トップページ山行リスト(日付)>丸尾山・世附大棚_記録20110814


丸尾山・世附大棚

 山行日
2011年8月14日(日)       晴後曇り      同行者:イガイガさん、massyさん
 コース
三国峠(7:45)〜<三国林道>〜(9:05)297号鉄塔(9:09)〜(9:25)丸尾山〜(9:50)1007.4m峰(10:01)〜(10:28)918m峰〜(11:34)大棚橋〜(11:48)世附大棚(12:30)〜(12:45)大棚橋〜<水ノ木幹線林道>〜(15:02)明神峠(15:05)〜(15:53)三国峠
 土曜日にmassyさんと小川谷で怪我をされたM-Kさんのお見舞いに行ってきました。M-Kさんと話をしていますと、イガイガさんも合流。その病院からの帰り、軽く一杯、やっていきますかと、3人で居酒屋に入り、急遽、この山行が決まりました。
 目的は、昨年秋の豪雨により、滝の水流が変わったと言われる世附大棚の見物です。ルートは、三国峠から丸尾山経由で世附大棚としました。丸尾山の先から大棚橋に下るルートは、以前(2005-5-14)、単独で下ったことがありますが、その時は、尾根筋を一本間違えて、西寄り(大棚沢側)の方に下ってしまいました。今回は、そんな訳で、6年ぶりの再チャレンジとなりました。

 詳細は、以下をご覧下さい。


 昨晩、いつもの駅前居酒屋で、massyさん、イガイガさんと3人で、丹沢コースを肴に飲んだのだが、やはりというか、帰りの電車で乗過ごしてしまった。この時は、明日は、山歩きということで、早めに切り上げたのだが、それでも、この結果だった。
 その前も、確かゴールデンウィーク中に、この3人で飲んだのだが、この時も帰りの電車で乗過ごしたことを思い出した。
 どうも、このお二人と飲むときは、酒量に要注意だ。

 翌朝、指定された駅前で、お二人と集合すると、昨夜の酒など全く残っていないご様子。
 ザックをトランクに入れ、イガイガさんの車に乗って出発。
  ....こちらは、まだ食欲なし。

 7:35、三国峠に到着。上空は、青空が広がる。今日も暑くなりそうだ。
 準備の後、7:45、出発。

 今日は、イガイガさんの怪我の回復具合を確認することも、目的の一つだ。
 実は、イガイガさん、昨日、単独でヤタ尾根から檜洞丸に登り、北尾根を下ってこられたとの事。
 昨日、それを聞いて、「もうそんな所に登っちゃったんですか〜!」と、M-Kさん、massyさんとともにビックリ仰天。
[今回のスタート地点:三国峠]

 三国林道を進むと、道が崩壊している箇所に出くわした。昨年秋の集中豪雨の爪痕がこんな場所に残っていた。よく見ると、林道部分が完全に崩れ落ちている。これでは、先に進めないと思ったら、手前の山側に迂回路が出来ていた。
 ということで、この迂回路を使わせていただく。
 こういう光景を見てしまうと、雨の中、林道歩きであれば、安心と思えないのが、よくわかる。
[いきなり林道崩壊]

 林道は、ほぼ水平に続いており、歩きやすい。だが、沢を渡るようなU字カーブしている箇所は、どこも山側から土砂が押し寄せ、谷側にあるガードレールが土留め代わりになっていた。その積った土砂の上を越えていく。
 また、林道には、地割れしたような溝が出来ており、豪雨の時は、ものすごい濁流になっていたのではないかと思えた。
 イガイガさんは、楽チンとばかりに普通に歩かれていた。(写真下)
. ....でも下りは、慎重気味。
[林道には裂目あり]

 ふと、林道の脇を見れば、送電鉄塔の案内標識が目に入る。3方向に案内標識があるのは、珍しい。(大抵、1つか2つだ) 送電線は、あの天竜川の佐久間ダム(発電所)から電気を送ってくる佐久間東幹線だ。佐久間東幹線といえば、今年5月連休にAYさんと仏果山周辺での鉄塔巡りを思い出す。
 標識をじっくり撮影していると、イガイガさんから「マニアックですね〜」と言われてしまった。
[送電鉄塔案内板を見つけた]

 林道が東の方にカーブしていくと、目の前に送電鉄塔が現れた。先ほどの案内標識のあった佐久間東幹線の第297号鉄塔だ。ここで小休止。
 歩き始めたときは、素晴らしい青空だったのだが、いつの間にか上空には雲が立ち込め、甲相国境尾根の稜線もクリアに見えず、眺めを楽しむという事にはならなかった。
[佐久間東幹線297号鉄塔にて] [佐久間東幹線のプレート]

 1068m峰を右から巻いた林道は、その後、右手に分岐する林道を見て、やがて終了し、山道レベルの道となる。
 道は、尾根の背筋上に続いている。このあたりは、風の通り道のようで、少しばかり風の恩恵を受ける。

 前方は、一直線に尾根が続き、緑の自然林に囲まれ、森林浴が味わえるようなムードだ。だが、よく見たら、右下は、植林帯が続いており、右側の自然林は、尾根筋周辺だけだった。
  ....ちと残念。
[尾根の背筋を歩くようになる]

