トップページ山行リスト(日付)>塔ノ岳・鍋割山_記録20120101


塔ノ岳・鍋割山

 山行日
2012年1月1日(日)〜3日(火)  晴       単独行
 コース
大倉(11:16)〜(12:41)駒止茶屋〜(13:01)堀山の家(13:05)〜(14:04)花立〜(14:28)塔ノ岳(泊)
塔ノ岳(7:45)〜(8:12)尊仏岩跡(8:14)〜(8:33)塔ノ岳(9:50)〜(11:25)大丸〜(11:47)小丸〜(12:23)鍋割山(泊)
鍋割山(8:45)〜(9:24)後沢乗越(9:28)〜(9:43)ミズヒ沢〜(10:03)二俣(10:15)〜(11:18)大倉
 例年の如く、今年も新年早々、塔ノ岳に登ってきました。
 また、尊仏岩跡を参拝してきました。この参拝も、3度目となり、恒例となりそうです。
 詳細は、以下をご覧下さい。


<第1日>
 年越しは、実家で過ごし、新年の朝は、雑煮を食べた後、ゆっくり出発。
 10:29、渋沢駅に到着したのだが、大倉行きのバスとの接続が悪く、30分近く待ってしまった。
 さすがにこの時間帯では、登山者の姿が見当たらない。
 だが、バスに乗車すると、登山姿の乗客を3人ぐらい見かけた。この時間帯からすると、同じように山小屋泊まりかなと思う。
 
 大倉に到着したら、渋沢駅行のバスを待つ登山者が一列に並んでいる。皆、初日の出のために山に入った人たちだろう。今年は、実家で目が覚めた時、既に明るくなっていたので、初日の出がよくわからなかったが、雲が多かったのではないかと思った。果たして山頂では、どうだっただろうか。
 上着を脱ぎ、どうせ暑くなるからと、Tシャツ1枚となって、いざ出発。(11:16)
[今回のスタート地点:大倉バス停]

 大倉尾根を登る。
 塔ノ岳に向かうコースは、いくつかあるのだが、どうも最近は、最短で登れるコースを選択してしまう。これは、中型カメラ、三脚の他、着替や防寒グッズなどを背負い、ザックが一段と重くなっているため、本能的にこのルートを選んでしまうようだ。
 続々と、下山してくる登山者とすれ違う。
[登山道に入っていく]

 ようやく下山者のラッシュが終了したかなと思っていたら、前方からゆっくり下ってくる単独男性を見かける。よく見たら、父だった。父は、ここ何年か、鍋割山荘で年を越している。(そのため、こちらは、実家で年を越すようになった) 
 昨日の母の話だと、父は、鍋割山からまっすぐ下山すると、聞いていたので、会った瞬間、
 「アレッ?」
という印象しかなかった。
 新年の挨拶もそこそこ、
 「今年の初日の出は、ダメだった。だが、富士山は、素晴らしかった。」
との話を聞く。
 「それでは」
 と、下っていく父を見送る。父は、今年で84歳。下りの足取りも、だいぶスローなペースになった感じだ。
 ....よく考えたら、これで3年連続、大倉尾根ですれ違った。
[一本松跡の手前にて]

 花立山荘手前の階段がキツイ。振り返ると、相模湾の向こうに大島が見える。
 そんな風景をいつものように撮影しながら、一歩一歩登っていく。
 花立山荘前で腰を下ろそうかと思ったが、体温が下がる方が嫌なので、歩き続けた。
 この先、花立までの登りもキツイのだが、これを登り切れば、花立だと思うと、だいぶ精神的に楽になるから、不思議だ。

 最後の登りを終えて、ようやく塔ノ岳頂上に到着。(写真下)
 頂上の人影は、まばらだった。
 あいにく富士山は、雲に隠れてしまっていたが、手前の檜洞丸等の西丹沢の山並みは、姿を見せている。丹沢にとって、今年の正月は、雪が少ないようだ。
[塔ノ岳頂上にて]

 尊仏山荘に入り、夕日の富士山を狙っていたのだが、この日は、西側の雲が段々厚くなっていき、最後は、壁のような雲になってしまったので、中型カメラでの撮影を諦めた。
 だが、ほんの一瞬、夕日を望む。(写真下左)
 こんな厚い雲の上での夕日は、初めての光景だった。
 日が落ちたとき、気温は、-1.3℃。いつもより暖かい方だ。

