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956m峰・大杉山

 山行日
2011年10月1日(土)         晴         単独行
 コース
中川温泉入口(8:25)〜(8:45)中川温泉奥の堰堤〜<762m峰南西尾根>〜(10:21)762m峰(10:30)〜(11:30)956m峰(12:40)〜(13:45)845m峰(13:52)〜(14:05)大杉山(14:10)〜(14:55)馬草山東面〜(15:28)中川温泉奥の堰堤〜(15:44)ぶなの湯(16:25)〜(16:35)中川
 今回は、久々に湯ノ沢周辺を歩いてきました。
 計画したルートは、762m峰経由で956m峰に向かい、その後、大杉山を通り、中川温泉に戻ってくるというものです。762m峰へは、初めての訪問となります。
 まだ紅葉には、早いですが、956m峰周辺には、見事なブナ林があり、これをじっくり撮影しようと思い、中型カメラ&三脚を背負って行きました。
 今回は、大杉山以降にて、ちょっとしたハプニングがありました。
 なお、956m峰は、一般的には「弥七沢ノ頭」と言われていますが、ここでは「956m峰」の表記に統一しています。
 詳細は、以下をご覧下さい。 


 谷峨から西丹沢行きのバスに乗車。
 「次は、中川温泉入口」との車内アナウンスがあったので、ボタンを押したのだが、すでにバス停を過ぎており、だいぶ西丹沢寄りにて下車。
 登山者ばかりの車内において、バスの運転手から見れば、中川温泉入口で下車する乗客は、予想外だったかもしれない。
 8:25、いつものようにバス停を撮影したら、すぐに出発。
[今回のスタート地点:中川温泉入口]

 途中で、中川温泉の老舗旅館、信玄館の前を通るのだが、そこの説明板などを立止まって読んでいたら、時間があっという間に過ぎてしまった。慌てて、温泉旅館エリアを足早に通過する。

 建屋がなくなると、目の前に堰堤が現れる。その堰堤左側に山道が通じている。
 道を進み、堰堤横にてストックとクマ鈴を取り出す。
 1/25000地形図によれば、堰堤上流は、堰止められた池のような表記となっているが、実際は、そうではなく、ただの河原だ。(写真下)
 ここから左側(右岸)斜面で取り付けるような場所を探す。
[堰堤の上から河原を行く]

 結局、尾根に取り付く場所が、よくわからないまま、上流に進んでしまった。
 前方右岸に滝が見える。二ノ沢の滝だ。
 これ以上、進むと取り付き点を通り過ぎてしまう。ということで、ここで引き返し、再度、右岸の取り付き点を探す。
  ....結局、さっきの河原付近をウロウロ。

 だが、やはり取り付き点が見つからない。結局、再び二ノ沢の滝が見える所まで戻ってきてしまった。時間的に見て、これ以上探すのは、諦め、左手の急斜面に取り付くことにした。
 いきなり両手両足を使っての登りだ。どうも最初から調子が狂ってしまった。
[右岸に滝を見る(ここで引き返す)]

 約8分で急登が終了し、植林帯となったところで、小休止。
 植林帯を登っていくと、左右に走っている経路に飛び出た。
 やはり、経路があったのか。この左側は、どこに通じているのだろうか。あれだけウロウロしたこともあり、いつか歩いてみたい...そう思った。
 今回は、この経路は利用せず、横断し、登っていく。
[植林帯の登りとなった]

 尾根の背筋に乗ると、スギの小枝が散乱し、踏跡らしき箇所がはっきりしない。
 単調な植林帯を進むと、右からシカ柵が現れた。
 だが、そのシカ柵は、すぐに終了。
 そのうちに周囲が自然林となる。自然林は、株立ちした木が目立つ。

 9:56、小ピークにて小休止。(写真下)
 1/25000地形図で確認すると、標高620mあたりの尾根の先端のようだ。ヤマザクラの木が1本あり、正面に762m峰が見える。
[小ピークにて小休止]

  もうすぐ762m峰だと気合を入れて直登していくと、なんと頂上手前で保護柵にぶつかった。
 仕方がないので右折し、保護柵沿いに進む。
 すると、保護柵が左に曲がっていたので、斜面を登っていけた。
[762m峰手前にて保護柵にぶつかる]

 斜面を登り、762m峰ピークと同程度の高さまで登ってこれた。
 左の保護柵には、脚立が用意されてあった。(写真下)
 今、立っている辺りの方が、何となく高いような気がしたので、保護柵の中に入らず、ザックを下ろす。周囲は、自然林の樹林帯で視界は、あまりよろしくない。そんな訳で水分補給し、10分弱の休憩後、出発。

 すぐに小ピークに到着。右側には、保護柵が続いている。
 樹林の向こうに956m峰が聳え立っている。
 ここから60m下って、250mの登りとなる。だが、250m以上あるような迫力だ。
[762m峰ピーク付近]

