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箒沢権現山

 山行日
2009年7月11日(土)         曇   同行者:丹沢写真館さん、M-Kさん、Oさん
 コース
大滝沢林道ゲート(7:32)〜(8:27)沖箱根沢F1(8:33)〜(8:51)地獄棚(9:08)〜(10:49)一軒屋避難小屋(11:17)〜<鬼石沢>〜(12:18)鬼石沢F5(12:23)〜<鬼石沢>〜(13:52)箒沢権現山(前権現)(14:33)〜(16:05)西丹沢自然教室 
 今回は、丹沢写真館さんに、M-Kさん、Oさん(M-Kさんの知人)を迎えて、西丹沢の山歩きを堪能してきました。目的は、滝、花、ルートと様々です。
 以下、ご覧下さい。


 今回も丹沢写真館さんの車に乗せて戴く。東名高速は、意外と空いており、スイスイと快走。
 だが、天気の方が、気になる。今日は、全面的に曇り空だ。
 M-Kさん、Oさんとは、西丹沢自然教室にて集合。Oさんとは、初対面だった。挨拶後、M-Kさんの車に全員、乗り込み、大滝沢林道に向かう。
[東名高速で西丹沢へ(前方は大山)]

 7:32、大滝沢林道の小さなゲートを出発。いよいよ、本日の山歩きがスタートする。(写真下左)
 M-Kさんには、先月、ミックスナッツさんとともに遭遇されたクマ親子目撃の件を尋ね、クマとの距離などを話して戴く。
 その後も、
  「玄倉に近いし、人家近くの路上にも現れることは、ないのでしょうかね〜」
というような会話をしていたら、登山道分岐点に到着。(写真下右)

 ここで、ちょっと寄り道し、林道の方向へ進んでいく。
 ここまでが、大滝沢林道で、この先から箒沢林道と、神奈川県のHPには載っている。それを確認する意味で、林道名を表示するような標識等が、ないか探してみたが、見つからなかった。
[大滝沢林道ゲートからスタート] [登山道は、ピンクの矢印方向だが]

 林道から戻り、薄暗い登山道に入っていく。今日は、曇り空ということもあり、一段と暗く感じる。
 幅広な登山道が左にカーブし、斜面になると、道は細くなり、植林帯の端を歩いていくようになった。(写真下)
 左から沢音が聞こえてきた。
[植林帯を抜ければ大滝沢左岸]

 左に大滝沢を見下ろすように歩いていくと、やがて大滝が現れた。アングルがイマイチだが、やはりカメラを向けてしまう。(写真下左)
 その後、大滝沢は、右にカーブするため、登山道は、大滝沢を木橋で越えていく。(写真下右)
 だが、大滝沢は、この後、すぐに左カーブとなり、登山道は、再び大滝沢を木橋で越え、左岸を進む。(7:58)

 8:04、先日(6/27)も訪れた分岐点に到着。左手には、大滝沢ではなく、マスキ嵐沢が流れている。
 ここから登山道から離れ、左折し、マスキ嵐沢に向かう。その沢を渡ると、すぐにもう一つの沢が見えてくる。大滝沢だ。
 今回、二つの沢の合流点を確認しようと下流側を木立の間から眺めると、マスキ嵐沢と大滝沢は、すぐ先の堰堤の上で合流していた。
[大滝沢 大滝] [大滝沢を渡る]

 大滝沢左岸に出たところで小休止。(8:06〜8:09)(写真下)
 前回訪問時は、緑の葉に木漏れ日が差し込む、明るい沢だったが、今日は、曇りということもあり、どちらかというと薄暗い印象の沢となっていた。
  ....デジカメ写真がどうしても暗く写る。
[マスキ嵐沢を渡り、大滝沢に入る]

 やがて、右岸に渡る。
 上流に堰堤が見えてきたところで、早めに左岸に渡る。その方が、沢を渡るには楽だからだ。
 堰堤下まで来た。(8:20) (写真下左)
 ここで、堰堤横の急斜面をロープを利用して登っていく。以前は、木のハシゴがあったようだが、朽ちてしまったようで、原形を見ることは出来ない。

 8:24、大滝沢右岸に渡る。そのまま大滝沢に右岸から合流している沖箱根沢に入っていく。(写真下右)
 前方には、目当ての滝(沖箱根沢F1)が見える。先日、いつかこの滝も訪れたいと思っていたが、意外にも早い時期にチャンスが、やってきた。
[前方に堰堤] [沖箱根沢に寄り道]