 尊仏山荘の営業部長に挨拶後、就寝。(写真下右)
[夕日は、雲だらけ] [営業部長]

<第2日>
 夕日がダメなら、朝日があるさと、6時過ぎに起床。
 だが、これまた雲がかかり、関東平野は、眺めることができなかった。そのうち、見えていた大山もガスの中に消えてしまった。
 夕日も朝日もダメというのは、何年ぶりだろう。初めてではないが、非常に珍しいパターンだ。
 結局、中型カメラは、山頂で取り出すことはなかった。
[朝日を期待するが]

 山荘を出るつもりでザックを背負い、小屋のご主人花立さんに挨拶し、
 「今から尊仏岩跡に行ってきます。」
と伝えると、
 「そうであれば、ザックは、小屋の棚に置いて行けば」
という有り難い言葉。ここは、甘えさせてもらい、ザックを小屋の入口の棚に置き、軽アイゼン(6本爪)、10mのロープ、ドライバーだけを持って出かけた。

 尊仏岩跡は、一年ぶりだが、散々この辺りは歩き回ったので、行けば、わかるだろうと、丹沢山方面の登山道へと進む。

 ここだなと思った所で、登山道から外れ、左手ササの斜面を下っていく。いくつも獣道が走っており、その上に雪が残っていた。下っていくうちに、段々ルートを思い出してきた。
[ササの斜面を下っていく]

 途中で、軽アイゼンを装着。
 細い尾根を下っていき、左折し、トラバース気味に進むと、前方に大岩が現れてくる。初めて来た時、尊仏岩跡が見つからず、このあたりで右往左往したことを思い出す。

 ここで、右側斜面を下るが、木が少ないのと、せっかく持ってきたこともあり、ロープを使って、下っていく。
[目印の大岩]

 大岩の下へと下り、前方を眺める。尊仏岩跡まで一直線だ。
 だが、初めての場合、誰もが、前方に尊仏岩跡が見えているのに気がつかないだろう。というのも、尊仏岩跡の大きさをそもそも知らないからだ。

 軽アイゼンの爪が凍結した地面に食い込む。スタスタと下っていけば、尊仏岩跡だ。
 意外と小さいのだ。
[前方に尊仏岩跡]

 尊仏岩跡を参拝。
 首のない仏像が二体と石碑があるだけの小さな岩である。
 岩の右側は、殆ど垂直に切れている。だが、左側は、下っていけそうな斜面だ。
 正面には、本来、不動ノ峰のどっしりした山容が見えるのだが、今日は、ガスが濃く、遠景は、何も見ることが出来なかった。

 立止まっていると、身体が急激に冷えてくる。撮影後、すぐに引き返すことにした。
[尊仏岩跡にて]

 再び、尊仏山荘に戻ってきたら、なんと、ガスが流され、不動ノ峰、蛭ヶ岳、富士山と、いきなり雄大な光景が広がった。
 最初は、全く見えなかったのが、突然の早変り。なかなか憎い演出だ。思わずデジカメを取り出し、富士山を撮影した。
 塔ノ岳を出発し、鍋割山へ向かう。(9:50)

 晴れ渡る青空の下、ブナ林の続く稜線を歩く。他に登山者は、見られない。
 また、風もない。静寂な山歩きが続く。

 10:38、変形ブナに到着。
 立止まって撮影開始。ここは、自分にとっての定点撮影地だ。
[いつもの変形ブナ]

 稜線沿いに進むと、山道が右に曲がる箇所がある。
 そこを直進すると、尾根の先端に出る。周囲は、草原っぽい斜面の先に木立が広がる。視線をさらに遠くへ移動すると、相模湾が上空の雲のため、まだら模様になっていた。
 急に左下方向で、動くものに気がつく。シカだ。
 体型の小さい子ジカが2頭、それより少し大きめの子ジカ1頭、それに親だろうと思われるような2頭。計5頭。
 最近は、捕獲が進み、5頭まとめて見るというのは、かなり珍しい。見えなくなるまで、子ジカを目で追った。

 ここは、最近、お気に入りの場所となり、いつも立ち寄っている。
 大倉尾根の奥に大山が眺められる。中型カメラもここで取り出した。

 時々、日が陰る。上空に雲が流れている。見上げていたら、パラパラと、なんと雪が降ってきた。まあ、濡れることもなかろうと、そのままの格好で歩き続ける。
[シカの家族に出遭う]

