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檜洞丸・石棚沢右岸尾根

 山行日
2010年11月13日(土)       晴       同行者:丹沢写真館さん、AOKさん
 コース
西丹沢自然教室(7:28)〜(8:30)855m峰(8:35)〜(9:57)1180m圏峰(10:21)〜(12:11)大笄〜(12:50)熊笹ノ峰〜(13:20)檜洞丸(13:31)〜(14:04)テシロノ頭〜(14:19)ベンチ(14:35)〜<石棚沢右岸尾根>〜(15:32)1065m峰(15:36)〜<石棚沢右岸尾根>〜(16:27)東沢・石棚沢合流点〜(16:48)西丹沢自然教室
 今回は、丹沢写真館さん、AOKさんとのコラボ山行です。紅葉シーズンということもあり、西丹沢の紅葉を堪能しようと檜洞丸の周回コースに誘われました。
 さて、紅葉の状態は?
 それ以上に、今回は、いろいろアクシデントがありました。
 詳細は、以下をご覧下さい。


 西丹沢自然教室に丹沢写真館さんの車に同乗し、7:12着。
 すでに駐車場は、ほぼ満杯だった。(写真下) 紅葉のシーズンでの西丹沢は、やはり人気があるな〜と再認識。その後、AOKさんが到着し、出発となった。(7:28) 
[今回のスタート地点:西丹沢自然教室]

 今日は、東沢右岸尾根を登り、檜洞丸を経て石棚沢右岸尾根を下っていくという周回コースだ。
 既にシーズンオフを迎え、閑散としたキャンプ場を左に見下ろす。その奥の中川川(河内川)の右岸には、既に紅葉真っ盛りの斜面が見える。紅葉の高度は、だいぶ下がってきているようだ。
 まずは、ツツジ新道に入る。(7:37) (写真下)
[ツツジ新道入口]

 途中、金属パイプで補強された木橋を3箇所、通過。だが、補強してあっても、木橋は、そのままなので踏み抜く可能性は、おおいにあり。
 7:56、尾根を跨ぐ箇所にて暑くなり、薄手のウィンドブレーカを脱ぐ。ここから尾根の背に乗ってもいいのだが、もう少し登山道を歩くことにした。(写真下)
[尾根筋を横切る]

 「そろそろ取り付きましょう。」ということで、左側の尾根筋に登っていく。(写真下) 傾斜は、それほどでもない。ほんの3分程度で、尾根の背筋に乗る。
 乗った所で、オニギリタイムとし、丹沢写真館さんからオニギリを戴く。
  ....毎度ありがとうございます。

 反対側斜面は、すでに黄葉と化していた樹林帯だった。それを観賞しながら、オニギリをぱくつく。

 その後、歩き出すと、前方に青い物体が見えた。近づくと、それがテントだと分かった。テントは、ポールが立っておらず、ペチャンコ状態だった。いったい誰が何のために使用していたのか、全く謎である。
  ....山は、ミステリアスなのだ。
[登山道から尾根の背筋に上がる]

 尾根の背筋沿いを辿っていく。(写真下) 傾斜がきつくなってきた。踏跡は、はっきりしないので、自分で適当にジグザグに進む。地面は、落葉だらけで、足の裏が気持ちいい。
[尾根筋は、紅葉が始まっていた]

 855m峰に到着。(8:30)
 地図上では、標高855mなのだが、腕時計の高度計は、760mを表示していた。これほど差が離れるのも珍しい。ピークの右側は、スギ植林だった。
 ピークを越え、下りになると、前方が再び自然林の世界に戻った。
[855m峰頂上にて]

 この先の林道のため、尾根が切り崩されているので、尾根の背筋から右に下っていく。
 8:38、東沢林道に下り立つ。
[林道を見下ろす]

 ここもすぐに反対側尾根に乗らず、林道を進む。(写真下) 丹沢写真館さんによれば、この先の植林帯に経路があるとの事。
 8:42、左手の植林帯に経路を発見。そこを進むと、保護柵と脚立があった。脚立を利用して柵の中に入る。柵の中にもジグザグに経路があったが、そのうち見失う。だが、尾根の背筋までは、たいした距離ではない。適当に植林帯の中を登っていく。

 尾根の背筋に乗ったところで右折する。尾根沿いに保護柵も続いていた。やがて保護柵が終わり、脚立を利用して柵の外に出た。
[林道を少し進む]

 見れば、この先、下半分が木で出来ているシカ柵を見る。
 「これは、珍しい。」と思わず撮影。(写真下) だが、下半分が木で出来たシカ柵は、長続きせず、すぐに保護柵に戻った。だが、保護されているのは植林だ。

