トップページ山行リスト(日付)>鍋割山_記録20110716


鍋割山

 山行日
2011年7月16日(土)・17日(日)      晴       同行者:父
 コース
大倉(9:43)〜(11:21)二俣〜(11:48)ミズヒ沢(12:25)〜(12:56)後沢乗越(13:21)〜(15:14)鍋割山(泊)
鍋割山(7:12)〜(8:10)後沢乗越〜(8:40)ミズヒ沢(8:56)〜(9:15)二俣〜(10:43)大倉
 今回、鍋割山荘の夏の恒例イベント「ヒメボタル観察会」に参加してきました。鍋割山荘のイベントは、他にも春の「花の集いパーティ」、秋の「丹沢のキノコ鍋を食べる会」があります。これらには、何度か参加したことがあるのですが、真夏に開催される、このイベントは、花立小僧にとって初めてでした。
 「ヒメボタル観察会」というのは、その文字の通り、ヒメボタルというホタルが鍋割山荘付近に現れることから、その光る姿を観察しようというものです。だいたい丹沢の山の中にホタルなんて、いるのかな?と思っていましたので興味津々、期待度十分です。
 また、その観察会前にゲストの小山義和さんによるヨーデル、ミュージックソー、オカリナ等の演奏も催され、父とともに楽しいひと時を過ごしました。
 詳細は、下記をご覧下さい。


 大倉に9:33到着。
 見上げれば、上空は青空が広がる。真夏なのに雲がないというのも珍しい。
 9:43、出発。
 強烈な直射日光が肌を刺す。とても野球帽レベルで遮れるとは思えず、この際、格好を気にせず、雨傘を差してしまった。

 今日は、暑くなりそうだ。これでは、この先の林道歩きが思いやられる...と思ったのだが、ミズヒ沢まで続く西山林道は、意外にも木陰が多く、傘を差す必要がなかった。
[今回のスタート地点:大倉バス停]

  今回、同行の父は、今年6月で83歳になった。だが、この林道歩きは、以前のスピードとは、あまり変わらない。但し、従来と違って、最近は、1時間に1度は休憩を取るようにしているとの事。どうも年を取ってから、身体(特に足腰)が疲れていても、本人自体は、その疲れを即座に感じなくなったようで、このため、時間が経ったら、休むというようにしているらしい。

 黒竜の滝分岐点で、ちょうど歩き始めて1時間だったので小休止。ここにはベンチもあり、休むにはちょうどいい。それに二俣の方から、何とも言えない涼しい風が吹いてくる。
 今日は、どういう訳か、腹が減り、ここでパンを食べる。
 ザックに入れたハイドレーション(今年初の使用)は、もう氷しか残っていなかった。まあ、氷の比率が高かったので、歩いているうちに、また水ができるだろうと楽観的に考える。
[西山林道を行く]

 11:21、二俣を通過。駐車の車は、5台。予想以上に少ない。真夏の丹沢には、それほど登山者がやってこないということだろうか。
 勘七沢を渡ると、林道の勾配がきつくなっていく。
 途中で休憩中だった鍋割山荘常連組のGさんグループと出会う。Gさん達も本日の山荘イベントに参加されるようだ。
 「それでは、お先に」と、先に歩き出す。

 11:48、ミズヒ沢にて小休止。ランチタイムとした。(写真下)
 食事中、Gさんグループに追い抜かれる。その後も、何組かの登山者が通り過ぎていく。
 ここには、鍋割山荘用に水の入ったペットボトルがボランティア用に何本も置いてある。ザックの中にそのペットボトルを何本か入れて出発する。
[ミズヒ沢にて小休止]

 植林帯の中、山道傍らには、マツカゼソウの葉が目立つ。
 山道先には、鍋割山荘常連組のGさんグループの姿が見える。
 後沢乗越へ登っていくときにトレイルランナー姿の男女4、5人のグループとすれ違う。この暑い中、走れるというのは、すごい体力の持ち主だなと思う。

 また、ここに来て周囲は、セミの大合唱。エゾハルゼミとヒグラシのようだ。さっきまで晴れていたのだが、山にガスが湧き、陽が差し込まなくなったせいだろうか。ものすごい音量で、頭にズキズキ響く。

 後沢乗越にて、小休止中のGさんグループに追いついた。
 この後、Gさんグループが先に出発、休憩場所で追いつくということを何度も繰り返す。

 急な登りにようやく呼吸が慣れてきたころ、ウエストバッグの中の携帯にメールが入ってきた。
 「???」
 一瞬、緊張感が走る。だが、仕事上の連絡であれば、メールというのは、ありえないな〜と差出人を見ると、なんとイガイガさんからだった。内容は、本日夕方での飲み会のお誘いメールだ。
 「う〜む。残念。」
 すぐに返信する。この先、メールが通じるとは限らないからだ。
  ....ということで、イガイガさん、別の機会に宜しくです。
[鍋割山への登り]

 ようやく鍋割山へ。(15:14)
 山頂に出ると、後沢乗越あたりから出てきたガスが、いつの間にか消え、西日が差していた。さっきまでの曇り状態がウソのようだ。
 山荘に入って草野さんご夫妻に挨拶。
 ロング缶を注文し、山荘の外に出て、乾杯。冷え冷えのビールが喉を潤す。
[ようやく頂上へ] [ロング缶で乾杯]

 その後、山頂周辺をカメラを持って歩き回り、気がつけば、17:15、夕食タイムとなった。
 本日の宿泊者は、30人弱といったところ。
 草野さんの挨拶から始まり、乾杯。今日は、イベントなので、特別料理となっていた。
 食事が終了した頃、西に沈む夕日を観賞。
 山荘の泊り客が皆、外に出ていく。
 富士山の姿
 真夏の夕日
[夕日を観賞]

