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鍋割山

 山行日
2010年10月16(土)・17日(日)    曇り  同行者:父
 コース
大倉(9:40)〜(10:54)二俣〜(11:18)ミズヒ沢(11:43)〜(12:15)後沢乗越〜(14:20)鍋割山(泊)
鍋割山(8:17)〜(9:16)後沢乗越〜(9:52)ミズヒ沢〜(10:11)二俣〜(11:27)大倉
 今年も鍋割山荘の「きのこ鍋を食べる会」に父と参加してきました。
 山は、すっかり秋の気配で、鍋焼きうどんのシーズンに突入したことをしみじみ感じ入りました。
 父とは、今年の夏の槍ヶ岳以来の山行です。82歳となった父は、槍ヶ岳登山時、3000m級山行の引退を宣言。その後は、その宣言通り、おとなしく低山だけを歩いているようです。
 さて、父の脚力は、いかに。そんな関心を懐きながら、登ってきました。


<第1日>

 「今日は、泊まりなのでゆっくり行こう。」と、父。
 ということで、渋沢には、9:07着。
 いつものように大倉行きバスに乗り、発車を待っていたら、体格のいい男性が父を見つけ、ニッコリ話しかけてきた。
 「今日は、どうぞ宜しく。」
 鍋割山荘の常連である「辻アナ」さんだった。辻アナさんも今日の「鍋割山荘のきのこ鍋を食べる会」参画のお一人だった。
 9:18、渋沢を発車。こんな遅い時間だったが、登山姿の乗客が殆どで、20人オーバーの客が乗っていた。
 バスは、いつものように緩い坂を上り、八幡宮の左横を通って、大倉へ到着。
 週間天気予報では、当初、天気は雨模様だったのだが、近づくにつれ、予報はいい方向に変わり、ちょっと雲は多いが、悪くない天気だ。但し、表尾根などの北側の山々には、雲がかかっていた。
 辻アナさん達のグループより先に出発する。(9:40)
 大倉尾根に向かうクセで、すぐ右折しそうになるが、鍋割山の場合は、直進だ。
[今回のスタート地点:大倉バス停]

 西山林道をせっせと歩く。今日は、父の調子がいいのか、とても歩行ペースが速い。こちらが、写真を撮ったり、メモを書いていると、アッという間に50mと間隔が開いてしまう。おかげで、早足しないといけない状況が何度も発生。とにかく稀に見るハイペースだった。

 途中、林道から見上げた鍋割山方面は、雲の中。(写真下) ドンドン雲が広がっていくな〜と思えるほど、雲に勢いがあった。
   ....ちょっと雲行きが怪しい
[鍋割山は、雲の中]

 それでも、林道歩きの最中では、太陽が照り出す。だが、日光に当たっても暑さは、感じられない。周囲は、まだ緑一色だったが、気温は、それなりに下がっている事を認識する。
[西山林道を進む]

 11:13、本沢を渡る。先程の二俣と同様、ここも新しい木橋が出来ていた。
 この高さであれば、水量が相当増えても大丈夫だろう。結構、長い橋となるので、中央部分に来ると、橋が撓む。その撓んだ橋の上にいる父を見ていると、何だか妙に緊張してしまう。ちょうど槍ヶ岳の時の雪渓を渡る光景を思い出してしまう。
[本沢を新しい橋で渡る]

 ミズヒ沢手前にある鍋割山荘のペットボトル置場に到着。
 ここで小休止とした。(11:18〜11:43)
 ザックの中にペットボトルを幾つか入れ込む。このために今日は、45/55リットルの大きめのザックを背負ってきた。ついでにストックも2本、取り出す。
 このままだと山小屋に早く着きすぎるので、時間調整も兼ねて、ゆっくりしていたら、先程の辻アナさんのグループに追い越されてしまった。
 「そろそろ行こうか。」
と父。時計を見ると、25分間、休憩していた。
[ミズヒ沢にあるペットボトル置場(ボトルの中は、衛生上の面から、水道水が入っている)]

 ザックが重くなることを想定し、ダブルストックで登ることにしたのだが、どうもバランスが悪い。普段、2本ストックで歩いたことがないせいだろう。だけど、せっかく2本持ってきたので、このままのスタイルで通す。
 後沢乗越を通過し、いよいよ急登にさしかかる。父の歩くペースは、悪くない。本人曰く、「登りは、問題ない。」との事。
 ちょうど日帰り風の若い男女のグループと、抜きつ抜かれつつの登りとなった。
 標高1000mを越えると、木道が現れた。ここもついに木道化の波がやってきたようだ。
[小休止]

 休憩を何度か取りながら、登っていき、14:20、鍋割山頂上に到着。
 頂上には、鍋焼きうどんを食べる登山者の姿が多く見られる。鍋割山といえば、富士山だが、今日は、雲が湧いて、富士山の姿は、見えなかった。
  ....今日は、年2回しかチャンスのないダイヤモンド富士の日だったのだが、残念無念。


 また、頂上には、鍋割山頂上を示す、立派な標柱が立っていた。(写真下) 二俣や本沢の木橋、先程の木道、そして、この標柱といい、今年は、鍋割山周辺の登山道がだいぶ整備されている。
[鍋割山頂上の新しい標柱]

