トップページ山行リスト(日付)>大山・屏風尾根_記録20120428


大山・屏風尾根

 山行日
2012年4月28日(土)       晴         単独行
 コース
ヤビツ峠(9:45)〜(11:05)大山(12:20)〜(12:30)見晴台分岐点〜(12:49)989m峰〜<屏風尾根>〜(14:12)ふれあいの森日向キャンプ場(14:19)〜(14:30)学習センター〜(14:53)日向薬師バス停
 中型カメラを背負って、大山を訪問しました。本来であれば、4月中盤に行き、今年も大山桜(昨年の満開は、腰が抜けるほど、素晴らしかったです。)を見物したかったのですが、天気が悪く、結局、ゴールデンウィーク初日の本日となってしまいました。
 ですが、今日は、今日で別の楽しみがありました。
 詳細は、以下をご覧下さい。


 自宅を出て、秦野駅からヤビツ峠行きのバスに乗っても、タメ息が度々出てしまう。
 天気予報が外れたのだ。
 ゴールデンウィーク初日の今日は、一日中、晴れの予報だったが、朝から上空は、一面曇り空なのだ。自宅を出た時は、これから晴れるのかなと、あまり気にしていなかったが、秦野駅で下車し、バス乗り場に向かう時でも、状況は変わっていなかった。
 せっかく中型カメラを持ってきたのにと、一人憂鬱になる。大山に中型カメラを担いで訪れると、大抵、富士山や丹沢などの風景が見れない。そのため、山頂で三脚を立てて撮影となると、被写体は、決まってブナの御神木となる。もう何度、御神木を撮影したことだろうか。
 今日もそのパターンかなと思えたため、一人沈んでいたのだ。
 
 「終点ヤビツ峠に間もなく到着します。」との車内アナウンスが聞こえた頃、上空に青空が見え、日差しが差し込んできた。
 おお、天気予報通りになったと、周囲の乗客に対し、気にすることなく、一人ニヤニヤしてしまった。
 9:35、ヤビツ峠到着。臨時便のバスが、前方に既に停車していた。
 上着を脱いだりして、9:45出発。
[今回のスタート地点:ヤビツ峠にて]

 前夜の飲み過ぎ(このため、朝早く起きれず、ヤビツ峠行き3番バスとなってしまった)と暑さのためか、ピッチが遅い。女性の単独登山者にあっという間に追い抜かれてしまった。
 10:42、途中の崩壊地の上に出たところで、丹沢方面を眺める。

 すぐ先で下社からの登山コースと合流し、登山路は、大山頂上に続いている。家族連れのグループが下社方面から、どんどん登ってきているのがわかった。これは、すでに頂上は、混みあっているのではないかと、先を急ぐ。

 11:02、いつもの大山頂上手前の鳥居で撮影。(写真下)
 さあ、頂上からの光景が楽しみだ。
[大山山頂手前の鳥居にて]

 頂上から関東平野側を眺めると、案の定、雲海が一面に広がっていた。
 「うわ〜!」と背後から、到着した登山者の喚声が聞こえてくる。
 確かにこんな雲海は、年に1回、遭遇するか否かぐらいの確率だろう。

 今回は、御神木の前で三脚をセットせず、トイレ側の広場に回ってみる。
 やはり、一面、雲海が広がっていた。それも凹凸のある雲海だ。
 ふと、手前の方を眺める。

 この光景は、滅多にないだろうと、ザックから中型カメラを取り出し、撮影を開始する。だが、三脚をセットした頃には、大山三峰山は、既に雲の中へ隠れてしまった。
 こうなれば粘るしかないと思い、ビニールシートを敷き、ランチタイムとしながら、雲が切れるのを待った。
 幸い、再び、ピークが見えてきたが、先ほどよりもイメージが違ってしまった。
 そんな訳で、もう少し早めに到着すればと、ちょっと後悔。
[[トイレのある広場にて小休止]

 だんだん雲海の高度が高くなり、表面の凸凹が少なくなったような気がした。そろそろ潮時かなと思い、大山頂上を12:05に出発。

 今日は、屏風尾根を下る予定だ。
 考えてみたら、頂上から見晴台へのコースは、よく下った記憶があるが、唐沢峠方面に下るというのは、凄く久しぶりのような気がする。コースの情景がすぐに浮かんでこないのだ。
[不動尻方面へと進む]

 マメザクラが咲いているエリアを過ぎ、この辺りで登山道を外れ、屏風尾根沿いに進む。地形図で確認すると、ここは、989m地点で、ほぼ平らなピークだ。

 これは、何の残骸?と錆びたフレームにエンジンらしき物体が載っていた。(写真下)
 一瞬、車のように見えたが、こんな場所で車なんてありえるのだろうか。
 しばし立止まって、あれこれ想像するが、結論は、出ず。

 東側に見えた送電線の電柱に向かう。
 この電線は、山頂のレーダ用に敷設されたもののようだ。
[このエンジンらしき物は、何?]

