トップページ山行リスト(日付)>湯船山・不老山_記録20110618


湯船山・不老山

 山行日
2011年6月18日(土)         雨         単独行
 コース
明神峠(9:32)〜(10:15)湯船山(10:21)〜(10:48)白クラノ頭〜(12:05)峰坂峠〜(12:27)樹下の二人(12:29)〜(12:34)世附峠(12:38)〜(13:00)不老山南峰(13:02)〜(13:05)不老山(13:32)〜(13:43)不老山南峰〜(13:48)金時公園分岐〜(14:30)生土山分岐(14:33)〜(15:12)484m峰〜(15:45)R246陸橋下〜(16:11)駿河小山
 中型カメラを担いで、さてどこに行こうかと思案していますと、土曜日は、天気が午後から崩れていく予報となっていました。それならば、雨が降っても歩きやすいコースということで、今回、不老山へ行ってきました。
 目的は、遅ればせながら、サンショウバラです。
 天気は、予想通りの雨でしたが、幸い、風はなく、傘を差して、のんびり歩いてきました。 
 
 8:33、御殿場線で、駿河小山到着。
 ホームに降り立つと、残念ながら、霧雨状態。自宅を出る時は、まだ雨は降っておらず、午前中ぐらい天気がもってくれるかなと期待していたのだが、現実は、そう甘くなかった。
 9:00少し前に明神峠行きのバスが到着。
 こんな天気だが、乗客は、全部で10人。よく見ると、5人と4人のパーティと、単独の自分だった。
 公共交通機関利用派として、今シーズンも運行してくれることは、ありがたいことだ。
 だが、昨年のように須走の温泉割引券を乗客に配るような振舞いは、なかった。
[駿河小山駅にて]

 9:26、明神峠到着。
 他のグループは、東西どちらに向かうのだろうと見ていたら、2組とも湯船山方面だった。どうやら、皆、サンショウバラ目的のようだ。

 明神峠で道標などを撮影していたら、いつのまにか誰もいなくなってしまった。
 9:32、明神峠をビニール傘を差しながら、歩き出す。
 雨は、小雨となっていたが、風は吹いておらず、雨具を着るのは、やめにした。
 この時期だと、どうせ歩き出したら、汗ダクになるので、雨具は嫌いなのだ。
[今回のスタート地点:明神峠]

 すぐに西群馬幹線の送電鉄塔下を通過する。
 見れば、先行した2つのグループが立止まっていた。なんでだろうと思い、近づいていくと、そこには、サンショウバラが雨に打たれながらも、見事な花を咲かせていた。

 まだ咲いたばかりのような感じで、花の色も濃い。これは、予想外の出来事だ。この調子だと、樹下の二人の手前や、不老山頂上にあるサンショウバラも、まだ花が多いかもしれない。今年は、ツツジ開花が少し遅かったから、期待できそう...この時は、そう思いながら、デジカメ撮影に興じる。
[西群馬幹線送電鉄塔] [サンショウバラ]

撮影後は、ひたすら歩くだけ。
 ふだんであれば、デジカメで撮影しながら歩くのだが、雨の中では、その機会が一気に減少する。
 途中で、2パーティを追い抜く。
 10:15、湯船山頂上到着。
 撮影していると、2グループが到着したので、早々に出発する。
[湯船山頂上にて]

 先ほどから歩いて気になったのが、木の幹に付けられた赤ペンキだ。
 1年前に歩いた時には、このようなマーキングはなかったと思ったのだが、ついにこの山稜にも三国山稜と同じようにマーキング旋風が起こったようだ。
[やたらと赤ペンキが目立つ]

 霧の中から目の前に大木が現れた。
 よく見れば、ブナではないか。
  ....たぶん。葉っぱが高くて、よく見えず。どうも樹木に自信なし。

 そうだ。そうだったのだ。この辺り、確か昨年訪れて、ブナの木が目立っていたことを思い出した。
 そんな訳で、ブナの木を探す楽しみを味わいながら、ゆっくり歩く。
 登山道右側に結構、ブナの木(らしい)が、チョコチョコ見つかる。見上げれば、立ち枯れた様子もなく、頼もしい限りだ。
[ブナの木(1)(たぶん)] [ブナの木(2)(たぶん)]

 10:48、白クラノ頭到着。
 まだI翁の道標(写真下左)は、健在だ。
 そのI翁の道標に向き合うように新しい小山町のトレイルロードの道標が立っていた。
 三国山方面で見かけた道標と同じ形をしている。(写真下右)
[白クラノ頭にて] [新しい小山町の道標]

