トップページ山行リスト(日付)>蛭ヶ岳_記録20090503


蛭ヶ岳

 山行日
2009年5月3日(日)       晴      単独行?
 コース
大倉(7:10)〜(8:07)駒止茶屋〜(8:20)堀山の家〜(8:58)花立(8:59)〜(9:14)塔ノ岳(9:30)〜(9:53)日高〜(10:08)竜ヶ馬場(10:10)〜(10:28)丹沢山(10:35)〜(11:20)不動ノ峰〜(11:31)棚沢ノ頭〜(11:51)鬼ヶ岩ノ頭(岩場)11:52)〜(12:24)蛭ヶ岳?
 今日は、ノーマルに丹沢主脈コースを踏破しようと、渋沢から朝一番の大倉行きのバスに乗り込み、塔ノ岳、丹沢山、蛭ヶ岳、姫次、焼山と縦走し、焼山登山口まで歩き、その後、バスがないので、テクテクと、三ヶ木まで車道を歩く覚悟でおりました。
 ですが、途中で思わぬハプニングが。
 詳細は、以下をご覧下さい。  

 渋沢6:48発の大倉行き朝一番バスに乗車。
 発車間際には、ギュウ詰め状態になり、ザックを背負ったままでは、乗れない状況だった。同じように吊革に掴まっている他の登山者(2人組)の会話が聞こえてきた。
 「昨日ほどでは、ないな。」
 昨日も天気が良かったことだし、土曜日でもあるから、今日以上に混んでいたのは、納得がいくが、それより、このお二人は、昨日もこのバスだったのか?とも解釈でき、ちょっとビックリ。
 まあ、朝一番バスに乗る登山者は、常連の人々が多いから、そんなにおかしい話ではないのかもしれない。

 7:01、大倉着。準備運動を少々行い、缶コーヒー(HOT)を1本飲んで、いざ出発。(7:10)(写真下)
 今回は、長丁場で、丹沢山、不動ノ峰方面を歩くのは、昨年の白馬尾根を歩いた時以来だ。
 この場合、時間短縮が課題である。よって、下記のような策をとる。
   ・途中の塔ノ岳、丹沢山の休憩を最小とし、蛭ヶ岳まで一気に向かう。
   ・手書きのメモ帳を使用せず、ICレコーダーで記録をとる。
   ・スピードを上げるため、ザックの中身をさらに軽量化。(でも水は、2リットル背負った)
 今日は、5月GWということもあり、さすがに登山者が多い。バス以外にマイカーで来ている登山者も多いようだ。バスでは見かけなかった家族連れが目立つ。
[大倉バス停で恒例の缶コーヒー]

 先日、知った植林帯の間伐エリアの横を通っていく。(写真下左)
 既に開いていた観音茶屋の前を通過していく。歩くリズムは、絶好調だ。
 今日は、暑くなるかと思ったが、まだ汗がダラダラでてくるようなことはなかった。
[植林帯の間伐] [雑事場からの尾根]

 一本松跡の先のベンチを通過。(写真下左)
 モミジの新緑が鮮やかだった。
 この後、単独の男性トレイルランナーに追い抜かれた。登りを走っていくなんて、信じられないパワーだ。
 続いて、堀山の下りに入る直前、今度は、単独の女性トレイルランナーに追い抜かれた。これまたビックリ。
 8:20、堀山の家に到着。2週間前も咲いていたハナモモが、まだ咲いていた。(写真下右)
 ここから視界の広がらぬ植林帯の中を登っていくが、不思議と体力が落ちない。

  ....最近、太ってしまったというのに。

[一本松跡の先にあるベンチ] [堀山の家]

 だが、花立山荘下の階段は、さすがに足が重い。
 花立山荘前の広場で、富士山を撮影したが、既に霞んでいた。

 8:58、花立到着。(写真下)
 涼しい風が身体に当たり、身体を冷やす。何ともいえない気分。
[花立]

 9:14、塔ノ岳頂上到着。(写真下)
 周囲の風景を撮影してから、尊仏山荘に入り、山荘の中で、サイダーを注文。
 山荘のご主人、花立さんから、「先週土曜に雨の中、4人パーティの一人としてお父さんが見えましたよ。」との言葉を戴く。そうそう、父は、2週続けて、塔ノ岳・鍋割山だったのだ。
 山荘を10分ほどで退出し、丹沢山へと向かう。(9:30)
[塔ノ岳頂上にて]

 この時季は、まだツツジには早いし、富士山は、霞んでいるし、撮影する被写体がないものと、塔ノ岳を下っていくと、目についたものがあった。
 この後、日高を通過していくと、次々と現れる。
    ・光景その1          ・光景その2          ・光景その3