 途中で山道は、尾根筋の北側斜面をトラバースするようになる。ここで、山道を離れ、右手のピークに向かう。そう、この先は、丸尾山頂上だ。
 9:25、丸尾山頂上に到着。(写真左)
 以前、訪れた時と同じように鳥獣保護区の赤い看板が立っていた。視界は、樹林で遮られ、誠に地味な山頂だ。後ろから、イガイガさんも到着。(massyさんは、先ほどの山道をそのまま直進)

 丸尾山頂上から下り、山道にてmassyさんと合流。
 この後、緩い下りが続く。この辺りは、先頭を歩いていたのだが、ふと振り向くと、お二人が杖を突く人(拾った枯れ木を利用)となっていた。
[丸尾山山頂にて]

 9:41、三角点ピークの登りとなる。ここで、完全に山道は、終了となった。
 この先は、適当に歩きやすい箇所を探して登っていく。前方のお二人は、相変わらず、杖を使用。massyさんに対しては、前からストックを使用されていたので違和感は、ないが、イガイガさんの姿には、ちょっと違和感が。
 ....何かヘン。杖と忍者は、やはりアンマッチ。

 9:50、三角点ピークに到着。(写真下左)
 あたりは、丸尾山と同様、樹林帯で、これまた地味なピークだ。
 ここは、西丹沢頂稜河川土地名称図によると、橡ノ丸と記載されている。ということで、今回は、この名称を使用させていただく。
 三角点周辺には、腰を下ろすようないい場所がなかった。少し北側に下った所に倒木があったので、そこで小休止とした。(写真下右)
[三角点のあるピーク(橡ノ丸)にて] [三角点の少し下にて、小休止]

 橡ノ丸を過ぎて、ヤセ尾根となる。この辺りは、ササヤブとなり、ちょっと足下が見え難い。6年前もこんな感じだったな〜と、ササヤブが退化していなかったことが、何だか嬉しくなった。

 そのササヤブ尾根が終わると、一面、自然林の緩い登りとなる。
 尾根筋に並行して、ケモノ道のトラバース路が目につく。
 この先が、918m峰の頂上だ。
[ササが煩い尾根筋]

 尾根の幅が広がったところで、落葉の積った地面に凹んでいる箇所があり、
 「シカの寝床ですかね〜」
なんて、話をしていたら、masssyさんが、シカの角をGET。
 それもペアだ。片方だけ見つかるのは、よくあるケースだが、ペアで発見というのは、珍しい。ということで、ザックから大きく飛び出たシカの両角を記念撮影。(写真下)
[massyさん、シカ角のペアをGET]

 やがて、916m峰のピークを通過。(どこがピークなのか、平なので、よくわからない)
 先を行くイガイガさんが、この先のルートを地図で確認中。このあたり、コンパスがないと、進む方向すら、あやふやになる。

 やがて、斜面が急になっていくところまで来た。
 1/25000地形図によれば、最初の進路方向は、北東で、途中から東、後半は、北東と言う感じで進めば、大棚橋手前の林道に出られるのだが、最初の北東に下っていくような尾根が見つからず、いきなりウロウロ。

 肝心の北東方向には、尾根がなく、その左右に尾根が見える。ということは、この尾根のどちらかなのだが、どうも判断がつかない。
 結局、左の尾根は、北寄りということで、ここは、右手の尾根を選択した。
[918m峰にて地図で現在地を確認中のイガイガさん]

 その後、東に尾根が伸びているはずなのだが、そんな尾根は、見えない。だが、よく見ると、北東に進む尾根の右手下方から別の尾根が伸びているのがわかった。これが、東に向いていた。
 このあたり、1/25000地形図では、一つの太い尾根のように記載されている。

 6年前もこのルートだったかな〜と思い出そうとするが、少なくとも東に伸びる尾根を歩いたような記憶は、なかった。最初の北東尾根を東に曲がらず、まっすぐ下ってしまい、急斜面(尾根が終了していた)になったところで、右へシフトしていったのではないかと、推察する。
[大棚橋への下りルート]

 10:53、尾根筋を下っていく。こんな歩きやすい尾根筋は歩いた記憶が全くなかったので、前回とは違うルートであることを確信。
 前方のお二人は、ここでも枯れ木を杖代わりに使用されている。
 ミンミンゼミの声が、頭に響く。

 10:56、尾根の分岐点。この分岐点は、ちょっと気がつかない。ここを左に下っていくが、シカ柵ネットを越えたところで急斜面となり、尾根を一本間違えたことに気がつく。
 ここは、強行突破せず、引き返した。
 つまるところ、こんな尾根分岐に気がつかず、右手の尾根を素直に進めばよかったのだ。深読みし過ぎて損をした気分だったが、これも地図読みの面白さの一つ。
[尾根筋に下っていく]

