トップページ山行リスト(日付)>早戸大滝・蛭ヶ岳_記録20100605


早戸大滝・蛭ヶ岳

 山行日
2010年6月5日(土)           曇     同行者:丹沢写真館さん、AOKさん
 コース
魚止橋(7:50)〜(8:06)伝道(8:17)〜(9:04)雷平(9:09)〜(9:51)本谷沢出合〜(10:07)早戸大滝(10:15)〜(10:30)本谷沢出合(10:50)〜(11:12)魔法のロープ入口(11:17)〜(13:33)鬼ヶ岩ノ頭(13:59)〜(14:30)蛭ヶ岳(14:45)〜(15:20)ブナ林(15:35)〜(16:16)雷滝(16:40)〜(16:59)雷平〜(17:34)伝道(17:41)〜(17:52)魚止橋
 今回は、久々の丹沢写真館さん、AOKさんとのコラボ山行です。早戸大滝を訪問した後、季節柄、シロヤシオ目当てで蛭ヶ岳周辺を狙います。
 白馬尾根は、ツツジによる赤系の紅葉が素晴らしかったのを覚えていますが、まだ、花の咲く頃に訪れたことがありませんでしたので、今回は、ワクワク、期待するところ大です。また、白馬尾根の魔法のロープなるものにも興味がありました。
 詳細は、以下をご覧下さい。


 いつものように丹沢写真館さんの車に同乗させていただき、一路、魚止橋へ。
 早戸川林道は、垂直に切り立った岩壁の下に林道が続いている。ここを通る度に、よくこんな場所に林道を通したな〜と感心してしまう。落石があるのではないかと、ハラハラしながらも、無事、魚止橋に到着。(7:41)
 既に駐車している車を5台ぐらい数える。登山者のものだけでなく、釣師の車も多そうだ。既にAOKさんは、到着されていた。
 上空は、今にも雨が降りそうな雲行きで、ちょっと暗過ぎる。撮影には苦労しそうだ。最後まで迷ったのだが、結局、雨具を持っていこうと、ザックに入れた。
 本日のルートを確認し、7:50、出発する。
 AOKさんとは、「花立小僧さんは、最近、三浦半島にも行かれてますね。」と、三浦半島の山々の話に花が咲く。
  ....三浦半島は、家から近いのが何といっても最高!
[今回のスタート地点:魚止橋]

 8:06、伝道に到着。(写真下)
 ここで恒例となった丹沢写真館さんからオニギリを戴く。アツアツのオニギリだ。
 林道終点に立っていた鳥獣保護区の看板を眺めていたら、「雪平」と表記されてあった。(写真下右) これは、位置からして、「雷平」の誤りだろうと思えるのだが、そのうち、これが元で、雪平と地図上にも表記されてしまうのだろうか。
[伝道にて小休止] [看板の一部]

 伝道からは、いつものように造林小屋の前を通り、桟道を幾つか通過する。 
  ....古びた桟道で相変わらず、ヒヤヒヤするものあり。

 沢に下り立ち、1本目の橋を渡る。(写真下) 今回は、どうやら橋は、流されていないようだ。
[丹沢写真館さんと1本目の橋(振り返って撮影)]

 右岸のへつり手前で、釣師2名を見かける。(写真下)
 このへつり、ロープがあって安心して通過できるのだが、一箇所、足場から大股になってしまう箇所があり、いつも恥ずかしい思いをする。

 この先、バランス感覚がちょっと必要な2本目の木橋を渡り、今度は、左岸のへつりに遭遇。ここもロープがあるので、それを使って通過。
[岩壁をへつる(振り返って撮影)]

 9:04、雷平到着。(写真下)
 前方に3人の女性パーティが休憩中だったのを見かけたのだが、我々3人が、その場に到着した時は、既に出発した後だった。どうやら白馬尾根に向かったようだ。
 山腹は、ガスに覆われ、相変わらず、なんだか今にも雨が降ってきそうな状況だ。立ったままの5分休憩の後、出発する。
[雷平に到着(振り返って撮影)]

