トップページ山行リスト(日付)>経ヶ岳_記録20121223


経ヶ岳

 山行日
2012年12月23日(日)       曇り         同行者:AYさん、イガイガさん
 コース
塩川滝駐車場(7:03)〜(7:05)塩川滝(7:10)〜(7:58)393号鉄塔〜(8:21)丁字路〜(9:12)林道合流点〜<法華峰林道>〜(9:33)林道終点(9:36)〜(10:11)華厳山分岐点〜(10:16)経ヶ岳(10:36)〜(10:54)半原越〜<南山林道>〜(11:24)南山1号路線入口(11:27)〜(11:45)393号鉄塔〜(12:16)国道412号線横断〜(12:29)塩川滝駐車場
 前夜の飲み会にて、イガイガさん、AYさんと急遽、企画決定した山行です。目的は、久々の塩川滝見物、それと経ヶ岳にシモバシラ(植物)があるか否かの調査です。
 今回は、個人的に不明だったルート(後半最後の国道に出るまでの経路)が解明できたり、収穫の多い山行となりました。
 詳細は、以下をご覧下さい。 


 6:56、イガイガさんの車で、塩川滝前の駐車場に到着。

 さあ塩川滝へと歩き始めると、駐車場の奥にて、前夜からキャンプ?していたグループ男女3人(車2台で来ていた)が、湯を沸かしている。どうやら、朝食の準備をしているようだ。
 そのグループの横を通らせてもらい、ほんの1、2分程度で、塩川滝下に到着。

 この滝を見るのは、これで2回目だ。ちょうど2年前に初めて訪れた時、滝の落ち口の奥から日が差し込み、逆光気味だったのを思い出した。今日は、曇り空で、日が射さず、三方が岩壁に囲まれているので、全体的に暗いイメージがつきまとう。
 何度かシャッターを押して、引き返す。

 再び、駐車場に戻って、男女3人が集まっている横をスレスレに通過する。というのも、右手の急斜面の取り付き点入口に彼らが陣取っていたのだ。
 男女3人は、我々3人が、車に戻らず、どこに行くのだろう?と、思ったかもしれない。
 ちょうど、我々3人が、なんでここで朝食なの?と思ったように。
. ....お互い、変わった人種なのだ。
[今回のスタート地点(塩沢滝)]

 AYさんを先頭に右岸の急斜面尾根を登っていく。(写真下左)
 このとき、自分の吐く息の臭いで、気持ち悪くなった。
 まだ昨晩の酒が残っているようだ。そういえば、今朝は、全く食欲がなかった。
. ....昨晩は、8人(但し、お1人はノンアルコール)で、合計ビール中ジョッキ10杯&焼酎ボトル4本 (何故か手許に収入印紙が貼られた領収書あり)

 木立の間から塩沢滝を見下ろす。(写真下右)
 先ほど下から眺めた時は、2段の滝のうち、下段の方が落差があるように見えたが、ここからだと上段と下段の落差は、そんなに差がないように見える。

 このルート、木の根っこがあるところは、まだいいが、何も掴むものがない箇所もあり、一瞬、緊張する。前日の雨で地面は濡れており、滑りやすいのだ。
. ....二日酔い状態の身体には辛い。
[右岸の急斜面を登る] [右下に塩沢滝]

 あれほど急斜面だったのが、ウソのような光景に変わってしまった。(写真下)
 自然林の中、濡れた落葉を踏みしめてゆっくり進む。
 落葉は、ホウノキの大きな葉が目立つ。

 尾根の背に乗ると、右手前方に小ピーク(280m峰)が見える。
 だが、その小ピークには、行かず、途中で右側を巻いていく。
[自然林に飛び出た]

 小ピークから派生している別の尾根筋を下っていく。
 このあたり、自然林が伐採されていた。(写真下)
 
 尾根筋を下り、左に進むと、見覚えのある経路に出た。送電鉄塔の案内標識が立っている。(写真下右) ここは、1年半前にAYさんと送電鉄塔巡りをしたときに通った道だ。
 
[尾根筋を下っていく]

 7:58、佐久間東幹線No.393鉄塔の横で立止まる。
 以前と比べて、経路周りの草がキチンと刈り取られ、非常に歩きやすくなっていた。

 見下ろせば、愛川町の町並みが広がる。
 だが、日が当たっていないので、光景もイマイチ。
 今日は、晴れるという天気予報だったのだが、全然、晴れていくような天気ではなかった。上空は、相変わらず、雲に覆われている。
[佐久間東幹線No.393鉄塔の横を通過]

