トップページ山行リスト(日付)>檜洞丸北尾根_記録20110521


檜洞丸北尾根

 山行日
2011年5月21日(土)       快晴       同行者:丹沢写真館さん、AOKさん
 コース
日蔭沢橋(8:02)〜(8:28)孫右衛門ノ滝〜(9:07)檜皮橋〜(9:16)源蔵新道入口〜<檜洞丸北尾根>〜(13:15)檜洞丸(13:22)〜(13:35)木道(13:47)〜(14:02)青ヶ岳山荘(14:08)〜(14:52)源蔵新道入口〜<源蔵新道>〜(17:14)源蔵新道入口〜(17:19)檜皮橋〜(17:53)孫右衛門ノ滝〜(18:14)日蔭沢橋
 今回も丹沢写真館さん、AOKさんとのトリオ山行です。
 コースは、日蔭沢橋から入り、檜洞丸北尾根経由で、檜洞丸山頂を目指しました。今回は、シロヤシオ開花には、まだ早い、単なる新緑山行だと思って出かけましたが、意外にも比較的標高の低い斜面にあったシロヤシオの花が多く咲き乱れ、予想外の花見山行となりました。おかげで、シロヤシオについては、去年は、白馬尾根、今年は、北尾根と、2年連続で恵まれました。
 詳細は、以下をご覧下さい。


 今日も天気は、快晴。雲ひとつない青空が広がっている。このところ、丹沢写真館さん、AOKさんとの山行は、晴れが続いている。
 日蔭沢橋の奥の駐車エリアは、既に満車状態で、手前の駐車場エリアから出発する。やはり、ツツジ目当ての登山者が多いということだろうか。

 今回の山行ルートにおいて、犬越路林道のヤタ尾根分岐点から先は、訪れたことがなかった。このあたりのエリアは、道志のバス本数が減ってしまった今、公共交通機関利用派にとっては、容易に近づけないエリアなのだ。そんな訳で、今日は、天気も宜しく、気合十分である。
 8:02、日蔭沢橋を出発。
[今回のスタート地点:日蔭沢橋]

 ゲートを通過し、犬越路林道を歩いていくと、孫右衛門ノ滝が右手に見えてきた。この滝は、名前だけ知っていた。
 新緑の中にほぼ垂直に水が白い筋をつけて落ちている、美しい滝というのが第一印象だ。だが、惜しいかな、今ひとつ高度感が出ていない。
 これは、
   ・林道の橋が、滝の真ん中、やや下あたりを横切っていることと
   ・水流が細く、木々に隠れてしまい、最上段の滝がはっきりしないこと
などの理由が思い浮かぶ。
 この橋をなくして、水量の多い時期に滝下から30mぐらい、水平にバックした所で、この滝を見上げてみたい。そんな勝手なことを思ってしまった。
[孫右衛門ノ滝]

 日陰を歩くケースが多かったのだが、檜皮橋手前で、日陰がなくなった。今日は、どういう訳か、帽子を忘れてしまい、バンダナを頭に巻いている。それにしても暑い。一気に夏が押し寄せたような感じだ。
 檜皮橋の左奥には、逆光ながら、蛭ヶ岳が見えた。その手前の山がミカゲ沢ノ頭だろうか。(帰宅後、カシミールで確認したら、ピークに見えたのは、ミカゲ沢ノ頭頂上より手前の小ピークだった)
 新鮮なアングルを堪能しながら、橋を渡る。
[檜皮橋手前にて]

 9:13、黄色い案内板前に到着。
 ちょうど1/25000地形図の724m地点あたり、左のガードレールに黄色い案内板が立ててあった。(写真下) この先で、犬越路林道は、右手に戻るようにカーブしている。その手前で左折し、彦右衛門谷の方に進む。
[林道左に取り付けてあった案内板]

 堰堤が連続している彦右衛門谷の左岸沿いを進む。
 途中、源蔵新道入口へと左折を示す手製の黄色い道標があった。(写真下)
 今回は、そのまま直進していく。
 9:20〜9:24、堰堤(いくつもあるのだが)が左に見える所で、小休止とした。スタートしてから初めての休憩だ。ペットボトルを開けて飲む。こんなに早く水分補給するのも珍しい。
  ....ここでAOKさんから小さなトマトを戴く。ご馳走様でした。
[彦右衛門谷左岸を進む]