 白クラノ頭の先で、高度は一気に下がっていくのだが、その下りになる直前にもブナの木(たぶん)を見つけた。幹の太さと、枝振りは、なかなか力強い。レンズを向けている手にも力が入った。
 この後、ロープの張ってある斜面を下っていく。
 ここで滑ったら、ズボンがドロだらけになることは、必至。
 スリルとは別の意味で、緊張して下る。
[ブナの木(3)(たぶん)]

 周囲が植林帯に変わった。
 正面には、部分的に伐採された斜面が広がる。晴れていれば、伊勢沢ノ頭方面の山々が見える場所だ。今日は、ここだけ、伐採のおかげで異様に明るかった。
 斜面奥に垂直に伸びた植林の木々が霧の中に薄っすらと姿を見せる。このとき、これら木々を被写体にしたい衝動が走った。そんな訳で、雨が降る中、中型カメラをザックから取り出し、三脚にセットし始めた。(11:24〜11:39) カメラコートを使用するなんて、久々だ。風が吹かないので、カメラを濡らすこともなく、無事、撮影終了。

 その後、植林帯の直線路を下っていく。(写真下)
 ここにも赤ペンキが。
[植林帯の斜面にて]

 斜面を下っていけば、左手に新しい林道を見る。
 その林道と、ほぼ並行に山道が続く。

 ベンチのある小広場に出た。(12:05)
 確か、このベンチがあるところが峰坂峠だったと思ったが、道標を見つけることができなかった。ベンチの右側を進めば、湯船林道に出られる経路があるのだが、誰も歩かないせいか、草に覆われ、道があるようには全く見えない。
 登山道は、ベンチの左側へと通じている。今日は、そちらへ進む。
[峰坂峠にて]

 登り坂を進み終えたところで、右手に保護柵が現れる。天気が良ければ、不老山が眺められる場所だが、今日は、一面、乳白色の世界。
 下り斜面になって、サンショウバラの木を発見。
 一つだけ、正面を向いた花が、挨拶代わりのように咲いていた。(写真下)
[サンショウバラに出会う]

 先ほどの花を見て、まだ期待できるかもと思い、樹下の二人手前の登り斜面で、左折し、サンショウバラの林に入っていく。
 ここは、丹沢におけるサンショウバラ銀座通りのようなところなのだが、既に開花ピークが過ぎているのが、すぐにわかった。咲いている花には、瑞々しさがなく、むしろ地面に散乱した花弁の方が、印象的だった。
 また、蕾は、もう見当たらなかった。やはり、今年は、ちょっと遅かったようだ。
[サンショウバラの林にて]

 12:27、樹下の二人到着。どうやら丘の上の一本木は、立ち枯れてしまったようだ。この時期でも葉を付けていなかった。(写真下左)
 また、I翁の手書き道標「樹下の二人」も、地面に置かれている状態だった。(写真下右)
 立ち枯れの木に、壊れた道標と、ちょっと寂しい光景の樹下の二人だったが、ここでもサンショウバラに出会う。
[樹下の二人にて] [手製道標]

 12:34、世附峠到着。
 この先の不老山の登りを思うと、右手の林道でさっさと下って行きたくなるが、林道は、通行止めとなっており、ご丁寧にもロープが張られてあった。(写真下右) どこで見たのか、思い出せないのだが、この林道は、山口橋までの途中、何箇所も崩壊している地図を見た記憶があった。
 不老山から下ってきたパーティが、地図を広げて話し合っている。どうやら林道を下って帰路につく予定だったらしい。だが、樹下の二人の先のサンショウバラを見物して、再び不老山に登り返す決心をされたようだ。
[世附峠] [林道通行止め]

 13:05、不老山頂上到着。
 幸い、雨がちょうど止んだ。頂上のサンショウバラに近づいてみると、やはり、ここも花が枯れ始め、蕾も見当たらず、ピークを過ぎているのが分かった。
 また、山頂標識の奥に立っていたサンショウバラの木は、残念ながら倒れていた。それでも花を咲かせている姿は、見ていて、ちょっと痛々しい。
[不老山頂上] [不老山頂上標識]

 13:32、不老山頂上を後にする。再び、雨が降り始めた。
 不老山南峰を過ぎ、南側へ下っていく。
 13:48、金時公園分岐点に到着。(ここまでサンショウバラを探しながら歩いてきたので、距離の割には時間がかかっている)