 11:15、左手からシカ柵ネット(化繊の紐で出来ている)が現れ、進路方向の尾根筋沿いに続いていた。この場合、このシカ柵ネットを越えないと、尾根筋に歩けないことが判明。
 だとしたら、このあたりに穴があるはずと、シカ柵ネットを調べてみたら、案の定、穴が開いてあった。
 「やはり、ここも既に人が通っているんですよね。」と話をした後、右手にシカ柵ネットを見ながら尾根筋を下っていく。
[右手にシカ柵(化繊ネット)が現れる]

 やがて、シカ柵ネット沿いに続いていた尾根は、急斜面となり、そのまま下るのが、困難になる。ふと、左手斜面を見ると、植林帯で、下っていけそうな傾斜である。
 ということで、尾根筋から離れ、左斜面を下っていく。
 下ってすぐに、下方に林道が見えた。
 目的の林道が見れば、もう安心。あとは、植林帯の中で歩きやすい箇所を選んで下っていけばよい。

 だが、あと10mで林道というところで、シカ柵が現れた。一瞬、ドキッとしたが、すぐに土砂崩れで、シカ柵が埋まっている箇所を見つけ、難なくシカ柵を越えることが出来た。

 11:29、林道に下り立つ。
 振り返れば、イガイガさんが、左足を庇う(よって、左足は、原則、山側)ようにして、斜面をソロリソロリと下っておられるところだった。
. ....この姿を見る限り、全快ではないことが判明。
[林道に下り立つ直前のイガイガさん(振り返って撮影)]

 林道に下り立った地点は、まさにここでしか林道には、下りられない(他は、切り立ったガケ状態)ということが、わかった。地図読みが成功したおかげだ。ということで、今回の歩行ルートには、満足できる内容だった。
 ....何度も迷ったけれど。
 なお、林道歩きとなっても、まだ杖を離さないお二人であった。
[林道を歩くお二人]

 大棚橋を過ぎ、大棚の入口で、案内用の標柱の所から、沢に下っていく。
 沢に下りた後、少し上流方向に進めば、大棚の姿が見え始めた。(写真左)

 11:48、大棚到着。
 ちょうどいいタイミングなので、ランチタイムとした。
 食後は、皆で滝撮影だ。
 大棚に近づくほど、水飛沫を浴びることになる。身体にかかるのは、よしとしても、カメラにかかるのはまずい。今回は、防水カメラでない方を持ってきたのだ。
 だが、わずか2,3秒でレンズに細かな水滴が付着する。その度にレンズを拭く事になり、面倒な撮影となった。
 だが、近づくと、水量が多いだけに音といい、眺めといいい、この上ない迫力だ。
 丹沢の滝の中でも屈指の名瀑だろう。
[大棚が見えてきた]

 12:30、滝を後にして、歩き始める。
 先ずは来た道を引き返す。
 帰りのコースは、林道歩きで明神峠に向かうこととした。
[再び林道へ]

 大棚橋を再び渡り、先ほど植林帯から下りてきた地点を通り過ぎ、ひたすら林道を歩いていく。
 13:01、林道が半分崩れた箇所を通過。やはり、この水ノ木幹線林道も豪雨の影響を受けていた。
 14:35、右手に西群馬幹線第267号鉄塔の案内板を見る。(写真左)
 ここでは、右手に地形図に載っていない林道が分岐していた。
 この林道は、視界が広がるような所が少ない。楽しみは、マイルストーン代わりの沢との出合いだ。丸尾沢、日向沢、四ノ沢、三ノ沢、二ノ沢、一ノ沢(橋の名前は、何故か壱之沢橋)
 ようやく、登り道になってきた。
[水ノ木幹線林道の途中にて]

 15:02、ヘロヘロになって明神峠に到着。
 大棚が12:30発だったので、ここまで約2時間30分かかった。長い林道歩きだった。
 ここからは、車道ゆえ、歩きやすいだろうと思ったのだが、結構な勾配が続き、息が切れそうだ。
[ようやく明神峠]

 三国山登山口の山道分岐を左に見た後、ようやく勾配が緩くなってきた。だが、それも束の間。すぐに登りになる。周囲は、ガスがかかり、少しは涼しいかと思ったら、そんなことは全く感じなかった。そんな状況で、またしても送電鉄塔の案内標識を発見。
  ....この発見が段々、楽しみになってきた。
 ここも佐久間東幹線だった。
[長い車道歩き] [送電鉄塔の標識]

 15:53、ようやく三国峠に戻ってきた。最後の車道歩きが、約50分。これが、結構、キツかった。
 本日の核心部と言ったら、最後の車道歩きだろう。
 でも、イガイガさんは、普通に歩かれておられた。
. ....最後は、ラストスパートの歩きで、ぶっちぎりのトップ。
 怪我された左足に影響は、ないだろうか。これほど歩いて問題なければ、怪我は殆ど回復されているように思えた。これは、後ほど、わかるだろう。
  ....楽しみ、楽しみ。
 [再び三国峠に戻ってきた]


 イガイガさん、massyさん

 ご同行ありがとうございました。今回は、前半が下りで、後半が登りとなってしまった関係上、後半が、バテバテでした。ですが、916m峰からの下りといい、世附大棚見物といい、非常に楽しめた山行でした。これに懲りず、今後とも宜しくお願い致します。



※山行時間には、撮影時間を含んでおりますので、ご注意下さい。