トップページ山行リスト(日付)>高松山_記録20100116


高松山

 山行日
2010年1月16日(土)      晴のち曇 単独行
 コース
尺里峠(7:31)〜(8:35)高松山(8:52)〜(9:05)西ヶ尾分岐点(9:07)〜(9:17)657m峰分岐点〜(9:42)657m峰〜(10:24)620m圏峰(10:38)〜(12:06)県道合流点〜(12:20)八丁橋〜(12:41)ワリ沢出合〜(12:57)455m峰(13:00)〜(13:41)657m峰分岐点(14:12)〜(14:21)西ヶ尾と高松山との鞍部〜(14:55)虫沢林道合流点(15:13)〜(15:57)田代向
 先日の新年会のとき、ブログ:「丹沢ウロウロ」のmassyさんから、
 「高松山の花女郎道が整備されたようです。今回、虫沢林道側の半分だけ行ってきました。」
との情報を得ました。
 そうだとしたら、あの西ヶ尾と八丁との分岐点から先にも道標が立ったのかな?と思い、これは、すぐに確認しなくてはと、今回、行ってきました。
 詳細は、以下をご覧下さい。 


 今回は、ちょっと奮発して、山北駅から尺里峠までタクシーで来てしまった。
[尺里峠]

 尺里峠の道標にザックを置いて記念撮影していたら、道標に「富士山の絶景スポット(100M先)」との小さなメッセージを発見。その方向は、高松山と全くの逆方向だったが、寄り道することにした。
 ここまでタクシーで上ってくる間、白い富士山がチラチラと見えていたので、ちょっと気になっていたのだ。

 ほんの2分ぐらい林道を歩いていくと、右手の視界が広がった。特に絶景スポットとの標識は、なかったのだが、ここを指すのだろう。手前に樹林がないため、遠景がよく見える。
 高松山から続く尾根の向こうに富士山の姿があった。
[道標には「第六天」と書かれてある] [その道標に気になるメッセージ]

 再び、尺里峠に戻った。
 いよいよ高松山に向けて出発する。前回発見した虫沢古道を守る会の道標に従い、すぐに尾根に乗る。馬頭観音に参拝後、そのまま尾根筋の道を行く。
 おやっと思った。以前歩いた時は、緑に囲まれた道だったと記憶しているが、今日は、季節柄、葉を落とした木立となっていた。このため、明るい尾根歩きとなり、印象がガラリと変わってしまった。
[尾根沿いに進む]

 今日は、スタートが尺里峠ということもあり、高松山頂上までの道のりが、かなり短く感じる。気がついたら、もう鎖のついた頂上直前の階段だった。
 8:35、あっさりと高松山頂上に着いてしまった。
 この時間のためか、さすがに誰もいなかった。富士山を独占して眺める。
 今日は、まだ先が長い。8:52、出発する。
 日陰になると雪が残っていた。高松山クラスの標高の山でも雪が降ったようだ。
[高松山頂上]

 ビリ堂への分岐を過ぎ、西ヶ尾方面へと進む。去年、2回歩いているので迷うことも無い。
 9:05、分岐点に到着。手製の道標が立っている。右は、西ヶ尾へ、直進が八丁への道(花女郎道)である。ここを直進していく。
[西ヶ尾との分岐点]

 一直線に斜面を下ると、なんと新しい道標を発見。
 三叉路になっていた。右手は、西ヶ尾と高松山の鞍部からのトラバース路のようだ。
 以前は、こんなはっきりしたトラバース路は、なかったと思う。どうやら、道が整備され、道標も立てられたようだ。
[新しい道標を発見]

 小ピークを過ぎると、またしても初めて見る道標が立っていた。ここは、左だと高松山の西側尾根に続き、直進は、八丁のやや奥に通じる分岐点だ。今まで、下記のように進んでいる。
   2009-5-1では、左折(黄色の矢印)
   2009-6-7では、直進(赤の矢印)
 「えっ、花女郎道は、左折?」  
 ここにも虫沢古道を守る会の道標が立っていたのだが、八丁に通じる道は、左折の方向を指していた。八丁への最短距離は、直進だと思っていたので、ちょっと予想外。(※注1)

(※注1)帰宅後、HP「峠の向こうへ」の「峠の向こうへ」さんが、やはり、この花女郎道を歩かれ、この道標を見られた時、八丁への道が左折であることに驚かれている。そのレポートを読み、ウンウンと頷いてしまった。
[ここにも新しい道標が]