 鞍部を通過。左は、急斜面、右は、それほどでもない。尾根の背筋には、アセビがうるさく、右側から巻くようにして登っていく。この鞍部を過ぎると、尾根幅が広がり、緊張の糸が緩む。
[956m峰との鞍部]

 956m峰への登りは、最初、左右に細かい尾根筋が多く見られ、これは、下りの時、正しいルートを下っていくのは、難しいと思った。
 リョウブの倒木に差し掛かった時、日が差し込んできた。これで少し天気がよくなるかと思ったら、再び陰ってしまった。まあ、日が照って暑くなるより、この方が助かる。

 その後、尾根の背筋を登るというより、広い斜面を直登していくようになった。苦手の白ザレの斜面を通過する。踏跡のはっきりしないところなので、下りの場合、これまたルートを見失いやすい所だ。
. ....このルートの下りには、全く自信なし。
[956m峰への登り]

 殆ど勾配が変わらず、そこそこの登りが続き、ようやく頂上にたどり着いた。(11:30)
 ザックを下ろし、小休止。すぐ先は、2009年4月にニカニカ集会を実施した場所だ。あのとき戴いたボタン鍋の味を思い出す。
. ....非常にウマかったのだ。

 この後、北側の隣のピークまで散歩する。あたりは、ブナの幹の模様が美しい。
 中型カメラを取り出し、撮影しながら、再び956m峰に戻ってきた。ランチタイムを含め、結局、956m峰周辺には、ゆったりと12:40まで過ごす。
[ようやく956m峰頂上に到着]

 大杉山へと向かう。
 ここは、5年前に歩いたことのあるルートだが、あまり記憶に残っていなかった。そんな訳で、地形図を片手に進んでいく。1/25000地形図では、鞍部らしく表記されていない箇所が多いのだが、実際は、鞍部となり、最低でも左右のどちらか一方は、急斜面(というかガケに近い)というような地形だ。

 南へ続く尾根を進むと、左前方に尾根が見える。(写真下左)
 てっきり、あの尾根を下っていくものだと思ったが、確認の意味で地形図を見たら、方向が違っていた。左前方の尾根を下っていたら、弥七沢の方に下ってしまうところだった。ここは、反対の右前方に下っていく。
 少し下れば、この先に尾根が続いているのがわかる。だが、白ザレの斜面で思わず腰が引ける。何せ掴むものがなく、スベリ台のような斜面だった。(写真下右)
 ....やはり、白ザレには要注意。
[左側に間違いやすい尾根あり] [白ザレの滑りやすい斜面]

 小ピークを一つ越え、845m峰ピークに到着。(写真下)
 水源と森林づくりの赤頭白杭には、手書きで「小割沢ノ頭」と書かれてあった。これは、「西丹沢頂稜河川土地名称図」に記載されている山名だ。ここから、檜岳山稜を樹林の間から望む。
[845m峰頂上にて]

 845m峰からひと登りで、大杉山の頂上の端に到着。
 ここは、山頂付近が殆どフラットで、どこが頂上なのか、わからないような地形だ。そのフラットな台地は、一面、スギ植林となっており、足下は、スギの小枝と間伐材だらけで非常に歩きにくい。
 14:05、ようやく頂上標識を見つけた。真下には、三角点がある。
 平らな山頂には、スギの植林帯が続いていた。
[大杉山頂上にて小休止]

 大杉山から中川温泉に下る。大杉山頂上からのフラットな植林帯を西に向かう。
 やがて平らな頂上部分が終わり、急斜面となるが、まだ植林帯は、続いている。あれっ、どのへんだったっけ?と下るポイントを探す。確か、右手は自然林、左が植林帯という境界線あたりを下っていくのがルートだったはず。大杉山から真西に歩いていったつもりだったが、少し南寄りに歩いてしまったようだ。ということで、少し右前方に下ってみる。すると、右手に自然林が現れた。
 どうにかルートに乗ったと思い、少し植林帯寄りを下っていく。

 14:23、急斜面が終わり、尾根筋を歩くようになった。右手は、十ノ沢の源頭部で、急斜面。転落したら、命が危うい。
 自然と左手の植林帯寄りを歩いてしまう。
[スギ植林帯の急斜面を下る]

 14:28、左手の植林帯が終わる。(写真下)
 ここも迷い易い場所だ。よく見れば、そのまま直進するように踏跡が続いている。相変わらず、右手は、急斜面だ。
[左の植林帯が終わる地点で直進]

 14:36、尾根の先端のような場所に到着。赤頭白杭が立っている。ここで、少し左前方に下っていく。ここは、かつて正面にも進めるような箇所だったが、今は保護柵があり、直進はできない。自然と、左前方に進むことになる。脚立の横を下っていく。(写真下)

 脚立の先に短い階段経路を発見。もうだいぶ朽ちたような経路だが、前回通った時には記憶がなかった。
[尾根の先端にて保護柵が現れた]

