トップページ山行リスト(日付)>丹沢山・塔ノ岳_記録20120901


丹沢山・塔ノ岳

 山行日
2012年9月1日(土)       曇時々雨        単独行
 コース
三叉路(7:45)〜(8:43)唐沢川出合〜(9:22)塩水橋〜<塩水林道>〜(11:04)堂平(11:20)〜(12:38)天王寺尾根分岐(12:41)〜(13:28)丹沢山(13:44)〜(14:28)竜ヶ馬場〜(14:43)日高(14:47)〜(15:13)塔ノ岳(15:33)〜(15:48)花立〜(16:37)堀山の家(16:40)〜(16:54)駒止茶屋〜(17:47)大倉
今回は、丹沢・大山やまなみ登頂スタンプラリーのスタンプ押印のために丹沢山を訪問しました。 
 ついでにそろそろ白い花(シロヨメナ)の群落が天王寺尾根や丹沢山〜竜ヶ馬場間に出てくる頃なので、ルートは、塩水林道から登って、塔ノ岳に向かうことにしました。
 ですが、今回もいろいろありました。詳細は、以下をご覧下さい。


 海老名駅の小田急線ホームにて、6:19発の急行小田原行きを待つ。
 この急行は、渋沢で大倉行き朝一番のバスにギリギリ乗れる電車である。
 「おやっ」
 ふいに目の前に知った顔の男性が現れた。
 まーちゃんだった。
 今日は、YAMさん、AYさんと水無川本谷の支流である金冷シ沢に向かわれるとの事。
 「また、渋い選択ですね〜。お気をつけて。」
 と、本厚木で別れる。

 本厚木で、朝食をとり、6:55発の宮ヶ瀬行きバスに乗車。
 小田急線からは、大山がくっきりと見えていた。本厚木でも晴れており、今日は暑くなるな〜と思っていたのだが、土山峠を越えて、宮ヶ瀬湖の湖畔を走っていると様相が変わった。
 本間ノ頭や焼山のピークは、雲に隠れており、その雲が結構、厚く広がっているのだ。どうも丹沢北部と南部では、だいぶ天候が異なるらしい。

 三叉路バス停にて下車。
 アキレス腱を伸ばす準備運動の後、歩き始める。(7:45)
 歩き始めてまだ15分ぐらいしか経っていないが、急に雨が降り出してきた。
 そして、その雨は、5、6分で止む。しかし、5分後、また降りだした。

 8:19、15号橋手前のゲートにて、ガスに覆われた鍋嵐方面に向かって合掌。ここは、昨年暮、モトさんの慰霊登山したとき以来だった。
[今回のスタート地点(三叉路バス停)]

 朝の天気から見て、雨が降ってくるとは思わなかったなぁと、傘を差しながら、県道を歩くが、幸いにも5分ぐらいで止んでしまった。
 長者屋敷キャンプ場、一ノ瀬キャンプ場、唐沢キャンプ場、金沢キャンプ場と、この県道歩きは、キャンプ場通過が、一里塚ならぬ1km塚。

 最後の金沢キャンプ場入口に飲料の自販機を見つけた。この先は、もう自販機はない。そんな訳で、自然と足が自販機へと向かってしまい、冷えた炭酸飲料を味わう。
 だが、上空が思わしくない。ここで再び傘を差すハメになる。
 その後は、青宇治橋、桶小屋橋、塩水橋と橋を節目として歩く。
[金沢キャンプ場]

 9:24、本谷林道のゲートに到着。今日は、中型カメラ道具を背負ってきたこともあり、この県道歩きに結構、時間がかかってしまった。
 ゲート前には、自家用車が一列に駐車している。皆、丹沢山への登山者だろう。
 数えると11台が並んでいた。紅葉シーズンになると、最後尾の車が見えなくなるほど、並ぶことがあるが、この時期では、こんなものかなと思う。

 ゲート手前の道標が新しくなっていることに気がつく。
 その道標を入れて撮影。(写真下)
[本谷林道入口にて]

  相変わらず、雨が降り続いている。
 だが、瀬戸橋を渡り、塩水林道を歩いているうちに雨が止んだ。
 ようやく止んでくれたかと思っていたら、最初のヘアピン左カーブを曲がる手前で、また雨が降り始める。今日の雲は、人の心を弄ぶのが好きなようだ。

 2つ目のヘアピン左カーブを通過し、左手を眺めると、弁天杉が見えてきた。奥の本間ノ頭方面は、ガスがかかっているので、余計、弁天杉が目立つ。そんな姿を撮影。(写真下)

 弁天杉が尾根に隠れてしまうと、あとは、舗装路をひたすら歩くだけとなる。
 おおっ!、ヘビの死骸だと、一瞬、足が止まった。
 車に轢かれたようで、ペチャンコになっていた。だが、まだそれほど日が経っていないようだ。
 あれっ、この楕円形の斑紋は....ヘビは、マムシだった。
 舗装路上でも、マムシに出遭うのかと思うと、ちょっと背筋が寒くなった。
[弁天杉を眺める]