 左折すると、西側の尾根に乗る。
 その後、少し登ると、小ピークに着いた。ピークといってもペチャッとしたピークで、周囲は、完全に植林である。
 その先で、鞍部になり、登り返す。
 右手にシカ柵を見ながら、尾根の先端に着いた。(写真下左)
 県有林の見出標には、「八丁へ」という手書きが記されてあり、見覚えがあった。(写真下右)
[657m地点手前での尾根の先端] [県有林見出標]

 さて、新しい道標のことである。
 八丁には、北側に下っていく筈なので、右側に注意して道標を探すのだが、これが、見当たらない。右手はシカ柵が続いている。このルートは、以前(2009-5-1)歩いたルートと同じである。
 そんな感じで西側に進んでいき、次のピークである657m地点あたりまで来てしまった。いくらなんでも、これほど歩いて、道標がないということは、ありえないだろう....
 どうやら、この先の花女郎道は、まだ整備されていないなと推察。

 ここが657m地点かなと、シカ柵横で一番高そうな場所で確認する。(写真下)
 この後、地図を見ながら方向を確認しながら進んでいく。
[657m地点あたりは、殆どフラット]

 植林帯の中の下り斜面を進むが、右手前方に尾根が見えた。「あれっ、あの尾根は、どこだろう?」と、ふと疑問が湧く。もう一度、地図で確認すると、西北西に進むつもりが、どうも南西の尾根に進んでいることに気がついた。右手前方に見える尾根こそが進むべき道だった。
 斜面を登り返す。
 前回は、こんなミスはしなかったのに。なんで2度目で間違えたのだろう。どうも心の中では、2度目ということで油断があったようだ。だが、ここは植林帯と言えども右手尾根が見えていたのは、ラッキーだった。見えてなかったら、間違いなく、気がつくのが遅れた事だろう。
 登り返す時、前方に何か動くものを見る。よく見ると、シカが3、4頭、斜面をトラバースしていた。こんな植林の中にシカがいるとは。この新発見にちょっと得した気分になった。
[南西尾根の斜面]

 結局、657m地点近くまで戻り、シカ柵沿いに進んでいく。
 「そうか、前回は、単純にシカ柵沿いに進んだのだ。」
と前回歩いたルートを思い出す。
 新しい道標が全く見つからないので、花女郎道は、未整備だということをますます確信し始めた。
 だが、高松山から西ヶ尾へ向かうルートの途中、今回のように八丁への道を示す道標があった場合、西ヶ尾から予定変更して、八丁に向かおうとする登山者がいないか不安になる。
 次の道標が見つからず、引き返せばいいのだが、強引に進んでしまうと、周囲は、密度の濃い植林帯で緑の壁の如く、全く景色が見えなくなる。迷子になること必至である。
[尾根沿いに進む]

 やがて、防火帯の道を歩く。右手はシカ柵が続いている。その奥は植林帯だ。(写真下)
 10:24、右手のシカ柵が終了する箇所で、小休止とした。
 1/25000地形図上の620m圏峰だ。初めて訪れた時も、ここで休憩している。ザックからパンを取り出し、軽食をとる。今日は、珍しく空腹感を感じていた。
[防火帯を進む]

 10:38、出発。
 まずは、まだお目にかかったことのない山神さんを参拝することにした。山神さんとは、「峠の向こうへ」さんが探索された「ホギリ」の山神様である。南方向へは、下りの防火帯が続いているが、その途中に山神さんがあることを以前、「峠の向こうへ」さんのHPで覚えていた。

 防火帯は、何だかスキーのゲレンデのようだった。左右は、相変わらず植林帯が続いている。この防火帯には、1/2500地図上でも破線でルートが記されている。
 左手に注意しながら、駆足で下っていく。別に駆足にしたくないのだが、勝手にそうなってしまう。
 だいぶ下ったなと思うが、まだ山神さんは、見つからない。見落としたのではないかという不安が徐々に湧いてくる。
 心臓がドキドキし始めた頃、白っぽい山神さんを発見。
 近づいて撮影。横に書かれてある元号を見ると、明治と読めた。比較的新しい山神像のようだ。

 帰宅後、この山神さんを文献で調べてみたら、以下のような記述があった。
 『焼畑・ホギリの山の神
  焼畑を荒らすけもの類を追払う狼と山火事防止・豊作を恵む山の神像である』

               出典:丹沢自然ハンドブック 自由国民社(1997年6月)
[[山神様を発見]

 十分、山神さんを撮影をしたところで、引き返すことに。
 この登りは辛いナ〜と思っていたが、腰に両手を置いて登ったら、それほど苦にならなかった。    ....今日は、タクシー利用で、パワー十分。
[防火帯を登り返す]

 再び、休憩した地点(620m圏峰)の横まで戻ってきた。
 この後、反対側に向かう。そう、この先は、かつてM-Kさんが歩かれた西北西尾根コースを進むことにした。地図で方向を確認する。
  ....さっき間違えたばかりだったので、ものすごく緊張。