 この先は、何度も沢を渡るケースが出てくる。
 このことを想定し、私は、トレランシューズを履いてきた。おかげで、積極的にジャブジャブしながら沢を渡る。トレランシューズは、速乾性があり、軽いので、無雪期で中型カメラを背負っていない場合は、よく使用している。
 前方(上流)側を見ても、ガスに覆われ、ほとんど遠景が見えない。そのせいだろうか。ゴーロ歩きが長く感じる。
 9:51、本谷沢との合流点に到着。(写真下) ここまで来ると、沢幅は、だいぶ小ぶりになってきた。
[本谷沢出合]

 本谷沢の合流点からものの2、3分で、大滝へ続く急斜面となる。ここにはロープが設置されてあった。このロープからの登りが懐かしい。何年振りかと、帰宅後、調べたら7年ぶりの訪問だった。
 前回は、初めての大滝訪問で、鳥屋のバス停から中型カメラを背負って、ここまで徒歩でやってきた。そんな訳で、この滝に到着する頃は、ヘロヘロだったのを思い出す。
 ロープを使って細尾根に乗る。ここから確か大滝が見えたはず...と思い、デジカメを取り出すが、滝らしい姿は、濃いガスのため、全く見えなかった。(写真下左)

 少し進んで、右手の大滝沢に下っていく踏跡を進む。これは、大滝の下に続くルートだ。やがて、ぼんやりと、滝の上部が見えてきた。(写真下右)
 だが、水が落ちているような光景は、はっきりしない。岩壁らしいものが見えるだけだ。さらに大滝に近づいていく。
[早戸大滝が見える場所なのだが] [少し滝の姿が見えてきた]

 10:07、滝下に到着。
 驚いたことに滝の下部は、ガスが切れて、比較的はっきりと見える。(写真下)
 だが、中央から上は、ガスが立ち込め、ぼんやりした光景だ。
 ここで、しばし、デジカメでの撮影タイムとなる。滝下で動けるスペースが限られるため、何枚も同じようなアングルで撮ってしまう。
 10:15、滝下を離れた。
 その後、来た道を引き返すが、途中で大滝下の小滝側に下り、寄り道する。ここは、初めて訪れた時、大滝を撮影した場所で、思い出のある所だった。
[早戸大滝の下部]

 本谷沢出合まで戻り、ここでコーヒータイム。(10:30〜10:50)
 その後、本谷沢を遡っていく。ここまで来ると、今まで以上に傾斜がきつく、岩も大きくなってきた。
 沢のど真ん中に大岩が現れる。この大岩は、左側から回り込んで、岩の裏側に進む。(写真下)
[大岩の横を進む(振り返って撮影)]

 右手に緑っぽい岩が見えてきた。その右側を登っていく。(写真下)
 丹沢写真館さんから、「このあたりにマークがある筈。」とのコメント。
 右手斜面に注意していたら、手前の木の根本に赤ペンキでの○印があった。また、そのすぐ後の木の幹には、赤テープもあった。だが、その先にロープがあるようには見えない。
[魔法のロープ手前にて(振り返って撮影)]

 丹沢写真館さんが、「これですよ。」と持ち上げたら、確かにロープがあった。斜面の上に置かれてあるだけだと、ロープは、あまり目立たない状況である。
 「これですか。」と私。
 ロープの先を見るが、ガスに隠れていた。(写真下) いよいよ、魔法のロープの登りだ。(11:17)

 ロープがないと掴まる木もない斜面だと思いながら、ロープを使って登っていく。最初は、急斜面で、ロープは、必須だったが、そのうち、ロープ無しでも歩けるようになった。
[これが魔法のロープ]

 細い尾根の背に乗ったところで、ロープは、終了していた。(11:36) ここまで延々とロープが続いており、結構なm長になる。
 木の幹にはロープが食込んだ跡がある。確かAYさんが指摘されたように優しい誰かが別の箇所にロープを結び直したようだ。だが、元の食込んだ跡を見ると、このロープ自体、相当の年数が経っていることがわかる。
 ここで小休止。あたりは、相変わらずガスに覆われ、遠景は、はっきりしない。
[魔法のロープ終点]