 山荘に戻って、今回のイベントの一つ、ゲストの小山義和さんによるヨーデル、ミュージックソー、オカリナ等の演奏を鑑賞。清らかなヨーデルの声の一方、、背筋が寒くなるような響きのミュージックソーなど、日頃では、なかなか味わえない音楽の世界に浸る。

 約1時間のコンサートが終了し、いよいよヒメボタル観察会となり、山荘の外に出た。
 常連の方々に聞くと、例年、ヒメボタル観察会といいながら、最近は、数が減って、乱舞する姿は、なかなか見れないらしい。(以前は、多数のヒメボタルが当たり前のように山荘付近で飛交っていたとの話だが)
 また、ホタルといっても、ヒメボタルは、ゲンジボタル、ヘイケボタルといった川辺のホタルではなく、陸生のホタルとのこと。日本では、ホタルというと清流に棲むというイメージがあるが、世界のホタルから見ると、陸生のホタルの方が普通らしい。
 そんな予備知識をホタル観察の前に仕入れた
[ヨーデルを鑑賞]

 山荘裏手の尾根に到着。
 「ライトを消して」と、前方の人から声がかかる。
 真っ暗な山稜には、月の明かりと、南側の秦野盆地の明かりが差し込んでくるが、北側斜面に目を向けると、そこは、完全に暗闇の世界だ。
 すると、2、3分もしないうちに、誰かの「いた!」との声が。目を凝らすと、北側斜面の地面近くに何かチカチカ光りながら、離れていくのが見えた。
 「今のがホタル?」
 正直なところ、ちょっと、よく分からなかった。すると、今度は、南側斜面で同じようにチカチカ光るものが。
 今度は、はっきりと分った。さっきより、飛び方がゆっくりだったこと、近づいてくる方向だったので、目で追っていけた。
 ホタルのことを知らずに夜間登山し、この光に遭遇したら、ちょっとゾッとしてしまうだろう。水のない所で、ホタルとは、なかなか思いつかない筈だ。そんな事を一瞬、思ってしまった。

 ホタル観察会を終え、山荘入口に戻ってきた。
 すると、先ほどまでホタルの説明をして頂いた方(「ホタルの先生」と呼ばれていた)が、今度は、星座の先生に早変り。
 おかげで、久々に白鳥座、琴座、さそり座などの星座を教えていただく。
 ....「ベガ」、「アンタレス」なんて、ホント懐かしい言葉

 また、西側の低い位置に見える星が、土星だとは、知らなかった。
 流れ星も見た。
 ....だが、願い事が、言えるほどの時間でなかった。

 残念ながら、徐々に月が上空に登っていくにつれ、星が見えにくくなっていく。
 こんな時に満月とは、ちょっとタイミングが悪い。

 そんな星を見ながら夜は、更けていった。
[山荘北側の蛍見物エリア(写真上は、明るい内に撮影したもの)]

  翌朝、周囲が明るくなって目が覚める。
 外に出てみたら、写真を撮りたくなるような光景が広がった。

 朝食もたっぷり食べて、7時過ぎには、山荘を出発することに。
 今回は、このまま素直に山を下ることにした。
[翌日の朝も快晴]

 さて、父の行動だが、やはり、登りの時よりも下りの方が見ていて危なっかしい。
 登りの時と、さして変わらないペースである。
 父自身、下りが遅くなったことを認識しており、「年をとったもんだ」と感じるらしい。

 途中、ボッカ姿の草野さんとすれ違う。
 草野さんは、昨晩、山荘に泊まらず、本日の食料類を担ぎ上げるために山を下られ、その結果のすれ違いである。
 昨晩のイベントにお礼の挨拶をし、力強い後姿を見送った。
[栗ノ木洞を望む]

 8:40、ミズヒ沢到着。
 ここで小休止。だいぶ暑くなってきた。今日もいい天気だ。木立の間から熱線のような太陽光が差し込んでくる。
 ここまで24人の登山者とすれ違った。休憩中にも6人。
 こんな暑い中でも鍋割山に向かう登山者が多いことにビックリ。
[ミズヒ沢にて小休止]

 西山林道は、前日同様、木陰が続き、それほど暑さは感じなかったが、風が吹かないので、涼しさが無く、我慢の歩行である。父は、平地になると、全く問題なく、これが老人の歩きかと思えるほど、スタスタと歩いていく。やはり、課題は、下りである。
 10時半を過ぎて、大倉手前の舗装路に出た。
 畑には、黄色い花が、葉の下で隠れるように咲いていた。ちょっと珍しいタイプの花の咲き方だ。父から、これは落花生だと教えられる。
 帰宅後、調べてみると、確かにこの花が受粉後、子房柄が伸びて、地中に潜り、子房が膨らんで結実するらしい。
  ....ここは何度も通っているが落花生畑とは知らなかった。
[落花生畑]

 10:43、大倉バス停到着。
 上空は、雲ひとつない快晴。
 バス停は、バスが行ったばかりのようで人影がなかった。
 顔や靴を洗ったり、着替えたりして、バスを待つ。
 [大倉バス停に到着]


  今回、初めてヒメボタルを見て、その神秘的な光に感動しました。
 ....ちなみに父は、山荘に残って、ホタルより酒。

 残念ながら天の川は、見えませんでしたが、夏の星座も堪能し、日頃の都会生活の中では、ちょっと味わえないひと時を過ごしました。
 そんな訳で、春、秋だけでなく、夏のイベントも大変、興味深いものでした。今後も出来るだけ参画したいと思っております。



※山行時間には、撮影時間を含んでおりますので、ご注意下さい。