 小丸尾根(旧:訓練所尾根)分岐点を過ぎ、小丸ピークに到着。
 再び、日が差し込んできた。だが、雪は、相変わらず、パラパラと降っている状況で、天気雪になっていた。
 ここのピークは、冬枯れの木立がなんとも言えない。

 その後、ちょっとピークを下り、登山道から外れ、右手の保護柵沿いに下っていくと、正面に枝を多数伸ばした木(これは、ブナかなと思う)がある。(写真下)
 この枝振りが素晴らしく、デジカメを取り出す。

 12:07、鍋割山と小丸の間のピークを登る頃、上空が雲だらけになってきた。
 と思ったら、さっきまで蛭ヶ岳や不動ノ峰など、北側の山々も、一気にガスに包まれてしまった。
[小丸にて寄り道]

 ガスに覆われたかと思ったら、雪が激しく降ってきた。
 どうやら先ほどの雲は、雪雲だったようだ。
 天気予報で降雪というのは、聞いていなかったので、この急変には、いささか仰天。
 鍋割山荘まで、ほんの2、3分。
 ちょっと傘を出した方がいいかなと思いつつ、「傘を取り出すのが面倒だ!」と、そのまま小走りに進む。
[雪が激しく降ってきた]

 雪が降る中、鍋割山頂上に到着。
 まだ、降り続く雪の勢いは衰えていない。正月休みとはいえ、こんな天気のせいか、山頂には誰もいなかった。

 撮影(写真下)後、山荘の中に入ると、小屋の中は、多くの人で混雑していた。
 時計を見れば、12:25、ちょうど昼食の時間だった。
 小屋のご主人、草野さんご夫妻に新年の挨拶後、鍋焼きうどんを注文。
 雪が降るような天気でアツアツの鍋焼きうどんは、この上ない美味さだ。

 食べ終わった後も、ゆっくりくつろぎ、鍋焼きうどんの注文ピークが過ぎた頃、チェックインする。
[鍋割山頂上に到着]

 部屋は、鍋割山荘の2階、西側の小さな一角だ。今日は、それほど歩いていないし、昨晩も良く寝ているのだが、それでも寝床に入って、一寝入り。

 17:00を過ぎて、夕食となる。
 夕食の途中、雪は止み、綺麗な夕日となった。
 この1月2日に宿泊される常連さんが集まり、賑やかな夕食となる。メニューは、よせ鍋が中心で、これが非常に美味。酒の量も自ずから増えていく...
[小屋の2階から外を眺める]

<第3日>
 翌朝、東の空の雲が厚く、あまり赤くない状態で太陽が出た。(写真下)
 朝日を撮影した後は、ますます上空の雲が厚くなってきた。

 今日は、真っ直ぐ帰ることにし、8:35、鍋割山荘を出発。
 後沢乗越に向かって下っていく。
 再び、雪が降ってきたが、昨日と違って、すぐに止んでしまった。

 9:24、後沢乗越に到着。
 それにしても、登ってくる登山者が多い。ここまで32人とすれ違った。
[東の空が明るくなる]

 9:43、ミズヒ沢に出た。
 後沢乗越から、ここまで30人とすれ違う。いやはや鍋割山の人気が凄いことを再認識。

 本沢を渡り、西山林道を下っていくと、以前、林道に大きい溝ができていて鍋割山荘の車が進入できなかった箇所は、綺麗に埋められ、元の状態に戻っていた。(写真下)
[林道は、元通りに整備されてあった]

 西山林道を左折し、大倉に向かう。
 車道に出た所で、表尾根が見える。手前は畑で、ここも定点撮影場所にいつの間にか、なってしまった。
 畑には、白菜が並んでいた。(以前は、落花生畑だった記憶が)
[白菜畑となっていた]

 11:18、大倉バス停に到着。
 中途半端な時間帯だけにバス停付近に人影は、見えない。

 20分後、渋沢駅行きバスに乗車し、帰路につく。
 上空は、青空が広がる。朝、降っていた雪がウソのような天気に変わっていた。
 [静寂な大倉バス停に到着]


 今年も、無事、正月山行ができました。
 今回は、晴れていても雪が降ってくるにわか雪には、仰天ビックリです。丹沢のような関東南部の山でもありえるのだなということを初めて知りました。




※山行時間には、撮影時間を含んでおりますので、ご注意下さい。