 11:40、ロープの終点を出発。ここからは、とにかく登り斜面を進めば、ルートを間違えることはない。だが、傾斜が急になる場合があり、息が切れる。
 振り返って下り斜面を見た場合、果たしてロープの尾根にキチンと戻れるのか、全く自信がなかった。逆コースの場合、地形をキチンと理解しておかないと、道迷いに陥るのは、必至だ。
 落葉の上を歩くので、足には優しい。
 やがて、ブナの木が目立ってきた。
[霧の中、斜面を黙々と登っていく(振り返って撮影)]

 ようやく前方が明るくなってきた。稜線が近づいてきたようだ。
 12:27、ササが目立つ斜面に出た。(写真下) この先、樹高のある木は、見えない。いよいよ草原に出るようだ。だが、斜面は、相変わらず急で、足取りが重い。
 
 徐々にガスが薄くなっていることに気がつく。前方の草原の登り斜面が、だいぶはっきり見えるようになった。振り返ると、ガスが谷の方へ吸い込まれるように消えていくのが見えた。
 段々と明るくなってきた。
[樹林帯を抜けた]

 草原の斜面をトラバースするように進んでいく。
 このあたり、やたらと、虫が飛んでくる。(写真下) 長袖なので両腕は、保護されるが、撮影している時、両手の甲に虫からの集中砲火を浴びる。
 巷では、ここの草原エリアが白馬の姿に見えるから、白馬尾根と呼ばれているのだが、今、この場に立っているときは、そんなロマンもない。とにかく、この虫攻撃から逃れることばかりを考えていた。
[白馬尾根の草原に出た]

 白馬尾根の踏跡を進むと、再びガスの中に突入する。先程、視界が広がったのが、ウソのようだ。ここで何組か、下りの登山者とすれ違う。だいぶこのコースもメジャーになってしまったようだ。
 さて、楽しみにしていたシロヤシオだが、左側に花をつけている木を見つけた。
 こんなに花をつけているシロヤシオを見たのは、何年振りかなと思う。最近、満開のシロヤシオに出会うような頃に登っていないことに気がついた。
[シロヤシオの中を行く(振り返って撮影)]

 やがて、前方に植生保護柵が薄っすらと見えてきた。ここまで来れば、稜線の登山道まで、あと少しだ。植生保護柵の右側を進む。(写真下)

 13:28、稜線の登山道に飛び出た。あたり一面、ガスの中だった。
 13:33、鬼ヶ岩に到着。晴れていれば、蛭ヶ岳が望める場所だが、今日は、サッパリ。ここでランチタイムとした。ガスの中、休憩していると、さすがにツツジのシーズンだけのことはあり、通過する登山者が多かった。
[左に植生保護柵が現れる]

 昼食後、蛭ヶ岳へと向かう。クサリ場を下り、鞍部を通過するとき、ふと右手をみると、ここにもシロヤシオが花をつけていた。
 さらに右手斜面にトウゴクミツバツツジを発見。(写真下) このツツジの花の色は、とても印象的な色だった。こんなに鮮やかな躑躅色を見たのは初めてだった。
 いつもは、長く感じる蛭ヶ岳の登りだが、今日は、鬼ヶ岩の休憩の後だったので、そんなにキツいと感じることがなかった。
[右手に色鮮やかなトウゴクミツバツツジ]

 ガスの中、14:30、蛭ヶ岳頂上に到着。(写真下)
 山頂のベンチ周辺には、誰もいなかった。ベンチにザックを降ろして休憩。水を飲みながら、周囲を眺めていると、山頂付近の木々がだいぶ減ったような気がした。立枯れの木が、倒れてしまったせいだろうか。
  ....ガスが濃くて、見えなかったせいか。

 14:45、山頂を出発。
[蛭ヶ岳山頂にて]

