トップページ山行リスト(日付)>ヨモギ平・三ノ塔_記録20130126


ヨモギ平・三ノ塔

 山行日
2013年1月26日(土)       快晴         単独行
 コース
蓑毛(7:30)〜(8:37)ヤビツ峠(8:40)〜(9:10)門戸口〜(9:21)諸戸〜(9:57)札掛手前の吊り橋〜(12:12)ヨモギ平(12:28)〜(13:44)三ノ塔(13:48)〜(15:13)牛首(15:17)〜(16:10)大倉
 前回に引き続き、今回も蓑毛がスタート地点です。
 そして、訪問地をヨモギ平・三ノ塔としました。快晴の下、ヨモギ平で寂寥とした冬景色を味わった後、三ノ塔に向かい、大倉に下山しましたが、その途中、大きな落とし穴が。

 詳しくは、下記をご覧下さい。


 秦野駅に6:53到着。バス乗り場に来ると、ヤビツ峠行きは、蓑毛止まりの貼紙が出ていた。
 ということで、前回同様、7:05発の蓑毛行きバスに乗車する。
 前回は、登山者が12人乗車したが、今日は6人だった。

 今回もベテランらしい男性登山者しか乗っていない。
 このバス時刻で標準コースといえば、蓑毛からヤビツ峠、表尾根方面なのかなと思う。前回も登山者の殆どが、蓑毛から蓑毛越方面ではなく、ヤビツ峠に向かっていた。
[ヤビツ峠行きバスは、蓑毛止まりの貼紙あり]

 7:23、終点蓑毛にて下車。
 以前から気になっていた石碑を見に行く。
 敬礼をしている少年像は、「東京少年キャンプ連合」発祥の地の碑である。その右隣にもう一つの石碑があり、これが何であるか、よく分からなかったのだ。
 右側の石碑には、以下のように刻まれている。
  『丹沢開拓の先覚者
     故柏木幹太氏顕彰碑
        神奈川県知事 内山岩太郎 書』

 帰宅後、調べてみると、
 柏木幹太氏は、父の米吉と共に蓑毛の林道整備に努力し、柏木林道(幅員2.0m、延長2412m)を私財を投じて昭和6年(1931)に着工し、翌年3月に完成させた。また、秦野町から蓑毛に至る県道や丹沢林道(県道秦野津久井線)実現のため、県に陳情を繰り返した結果、昭和7年に神奈川県林務課により蓑毛から札掛を経由して宮ヶ瀬に至る総延長26.6kmの丹沢林道の開設工事が着工された。
    ...「旧秦野市サイト情報」
      &「平成15年度水沢治山流域総合調査 調査報告書」より
[蓑毛バス停前の石碑]

 7:30、蓑毛を出発。 
 少し歩いていくと、右手に蓑毛越との分岐点道標が立っている。正確に言うと、ここからヤビツ峠に向かう道が柏木林道となる。
 一直線の坂道を登っていくと、春岳沢の木橋に着いた。(写真下左)
 前回と違って、全く雪がなかった。6日経っただけで、雪は、ここまであっさり消えてしまうものかと思う。

 その後の六本松林道との分岐点でも、同様に雪が消えていた。(写真下右)
[前回と同じ春岳沢の木橋] [前回と同じ六本松林道との分岐点]

 8:37、ヤビツ峠到着。
 このバスロータリ−付近も、前回よりは、雪が減っていた。だが、裏手にまわり、駐車場奥の門戸口への近道ルート入口を見てみると、日陰ということもあり、積雪量は、それほど変化が無く、トレースもなかった。
 「ウム...」
 今回、門戸口に向かうつもりだったので、トレースがあれば、利用しようと思ったのだが、トレースが無いとなると、舗装路の県道を通った方が時間的に早いだろうと推測。

 だが、その県道歩きも楽でなく、度々、凍結したエリアがあり、緊張しながら下っていくハメに。
[ヤビツ峠にて]

 富士見橋を通過し、さらに下っていく。
 この先には、護摩屋敷の水汲み場がある。

 護摩屋敷とは、山伏がヌルデの木などを焚いて修行をするところで、昔、修行に訪れた僧たちが、ここの水で身を清めたと伝えられることから、この名前がついたと言う。
 ...「秦野市観光協会サイト」から

 驚いたことにその護摩屋敷の水汲み場手前で、県道が変わっていた。新しい橋が出来ており、護摩屋敷の水汲み場横の道が、旧道となっていた。(写真下)
 そんな訳で護摩屋敷の水汲み場の前を通らずに進むことになった。
[護摩屋敷の水付近には、直進できる新しい橋が]

 門戸口、諸戸と、藤熊川沿いに続く県道をひたすら下っていく。
 ヤビツ峠から1時間20分弱、歩き続け、ようやく札掛手前の吊り橋に到着。
 吊り橋の上には、雪が結構残っており、ちょっと重量オーバーにならないか、ハラハラしながら通過する。
 ....メタボにとっては、緊張の一瞬