 堂平手前で、強烈な日差しを浴びるようになった。先ほどまでの雨がウソのようだ。見上げれば、青空が見えている。これで天気は、回復したなと判断。
 直射日光を避けるため、傘をそのまま差して歩く。雨傘が、日傘となった。

 山道に入る前、ここで早めのランチタイムとした。(11:04)
 日陰の路面に腰を下ろし、パンを食べる。周りには、車が結構、駐車していた。
 堂平の奥で、治山工事でもしているのかなと、このときは、そう思った。
 11:20、出発する。ここで、ようやく舗装路から土の登山道となった。
[日差しの強い堂平にて小休止]

 歩き始めて3分としないうちに、前方に腰掛けている単独の男性を発見。
 よく見たら、年配のハンターだ。話を聞くと、この上の堂平で、シカの捕獲を実施しているとの事。総勢20人以上が、山に入っているらしい。堂平で駐車していた車は、このためかと合点がいった。

 以前、誰かから聞いた話で、毎年同じペースでシカを捕獲しようとすると、ハンターがどんどん高齢化し、ハンターの減少が無視できなくなるらしい。それゆえ、ハンターが減少する前に、シカを捕獲する方針のようだ。

 相変わらず、日差しが強い。
 時々涼しい風が吹いてくるのが、有り難かった。
 右手の植林帯を見上げる。この光景をデジカメ撮影。(写真下)
 ここは、いつの間にか、自分にとって定点撮影地となっている。 
[植林帯を進む]

 涸沢(堂平沢)を渡るまで、計5人のハンターを見た。それぞれ持ち場があるようだ。
 
 涼しい風が前兆だったのかもしれない。
 天王寺尾根への登りに入ったところで、急に樹林帯が暗くなった。見上げると、上空が完全に雲で覆われている。さっきまでの晴天からは、全く信じられない状況だ。

 これは、雨が再び降ってくるなと思ったら、案の定、すぐに降りだした。
 林道歩きだった時の降り方とは、違い、今度は、本格的な降りである。
 そんな中、背後から銃声が3発、連続して聞こえた。ハンターがシカを追い詰めたようだ。ハンターの声も聞こえてきた。
 本降りの中、天王寺尾根合流点に到着。(12:38)
[天王寺尾根合流点に到着]

 傾斜が緩やかになり、シロヨメナの群落が見え始めた。
 思わず、デジカメ撮影する。

 続々と、登山者パーティとすれ違う。
 この雨の中、延々と大倉まで歩くのは、シンドイなぁと、傘を差しながら、そう思った。今日は、雨具を持っていないし、頼りの傘が小さな折り畳み傘で、すでに骨が一本折れていた。よく見れば、もう一本も折れそうである。
 この先、この傘が下山するまで機能してくれるか、頗る不安だった。
[シロヨメナが咲いていた]

 ガレ場に出た。一面ガスが覆い、10m先ぐらいまでしか見えない。
 だが、ラッキーなことがここで起こった。
 あれだけザーザー降っていた雨が、ピタッと止んでしまったのである。
 いったい何が起こったのだろうと考えながら、クサリを掴んで登っていく。

 ガレ場を通過後、振り返ってみると、天王寺尾根は、全く見えなかった。
 ひょっとしたら、雨を降らしている雲の上に出たのではないかと推察。
[前方のガレ場は、ガスの中]

 滑りやすい木道が現れ、慎重に進む。
 あたりは、シロヨメナの他、黄色いマルバダケブキが咲いており、晴れていれば、ゆっくり撮影したいところだ。

 直線路の木の階段となる。(写真下)
 これを登りきれば、稜線なのだが、ものすごく長く感じてしまう。
[木道の階段を登っていく]

 稜線に出た後、丹沢山に向かう。

 13:28、丹沢山頂上に到着。
 山頂のベンチには、誰もいなかった。三角点の方も見るが、こちらも人の姿はなかった。
 ふと、上空を見上げれば、なんと青空が見えるではないか。
 今日の天候からして、これも長くは、続かないのではないかと思えたが、傘を差さずに歩けるのは、なんとも有り難かった。

 みやま山荘に入って、早速スタンプを押印。これで残りの山は、鍋割山だけとなった。
 天気が変わらないうちにと思い、13:44、頂上を出発する。
[みやま山荘にてスタンプ押印]

 この先のシロヨメナ群落は、どうだろうかと思いながら進むと、目当ての群落ゾーンに出た。(13:47)(写真下)
 まだ開花ピークには、早過ぎたようだ。以前の印象と比べると、まだ白さが足りなかった。
 雨が止んでいることもあり、ここで中型カメラをザックから取り出し、シロヨメナ群落の撮影に入った。
 撮影中、かなり寒気を感じ、途中で薄手のウィンドブレーカを着込む。撮影後、ザックにつけてある温度計を見たら、19℃だった。
 道理で寒いはずだ。機材を片付けて、さっさと歩くことにした。(14:13) 
[ここもシロヨメナの群落あり]