 小屋に入って、草野さんご夫妻に挨拶し、ザックを部屋に置いた後、外で乾杯。(写真下)
 「まだまだ元気に登れる!」
と、意気揚々の父だが、
 「問題は、下り。ここ数年で急激に下りのスピードが落ちている。」
との自己認識。どうも右足の踝あたりに爆弾を抱えているようで、それが、ネックで以前のようにスタスタと下っていけなくなったらしい。
  ....いよいよ1000m級登山引退も近づくか。
[山頂で乾杯]

 今日は、恒例の「きのこ鍋を食べる会」のイベントだ。
 例年、草野さんや、小屋の常連の方々が鍋割山付近で、前日等にキノコ狩りをされて、本日のイベントに備えているのだ。
 いつだったか、ナラタケが大量に採れた時があった。また、そのナラタケが、どういう訳か、秦野では、よく売れるらしい。(ちなみに秦野では、ナラタケのことを「アシナガ」と呼ぶとの事)
 そんな話を以前の「きのこ鍋を食べる会」で、草野さんから聞いたことがあった。
 ....この現象は、蕎麦に関係があるのでは、と考えている。

 さて、今年の「きのこ鍋を食べる会」が予定通り、17:30に始まった。
 冒頭に例年の如く、草野さんから、今年のキノコについてのスピーチ。今年は、猛暑の後、台風も来たが、それほど豊作という訳ではなかったとの事。だが、常連のお客さんから、マツタケの差し入れがあったとの事で、別の面でビックリするような話の内容だった。
 ....マツタケは、鍋でなく、今回、栗ご飯に

 ワイワイ、ガヤガヤと会が始まる。だいたい5人に一つの鍋が割り当てられ、鍋に近い人が、鍋奉行に。我々親子のテーブルで、鍋奉行担当になられたのは、20代の女性。(女性2人のパーティ)
 ....正真正銘の山ガールだった。
 山ガールのお二人は、今回、鍋割山荘の宿泊も、鍋の会も初めてとの事。是非、今後とも鍋割山荘に来て欲しいお客さんだ。

 草野さんから採れた天然キノコが配られる。今回は、量が少なかったので配給制となった。このような山の上で、豪華なキノコ鍋が食べれるのが嬉しい。
 「もうそろそろ、いいでしょう」
ということで、賞味。鍋は、期待以上のいい出汁が出ていた。
 これ以外にも、料理は、天ぷらやおでんもあり、酒を飲むには、恵まれすぎている状況だ。
 ....今回も、よく飲んだ〜
[本日の目玉:山中で採れた天然のキノコ] [本日の鍋]

<第2日>

 朝起きて、富士山を期待して、外に出てみたが、残念ながら昨日と同様、雲が。だが、よく見ると、富士山の頭の部分だけ、霞んで見えていた。しかし、カメラ撮影には、ちょっと適さないレベルだった。
 朝食後、草野さんと遠方から来られたグループを宿泊者の有志が囲んで記念撮影。やはり、こういうときに新しい標柱「鍋割山」は、感じがいい。
[遠方から来られたグループを囲んで記念撮影]

 昨晩の山ガールのお二人は、塔ノ岳を目指すということで、先に出発。そのお二人を見送った後、我々もボチボチ、出発することに。草野さんご夫妻に挨拶後、小屋を後にする。(8:17)
 今日は、来た道を引き返すことにした。
 問題の下りだが、やはり自己認識の通り、父のペースが遅い。ひょっとしたら、登りの時と変わらないのでは?と思えるほどだ。これでは、いよいよ1000m級登山も引退勧告しなければならないな〜と思いつつ、後についていく。
[後沢乗越に向かう]

 9:16、後沢乗越到着。
 山頂から約1時間かかった。
 「昔は、30分で下ったのに」と、父の嘆きが。
[後沢乗越にて小休止(ビニール袋は、空ペットボトル)]

 ミズヒ沢を渡る手前で、小休止。ここで、顔を洗ったり、靴のドロを落とす。
 途中ですれ違った登山者は、若いグループが多かったのが印象的だった。皆、鍋割山荘の鍋焼きうどん目当てだろうか。
 それにしても、昨今の山ガール、山ボーイの出現には、驚くばかりだ。
  ....10年前では、絶対ありえない光景。
[ミズヒ沢手前の小沢で小休止]

 ミズヒ沢に到着。ボランティア用のペットボトルは、1本も残っていなかった。
 小屋から運んできた空のペットボトルは、草野さんの車の横に置く。見れば、既に同様な空のペットボトルの袋がいくつも置かれてあった
[ペットボトルは1本も残っていなかった]

 後は、延々と西山林道を歩き、大倉には、11:27着。
 中途半端な時間なので、バスも空いていた。ガランとしたバスに乗って帰路につく。
 [大倉に到着]


 天気は、今ひとつでしたが、キノコ鍋は、お酒とともに楽しい時間を過ごすことができました。しかし、最近の登山者は、20代の男女がものすごく増え、平成の登山ブームがやって来たような印象を受けました。
 さて、このブームがいつまで続くのでしょうか、一過性のものなのか、少々気になるところです。



※山行時間には、撮影時間を含んでおりますので、ご注意下さい。