 斜面を下っていくと、右手に別の保護柵が現れた。ここは、かつてのルートである、左に進む。右手には、保護柵が続いている。
 やがて、右手の保護柵が終わり、そこで右折して、斜面を下っていく。しかし、このあたり、全く踏跡がない。
 右手の保護柵が終わるころ、左右に走る経路にぶつかった。
 ???...どうやら、保護柵ができた時、経路が変わったようだ。
 ここは、左折し、経路を進んでいく。
[2つめの保護柵の横を下る]

 白ザレの斜面に出た。ここは、以前、ロープが用意されてあったのだが、今は、白ザレの斜面にジグザグの経路が出来ていた。
 下った先は、緩やかな下りというか、殆ど水平な歩きとなる。左手には、植林帯が続き、右手は、相変わらず急斜面(ここは、十一ノ沢源頭部)だ。
 やがて馬草山手前のフラットなスギ植林帯となった。
[ザレ地の斜面をジグザグに下っていく]

 このあたりは、スギの小枝が散乱しているが、それでもよ〜く見ると、踏跡があることに気がつく。
 その踏跡を忠実に進む。ルートは、左に植林帯に入っていくのではなく、どちらかと言うと、右端の急斜面と並行している。
 やがて、正面が登り道となった。馬草山への登りである。(写真下左) だが、実際は、登りきるのではなく、途中で、右にトラバースしていくように進んでいく。

 すると、馬草山の東面をぐるりと迂回するようにして、馬草山北側の緩やかな(殆ど水平)斜面に出る。(写真下右)
 ここから先が良くわからない。
 踏跡が不明瞭で、一面平らなので、進む方向がわからなくなる。だが、ここは、何度か通っており、この先、右手に経路があることを知っていたので、慎重に右側を見ながら進み、どうにか経路を発見。これで、問題なく中川温泉に行けると、ホッと安心しながら、下っていく。

 だが、斜面を下っていったとき、右下斜面に何か動くものを発見。体型からみて、シカではないことは、すぐにわかった。
 こりゃ、クマではないか....と、ちょっとビックリしながら、よく見ると、真っ黒ではなく、何となく白っぽい箇所がある。それでもカモシカだと分るのに、30秒は、かかった。なにせ、カモシカを見たのが初めてだったからだ。
. ....シカでない、クマでない、イノシシでもないという消去法から判断。

 残念なことに写真を撮ることができなかった。カモシカは、意外に早い足取りで、左側斜面に消えていった。
 だが、このカモシカ君、登山道からあまり離れていなかったようで、再び発見する。今度こそ撮影を!とデジカメを取り出すも、その前にカモシカ君は、もっと下の方に去っていった。
 ....そんなに下ってしまったら、温泉旅館前でも現れるのではないかと思った。
[馬草山への登り] [馬草山を東側から巻いて平らな植林帯に出る]

 2度も遭遇したのに、カモシカ撮影が出来なかったことが非常に悔しい!と思いつつ、斜面を下っていったら、どういう訳か、道を間違えてしまい、いつものように温泉旅館裏手に下りず、湯ノ沢に下り立ってしまった。
 ここは、今朝、尾根の取り付き点を探すためにウロウロ、右往左往したところだ。何か因縁を感じてしまう。おかげで、沢で、靴やストックを洗うことが出来た。
 ....今度から、こっちに下るようにしよう。

 後で地形図で確認したところ、本来は、尾根筋に進まなければいけないところを尾根筋に乗らず、植林帯の中の、右手の緩い斜面を下っていった(そっちの方が踏跡が明瞭だったと思う)ために湯ノ沢の河原に下り立ったことが分った。
[湯沢の河原に出た]

 中川温泉旅館の通りを過ぎ、今日は、ぶなの湯に立ち寄った。
 ....やはり、下山後の風呂は最高!
 その後、坂を上って、中川バス停に向かう。その坂の途中で、左手に今日の山々が眺められた。
 西丹沢からのバスは、定刻から2分ほど遅れてやってきた。
 [中川バス停から帰路に着く]


 956m峰でのブナ撮影は、楽しいひとときでした。
 この日は、山中で誰にも会いませんでした。ですが、956m峰を登っているとき、猟犬の吠える声、発砲音が下の箒沢付近から聞こえてきました。どうやらシカの捕獲を行っていたようです。そのせいか、最近は、滅多にシカを見なくなりました。今回も、全く見ていません。
 ですが、今回は、シカの代わりと言っては何ですが、カモシカに遭遇したことが、いい思い出となりました。
 帰宅後、M−Kさんの「俺の山紀行」内のAYさんのコーナーで、この湯ノ沢方面の記録を読んでいましたら、AYさんも956m峰〜大杉山間でカモシカと遭遇されていました。
 次回は、是非撮影したいものです。



※山行時間には、撮影時間を含んでおりますので、ご注意下さい。