 方向が定まったら、歩き始めるが、なかなか歩きにくい場所だった。だが、数分後、明瞭な踏跡を発見。尾根沿いに径路があるようだ。おかげで、その後は、迷うことなく、尾根を下っていけた。
[西北西の尾根を下っていく]

 どんどん下っていける。やがて左右の植林帯が終了し、正面が自然林になった。だが、ここで下方から銃声を聞く。
  ....音が大きく、ちょっとドキッ。
 皆瀬川流域あたりで狩猟が始まっているようだ。
 正面の自然林を下っていく。
[植林帯が終了する]

 自然林の斜面を下っていくと、再び植林帯になる。だが、植林の中の作業径路は、はっきりしていた。やがて右下に車道が見え、金網が現れた。階段を下り、車道に出た。(12:03)
  ....M-Kさんも、ここでホッとされたに違いない。
 今までだと、ここから山北までブラブラと歩いて帰っていくのだが、今日は、逆方向に進む。
[県道に出た]

 八丁橋では、ハンターが猟犬を車に乗せるシーンを見る。先ほどの銃声といい、やはり、この皆瀬川流域で狩猟が行なわれているようだ。
 前方にゲートが見えてきた。手前に右に進む道があり、その先には人家が見える。右の道に入るが、どうやらこの道は、古い看板を見ると、私道らしい。そんな訳で右折し、皆瀬川に出て川原沿いを歩いていく。
[ゲート手前で右の道に入り、河原へ] [皆瀬川河原を歩く]

 12:41、左岸から沢が合流する地点に着いた。(注2)
 ここは、2009-6-7にこの沢沿いの径路を下って、皆瀬川に出た場所だ。ここで1/25000地形図を取り出す。当面の目的は、この合流した沢の右岸側にある455mピークである。
 合流点からすぐに斜面に取り付こうと考えたが、見上げるような急斜面で岩肌も見える。
 これは簡単には登れないな〜と思い、少し右手の沢に入ってみようと、沢の右岸を進む。すると、ここからならば登れるのではないかと思えるような斜面が見つかり、取り付いてみた。

 (注2)帰宅後、「峠のむこうへ」さんのHPから、ここの沢が「ワリ沢」という沢であることを知った。
[右手からワリ沢が出合う]

 3mも登ったら、そこには、人が通ったような径路を発見。
 やはり、人が通っているんだと確信し、木の根や幹を掴んで短い急斜面を登ると、その先は、植林帯の緩斜面となった。
 植林帯を登っていくと、ピークは、左奥に見えた。だが、直接ピークには向かわず、まずは正面の尾根に乗ることにした。
[ワリ沢右岸の急斜面] [植林帯に入った]

 12:52、尾根に乗る。反対側の斜面はなんと自然林だった。葉がなく、木立が白っぽく見える。今までの植林帯とは好対照だ。左:植林、右;自然林という境界となっている尾根の背筋を登っていく。
[尾根の反対側は自然林]

 12:57、455mピーク到着。ザックを下ろして記念撮影。時間が気になるので、すぐに出発。(13:00)
 これから向かう方向は、葉を落とした広葉樹林なので、明るく感じられる。それに歩きやすい斜面だった。
 鞍部を通過し、登り坂となる
[455mピークにて]

 13:12、尾根の先端部に着いた。尾根の左右には、植生保護柵が設置されている。(写真下)
 よく見ると、左右の保護柵にそれぞれ脚立が用意されてあった。
 常緑樹の植林ではないので、尾根が明るい。
 だが、上空の天気が怪しくなった。さっきまで日が差していたのだが、急に曇ってしまった。この後も尾根沿いを登っていく。
[尾根の先端部に着いた]

 やがて植林帯が前方に現れ、作業径路が尾根沿いでなく、右手の斜面にトラバースするように続いていた。
 最初は、そのトラバース路を歩いてみたが、一向に登りにならないので、途中から左の植林帯を直登し、先ほどの尾根筋に合流し、登っていくことにした。
[植林帯で右に曲がっていく径路]

 植林帯と自然林の間を登っていく。
 右方向からの尾根と合流する所で、作業径路にぶつかる。(13:29)
 どうやら、さっきのトラバース路は、右手の尾根にぶつかり、そこからその尾根筋を上ってくるようなルートではないかと推察。
[径路から外れ、尾根沿いに登っていく]

  この後、どんどん進んでいくと、左手に植生保護柵が現れた。
 「ん?」
 なんとなく見覚えのある光景だった。
 「そうだ。この保護柵は、あの分岐路から直進した時(2009-6-7)のものだ」と思い出した。
 そうであれば、この先の分岐路まで、ほんの少しだ。
 時計を見たら、13:38、意外に早く着いたと、我ながら感心してしまった。
[植生保護柵を見る]