 送電線方向に向かう。これが、屏風尾根のルートだ。初めてのルートなので、ワクワクしながら下っていく。しかし、予想に反して、踏跡がない。
 結局、適当な土の斜面を下っていく。
 結構な急斜面になっていく。
[送電線を目印に下っていく]

 直進できなくなり、左の植林帯の方に入る。
 すると、一本のマメザクラ?が満開の花をつけていた。(写真左:ちょっとこの画像では、桜の花の鮮やかな色が出ておらず残念!)
 痛く感動し、何枚も撮影してしまった。
  ....足下は、杉の枝が散乱し、ヒルがいるのではと、ヒヤヒヤ。
[マメザクラ発見]

 相変わらず、踏跡は、はっきりしない。また、送電線の左側には、シカ柵が現れた。
 シカ柵に穴が開いており、反対側に行くべきか、悩んだが、このまま進んでいく。

 13:21、植林の間から緩やかなピークが見えた。どこだろうと、立止まって、じっと眺めていたら、見晴台だと分かった。違ったアングルから見るのは、新鮮で、興味が尽きない。(写真下)
 でも、そんなに下っていないことがわかる。

 この後、ジグザグの経路らしきものが現れ、植林帯の中にモミノ木が立ち並ぶ樹林帯を下っていく。
[見晴台が木間から見えた]

 途中、送電線と尾根筋が、離れてしまうことがあったが、無理に電線沿いに進むようなことはせず、尾根筋沿いの下りを忠実に進む。
 このために破れたシカ柵の穴を利用し、左側の斜面に移ることもあった。

 植林帯の中にモミノ木を発見しては、立止まり、見上げては、撮影を楽しむ。
 このあたりは、当初、モミノ木の林だったのだろうか。それを一部残して、植林帯としたのかなと推察。

 そのうち、再び電柱に出会う。(写真下)
[送電線の電柱下で小休止]

 13:48、植林帯が減っていき、自然林となった。
 急斜面を下りきると、立派なモミノ木が再び現れた。(写真左)
 モミノ木との遭遇は、嬉しいが、相変わらず壊れたシカ柵が左に続いているのには、ちょっと興醒め。 

 だいぶ下ってきたことがわかる。
 さて、最後は、キチンと道に出られるだろうか。
  ....経験上、ガケ上に飛び出すことも多数あり。

 いつもながら、最後の詰めが心配になってくる。
[シカ柵が続く]

 尾根の先端のような箇所から急な下りとなる。だが、幸いなことにジグザグの踏跡がついていた。これならば、大丈夫だろうと、道なりに進んでいく。
 やがて、前方に道が見えた。(写真下)
 無事、道に出られそうだと、ホッとしながら、下っていく。

 14:12、林道に出た。ここは、ふれあいの森日向キャンプ場の奥に当たる。以前、鍵掛尾根を登る際、通ったことのある道だった。
 先ずは、コンクリート舗装路の上で、靴を脱ぎ、念入りにヒルチェック。
  「あれっ、一匹もいない。」
 ちょっと拍子抜けである。この季節であれば、必ず取りつかれると思っていただけに嬉しい誤算だ。
[林道が見えた]

 緩い下りの舗装路をテクテクと歩いていけば、日向薬師バス停に到着。(14:53)
 見上げれば、あの雲海だった雲は、どこに消えたのかと思えるほど、青空が広がっている。平地でも午後は、天気予報通りの天気となった。
 バス停奥のトイレで顔を洗ったりしていたら、バスがやってきた。
 15:05、数人の下山者を乗せて、伊勢原駅北口行きのバスが出発。
 車内は、冷房が効いていて心地よかった。適当な振動が眠りを誘う。
 [日向薬師バス停にて]


  前半の雲海の光景は、予想外だっただけに、とても新鮮でした。(大山での雲海は初めてでした)
 そして、後半の屏風尾根。最初のミステリアスな残骸、途中のマメザクラ?の満開、その後の尾根下り。ですが、ちょっとシカ柵が煩かった感じがします。

 まあ、ヒルに遭遇することもなく、楽しいゴールデンウィーク初日となりました。



※山行時間には、撮影時間を含んでおりますので、ご注意下さい。