トップページ山行リスト(日付)>大山・石尊沢右岸尾根_記録20110116


大山・石尊沢右岸尾根

 山行日
2011年1月16日(日)       晴         単独行
 コース
大山ケーブルバス停(7:05)〜<女坂>〜(7:42)大山寺(7:46)〜<女坂>〜(8:29)下社(8:42)〜(10:00)大山(10:40)〜(10:53)大山の肩(11:00)〜<石尊沢右岸尾根>〜(12:59)唐沢峠(13:06)〜(13:48)不動尻(13:57)〜(14:47)愛宕社〜(15:06)広沢寺温泉入口
 今回は、大山に行ってきました。山頂からの下りは、石尊沢右岸尾根を選択。初めて通りましたが、いろいろありました。そういえば、大山に登る時も。
 詳細は、下記をご覧下さい。


 7:05、大山ケーブルバス停を出発。
 同じバスで下車した他の登山者4名は、既に出発。
 歩き始めてすぐに背後から朝日が射し込み、一気に明るさが増した。だが、厳しい冷気の方が強く、そう簡単に気温は上がってこない。
 店が殆どまだ開いていない、人影の少ないこま参道をせっせと進む。階段を急ぎ足で上ることで、多少、身体が温まってくる。
[今回のスタート地点:大山ケーブルバス停]

 男坂と女坂の分岐点に到着。(7:22) (写真下左)
 先日の白山では、女坂を選択したが、今日の大山でも女坂をチョイス。この道標を見れば、どうしても女坂に行きたくなってしまう。(写真下右)
[男坂と女坂の分岐点] [女坂への道標と男坂への道標]

 女坂の七不思議という立札が目に入る。
 幾度もここは通っているが、あまり意識したことがなかった。それを今回、じっくりと眺めながら、登ることにした。
 
『女坂の七不思議 その一 「弘法の水」。
 「弘法の加持霊水」ともいい、弘法大師が岩に杖を突いたら、その跡から清水がこんこんと湧き出たという。夏でも枯(※原文ママ)れることなく、いつでも水の量が変わらないという。』
(立札より)
 弘法大師? 大山と弘法大師って関係があったの?と思ったが、帰宅後、大山寺を調べてみたら、弘法大師が住職として在籍していたこともあるらしい。
. ....初めて知った。

 『女坂の七不思議 その二 「子育て地蔵」。
 最初は、普通のお地蔵様として安置されたが、何時の頃か顔が童あ(わらべ)に変わっていた。この地蔵に祈ると子供がすくすくと丈夫に育つといわれる。』
(立札より)
[女坂の七不思議 その一] [女坂の七不思議 その二]
 『女坂の七不思議 その三 「爪切り地蔵」。
 弘法大師様が道具を使わず、一夜のうちに手の爪で彫刻されたと伝えられている。
 何事も一心に集中努力すれば実現できるとの教えである。』
(立札より)

 『女坂の七不思議 その四 「逆さ菩提樹」。
 上が太くて下が細く、逆さに生えたように見えることから逆さ菩提樹という。現在は、二代目である。』
(立札より)
[女坂の七不思議 その三] [女坂の七不思議 その四]

 大山寺の石段下に到着。
 ここは、昨年秋にライトアップのモミジ撮影のため、訪れた場所だ。そのモミジも今となっては、殆どの葉を落とし、冬枯れ状態。
 石段を上ると、大山寺本堂の中から読経する声が聞こえてきた。青空の下、朝日が照りつける本堂に読経の声。なんだか清々しい朝を迎えた気分だ。
 本堂の右から奥へと進む。
[大山寺への石段]

 『女坂の七不思議 その五 「無明橋(むみょうばし)」。
  話をしながら通ると、橋から下に落ちたり、忘れ物や落し物をしたり、悪い事が起きたりするという。』
(立札より)
 無明とは、「邪見・俗念に妨げられて真理を悟ることができない無知。最も根本的な煩悩で、十二因縁の第1、三惑の一とされる。(大辞泉)」との事。

 
『女坂の七不思議 その六 「潮音洞(ちょうおんどう)」。
  ○(ほこら)に近づいて心を鎮め耳を澄ませると遠い潮騒が聞こえるという。この○の中にどのような神秘が隠れているのであろうか?』
(立札より)  (○部分は、字がわからず。読み方は「ほこら」だが、「祠」の字では、ない)
[女坂の七不思議 その五] [女坂の七不思議 その六]