 ゴールデンウィーク中にこの稜線を歩くのは、今年が初めてではない筈だが、なんで今まで、このような光景に気がつかなかったのだろうと、ちょっと疑問を持った。

 10:28、丹沢山到着。(写真下)
 撮影しながら歩いたため、予定より時間がかかってしまった。
 山頂のベンチ周辺には、既に30人ぐらいの登山者が休憩中で、数えている最中にも、丹沢三峰の方から人がやってくる。丹沢山で、こんなに多く登山者を見たのは初めてだ。
 10:35、ペットボトルの水を一口飲んで出発。まだこの先は、長い。

 ここから先でも、同じような光景が続いていた。
[丹沢山頂上にて]

 昨年秋の白馬尾根に向かったときは、この稜線からの紅葉は、久々の紅葉らしい紅葉を観賞することができたが、このゴールデンウィーク中に花が楽しめるとは予想外だった。
 不動ノ峰の頂上に到着。(11:20) (写真下)

 棚沢ノ頭を通過し、右手に植生保護柵を見ながら山道を快調に歩いていく。
 今日は、すれ違う人が多い。さすがゴールデンウィークだ。

 11:51、鬼ヶ岩に到着。今日は、しっかりと岩の間から蛭ヶ岳を望む。
 クサリ場を下り、登り返す頃になると、左手の沢をチラチラ見ながら、登っていく。AYさんがかつて棚沢ノ頭の支尾根を登られたルートや蛭ヶ岳の南東尾根を目で追う。
 蛭ヶ岳の登りでも出会えた。
[不動ノ峰頂上]

 12:24、蛭ヶ岳頂上に到着。ここも人が多い。
 この時間であれば、予定通り、焼山に行けるなと思いつつ、記念撮影。(写真下)
 ふと、左手の南側を眺めると、白のバンダナ、オレンジ色のザックとスパッツという後姿。あれっ、AYさんではないか。もう一人は、先日のニカニカ集会でお会いしたミックスナッツさんだとすぐ判明。
 AYさんが蛭ヶ岳の南側の斜面をミックスナッツさんに説明されているようだった。
 さっきまでAYさんルートを目で追いながら歩いていたら、当のご本人が山頂におられたということで、科学では立証できない何か見えざる力を感じてしまった。
 ...不思議な縁。

 山頂に戻られるところまで待って、話しかけると、お二人もビックリされた様子。
 ...こちらは、2分前にすでにビックリ。
[蛭ヶ岳頂上]

 お二人のコースを聞くと、車を魚止橋手前に駐車し、早戸川大滝を見て、そのまま大滝沢を遡上して来られたとの事。
 この後、ご一緒にどうですかのお誘いを受ける。

 ということで、あっさり焼山ルートを中止し、この後、市原新道で雷滝を見て魚止橋に下ることに決定。市原新道は、自己未踏ルートで、白馬尾根の次は、このコースも歩いてみたいと思っていたのだが、何せ下った後の林道歩きが長く、宮ヶ瀬まで歩く必要があり、これがネックになっていた。
 AYさんからビールをご馳走になり、乾杯。
 昼食をとって、13:00に出発。
[頂上にて乾杯]

 山頂小屋の前から北側斜面を下っていく。宮ヶ瀬湖が霞んで見えていた。
 右手に保護柵が続いている。(写真下)
 足下にはバイケイソウの緑の葉が目立ち、薄茶の枯草とのコントラストが印象的だ。
[蛭ヶ岳頂上からの下り]

 そのまま、どんどん下っていくと、目の前にブナ林が広がった。(写真下)
 この辺りの樹林は、標高の割には、樹高があり、冬の風雪によく耐えているなと感心する。
 また、蛭ヶ岳の南面側のブナは皆、立ち枯れしていく状況の中で、同じ蛭ヶ岳でも北面側のブナ林が健在なのは、嬉しい限り。カメラと三脚を担いで、一日中、歩き回りたいような場所だ。
[見事なブナ林]

 先頭を歩かれていたAYさんが突如、立止まる。(写真下)
 ここで地形図を見ると、どうやら東寄りに尾根を下っていることに気がつかれたご様子。このまま直進すると中ノ沢に下ってしまうとの事で、西側にシフトしましょうと、左へ、左へとトラバースしていく。
 だが、この先の斜面も魅力的で、一直線に下ってみたくなるような光景だった。
[進路方向を確認]

 植生保護柵を右に見ながら、左へトラバースしていくと、そこは、バイケイソウ群落の中に突入する。結構、規模の大きい群落だ。
 バイケイソウを避けながら、進んでいく。
[バイケイソウ群落を横断]

 13:18、踏跡に当たる。
 ここが、市原新道のようだ。この辺りは、バイケイソウがなく、マルバダケブキの葉が、チョコチョコとあった程度だった。北側に下っていく。
[市原新道に無事、合流]

 尾根を下っていくと、眼前に幅広い斜面が広がる。(写真下)
 「おおっ!」
 ここも、自然のままのブナ林だと、しばし立ち尽くす。
 ちょっと横になって、昼寝でもしてみたくなるような場所だ。
 その後、落葉を踏みながら、一歩一歩、風景を味わう。
[これまた見事なブナ林]

