原に出た。(12:50) (写真下)
 いつもの事ながら、今回も最後の詰めで緊張させられた。
 下りた箇所を地形図で確認すると、予想した通り、西に伸びる尾根のやや南側に下っていた。
 どこか渡れそうな箇所はないかと、下流の方向にブラブラと歩いてみる。だが、どこも、大きな石がなく、靴を脱がないと渡れそうになかった。
[皆瀬川の河原に出た(下流側を撮影)]

 結局、靴を脱ぎ、裸足で皆瀬川を渡る。
 これは、気持ちいい。渡った後でも、再度、川の中に足を入れて涼む。
 右岸にて小休止。
 遅めの昼食をとりながら、地形図で本日の西尾根ルートを確認し、予定通りに歩いてこれたことに満足。
 両足は、タオルを取り出すことなく、自然に乾いてしまった。
 13:22、出発。
[裸足で渡る]

 この先、県道に上がれるかなと思っていたら、簡単に上がれる箇所を発見。(写真下)
 ご丁寧にガードレールにはトラロープまで付いていた。

 県道に出たら、そのまま山北に向かって歩いていく。
 皆瀬川を左に見ながら、ルンルンで歩いていくと、左手に堰堤が見えたり、県道と川の高度差が5m以上になったりと、今回、皆瀬川に下り立った場所が、ベストだったことを再認識。
 今回、ノーテンキに最西端を目指したのだが、下り立った場所によっては、皆瀬川を渡った後が、核心部になったかもしれなかった。
  ....ホッと一安心。
[車道にはスンナリと上がれた]

 東名高速の下をくぐる。
 この巨大な橋を見上げていたら、カメラを向けたくなった。(写真下)
[東名高速の下(やや振り返って撮影)]

 山北駅には少し遠回りして、御殿場線沿線の桜道を通ることにした。
 もう、桜並木は緑だけだったが、木陰となっていたので助かった。

 山北駅、14:22着。
 御殿場線は、14:43発。なんとこれは、山北始発だった。電車は、既にホームに入っており、ガラガラの車両の中で、発車を待った。
 [山北駅にて]


 高松山の西尾根は、だいぶ前にネットで読んだルートです。
 今回、帰宅後に再度、読み返してみましたら、文中のように先人の3名の方とは、違ったルートで皆瀬川に降りていました。
 他の方々でも、よく指摘されておられますが、先人の記録を直前に読んでしまうと、当日の面白さが半減してしまいます。そんな訳で緊張するようなルートは、別として、今回のような尾根ルートでは、直前に読まないようにしております。おかげで、620m圏峰の防火帯に飛び出た時は、物凄く感動しました。
 今回の山行で、道標が指していた八丁に向かうルートに興味が湧きました。
 いずれ、歩いてみたいと思っています。



※山行時間には、撮影時間を含んでおりますので、ご注意下さい。