 吊り橋を渡った後、Uターンするようにしてタライ小屋沢の下りて、渡渉する場所を探す。水量は、それほど多くないが、なるべく濡れない箇所を選んだ。

 対岸に渡った地点が、ヨモギ尾根取り付き点である。
 ここで、ストックと、アイゼンを取り出す。このあたり、日陰ということもあるが、かなりの雪が残っていた。夏であれば、ここはヒルの巣窟だが、今は、一面雪だらけ。安心してザックを下ろして、アイゼンを装着する。
[タライ小屋沢と藤熊川合流点上に架かる吊り橋にて]

 最初の急斜面を無理矢理、登りきると、その先は、なだらかな尾根が続く。(写真下)
 やはり、雪が多い。
 しかしながら、雪が締まっており、歩きやすかった。
 誰か登った形跡がないか、キョロキョロ見回すが、特に踏跡は見つからなかった。
[ヨモギ平へ向かう]

 登るにつれ、雪が多くなるかと思ったら、そうではなく、逆に雪が消えている箇所もあった。(写真下)やはり、風向きによっては、積もらない箇所が出てくるのだろうか。

 この状況であれば、この先は楽な登りかなと期待したのだが、それは、大きな誤りで、やはり高度が上がるにつれ、積雪量が増えていった。
[意外に雪が少ない箇所あり]

 標高806m地点まで来ると、もう積雪量が半端でない。
 日が当たっても全く解けていないような感じだ。
 ここで2人?のトレースを発見し、そのルートを辿っていく。これだけ雪が残っているのであれば、カンジキを持ってくれば良かったと後悔。
 ....カンジキは、だいぶ前に購入しているのだが、まだ一度も使用したことがない。
[雪が多くなる]

 11:47、シカ柵が現れる。
 扉は、あるのだが、閉じたまま、雪が積もっており、一目見て、開けるのは無理とわかる。
 どうしたものかと、雪上の踏み跡を辿ると、右手に進み、なんと吹き溜まりのような雪の山を登り、シカ柵を越えていた。ということで、同様のルートをとる。
 シカ柵が、これほど雪に埋もれているのを見たのは、たぶん初めてだろう。ちょっと記憶に無かった。

 シカ柵を越えると、前方は、自然林が広がった。
 ちょっと逆光で眩しいが、眺めていて気分がいい。
[シカ柵を跨いで越える]

 12:12、ヨモギ平に到着。
 ヨモギ平という標識は、健在だったが、ヨモギ平のほぼ中心にポツンと設置されてあったベンチが脚だけとなっていた。林を眺めるには絶好の位置にあったベンチだったので、非常に残念だ。周囲を見渡すと、ボスコキャンプ場寄りに少し行った所に別のベンチを発見。
 そのベンチにザックを下ろして、ランチタイムとした。
 風の音や鳥の声も無し、何も聞こえない。寂寥とした冬景色を眺めながら、パンをかじる。

 やはり、腰を下ろしていると体温が下がっていくのがわかる。
 これ以上、冷え込んでくると体調が狂いそうなので、出発することにした。
 その直前に落葉樹林を撮影。
[久々のヨモギ平]

 三ノ塔に向かって出発。(12:28)
 細い尾根を進み、鞍部を少し過ぎたところで、小さな道標に気がつく。(写真下左)
もう、道標という機能をなさないような状態だ。

 正面の緩やかな登りには、雪が少なく、雪よりも落葉の方が目立っていた。
 これは、登りやすいとひと安心。
 だが、これも最初だけだった。徐々に雪深くなり、頂上近くになると、完全な雪山状態。膝下まで埋もれるほどの積雪量となった。
[三ノ塔への道標] [三ノ塔への登り]

 13:32、三ノ塔頂上の北側(烏尾山に下っていく地点)に立つお地蔵さんの前に到着。
 このお地蔵さんの周りには雪が少ない。風が相当強いようだ。
 頂上の休憩小屋の方に向かう。
 右手には、表尾根の光景が広がる。

 13:44、休憩小屋前にある山頂標識に到着するも、風が強くて、傍のベンチで休む気がしない。
 そのせいか、周辺には、2人しか登山者を見かけなかった。
 とにかく、じっとしていられないので、デジカメで何枚か撮影しただけで、頂上を出発する。(13:48)
[三ノ塔のお地蔵さん]

 頂上から大倉方面に下っていく。

 この辺りが大倉と二ノ塔(ヤビツ峠)との分岐点のはずだが...
 と思っていたら、雪に埋もれた道標を発見。(写真下)
 その時、背後から単独中年男性が追い越していった。思わず、声を掛けてしまった。行先を聞けば、「大倉に下ります」とのことで、正しいルートだったので、「お気をつけて」と回答。
 雪道は、大倉方面のトレースだけ、はっきりしていたが、ヤビツ峠方面のトレースは、不明瞭だった。これでは、ヤビツ峠へ行くつもりが大倉に下ってしまう人が出てくるのではないか、そんな事を思った。
[大倉・ヤビツ峠分岐点道標は、雪に埋まっていた]