 「植生保護柵で柵の中が植林というのは、あまり見たことがありませんね。」
 「おそらくシカ柵の有刺鉄線をやめて、保護柵で代用したのでしょう。」
その事を裏付けるように保護柵付近を注意深く見ると、古いシカ柵の柱の跡を何度か見つけた。だが、古いシカ柵の残骸は、ついに見かけなかった。保護柵を新設する際、古いシカ柵は、片付けられたようだ。
[植林帯を横切って尾根筋を登る]

 9:01、右側に続いていた保護柵が終了。それとともに前方が自然林だけとなった。このあたりの標高が、今回の紅葉のピーク帯のようだ。

 スズタケが少しだけ密集していたエリアの横を通過。こういうスズタケの姿を見ると、以前は、このあたり一面、スズタケが密集していたのではないかと思えた。
  ....丹沢のスズタケは、どこも縮退方向。
[紅葉がピークになっていく]

 この周囲は、自然林の観賞には、持って来いの場所だ。重い中型カメラ&三脚を担いででも撮影する価値がありそうだ。だが、斜面は、急になってきた。(写真下)
 時々、シカのフンを発見。だが小ぶりである。子ジカなのどうかか、親ジカだとしたら、相当栄養失調のような気がする。

 9:27、尾根の先端に到着。ここから、太い尾根の緩やかな登りとなった。
[急斜面での紅葉(振り返って撮影)]

 1125m峰がどこだかわからないまま、通過。それほど緩斜面が続いている。残念ながら、この高度になると、紅葉は、ほぼ終わっており、冬枯れの木々が目立つようになった。
[1125m峰あたりの稜線を歩く]

 左手には、大室山方面の稜線を眺めながら、緩やかな斜面を進んでいく。

 左手下には、犬越路トンネルの入口が見えた。(写真下)
 だいぶ前のことだが、まだゲートが犬越路林道になかった頃、あのトンネル入口までバイクで行ったことがあった。その時は、そこから眺めた西丹沢の雄大な景色よりも、トンネル入り口に向かう時、用木沢上流の砂防堰堤の圧倒的な数に度肝を抜かれ、今となっては、その連続した堰堤の光景しか記憶にない。
[左手に犬越路のトンネルを見る]

 前方に小ピークが見えた。(写真下左) あそこがどうやら1180m圏峰のようだ。
 ピークにて小休止。コーヒータイムとした。(9:57〜10:21)(写真下右)
[1180m圏峰にて小休止] [コーヒータイム]

 コーヒーを飲んだ後、周囲を散歩する。右手がちょっと感じのいい広場のような形状をしていた。丹沢写真館さんによると、昔、ここを訪問された時は、スズタケなどのヤブだったらしい。樹林を撮影したり、これから登る方向の大笄・小笄方面も撮影する。

 1180m圏峰を出発し、下っていくが、だんだんヤセ尾根状になってきた。AOKさんと、ここで足下の岩が崩れたら、「『岩と共に去りぬ』ですね〜」なんて会話をする。左手は、急斜面でどこまで落ちていくか分からない。
[1180m圏峰を出発(振り返って撮影)]

 進路は、登りとなった。
 10:29、左手にトラバースの踏跡を見るが、左下は、超急斜面で足が滑ったら、オシマイのような場所だった。他にルートがあるはずと思い、直進のササヤブを進むと、キチンとした踏跡を発見。結局、ヤブではあるが、それなりに踏跡があり、ヤブもすぐ終了となった。
[ほんの少し、ササヤブあり(振り返って撮影)]

 だんだん急斜面になってきた。先程、1180圏峰から眺めていた急斜面ゾーンに入ったようだ。1/25000地形図では、標高1250mから急斜面になっている。不思議なことにこの標高で、紅葉している木々が右手にあり、息を整えるついでに撮影。

 この急斜面の途中で振り返ると、山の姿が目に入った。
[急斜面になった]

 「この辺は、急ながらも経路が明確ですね。」などと話をしていたら、そのうち明確でなくなった。
 前方にルンゼがあり、それを横断し、右に進むような踏跡があったのだが、進んでいくと、途中ではっきりしなくなった。
 ということで、登りやすい箇所を探しながら進む。だが、浮石が多く、緊張の連続だ。
 ホッとできる箇所に出たら、右手に歩けそうなルートがあった。どうやら、もう少し右にトラバースを続けたら、比較的安全なルートに出たようだ。
[急斜面に浮石多し(振り返って撮影)]