 小休止後、正面の植林帯に続く経路をたどる。
 植林帯の中に荒れた経路が続いている。日陰のおかげで、歩きやすい。
[植林帯に入る]

 植林帯をジグザグに登っていくと、やがて右手にトラバースするように進む。その先は、自然林だ。太陽に照らされた新緑が眩しい。
[自然林に突入]

 自然林に出たかと思ったら、再び植林帯に突入。今度は、傾斜が急だ。左右に折れ曲がりながら、高度を稼いでいく。
 9:59、ここが、1/25000地形図での972m地点かなと思う。ピークでもなんでもなく、単なる尾根の一地点だった。
[植林帯の急斜面]

 前方が、明るくなった。近寄ってみたら、ちょっとした広場だった。周りにワイヤーやドラム缶が埋まっている。ヤカンも見つけた。何か小屋跡のような感じだ。(写真下左)
 「ここで小休止にしましょう」となったのだが、日陰がなく暑そうなので、10m先の植林帯の中でコーヒータイム(10:22〜10:50)とした。(写真下右)
 休憩中に中高年ご夫婦1組が通過していった。
  ....こんなコースで人に出会うとは、ビックリ。
[作業小屋の跡地?] [コーヒータイム]

 コーヒタイムを終え、約10分弱で、植林帯を抜けた。(写真下)
 ここもちょっとした広場だ。左後方に振り返ると、蛭ヶ岳のピークが植林帯の間から、チョコンと見えた。
 蛭ヶ岳が見えれば、それなりに感動するものだが、今回、それ以上に目を釘付けとなったのが、これから進んでいく自然林の新緑だった。
  ....萌え萌え状態。
[植林帯から自然林へ]

 一歩入り込めば、そこは、別世界。まさにそんな印象を持った。太陽光が差し込み、余計、新緑の葉が明るく見える。
 ここにデッキチェアーを持ち込んで、一日中、読書してみたい。そんな気分になって、しばし立ち尽くす。
 登っていくと、株立ちしたイヌブナの新緑が目立ってきた。
[新緑の自然林]

 「そろそろシロヤシオが咲いていませんかね。」
と、丹沢写真館さんと話をしていたら、ちょうど
 「見つけた!」
と丹沢写真館さん。
 指差す、その方向には、シロヤシオの花が。(写真下左)
 今年初のシロヤシオということで、じっくりと撮影。
[鮮やかな新緑が続いて、感動の嵐] [シロヤシオの花を発見]

 さらに登っていくと、尾根のあちこちにシロヤシオの花が目に留まるようになった。
 おかげで、一気にペースダウンとなり、撮影会の連続。直進せず、尾根を右へ左へとシロヤシオを目指して進んでいく。
[シロヤシオは、いたるところで咲いている]

 もうカメラをしまう必要がなくなってしまった。常に右手には、カメラを持ちながら歩いていく。
 今度は、トウゴクミツバツツジが咲いているのを発見。(写真下)
 「これは、美しい。問題は、写真の腕ですね。」
なんて言いながら、撮影会が続く。
 シロヤシオを撮影。
[トウゴクミツバツツジも咲いていた]

 イヌブナ林という感じだった北尾根だったが、ここにきてブナの大木が出てきた。
 その一本を見上げて撮影。(写真下)
 ブナといえば、立ち枯れが問題視されているが、このあたりのブナは、元気そうである。
[立派なブナの大木を見つけた]

 この北尾根の斜面は、非常に登りやすいレベルの勾配だ。直登しても、そんなに息が切れるということはない。まだまだシロヤシオの群落が続く。
 檜洞丸のシロヤシオといえば、ツツジ新道付近が有名だが、なかなか花満開となるようなタイミングで訪れたことがなかった。
 というか、丹沢を歩き始めて20年、これほど、開花したシロヤシオが続くのを見たのは、初めてだった。
  ....北尾根、いっぺんで気に入ってしまった、
[まだまだシロヤシオが咲いている]

