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鍋嵐

 山行日
2011年12月18日(日)       晴         同行者:5人
 コース
15号橋〜677m峰〜ジャンクションピーク〜鍋嵐〜719m峰〜鍋嵐ノ沢出合〜アカチガ沢出合〜<ハタチガ沢林道>〜14号橋〜15号橋
 今回ほど辛い山行は、ありません。先日、山仲間のモトさんが、単独で鍋嵐山域に入り、帰らぬ人となってしまいました。本日、有志で慰霊登山をしてきました。
 モトさんとは、山で同行させて頂いたことはありませんでしたが、昨年末の飲み会で、お会いしておりました。席が近かったこともあり、いろいろ山の話を聞かせて戴いたことが思い出されます。酒の席でも、とても落ち着いた、謙虚なお方でした。
 モトさんのご冥福を心よりお祈りいたします。

 12月10日(土)
 山仲間から、モトさん遭難の情報が飛び込んできたのは、10日(土)の夕方だった。モトさんは、8日朝から入山。その日の夜になっても帰宅されなかったと言う。
 明日、11日の捜索に参加することを連絡。

 12月11日(日)
 警察の捜索隊が連日、捜索している中、昨日10日は、山仲間として、滝ノ沢の右俣を中心に捜索したということだったので、今回は、左俣を中心に捜索することになった。滝ノ沢の途中から、5組に分かれて、左俣流域の捜索を開始。
 この鍋嵐、宮ヶ瀬尾根周辺は、ヤセ尾根や、地図では表現できない急峻な枝沢が入り組んでおり、地形が非常に複雑だ。おまけに立木も多く、簡単に見通せるような状況ではなかった。677m峰の稜線の先、通称「ゴジラの背尾根」と呼ばれる尾根の720m地点あたりで、皆と集合。
 だが、どのルートでもモトさんは発見されず。
 その後、合同でゴジラの背尾根を下っていく。
 途中、警察の捜索隊が、左手の超急斜面を登ってくる光景に出くわす。
 15号橋に戻った時、警察側でもモトさんは、まだ発見されていないことを聞く。
[下山の途中、677m峰にて]

 12月13日(火)
 単独でハタチガ沢林道を歩く。今日も天気がいい。
 8日の夜、雪が降ったことなど信じられないぐらい、その後の天気は、安定している。
 10時半ぐらいになると、県警のヘリコプターがやってきた。

 帰りの15号橋にて偶然、捜索担当の警察の方々と出会い、話をする。11日(日)でヘリ等の捜索は、打切りと聞いていたが、実際は、そうでなく、連日、ヘリによる捜索を行い、地上の捜索隊は、宮ヶ瀬尾根の方まで範囲を広げ、湖上からもボートで捜索という多岐に亘っての捜索が続いていた。
[ゴジラの背尾根上にヘリが飛ぶ(ハタチガ沢林道から)]

 12月15日(木)
 夜、山仲間のメールにてモトさんが、県警のヘリにより、677m峰の南側約100m下の枝沢にて発見されたことを知る。その後の情報などを聞くと、転落というか、殆ど墜落に近い状況のようだ。
 モトさんは、自宅を出られる前にコースメモを提示されていた。(そのおかげで比較的狭い範囲での捜索が可能になった)
 それによれば、当日の予定は、15号橋から一旦、尾根に登った後、滝ノ沢下流部に下り立ち、滝ノ沢右俣を遡行というコースだった。
 モトさんは、予定通り、一旦尾根に登った後、滝ノ沢下流部に下り立つコースを進もうとされていたようだ。だが、尾根からの下降地点は、予定していた下降地点が不明瞭だったためか、それよりも南寄りの677峰あたりから滝ノ沢へ下ろうとし、そこで事故に遭われたようだ。
 しかし、慎重な方が何故?という疑問が残る。ひょっとしたらクマに遭遇してしまったのではないかという仮説が脳裏に浮かぶ。(実際、10日の捜索時に山仲間がクマを目撃している)
 それとも当日、午後から天気が崩れると分っておられたので、ちょっと下りを急がれてしまったのだろうか。

 12月18日(日)
 参加メンバーとともに15号橋から14号橋の方に歩き、途中で右の尾根に取り付く。
 急登が続く尾根筋を登り、677m峰頂上に到着。
 前日、慰霊登山された山仲間の献花が既にあった。そこに今回のメンバーも花を供え、合掌。

 モトさん、どうか安らかにお眠り下さい。
 [677m峰にて花を供える]


 



※山行時間には、撮影時間を含んでおりますので、ご注意下さい。