 七不思議もその六を過ぎると、男坂と同じような急な階段エリアとなってくる。いよいよ、最後の一つは、何?と思いながら、階段を上っていく。
 前方左上に立札を発見すると、あれが7つめかと思い、近づいてみた。だが、この立札の内容は、単に七不思議をピックアップしているだけの立札だった。(写真下左)
 そして、なんと、ここが男坂との合流点だとわかった。
 そうなのだ。七つ目を見落としたのだ。
  ....OH MY GOD!
 だが、このまま6つだけで良しとし、先に進むのでは、今年の運勢も怪しくなってくる。ということで、引き返すことに。

 途中で、ザックをデポし、空身で下っていく。大山寺から先は、殆ど急な石段だった。それを下っていくというのは、ちょっと気が重い。この辺で見つかれば、と思いながらも見つからない。無情にもどんどん下っていく。
 「.....」
 こんなに下ってしまったと、落胆した時にようやく左手に立札を発見。(写真下右)
 『女坂の七不思議 その七 「眼形石(めかたいし)」。
  人の眼の形をしたこの石に、手を触れてお祈りすれば、不思議に眼の病が治ると言い伝えられている。』
(立札より) 
 ということで、花粉症のシーズンになると、目が痒くなり、涙が出てくることから脱却できるように石に手を触れながら祈った。
. ....ついでに老眼も治るように祈った。
[女坂の七不思議 その七と思いきや] [女坂の七不思議 その七]

 再び、男坂との合流点に戻る。しかし、空身とは言え、この急な階段は、辛かった。女坂の七不思議のその七で、約20分の時間ロスとなった。

 下社手前の茶店3軒のうち、2軒は、すでに開店準備に入っていた。
 テキパキと動き回る店のオバサンの姿を眺めながら、下社への階段に向かう。
[再び合流点]

 下社到着。
 今年初の大山参拝だ。陽がだいぶ高くなり、この時間帯になると、それほど寒さを感じなくなった。
 振り返れば、三浦半島の手前に江ノ島のシルエット姿が見えた。
 さあ、ここから本格的な山歩きだ。
 夫婦杉までは、ハアハア言いながら登っていたのだが、その先からようやく身体が慣れたようで、歩行ペースが上がってきた。
[下社を参拝]

 10:00、大山頂上に到着。もう山頂には、登山者が何人も休憩中。
 そういえば、山頂には三角点があったはずだと探す。最高地点の奥の院周辺を集中的に探してみるが、見つからず。結局、山頂標識の先、ベンチのある所で、三角点を見つけた。意外にもここは、最高地点から、一段低い位置だった。(写真下右)
ここで、関東平野側を撮影し、裏手にまわり、富士を眺める。
[大山頂上の御神木二代目] [三角点]

 大山頂上では、ゆっくりし過ぎた。10:40出発となる。
 見晴台へのルートを下っていき、大山の肩に到着。(写真下) ここで、MAPケースや、クマ鈴、ストックなどを取り出す。左折し、植生保護柵の間を通り抜け、石尊沢右岸尾根に向かう。
[大山の肩]

 すぐに視界の広がる尾根上に出る。電柱が2本立っていた。
 この電柱は、見覚えがあった。さっき大山頂上(トイレ横の広場)から見えていた電柱だったのだ。そうか、ここが石尊沢右岸尾根だったかと改めて認識。
 左手には、大山山頂が目に入る。(写真下)
 気温が相変わらず低い。顔に当たる空気が、自然と目と脳を刺激する。
[左手には、大山山頂]

 雪のない斜面を下っていく途中、ふと地図を取り出す。1/25000地形図を見たら、北東に下っていた。この尾根は、AYさんの山行記録に載っていた南大山沢からの枝尾根だと気がついた。こちらの枝尾根を下ってもいいのだが、今回は、一応、石尊沢右岸尾根を下るつもりなので、引き返す。
  ....OH MY GOD!