 11:37、ようやく前方が緩やかな傾斜になった。
 その油断がいけなかったようだ。ここで木の間を抜けようとしたら、真横に伸びていた太い枝に額をモロにぶつけてしまった。野球帽のツバで枝が見えなかったのだ。
  ....一瞬、頭の中で星が回った。

 指で触れると鼻の付け根から血が出ている。眼鏡をモロに枝にぶつけ、その結果、眼鏡のブリッジ部分が、鼻の付け根に当たったらしい。また額(眉毛の間)には、薄っすらと赤くすりむいた状態となっていた。
 ペチャンコ状態になっていた鼻パッドの位置を修正し、歩き出す。しかし、眼鏡のレンズやフレームが壊れなかったのは幸いだった。

 11:42、尾根の先端部分のような箇所で登山道に出た。ここで、傷の応急処置。出血はたいしたことなく、丹沢写真館さんにバンドエイドを貼ってもらう。
  ....だが今日は、これだけではなかったのだ。
[登山道に合流]

 一般登山道を進む。
 すれ違う登山者が多い。やはり、西丹沢自然教室で見た車の数は、ウソではなかった。自家用車であの程度だから、バスで来る登山者も含めたら、結構な人数が登っていることだろう。
 尾根の先端のようなピークを登り終えると、右手にモアイ岩(仮名)が見えた。(写真下)
[モアイ岩(仮名)を横から眺める(望遠)]

 大笄付近を通過。このあたりは、すでに冬枯れの林となっているが、ブナの姿が印象的。
 さすがに11月も中旬ということで、気温が低くなって、汗の量が減り、快適な山歩きとなる。
[大笄付近にて]

 ヤタ尾根経由で神ノ川に下る分岐点にてランチタイムとした。(12:13〜12:47)
 ここにはベンチが設置されている。ベンチに腰掛け、西側を見れば、富士山が正面に見えた。ベンチの位置は、この富士山を考慮して設置されたに違いない。そう思えるような場所にベンチがあった。
[ベンチのある所で小休止(目の前に富士山)]

 昼食を終え、檜洞丸を目指す。
 13:03、木の階段下に到着。こんな階段があったっけ?と思い、帰宅後、調べてみたら、ここは、自分にとって6年ぶりの訪問だった。
. ...随分、ご無沙汰だった。

 下ってくる団体さんを待ってすれ違い後、登っていく。
 しかし、今日は、本当に登山者が多い。ツツジ新道ならまだしも、犬越路コースにこんなに人が通るということ自体、信じられない状況だ。
[木の階段あり]

 檜洞丸に向かう途中、右手に赤いものを発見。
 近づいてみたら一本のツツジが紅葉しているようだ。既に周囲の木々は、葉を落としているのにこういうヘソマガリの木があるとは、嬉しい。
[紅一点]

 13:20、檜洞丸山頂に到着。
 祠に参拝後、撮影タイム。山頂のブナを撮影するが、塔ノ岳方面の視界がますます広がっていることに気がついた。ブナの木がかなり倒れているようだ。
 昼を回っていたが、まだ登山者の数は、10〜15人ぐらいが休憩中。
 今日は、これからがまだ長い。
 13:31、出発し、石棚山稜に向かう。
[檜洞丸頂上にて小休止]

 石棚山稜に向かう。
 テシロノ頭付近は、植生保護柵だらけだ。だが、保護柵の中では、ササが元気に育っており、保護柵の効果があることを物語っている。これだと、丹沢全域に亘って保護柵が広がっていくのも、仕方のないことかと思ってしまう。
  ....撮影時には、邪魔だな〜と思うのだが。
[石棚山稜を進む]

 ベンチに到着。(14:19〜14:35)
 ここで、デザートタイム。小休止とし、ゼリーを食べる。さすがにこの時間帯だと、誰にも出会わなかった。
[ベンチにて小休止]

 前回9月に3人で歩いた石棚沢右岸尾根の分岐点を確認する意味もあり、今回も石棚沢右岸尾根を進む。ここで言う分岐点とは、石棚沢右岸尾根(1065m峰にのびている尾根)と、途中で南西へ直線的にのびている枝尾根との分岐点である。前回の3人山行で、この南西尾根との分岐点を間違えてしまったのだ。

 14:42、前回、トラバースして尾根に乗った地点に到着。(写真下) 前方のブナ?の木が記憶に残っていた。
 この後、右手に崩壊地を見る。
[石棚沢右岸尾根を下っていく]