 8:27、沖箱根沢F1下に到着。(写真下)
 しばし、皆で滝を観賞する。
 F1は、1枚岩のようで、すぐ上に別の滝が見えた。2段滝のようだ。
 何枚もデジカメ撮影した後、出発することに。(8:33)
[皆で沖箱根沢F1を眺める]

 再び、大滝沢に戻り、上流に向かう。
 途中、沢が最初に右に曲がる所で立止まる。
 ここで、一枚岩を下り、対岸の右岸に渡れば、先日(6/27)の作業道(屏風岩山の山腹をトラバースする)に続くルートがあることを丹沢写真館さんと確信する。
  「ここで渡れば、あのジグザグ路に通じるようですね。」
 思わず呟く。
 ちょっと見ただけでは、この先に道があるようには見えないのだが、地理的に見て、この地点からだろうと思われたのだ。

 その後すぐ、右に曲がっていき、ナメ滝を通過していく。(写真下左)
 前回は、左岸を高めにトラバースしたが、今日は、前日の雨で濡れており、滑りやすいため、沢の水流から、すぐ横のルートで進む。
  ....こっちも滑りやすかったが。

 このナメ滝を過ぎ、正面に地獄棚の一部が見えてきた。
 8:51、地獄棚下に到着し、小休止。
 M-Kさんからや、丹沢写真館さんから差し入れを戴く。(写真下右)
 今日も地獄棚は、静かに水を落としていた。
[地獄棚に向かう] [地獄棚下にて(真ん中奥は、鬼石沢)]

 小休止後、出発する。(9:08)
 丹沢写真館さんが左岸を歩きながら、急斜面の取付き地点を探す。以前、作業径路のような道だった箇所は、どうも崩れているようだ。
 「こちらから登りましょう。」
とM-Kさん。
 休憩していた場所のすぐ先で、左岸の急斜面を登っていく。これは、比較的登っていきやすいルートだった。
 だが、誰も歩いていないようで、踏み跡は、はっきりしない。木の枝を適当に掴んで登っていくと、途中で固定ロープが現れた。(写真下)
 どうやら、従来の径路にいつのまにか合流していたようだ。
[左岸の急登を登っていく]

 道は、登るにつれてどんどんよくなり、フラットになった頃は、通常の登山道のようになっていた。
(もし、道に迷って逆コースでこのコースを下っていった場合、だんだん道が悪くなり、最後は、超急斜面になるので、パニックになりそうな感じだ)
 フラットになった所で、小休止。(9:33) (写真下左)
 ここで、左下には、雨棚がある筈なので、ここから雨棚に下っていくルートを探してみるが、超急斜面で、結局、下るルートが見つけられず断念。ゆっくり休憩して、出発することにした。(10:35)

 歩き始めて2、3分で、左手に見下ろすように鬼石沢(雨棚の上流)が現れた。沢まで3mぐらいだろうか。地獄棚下で合流していた鬼石沢が、すぐ左手を流れていることで、途中にある雨棚の落差が想像できる。
 道は、ますますよくなっていき、全く一般登山道と区別がつかなくなった。(写真下右)
[途中で小休止] [道が良くなる]

 10:44、登山道にひょっこり、飛び出した。(写真下)
 登山道は、右から尾根をグルリと尾根筋を回りこむようにして、鬼石沢左岸に出るが、我々は、ずっと、鬼石沢沿いに歩いてきている。
 ここからは、登山道を歩いて一軒屋避難小屋に向かう。
[桃:歩いてきたルート、黄:一般登山路]

 10:49、一軒屋避難小屋に到着。(写真下左)
 小屋前のベンチにて小休止。丹沢写真館さんから氷入りのアイスコーヒーの差し入れがあった。(毎度、ありがとうございます。ご馳走様でした。)(写真下右)
 このコーヒータイムの最中、私は、ここベンチ下で、時計を拾った。アウトドア用のものだった。
 「さて、どうしましょうか?」
 「西丹沢自然教室に届けるのが、いいのでは?」
 「そうしましょう。」
 ということで、ザックに保管した。
 ベンチで休憩している間に、先に若い登山者(6人パーティ)が出発していったが、すぐに今度は、中高年グループの団体さんが到着した。この時期、畦ヶ丸訪問者がこんなに多いとは、予想外だ。
 11:17、出発し、鬼石沢上流を目指すために小屋裏から続く経路に入る。
[一軒屋避難小屋にて小休止] [丹沢写真館さんのアイスコーヒー]