 標高1400mを越えても、シロヤシオやトウゴクミツバツツジの木々は続く。だが、標高が高くなったため、蕾状態の木が多くなった。この辺りの標高のシロヤシオが咲くのは、1週間後ぐらいだろうか。

 12:32、尾根の途中、標高1540mぐらいの地点で、ランチタイムとした。倒木に腰掛けて、昼食をとっている時に、上から下ってくる登山者とすれ違った。こんなコースを選択する登山者は、珍しいなと思ったら、コーヒータイムの時に追い越された中高年ご夫婦だった。
 北尾根を登り、檜洞丸頂上に達した後、同じコースで戻られるようだ。挨拶後、一言二言、会話をすると、どうやら例年、この北尾根を歩かれている方らしい。道理で、コースに慣れた歩き方だと思った。やはり、このシロヤシオに出会うのが目的なのだろう。後姿を見送る。
[途中でランチタイム]

 ランチタイム後、今までと同様に直登していく。
 地面には、バイケイソウが目立ってきた。遠くから見るとバイケイソウが一面、地面を覆うように見えるが、実際は、隙間だらけだ。バイケイソウを踏まないように進んでいくと、頭上に人声を聞く。
 見上げると、山頂で休憩している登山者が見えた。
 ここから、3人がバラバラに進んでみることになった。私は、左側の経路を探しながら進む。青ヶ岳山荘に向かう経路がある筈と聞き、それを探すように歩いてみた。だが、結局、見つけることができないまま、山荘と頂上の間で、登山道に合流した。
 そこから檜洞丸頂上に向かう。
[バイケイソウが多くなってきた]

 13:15、檜洞丸頂上に到着。
 山頂には、50〜60人ぐらいの登山者が休憩中だった。
 すぐさま、丹沢写真館さん、AOKさんと合流。
[檜洞丸頂上に到着]

 山頂には、思い出のあるブナの大木があったのだが、どうやら立ち枯れてしまったようだ。この時期になっても新芽をつけていない。(写真下)
 四方に伸ばした枝が印象的だった木だったのだが、ある時、そのうちの太い1本の枝が、付け根の部分から折れてしまった。その枝は、今でもベンチの前に横たわっている。
 以前の姿を思い出す。
[立ち枯れてしまったようなブナ]

 山頂を後にし、ツツジ新道の方へ下っていく。丹沢写真館さんの希望で、木道のバイケイソウを見物。木道の所で小休止とする。(13:35〜13:47)
 ここで、ウロのある木(シナノキ?)や、バイケイソウをのんびり観察。

 再び来た道を戻り、右に保護柵が現れたところで、保護柵沿いの経路に入る。
 これを進んでいくと、頂上を巻いて、青ヶ岳山荘に行ける。
 途中で、塔ノ岳を望む。 
[木道に向かう]

 14:02〜14:08、青ヶ岳山荘前で小休止。
 この後、蛭ヶ岳方面に下っていく。
[青ヶ岳山荘の前に出た]

 下っていくと、バイケイソウの姿が次第に消えていく。ここの下りは、途中で蛭ヶ岳の眺めのいい崩壊地の上に出るのだが、そこを過ぎてしまうと、もう視界が広がらず、下っていくだけである。
 14:34、平坦な歩きとなり、ようやく下りが終わったようだ。涼しい風が、右手斜面から吹き上げてきて心地良い。

 14:39、源蔵新道に入る前に小休止。
 ここで、凍らしておいたミカンの小さな缶詰を食べる。もうコチコチ状態ではないが、口の中が十分冷え、体温が下がる感じだ。
 よく見たら、なんと目の前にシロヤシオが咲いていた。
[檜洞丸から下っていく]

 14:49、小休止から出発。
 2、3分も歩いたら、源蔵新道入口に到着。左折し、三歩進んだ所に新しい道標を発見。(写真下)
 ここから、いきなり、急斜面の下りとなる。
[源蔵新道への入口]

 右手は、崩壊地で、ロープが張ってある。(写真下)
 丹沢写真館さんとAOKさんは、以前、この源蔵新道を歩かれたことがあり、ここの崩壊地が、以前より崩壊が進んだような話をされていた。私は、北尾根に続いて、この源蔵新道も初訪問なので、ちょっとワクワク気分。
[いきなり崩壊地横を通過する]