 13:41、先ほどの分岐点に再び到着。(写真下)の赤線の矢印のように歩いてきた。
 これで、大きく一周してきたことになる。
 時計を見れば、まだ14時前ということもあり、再度、道標の指す西側を進んでみた。
[再び道標の前に出てきた]

 尾根の背筋を歩いていくと、左側の木の枝が刈られてあることに気がつく。やはり、整備部分は、先へ先へと進行しているようだ。
 少し登れば、ペチャッとしたピークに着いた。周囲は、完全に植林である。このあたりに新しい道標はないかと入念に探してみたが、やはり、見つけることはできなかった。
 「引き返そう。」
 そう呟いて、13::55、来た道を戻る。
[もう一度、南西の小ピークへ]

 14:12、先ほどの分岐路に戻った。(写真下左) ここで高松山方面へ戻るように進む。
 すぐに三叉路に出合う。(写真下右) 直進の登りルートは、朝、通ってきた道で高松山に向かう道である。ここは、左折し、自己未踏の整備された花女郎道を進むことにした。
[また戻ってきた] [左折する]

 14:21、鞍部に到着。ここは、西ヶ尾と高松山の間の鞍部だ。
 「ヒネゴ沢の頭」と道標の柱には、記されてあった。鞍部で、「頭」というのは、ちょっと気になってしまう。
 上空は、完全に曇天となってしまった。少々薄暗く感じ、雪が降ってきてもおかしくないような状況だった。ここから、massyさんが歩かれた、虫沢林道に通じるルートを歩いてみることにした。
[西ヶ尾と高松山との鞍部]

 最初は、ヒネゴ沢の左岸斜面を下っていくのかなと思っていたら、ジグザグルートで沢の源頭部に降り立ってしまった。
 「雨が降ったら、これは、ちょっとツライのでは?」と思えたが、そのうち、沢から離れ、今度は、右岸に道がついていた。
 右手から別の沢が合流する手前で、道は、元の沢の左岸沿いに続く。
[花女郎道を下っていく(ヒネゴ沢源頭部)]

 植林帯に入った。
 右下からは、ヒネゴ沢の沢の音が聞こえてきた。沢を見下ろすと、この沢も、丹沢名物の堰堤がたくさん設置されてある。いったい、あの間隔で設置され、どのくらい効果があるのだろうか。

 植林帯の中は、作業径路がかなり入り組んでいるようだ。このため、分岐点には道標があり、正しい方向を教えてくれる。これは、登りの時、重宝するだろう。
[植林帯を下っていく]

 14:55、虫沢林道に出た。
 ここで、熊出没注意の看板(写真下)を撮影し、小休止とした。
 ホットコーヒーを作って飲む。そういえば、今回は、山中で登山者にもハンターにも会っていない。
 八丁の集落でハンターなど、2、3人を見かけただけだった。
[林道に出た] [熊出没注意]

 少し未舗装箇所もあったが、歩きやすい林道だった。虫沢の集落で、左手奥にシダンゴ山を眺める。(写真下) いかにも里山といった光景だ。
 相変わらず、上空は、雪が降ってきそうな乳白色の雲。ザック横に付けている温度計を見たら、5度だった。道理で手の甲が冷える筈だと納得。
[シダンゴ山(左奥)を眺める]

 15:57、田代向バス停に到着。
 ここまでの舗装路歩きが長かった。
 バス時刻は、16:25だった。今日は、バス停待合所でゆっくり休憩する。
 [田代向バス停に到着]


 帰宅後、「峠の向こうへ」さんのHPで、「峠の向こうへ」さんが、同じようなルートを歩かれていることを知りました。文中にも書きましたが、皆瀬川に合流する、前回歩いた沢の名前が、ワリ沢ということをこのHPで初めて知りました。
 山行を終え、数日後、今度は、s-okさんが、2日前に、この花女郎道を歩かれていることを知りました。
 全くs-okさんの山行ルートを知らずに、今回歩いてきたのですが、山神さんの寄り道といい、似たようなルートを歩いていた自分にいささか驚いています。
 これが、同じ日だったら、もっと奇遇だったろうに...なんて思ってしまいました。

 また、帰宅後、ネットで調べたのですが、やはり花女郎道の八丁へのルートは、まだ未整備でした。完成時、どういったルートになるのか、楽しみです。

 過去の高松山山行レポート
   2009-5-1 高松山
   2009-6-7 第六天・高松山



※山行時間には、撮影時間を含んでおりますので、ご注意下さい。