 雨は止んだが、ガスが濃くて、西側は全く見えない。乳白色の世界だ。
 だが、竜ヶ馬場を過ぎた後、左手を見ると、雲の切れ目から視界が広がった。
 色のついた雨雲が大山の方に流れている。

 日高にて小休止。水分補給後、塔ノ岳に向かう。

 途中の小ピークに、以前は、「日高」の道標が立っていたが、今は、「日高」と記された箇所に「丹沢主脈線」という小板が打ち付けられてあった。
 思えば、丹沢を歩き始めた頃から、気づいていたことだったので、最低でも20年間は、ここが「日高」と記されてあった筈だ。それが、ようやく修正されたことになる。
[昔の日高道標は、「丹沢主脈線」の小板が打ち付けてあった]

 塔ノ岳手前の鞍部に着いた。
 右手にある、このツツジも定点撮影地になってしまった。
 9月の1日めだというのに既に紅葉が始まっていた。
 確か、この木は、今年の6月、栄養不足だったのか、全く白い花をつけなかった。こういった場合、紅葉が早いのだろうか。
[塔ノ岳〜日高鞍部のシロヤシオ]

 15:13、塔ノ岳に到着。
 すでに頂上に人影は、10人程度。尊仏山荘に入り、小休止。山荘の中は、空いていた。
 だが、昼前に激しく降った雨の時は、ものすごく混雑したらしい。そうだとすれば、まーちゃんたちも沢で、雨に遭遇した可能性が高い。無事、登りきれただろうか。

 15:33、山荘を出発する。
 既に山頂には、誰もいなかった。先ほどの登山者も下山してしまったようだ。
[塔ノ岳頂上は、ガスの中]

 金冷シから花立に向かう途中で、またしても雨が降ってきた。
 いったい何度目の雨だろうか。
 花立を通過するときには、もう本降りになっていた。ボロボロになった傘を差す。

 花立山荘に下っていく時にマルバダケブキの群落に出合う。
 せっかくなので近寄って、デジカメを取り出す。
 シカが食べないので、どんどん広がったのだろうか。
[花立山荘に下っていく途中、マルバダケブキの群落あり]

 岩場を下り終わったところで、携帯に着信が入る。
 まーちゃんからだった。すぐに折り返してTELすると、ちょうど今、鶴巻温泉の駅に到着したとの事。では、本厚木あたりで合流しましょうということになった。

 このため、今までのゆったり下山から、一転してスピードを上げて下山していく。
 フラットな登山道に出たところで、なんと雨が止んだ。(写真下左)
 上空を見たら、ちょうど雲が切れて、この先には青空が見えていた。(写真下右)
[雨が止んだ] [青空が見えた]

 見晴小屋のテラスには、人が集まり、名物の合唱が始まっていた。
 歌声とトランペットが鳴り響く中、通り過ぎていく。
 左手に見える秦野盆地には、日が差していた。もうすぐ大倉だ。
 電話連絡を受けてから、歩く速度が倍になった感じだ。
[見晴小屋では、すでにコーラスが始まっていた]

 しかし、今日の雨は、しつこい。
 観音茶屋を過ぎたら、ザーザー降りの雨となった。
 舗装路を下っていくと、東の大山南尾根の奥は、明るい。(写真下)
 どうやら、今回も局所的に降る雨のようだ。
[雨の中、大山方面が明るい]

 17:47、大倉に到着。
 48分発のバスをパスし、顔や靴を洗ったり、着替えたりしてサッパリした後、18:08のバスに乗車。
 やはりというか、あれほど降っていた雨は、既に止んでいた。

 渋沢で、AYさんに連絡し、本厚木には19時前に到着することを連絡。
 いよいよビールだ。
[大倉にて帰路につく]

 本厚木駅の改札口を出たら、嬉しいことにまーちゃんとAYさんに出迎えられる。
 いつもの店にて、乾杯。
 今日の山行の話を聞けば、思っていた通り、沢を登っている途中で、雨に降られたとの事。でも、そんなことより、最後のツメでのアザミのチクチク攻撃の方が堪えたようだ。
 また、先ほど本厚木でも夕立に出合ったということで、今日は、この神奈川中央エリアは、どこでも夕立があったようだ。
 丹沢談話を肴にした楽しい酒が、しばし続く。
 [本厚木で乾杯]


 朝、まーちゃんに会ったおかげで、下山後も楽しいひとときを過ごすことができました。
 AYさん、まーちゃん、お付き合いありがとうございました。

 久々の丹沢山でしたが、頂上は、あの大きな「丹沢山」の看板が柱だけとなっており、地味な山頂となっていました。
 スタンプは、無事、押印できましたが、これほど断続的な雨を経験したのは記憶がありません。
 「丹沢山 = 雨」という印象が強くなっていくようです。



※山行時間には、撮影時間を含んでおりますので、ご注意下さい。