 ヤセ尾根を下っていくが、右側には崩壊地が多い。
 右下の崩壊地を覗いてみると、斜面の下の方には、根こそぎ倒れたシロヤシオが真っ白な花をつけていた。
 振り返ってみれば、崩壊地のスレスレのところに満開のシロヤシオが目に入った。(写真下)
 だが、このシロヤシオも何年後かで、斜面の下で倒れているシロヤシオと同じ運命をたどりそうだ。
 右手奥に蛭ヶ岳を望む。シロヤシオと蛭ヶ岳で、思わず撮影タイム。(15:14〜15:18)
[崩壊地の所にもシロヤシオが満開(振り返って撮影)]

 15:21、尾根の分岐点。右の尾根に向かう。ここには、何か道標が欲しい所。
 15:34、尾根がまたしても、左右に分かれる。
 1/25000地形図で確認すると、ここは、標高1240m付近で、左は、1244m地点に向かう尾根。右は、北東に続く尾根だ。よく見ると、左の尾根側にやたらと赤テープが付けられてあった。ということで左を行く。ここは、以前、右手の尾根を進み、途中で左側の尾根に登り返すようなルートだったようだが、今は、素直に左の尾根を進むコースになってしまったらしい。(昔は、左側の尾根が、ササヤブなどで進入不可だったため、迂回していたのではないかと推測)
 左の尾根を進むと、すぐにシロヤシオが現れた。

 15:48、直進の尾根に入らず、左手に斜面を緩く下っていき、左側の尾根に向かう。(写真下)
 源蔵新道の尾根は、意外と尾根の分岐が多い。下りは、要注意だ。
[直進せず、左の尾根に向かって下っていく]

 自然林の中、歩いていて心地よい気分になる。標高1200mぐらいの地点だ。
 だが、だいぶ下ってしまったようで、シロヤシオの姿は、見えなくなった。
[自然林の下り]

 やがて自然林も終わり、ヒノキの植林帯となる。
 その後、左手は自然林で、右が植林帯という境界線あたりを下っていく。
 再び植林帯となる。(写真下)
 だが、よく見ると、歩いている尾根筋部分だけが植林帯で、その先は、両側ともに自然林となっていた。
[植林帯となった]

 16:30、鞍部に到着。直進すれば、846m峰に向かう地点である。ここで経路は、左に折れ、斜面を下っていく。この鞍部には、黄色いテープがあり、直進は、「林業」、左が「源三新道」と読めた。(写真下)
[鞍部に到着。ここで左折する] [黄色いテープ]

 この源蔵という文字も、源三だったり、源造だったり、いろいろな字が出てくる。「源」は、みな共通しているのに「蔵」の字にいろいろバリエーションがあるのは、何故だろうか。(「蔵」の画数が多いせいか)
 植林帯の中、浮石が多く、嫌らしい下りを終え、彦右衛門谷の右岸に出た。ここで小休止。デザートタイムとした。(16:43〜17:10)
 ゆっくり休憩した後、対岸の林道に上がれば、朝、通ってきた左岸経路だ。
 これで、檜洞丸北尾根、檜洞丸、源蔵尾根と、一周してきたことになる。
[彦右衛門谷に出た]

 帰りは、ノンビリと犬越路林道を歩く。
 18:14、日蔭沢橋に無事、戻ってきた。振り返ると、犬越路の稜線上に怪しげな雲がこちら側に流れてくるところだった。風が強くなり、天気が崩れそうだったので、早々に帰路につく。
 [日蔭沢橋に無事、戻ってきた]


 丹沢写真館さん、AOKさん

 ご同行ありがとうございました。絶好のタイミングのシロヤシオに痛く感動し、とても印象深い山行となりました。
 ですが、帰宅後、撮影したシロヤシオは、白い被写体ということで、イマイチのものばかりでした。シロヤシオの撮影をもっと研究しなくては、と反省です。
 [アカバナヒメイワカガミ]



※山行時間には、撮影時間を含んでおりますので、ご注意下さい。