 天気は快復してきたようで、太陽が照り出し始めた。
 経路を進み、鬼石沢のF3、石堰堤を過ぎていくと、一面、広場のような場所に出た。(写真下)
 左手の斜面は、植林帯だが、ちょっと今までの視界とは異なった光景が広がる。
[鬼石沢沿いに進む]

 11:52、鬼石沢と経路が離れていく箇所にてザックをデポし、空身となって鬼石沢上流に向かう。(写真下左)
 すると、上流から下りてくる沢登り姿の登山者2名と出会った。
 先頭の丹沢写真館さんが声を掛けると、「忘れ物をしたので、引き返します」とのこと。
 「時計では?」
 「その通り」
ということで、私は、慌ててデポしたザックまで戻り、時計を取ってきた。
 「そうです。これです。どうもありがとうございました。どこで見つけられましたか。」
と、しばし、話が弾んだ。
 ....それにしてもすごい偶然

 先に沢登り姿のお二人に行ってもらい、沢装備でない我々は、ゆっくりと沢沿いを歩いていく。
 途中、白っぽい西丹沢らしい滝があった。(写真下右)
 鬼石沢F4のようだ。
 沢屋さん二人の直登シーンを眺めた後、我々は、巻道を利用する。右手の斜面を直登後、落ち口方面へに水平に移動することで、この滝を通過した。
[途中、ザックを置いて鬼石沢を遡行する] [沢屋さんは、直登]

 その上は、ナメが続いていた。(写真下)
 なかなかいいところだな〜と、思いながら、皆さんの後を追いかける。
 12:18、沢が左に曲がる所で、別光景が現れた。
[ナメが続く]

 12:23、来た道を戻る。(写真下左) ナメの沢を滑らないように下っていく。

 12:36、ザックを置いた場所に戻った。ペットボトルで水分補給後、出発する。(写真下右)
 ここからは、緩い登りとなり、鬼石沢左岸尾根を横断するように登っていく。
[鬼石沢を引き返す] [再びザックを背負う]

 斜面沿いに上がっていけば、鬼石沢左岸尾根の十字路に到着。(12:53〜12:55)(写真下)
 ここには、先月、北側の尾根筋から下ってきたが、今回は、この後、東側のトラバース路を進む。
 ちょうど、2月のマルチコラボの逆コースとなった。
[尾根上の十字路にて]

 古い作業経路が続く。所々に桟道があるが、朽ちていて、とても使用する気になれない。そこを通過するよりも山側の斜面を踏み込んだ方が安全に感じた。(写真下左)

 13:20、畦ヶ丸から権現山へと連なる稜線に出た。ここからは、フラットな稜線歩きとなる。(写真下右) このあたりは、緑の自然林が続き、目に優しい景色だが、左下には、白ザレの崩壊地等、スリルな場所が見えた。
[旧作業経路を進む] [稜線に出た]

 13:24、西丹沢自然教室に下っていく旧登山道との分岐点に到着。(写真下)
 ここで、小休止とした。ペットボトル(500ml)2本目が空となる。このあたりは、樹林帯が続き、視界が広がるような箇所は、見つからない。
[西丹沢自然教室への分岐点にて]

 13:28、権現山を目指し、ザックを背負う。
 いきなり急登となった。
 権現山への登山道が廃道になったせいか、この急登での登山道がはっきりしていない。木の間を適当に直登していく。
 小ピークを過ぎて、右手にマスキ嵐沢の源頭部を眺めた後、再び急登となった。ここから標高差約80mを登れば、山頂だ。
 ヒイヒイ言いながら、ようやく頂上の先端に到着。(13:48) ここからは。フラットな地形が続いている。やがて、左右にシカ柵が現れ、その間の木立の中を歩いていくと、見覚えのある道標が見えてきた。(写真下)
 13:52、ようやく山頂に着いた。
[権現山頂上に到着]

 山頂にて、ランチタイムとした。
 ここから望む、今日の丹沢湖は、薄っすらと見えたレベルだった。上空は、再び曇り空となっていた。
 昼食後、皆で凍らしたゼリーを食べる。今回は、保冷袋に保冷剤も入れて持ってきたのだが、結構、保冷力があり、まだ半分以上、氷状態だった。
 これは、夏山には欠かせなくなった。どうもクセになりそうだ。
[ここでゆっくりランチタイム] [食後のデザート]