 14:49、尾根の先端に到着。ここが1/25000地形図上での尾根の先端部(標高1320mあたり)だと判断し、左側を下っていったのだが、実際は、その手前の尾根の先端(1340mの少し上部あたり)だった。
 しかし、現実の地形は、尾根の先端そのものなのだが、1/25000地形図上では、はっきり表現されていない。これでは、迷うのも仕方がないなと思った。
[前回、間違えた尾根分岐]

 北西に伸びた細い尾根筋を下っていく。
 すると、これまた巾広い尾根の平坦部に出た。地図上では、ここが尾根の分岐点だった。だが、ここは、注意深く左手の分岐を見つけないと、尾根の分岐点だとは気がつかない。ここも1/25000地形図とは、だいぶ違う感じがした。
  ....1/25000地形図の表現の限界か?
[前回における正しい分岐点]

 今回は、北西に進路を取り、1065m峰に向かう。
 左手にヒノキの植林帯が現れる。
 丹沢写真館さん曰く、「この植林帯と自然林の境界がルートです。」
 そんな訳で、その植林帯と自然林の境界あたりを下っていく。時々、ブナの木も見えた。
[左に植林あり]

 15:09、このあたりから右手の自然林が紅葉となってきた。(写真下)
 15:28、尾根の先がほぼフラットになり、左に120度曲がる。この先が、1065m峰になるようだが、どこがピークか分からない。その先の尾根の先端部で、右手の紅葉が目に入る。
 また、尾根を下る方向にブナを見る
[左に植林帯、右は、紅葉した樹林になっていく]

 15:41、1065m峰あたりが、紅葉のピークかと思ったが、まだまだ紅葉した樹林は右手に見える。これでは、キリがないな〜と思い、とりあえず、真っ赤なモミジがあった場合のみ、撮影しようとシャッターを押す。
[右手は、紅葉樹林が続く]

 急な下りの後、前方に変わった形の木を発見。(写真下)
 複雑な幹の伸び方に思わずカメラを向けた。
[変わった1本の木]

 急斜面となる。
 「この木は、動きますよ。」と、前を歩かれていたAOKさんからアドバイスを受けたにも関わらず、その木の幹を掴み、何故か体重がその幹に掛かってしまった。
 すると、幹がグーと前の方に曲がり、最後にポキンと折れた。
 「あらっ」
と思ったのも束の間、頭から一回転しそうになるのを必死にこらえるため、足を前に出した。だが、ここは、岩がゴロゴロしている急斜面。結果的にこの急斜面を猛スピードで駆け下りていくことになった。
 「おお〜」、こんなスピードで走っている自分が恐ろしい。
   ....アッと言う前にAOKさんを追い抜いてしまった。


 5、6mぐらい走ったところで、幸いにも重心が背中側に回り、岩の前にお尻からスライディングするようにして停止。こりゃ、足を打ったかなと思ったが、奇跡的にどこも痛めていなかった。
 また、カメラもウェストバッグの中の携帯も無事だった。
   ....至って超ラッキー。
[急斜面になり、このあたりでコケた]

 16:07、尾根が細くなっていく。(写真下)
 だが、迷うこともなく、歩きやすい尾根だ。
[紅葉が続いている]

 尾根の最後は、急斜面になるのだろうな〜と思っていたら、やっぱりそうだった。だが、その後、ルートが分かったので、迷わず無事、河原に出ることができた。(16:27)

 ここは、石棚沢と東沢の合流点で、少し石棚沢寄りの所だった。水の流れていない石棚沢を横断し、9月の時と同様、東沢沿いの経路を歩き、西丹沢自然教室に向かう。
[石棚沢に下り立つ]

 16:48、西丹沢自然教室に到着。
 到着時は、すでに薄暗くなっていた。教室の前にも登山者が休憩中で、どうやらバスを待っている人たちだった。
 [西丹沢自然教室に戻ってきた]


 今回の紅葉は、登りの時も下りの時も見応えがありました。おかげで、撮影枚数は、500枚を超えておりました。このようなコースに案内・同行していただいた丹沢写真館さん、AOKさんに感謝です。ありがとうございました。
 今日は、額を木にぶつけたり、コケたりと、災厄が続きましたが、大怪我には至らなかったのは、幸運でした。特に急斜面でコケたときは、骨折してもおかしくないと思いましたが、少し前に檜洞丸頂上の祠を参拝したのがよかったようです。これは、ご利益があったということで、いつか、お礼参りしなくては、と思っております。

 【注】
 小笄の場所は、いろいろ諸説あり、はっきりしません。ですが、ここでは、山と高原地図28丹沢(昭文社:2010年)に準拠しました。



※山行時間には、撮影時間を含んでおりますので、ご注意下さい。