 送電鉄塔を通過後、4,5分でY字路となる。
 前回のAYさんとの送電鉄塔巡りの時は、右の道を進んだが、今回は、左の道を進む。
 ここから先の経路は、初めてであり、興味津々。

 だが、この後、経路は、ひたすらトラバースしていくだけであった。
[Y字路を左へ]

 8:21、丁字路に出た。
 左は、道幅が広いが、右は、急に狭くなっていた。
 AYさん曰く、
 「左の道は、お寺(勝楽寺/半僧坊)の方に通じてますよ。」
 その事を裏付けるようにイガイガさんが、スマホ上の1/25000地形図で確認され、
 「お寺から破線(経路)が続いて、それが終わっている箇所がここですよ。」
とコメント。
 だが、スマホを見せてもらうと、それは、地形図だけでなく、GPSアプリ付きであることが判明。
 ....最近、イガイガさんの道迷いレポートがないなぁ〜と思ったら、こういうことでしたか。
[スマホ上の地形図にて現在位置を GPSでカンニング 確認中のイガイガさん(左)]

 丁字路を右折すると、ようやく登り道となった。
 だが、途中で、小沢に出たところで経路を見失う。
 対岸にでも経路があるのかと、小沢に入ってみるが、経路は発見できなかった。
 ここで、イガイガさんがスマホを取り出し、進行方向を確認。
 上の林道に出たい場合、小沢の右岸よりも左岸の方が登り易いことが判明。
 ということで、左岸を登っていくことに。 
[沢沿いに進むも経路が見つからず]

 しかし、斜面は、思ったより急で、ノイバラの棘攻撃や、蔓と小枝が交錯し、障害物競走の網潜り状態になったりと、結構、時間がかかってしまった。(写真下)

 ようやく抜けたと思った瞬間、左手の甲の部分に痛みが走った。
 ノイバラの棘攻撃を受けてしまい、ネコに引っ掛かれたような3本の線状の傷を負う。以前、華厳山にてタラノキを掴んで以来、慎重になったつもりだったのだが、またしても油断してしまった。
 ....こういう時に限って手袋をしていなかった。

 尾根の背に出たところで、
 「あそこのビルは、橋本ですかね。」
 などと、お二人の話を聞きながら、こちらは、バンドエイドで手の甲を応急処置する。
 しかし、なかなか血が止まらなかった。
[ノイバラあり、ツルあり、急斜面ズルズルあり(振り返ってAYさん撮影)
....最初、左にイガイガさんが写っていることに気がつかなかった。ちなみにこの日、AYさん、花立小僧はオレンジの服装。

 9:12、林道に飛び出た。
 前方を見ると、先に出たお二方が、じっと正面の急斜面を眺めておられる。(写真下)
 経ヶ岳を目指すとなると、この急斜面経由が最短コースとなる。だが、これを登るとなると、先ほどの急斜面と同じような感じで、ヤブ突入は、避けられそうにない。
 しばし沈黙が続く。
 すると、AYさんより、
 「この林道終点まで行ってみませんか。」
との別ルート提案。
 ということで、あっさり正面の急斜面ルートは、諦め、左に林道を歩いていく。 
[林道に出て、正面の急斜面をじっと見上げる巨匠のお二人]

 林道をのんびり歩いていくと、右手から経ヶ岳から半僧坊に続く一般登山ルートと合流。(写真下)
 だが、一般登山道は、この林道合流の後、すぐに左手に分岐してしまう。
 一方、林道は、ほぼ水平に続いていく。
[林道終点に向かう(途中、林道が一般登山コースと重なる)]

 9:33、林道終点に到着。
 この先、正面は、岩壁で、突破は無理。左は、沢となっており、その沢に下降し、先の尾根の腹に取り付くことも考えたが、経ヶ岳に向かうには、ちょっと遠回りになる。
 ここでもイガイガさんのスマホが活躍し、結局、右手の植林帯の尾根を登ることにした。 
[法華峰林道終点]

 最初の取り付きが、ちょっと難儀だったが、尾根の背筋に乗ってしまえば、歩きやすい斜面となった。(写真下) 急だが、両手を使用するほどではなく、一番効率良く高度が稼げる。