 ここからは、市原新道を使って、雷滝を目指して下っていく。蛭ヶ岳山荘の前を通り、バイケイソウの斜面を下っていく。このルートは、ちょうど1年前、AYさん、ミックスナッツさんとともに下ったルートだ。 
[バイケイソウの横を通過]

 バイケイソウからマルバダケブキの斜面に変わる。だが、マルバダケブキの密集度が薄くなった箇所が多く、この斜面でルートを見失う。途中、マルバダケブキの斜面を篤と眺める。
 そのまま斜面を下っていくと、再び経路に出くわした。その後は、見失うことも無く、下っていく。 
[マルバダケブキだらけになる]

 下に植生保護柵が見えてきた。保護柵の右側を進む。ここまで来れば、経路も明瞭だ。
[歩き易い経路となる(振り返って撮影)]

 細い尾根になる。こんな場所があったな〜と、昨年通った時を思い出す。尾根筋の経路がはっきりしないと思ったら、左側の少し低い所に経路がついていた。
[細い尾根を通過]

 やがて、自然林の広場に出た。
 くの字に曲がった樹木で、前回の記憶が蘇る。
 ブナが目立つ林だ。丹沢写真館さんとともに、2つのブナの幹回りを測定する。一本は、4m強、もう一本は、約3mだった。その4m強のブナの下で小休止する。(15:20)
 お二人が腰を下ろして休憩中のところ、私は、デジカメを抱えて歩き回った。なんて枝が多いのだろう。密集した植林帯では、遠景が遮られる場合があるが、こんな広葉樹で、同じように遠景が見えなくなるのは、珍しいと思う。
[ブナ林に到着]

 15:35、出発。
 おや、上空からポツリポツリと雨が降ってきた。だが、この先は、樹林帯のため、雨具を着けずにそのままの格好で下っていく。ここからは、樹林の背が低くなり、周囲の光景は、一変する。
 15:41、右手にシカ柵が現れる。
 このシカ柵、一度、経路から遠のくのだが、再び、近づいていく。
[周囲の木々は、ガラリと変わる(振り返って撮影)]

 15:59、白い皿を発見。
 以前は、道標だったはずだが、書いてある文字は、既に読めず、今では、単なる白い皿に過ぎなかった。ここを直進するが、急斜面となり、木の幹を掴みながらの下りとなった。
 16:16、雷滝の下に到着。いつの間にか雨は、止んでいた。ここは、常に涼しい風が吹いているようだ。滝下から撮影する。
 ここで最後の小休止とした。丹沢写真館さんからアイスコーヒーを戴く。
[白い皿を見る]

 雷滝から、左岸に渡る時、水量が多かったので、再びジャブジャブと沢に入る。足が少し冷たくなり、心地いい。その後は、左岸を歩いていく。途中、あれが、大岩ノ滝かなと思いながら、振り返りながら連続した滝を眺める。
 16:59、雷平を通過。この先は、今朝歩いてきた道と同じルートとなる。
 2本目の橋を渡る。(写真下)
[再び伝道へ]

 造林小屋を通過し、再び伝道に到着。ここからは、しゃべりながら、ゆっくり林道を歩いていく。
 17:52、魚止橋に戻ってきた。既に他の車は一台もなかった。靴をよく見ると、左足のつま先部分にヒルを発見。これは、イカンということで、ズボン等をチェック。だが、幸いにも他では見つからなかった。
 こうして今回も、無事、山行終了となった。
 [魚止橋に無事到着]


 最後のヒルで少々パニックになってしまいましたが、満開のシロヤシオとの遭遇、天気がどうにか持ったことで、満足のいく1日でした。やはり、花を数多くつけたシロヤシオは、見応えがありました。久々に写欲が湧きました。

 丹沢写真館さん、AOKさん
 ご同行ありがとうございました。おかげで、いいタイミングでシロヤシオを観賞することができました。今後とも宜しくお願い致します。



※山行時間には、撮影時間を含んでおりますので、ご注意下さい。