 金時公園方面(右折)の方が、今日のような雨の場合、林道歩きになるので歩きやすいかなと思っていたが、通行注意のカンバンが立っていた。どうも通行止めには、なっていないが、崩落や洗掘等があるとのこと。
 そういえば、前回は、金時公園を歩いたような気がしたので、今回は、駿河小山町のトレイルロード認定となった、左側の不老の活路を進むことにした。
 こちらは、トレイルロードということもあるせいか、崩壊等の注意書きはなく、通行可能となっていた。
[金時公園分岐点]

 いきなり急な直線路となるが、階段状に整備されていた。トレイルロードとなる時に整備されたのかなと推察。それにしても雨は、全く止みそうにない。かなりガスが濃くなってきた。
 送電鉄塔が、突如現れる。東京電力新秦野線九という小さなプレートがついていた。
 その後、「緑を大切に」のカンバンを見つけた。
 「新秦野線」と表記されてあり、送電鉄塔を示しているのが、わかる。
[ここでも「緑を大切に」の立札が]

 14:30、林道分岐点到着。小山町のトレイルロードの道標がここにも新しく立っており、その道標には、「生土山分岐」と記されてあった。右折して、林道に出ても、確か駿河小山駅には行ける筈だと思ったが、この道標では、直進の不老の活路(トレイルロードのルート)側だけに駿河小山駅への文字が記載されてあった。
 また、ここには、半次郎と書かれたI翁の手製道標も立っていた。(写真下右) ちょっとユーモアのある道標だ。思わず近づいて、繁々と眺める。
[生土山分岐点] [半次郎という道標?]

 谷ヶ山のピークを右からから巻いていく。ピークは、植林帯に覆われた地味な山頂である。

 相変わらず、雨が降り続き、ビニール傘を差しながら歩いているが、ここにきて、だいぶ暗くなってきた。おかげで、カメラの撮影に手間取るようになった。
  ....ISO800に変更したりして撮影。
[谷ヶ山ピーク方面を見上げる]

 延々と植林帯を進む。このあたりは、晴れていても、視界が広がるような場所がないことを知っているだけに、ガスで何も見えなくても、それほどストレスを感じない。

 15:12、484mピークにて右折する。(写真下)
 楽しみと言えば、I翁の手製道標だ。
 道標の柱には、何かしらの器が被せてある。柱に水が染み込まないようにするための処置だと思うのだが、この種類が豊富だ。あるときは、調理用のボウル(金属製)、拡声器のスピーカ部分など。ここでは、バイク用ヘルメットが採用されてあった。 
[赤ヘルのある道標]

 県境尾根ルートの分岐点を過ぎると、ますます暗くなり、ストロボ撮影でないと、写らないような状況になった。
 だが、尾根を乗換え、赤根沢の源頭部を左下に見ながら進むと、I翁の道標が目についた。というのも、このあたりだけ樹林が切れているせいか、明るかったのだ。
 I翁の道標によると、ここは、無言坂というらしい。
 道標には、
  「明神峠より6時間、....」
 と書かれてあり、時計を見たら、確かに明神峠を出発してから、5時間54分経っていた。
. ....ちょっとビックリ。
[無言坂]

 その後、送電鉄塔明神線No.11の横を通り、青い手摺が付いている急な階段を下っていく。
 ここを下ってしまえば、あとは、沢沿いに歩いていくだけだ...と思いきや、目の前に予想外な光景が広がった。
 右手に堰堤(ダム?)工事が進行中だった。かつて見られた林の中の沢風景は、微塵も残っていなかった。
[堰堤?工事]

 沢に出てからは左折し、かつては、沢沿いの経路(東丹沢であれば、ヒルがウヨウヨ出てきそうな経路)を歩いたのだが、今や立派な林道と変わっていた。
 奥の堰堤工事のためだろうが、それにしても派手に変えてしまったものだ。
[立派な林道あり]

 車道に出てからは、ひたすら歩き、富士見橋経由で駿河小山駅に到着。
 結局、傘を閉じることができたのは、ちょうど不老山頂上にいた時だけで、あとは、ビニール傘を差しっぱなしだった。だが、天気の悪い日に傘を差して山を歩くのも、乙なもの、そう思えた1日だった。
 [ようやく駿河小山駅に到着]


 花や、紅葉目当ての山行は、毎年、状況が異なりますので、たとえ同じ花、同じ紅葉を訪ねても、意外性があるのが面白いところです。今年のサンショウバラは、やはりピーク時期を外してしまい、今ひとつでしたが、それでも1,2本は、いい花を見せてくれました。

 なお、今回利用しました明神峠行きのバスは、富士急HPによれば、今シーズン、2011/10/31までの土日祝日のみ運行となっていました。
 そんな訳で、今年も何度か利用したいと思っております。



※山行時間には、撮影時間を含んでおりますので、ご注意下さい。