 途中で左右に走っている経路とぶつかった。
 ここで、直進せず、この経路を左に進んでみると、左の尾根と合流し、経ヶ岳からゴルフ場(大沢登山口)に下っていける山道に出た。
 この山道を登っていくと、単独のハンターとすれ違う。今日の狩猟エリアを聞いてみると、この尾根の両側で実施しているとのこと。
 やはり、この辺りは、ハンターが多く、要注意だ。
 ....だから、この時期は、オレンジ色の上着がBESTなのだ。
[植林帯の急登]

 10:16、経ヶ岳頂上到着。
 我々以外は、誰もいない静寂なピークだった。
 立止まっていると、すぐに身体が冷え込む。
 ここで、帰りのルートを検討。結局、南山林道を下り、途中で、南沢の右岸に渡り、No.393鉄塔を再び通り、国道に出ることにした。
 ....まだ、酒が抜けない。 
[経ヶ岳頂上にて]

 一般登山道を半原越に向かう。(写真下左)
 ここから、今回の目的の一つ、シモバシラ調査を開始する。
 「このあたりに、シモバシラは、ありませんかね〜」
と、AYさんと話しながら、東側斜面を探してみた。だが、残念ながら、発見できず。

 半原越手前で単独男性登山者とすれ違った。本日、初めて出会った登山者だった。
 半原越からは、北側に下っていく。(写真下右)
 どこからか、チェーンソーの音が聞こえてきた。
[半原越に向かう] [林道(舗装路)を下っていく]

 南山林道途中で、作業経路に入り、再びNo.393鉄塔に戻ってきた。
 この頃になると、ようやく天気予報通り、日が差し込んできた。

 No.393送電鉄塔を過ぎた後、経路沿いに進んでいく。
 朝、見た小ピーク(280m峰)を今度は、左に見ている。
[再びNo.393鉄塔へ]

 途中で、道が分かれ、右折路の送電線巡視路は、立派な経路が続いていたのだが、直進路は、草が茂っており、全く経路の姿では、なかった。
 だが、1/25000地形図では、右折のルートは記載されておらず、直進路だけが破線で記されている。
 1年半前にAYさんと歩いた時をふと思い出す。
 その時は、右折路の巡視路から逆に、この分岐点に歩いてきて、ここが丁字路だと、はっきりわかるぐらい、草は、なかった。
 たった1年半で、こうも激変するものかと唖然。
 だが、幸い、このササヤブは、3,4分でなくなり、経路が復活する。 
[送電巡視路から外れたらササが生い茂る]

 植林帯を通っていくが、やはり経路を途中で見失った。
 ....だが、イガイガさんのGPSスマホでは、地形図の破線上をまだ歩いているようだ。

 ここで、以前、国道からこの破線ルートを探した時の記憶が蘇る。
 地形図上での破線と国道が交わる点は、擁壁の上で、破線通りには歩けなかったのだ。そこで、南側の畑ノ沢沿いに歩いて、この破線ルートを探したのだが、結局、よくわからず引き返してしまった。
 今日は、逆コースとなっており、国道に出るルートが不明となっている。
 ここで、地形図の破線から外れて南の方に下っていくことにした。
 すると、幅広の経路に再び乗ることが出来た。(写真下)
[下り斜面で経路に乗る(振り返ってAYさん撮影)]

 経路を辿っていくと、最後は、畑ノ沢左岸に出たところで、国道とぶつかった。(写真下)
 なるほど、経路は、このようについていたのかと、ようやく理解できた。以前、国道から経路を探した時は、ひたすら畑ノ沢左岸沿いに進んでしまい、今回の経路とは、全く方向が違っていた。畑ノ沢沿いではなく、どちらかと言えば、国道沿いに歩いていけば、良かったのだ。
 長年、不明だったルートが今回、確認できたことは、収穫だった。

 この後、お二方とペチャクチャ話しながら、塩川滝駐車場に向かった。
 ....ようやく酒が抜けてきて、空腹感を覚えた。
 [無事、国道に出た]


 今回は、樹木、花、野鳥等、博物学に詳しいAYさん、古道、沢や山名といった歴史・文化地理学に明るいイガイガさん。
 このお二人と話をすれば、全く飽きない山行が出来るのは、当然の成り行きでしょう。
 おかげで楽しく、新しい知識を得ることが出来ました。

 AYさん、イガイガさん、ご同行ありがとうございました。



※山行時間には、撮影時間を含んでおりますので、ご注意下さい。