 さて、山頂からは、ルートファインディングを楽しみながら、歩くことになった。(14:33) (写真下左)
 目的地は、西丹沢自然教室だ。
 まず、フラットな頂上を東へと進む。やがて下りとなるが、それでも東へと進んでいく。その先で、北東に続く尾根に下っていくのだが、この尾根は、地図上では明確なのだが、現地では、全くはっきりしない。
 ここかな?と、Oさんが左手の細い尾根を下っていく。(写真下右)
 しかし、1/25000地形図上の等高線から、この細い尾根は、全然、読みきれない。地形図上では、もっと太い尾根に見える。尾根の左手が崖になっていることが、唯一の判断材料だろうか。
[地図を見ながらルートを探す] [細い尾根を下る]

 急な斜面が続く。(写真下)
 尾根をどんどん下っていくと、岩がいくつも現れてきた。岩の庭園のようなところを通過していく。
[どんどん下っていく]

 14:49、大きな岩の間を下っていく。振り返って見ると、三角形をした形のいい岩だ。
 苔むした岩のある、細い尾根を通過していく。(写真下左)
 その後、尾根の先端のようなところに出た。ここは、右から巻くようにして下っていく。

 14:52、少し緩やかな斜面になった。左手に腰掛ける程度の石があり、ここが地図上の967m地点と判断した。(写真下右)
 1/25000地形図では、はっきりしていないが、ここから北東に向かう尾根は、2本見えていた。
[雰囲気のいい尾根となる] [地図上の967m地点]

 2本ある尾根のうち、手前の左側の尾根を下っていく。(写真下)
 14:57、左手斜面が崩壊しているため、ショチクボノ頭方面の山々を眺めることができた。
 右側の尾根も並行に下っていたが、15:00の時点では、消えてしまった。(右側の尾根は、途中で東に向きを変えていた)
 15:13、右手に崩壊地を見下ろす。
[左の尾根を下る]

 1/25000地形図上の標高780mあたりで、右に90度曲がり、南東にのびている尾根に乗るつもりだったが、そのまま直進してしまった。このまま、下りても西沢には出られると思えた(注1)が、今回は、西丹沢自然教室の吊り橋直前に下っていきたいということで、引き返す。(写真下左)
 尾根の先端のような場所まで戻り、南東にのびている尾根を下っていく。
 この後、南東、東、北東と方向を変えながら下っていく。
 このあたりは、尾根が複雑に入り組んでおり、ルートファインディングとしては、難しいエリアだと思えた。

 だが、最後にまたミスをしてしまった。
 1/25000地形図上の標高660mあたりで、盲腸のように北東に伸びている小尾根に入ってしまった。下っても、地形図上のように幅広い尾根にならないことで、ミスに気がついた。
 これまた少し戻って、登り返し、右手(登り返す時は、左)の尾根を下っていく。

 15:52、植林帯が現れ、幅広い尾根になった。ここまで来れば、もう西丹沢自然教室は、あとわずかだ。植林帯の尾根を下っていくと、途中で尾根が右折していた。(写真下右)
 だが、地形図では、この地形をはっきり読めなかった。

(注1)後日、この尾根の先は、崖になっており、西沢に下りられないことを知る。引き返して正解だった。
[斜面を引き返す] [植林帯を下っていけば..]

 尾根伝いに進み、最後は、植林帯の斜面をトラバースしながら下っていく。
 緩斜面の植林帯を下りきったところで、登山道にぶつかり、すぐ先は、吊橋の入口だった。(16:01)
 ということで、計画通りのルートでの下山となった。

 吊橋を渡り、ゴールが見えてきた。(16:03) (写真下)
 16:05、西丹沢自然教室に到着。
[西丹沢自然教室前の吊橋に出た]

 なんと、西丹沢自然教室前で、s-okさん、おもておねさんに偶然、お目にかかれることが出来て、これまたビックリ!
 その後、リニューアルされた西丹沢自然教室に入ってみる。ここでは、展示されている丹沢写真館さん撮影の植物写真などを拝見した。
 なお、自然教室内に更衣室を発見し、早速、使用させて戴く。夏の暑い季節には、重宝しそうだ。

 
 今回は、丹沢写真館さんの案内で、沖箱根沢F1、地獄棚などの滝見物や、鬼石沢F5でのイワタバコ訪問、権現山から西丹沢自然教室への下山ルートのルートファインディングなど、西丹沢の山歩きを楽しめた一日でした。イワタバコは、残念ながら鬼石沢では、まだ時期が早かったですが、途中で見ることができました。(写真下)
 皆さん、ご同行ありがとうございました。また宜しくお願い致します。
 [イワタバコ]



※山行時間には、撮影時間を含んでおりますので、ご注意下さい。