 見事なブナの大木と出会う。(写真下)
 樹高があり、近くで見上げると首が痛くなるほどだ。
[ブナの大木とAYさん]

 そのブナ林もそろそろ終わりに近づく。最後に樹高のあるモミとブナの大木を見かけた。
 その後は、北東の方へと下っていく。

 13:41、市原新道と書かれた皿を発見。(写真下)
[ブナ林を下っていく] [皿の道標]

 先ほどのブナ林から一転して、雑木林に変わった。相変わらず下り道だ。時々、低い枝のせいで頭を下げながら歩かなくてはならない箇所が出てくる。
 斜面が急になり、13:49、右手にシカ柵が現れた。
 踏跡は、明瞭で、どんどん下っていける。先頭のAYさんの足取りが軽い。ミックスナッツさんも同様だ。
 やがて沢の音が聞こえてくる。雷滝から落ちる水音だろう。

 14:06、雷滝の落ち口に到着。(写真下) 新緑の林の中で、滝を見下ろしながら、ちょっと立ち話。その後、木を掴みながら、急斜面を下っていく。
[雷滝の落ち口にて]

 14:12、雷滝の下に出た。
 ここでザックを下ろして小休止。
 左の沢に目を向けると、水量のある滝が視界に飛び込む。

 じっくり撮影した後、大岩に上がって、周囲を見渡す。滝の下の左岸は、崩壊地で、この後もまだ崩れていきそうな状況だ。涼しい風が顔に当たる。
 名残惜しいが、「さて、出発しましょう」と、14:21、ザックを背負う。

 すぐに左岸に渡り、あとは、沢沿いに下っていく。途中、振り返って、大岩ノ滝を確認するが、あまり滝という感じがしなかった。
 そして、中ノ沢が右岸から合流する。
 14:36、右手に沢が合流している。大滝沢だ。半年振りの雷平訪問となる。
[雷平にて大滝沢方面を眺める]

 この先は、何度か通ったルートだ。
 前回、白馬尾根から下ったときは、木橋が全て水没していたが、今回は、2箇所とも、キチンと架かっていた。このため、沢を渡るのに苦労は、なかった。(写真下)
[今回は、木橋が使用できた]

 沢から離れ、桟道を幾つか通過していく。
 前回は、この木の桟道が撓んでドキドキしたが、今回は、それを知っているだけに何ということなく、渡っていけた。でも、あと何年かしたら、腐ってしまいそうな桟道が幾つかあり、今後が心配。
 ....桟道が壊れると、早戸大滝にも行けなくなってしまう。
[相変わらず撓む橋]

 造林小屋の前を通り、無事、林道終点の伝道に到着。(15:12)
 小休止して、水分補給。
 このあたりの新緑も蛍光塗料を塗ったような鮮明な緑だ。
 ゆっくり歩き始める。
[伝道にて小休止]

 左手上の榛ノ木丸ルートについて話しながら林道を歩いていくと、時間の経つのは早いもので、あっさり魚止橋に到着。
 この橋を渡った先が、今日のゴールだった。(15:33)
 この後は、ミックスナッツさんの車で、本厚木方面へ向かう。
[魚止橋にて]

 途中の本厚木で、車から降ろしていただく。
 AYさんと二人で本厚木の駅前に向かい、反省会。
 乾杯!
 冷えたビールに美味しい刺身を戴く。
 AYさんは、明日も山行とのこと。...3連荘ですか!!!
 この後、日没となっても遭難せずに、なんとか無事帰宅。  
[AYさんと本厚木で反省会] [刺身も注文]


 今回、焼山まで行こうと思っていたのですが、蛭ヶ岳でのバッタリで、軌道修正しました。おかげで自己未踏の市原新道、雷滝の訪問ができ、楽しいコラボ山行となりました。また、天気もよろしく、花、樹木、沢・滝といい、目に映る自然を満喫した一日でした。


 AYさん、ミックスナッツさん
 大変、お世話になりました。改めて厚くお礼申し上げます。
 今後とも宜しくお願い致します。
[コイワザクラ]

 コース
大倉(7:10)〜(8:07)駒止茶屋〜(8:20)堀山の家〜(8:58)花立(8:59)〜(9:14)塔ノ岳(9:30)〜(9:53)日高〜(10:08)竜ヶ馬場(10:10)〜(10:28)丹沢山(10:35)〜(11:20)不動ノ峰〜(11:31)棚沢ノ頭〜(11:51)鬼ヶ岩ノ頭(岩場)11:52)〜(12:24)蛭ヶ岳(13:00)〜(14:12)雷滝(14:21)〜(14:36)雷平〜(15:12)伝道(15:19)〜(15:33)魚止橋



※山行時間には、撮影時間を含んでおりますので、ご注意下さい。