 積雪のため、トレースを辿っていくが、歩きやすい箇所を選んだだけのようで、植林帯の中は、無雪期の登山道ではないルートとなっていた。おかげで、ヘンテコなヒノキに遭遇。(写真下)
 本来の幹1本の他、2本の枝が幹になって上に伸びていた。だが、2本の枝は、素直に上に向いているのではなく、一旦、下方向に伸びた後、上に伸びていったようなU字型をしている。

 どうすれば、このような形状になるのだろうか。
 ....今度、専門のシ○ミさんに尋ねてみよう。
[変形したヒノキを発見]

 植林帯の下りを終え、シカ柵沿いに緩やかな尾根道を下っていく。

 14:49、大倉まで3.5kmの道標を見る。(写真下)
 ここまで下れば、もうすぐ牛首だ。
 そう思ったとき、道標の奥から、チェーンソーの音が聞こえ、続いて木槌で叩くような音が聞こえる。これは、伐採しているときの音だ。
 その音に釣られて、山道から外れ、東側の斜面に進むと、案の定、植林を伐採している光景に出くわした。
 ちょうど1本、倒れる瞬間を見届ける。その1本は、既に倒された木と見事、平行に倒れた。これは、倒したい方向にきちんと倒した証だろう。
[三ノ塔尾根を下る]

 伐採作業を見た後、ふと右手手前を眺めると、立派な林道が出来ていたことに気がつく。
 いつの間にこんな林道が...
 考えてみたら、今見ていた伐採された植林木も、この林道を利用して、運搬されるわけだ。

 この新しい林道をしばらく眺めていた後、道標のあった方向に戻った。
[林道が東側斜面に出来ていた]

 尾根沿いの山道を下っていくと、表丹沢林道に出た。(写真下)
 だが、どう見ても、以前、牛首に降りた箇所でないことに気がつく。
 そういえば、途中から山道が踏跡のようになってしまい、ちょっと変だなと思っていたのだが、方向からして林道に出るのは、間違いないので、軽く考えていた。

 しかし、どこでルートから外れてしまったのだろう。この点は、非常に気になる点だ。
 少なくとも伐採作業を見に行く直前には、道標があったのだから、正しいルートだった筈だ。
 伐採作業を見学した後、登山道に戻った時、戻ったと思った道が、どうやら本来の登山道ではなかったようだ。

 せっかくなので、林道に下りた後、左側を進むことにした。先ほどの新しい林道が、どうなっているのか見てみたかったからだ。
[表丹沢林道に下りる]

 すると、ものの1分程度で、林道合流点となった。(写真下)
 緩い傾斜で新しい林道が分岐していた。
 その先には、伐採された丸太が積まれてある広場があった。ここからトラック輸送されるようだ。
 林道合流点もわかったので、ここで引き返すことにした。

 再び、林道に下りた地点に戻った際、地図を取り出す。地図は、最近老眼が酷くなった身としては、大変有り難い「東丹沢登山詳細図:1/16500」だ。
 但し、1/16500地図と言っても等高線は、1/25000と同じ10m単位である。要するに1/25000の精度で、少し拡大した地図ということになる。
 これを見ると、先ほどの道標の先で尾根が二分し、東側の登山道でない尾根を下ってしまったということがわかった。
 ....いささかショック。
[新しい林道入口(振り返って撮影)]

 この表丹沢林道を西に歩いていくと、見覚えのあるゲートが見えてきて、ようやく牛首にたどり着いた。(15:13)
 ここから大倉に行くには、舗装路となった萩山林道を下る、あるいは、尾根の背筋沿いの登山道を進むの2通りあるが、今日は、後者を歩くことにした。(結局、後者は前者に合流するのだが)

 山道に入り、斜面を登り終えた後、突然、目の前にシカの群れが現れ、左側斜面を駆け上がったかと思ったら、そのまま右斜面へと尾根筋を全速力で越えていった。
 ...カメラを取り出した時は、既にシカは視界から消えていた。

 確かシカは、5頭で、そのうちの1頭は、身体が小さく、まだ生まれてそれほど経っていないと思える子ジカだった。
 最近、シカを見る回数が激減したが、こんな人里に近いところで5頭の集団とは、ちょっと意外だった。
[本来のルート、牛首に到着]

 風の吊り橋を渡り、大倉に到着。(16:10)
 天気は、文句なし。三ノ塔頂上以外では、風も無く、穏やかな山行だった。
 ....しかし、いまだ一般登山道でルートミスしたことにショックが隠せない。
 [大倉に到着]


 久々にヨモギ平を訪問し、冬木立の眺めを堪能してきました。
 ですが、今回は、後半のルート間違いのショックが大きかったです。

 三ノ塔頂上の先で、雪に埋もれた道標を見かけたとき、初訪問だったら、ルートミスしそうだなと思っておりましたが、まさかその先の雪の無い箇所で、自分がルートミスするとは思いも寄らない出来事でした。
 道標のあった登山道からほんの10mぐらい外れただけなのにという思いが強くあります。
 どうも緊張感が足りなかったようです。今回は、すぐ先で表丹沢林道にぶつかることが分かっていましたので、余裕がありましたが、そうでなかったら、オロオロした結果、引き返すハメになったかもしれません。
 いい経験になりました。




※山行時間には、撮影時間を含んでおりますので、ご注意下さい。