 ヒーコラ言いながら登り、尾根の分岐まで戻ってきたが、ここが尾根の分岐点とは分かりにくい。自然と北東に下ってしまうような箇所だった。
. ....北東側には雪がなかったことも、一因
 北側に続く尾根を下る。雪が結構、残っていた。(写真下)
[雪の中にルートあり]

 だんだん風が気になってきた。ものすごい冷たい風だ。ウィンドブレーカのフードを被る。
 11:32、小ピークに到着。(写真下)
 1/25000地形図での1030m圏峰のようだ。地形図通りに東側にも尾根が伸びていた。この地形から自分の現在位置を確信する。ここから北東へ続く尾根を下っていく。
[小ピークにて]

 樹林帯なので、一直線に下っていけないが、それほど歩きにくい訳ではない。
 だが、11:47、尾根の様相がガラリと変わった。今まで幅広の尾根だったのだが、急に両側が急斜面のヤセ尾根となった。(写真下)
 雪が目立たなくなったので、まだいいが、雪でコチコチの場合は、要注意だ。
[ヤセ尾根となる]

 12:09、尾根が右にカーブしていたので、その尾根筋を進んでいく。このあたり、尾根の左右は、抉り取られているような形をしている。だが、何気なく左を見ると、別の尾根が伸びていることに気がついた。このまま進むと、南大山沢寄りに下ってしまうようだ。ということで、引き返し、一つ手前の左の尾根に入り、下っていく。

 株立ちした幹の間を通り抜ける。ここもヤセ尾根だ。しかし、何気なく左を見ると、これまた別の尾根が伸びている。あれっ、ここではなかったか。ということで、ここも引き返すことに。

 分岐まで登り返し、さらに上へと戻る。結局、左に見えた尾根は、最初、尾根が右にカーブしていた地点から真っ直ぐ伸びた尾根だった。ここは、木立が多く、直進できるようには見えなかったのだ。
[右の尾根に入る]

 この尾根もヤセ尾根だった。
 途中、左側の石尊沢へ下れそうな斜面があったが、ここまで来たからには忠実に尾根筋を下っていくことにした。
 だいぶ降りてきた。左の石尊沢の涸沢がよく見える。
[ヤセ尾根が続く]

 結局、尾根の後半は、ずっとヤセ尾根ばかり通過していたという印象だ。
 風は、不思議なことに下るにつれて、強くなっているような気がする。こんな冷たい風は、丹沢でも珍しい。
 両側に涸沢が見えてきた。あと少しで沢に出られそうだ。
[左右に涸沢が見える]

 12:44、沢に下り立った。そのまま、下流方向に進む。
 冬枯れの林を進んだ瞬間、
  「そうだった。ここは」
と、あることを思い出した。
 2008年8月に第一回のニカニカ集会が開催された場所だった。
 M-Kさん、s-okさん、丹沢写真館さん、イガイガさん、シチミさん、massyさんと、7人で楽しい丹沢談話をした思い出の場所だった。
. ....今は亡きシチミ隊長も出席だった。
[思い出の場所]

 相変わらず、顔を刺すような冷たい風が吹き続け、この先、歩く気力が衰退。
 唐沢峠に上がり、結局、このまま下山することとした。
[唐沢峠にて ここも風が強かった]

 二の足林道を経由し、広沢寺温泉へと進む。途中、愛宕社にて参拝。(写真下)
 ここまで下ってくると、あの冷たい風も止んでいた。
[愛宕社にて]

 15:06、広沢寺温泉入口バス停到着。
 大山頂上にはあれほど登山者を見かけたのだが、こちらに下山するような登山者は、1名しか見かけなかった。
 伊勢原行きでも本厚木行きでもよかったのだが、今回は、本厚木行きが先に到着。バスに乗車し、無事帰路につく。
 [広沢寺温泉入口バス停]


 石尊沢右岸尾根は、途中、尾根の分岐が多く、特に後半は、ヤセ尾根だらけで、ここは、宮ヶ瀬尾根かと思えるようなヤセ尾根が分岐しておりました。(ですが、1/25000地形図には、そこまで明確に記されておりません)
 おかげで、地図とにらめっこしながらの山歩きが楽しめ、なかなか面白い尾根でした。ルートを間違え、引返すための登りが、なんだかバツゲームのように思え、独り苦笑いしておりました。



※山行時間には、撮影時間を含んでおりますので、ご注意下さい。