トップページ山行リスト(日付)>樅ノ木沢_記録20130608


樅ノ木沢

 山行日
2013年6月8日(土)       曇り         同行者:イガイガさん
 コース
山伏トンネル下(山中湖側)(8:07)〜(8:37)大棚ノ頭の下〜(8:46)要所小屋ノ頭〜<西丸北東尾根>〜(9:56)林道終点〜(10:13)樅の木橋〜<樅ノ木沢>〜(10:53)西沢分岐点(10:57)〜<樅ノ木沢>〜(12:34)ミニ両門ノ滝(12:56)〜<樅ノ木沢>〜(14:30)登山道合流点(14:33)〜(14:41)油沢ノ頭(14:45)〜(14:57)樅ノ木沢の頭〜(15:15)西沢ノ頭〜(15:35)石保土山(15:39)〜(15:56)要所小屋ノ頭〜(16:05)大棚ノ頭の下〜(16:28)山伏トンネル下(山中湖側)
 今回は、イガイガさんと西丹沢(丹沢深西部と言うべきでしょうか)の沢に行ってきました。2010年に水ノ木沢、2011年は、西沢と歩き、昨年は、どういう訳か行っておらず(調べてみますと、どうも私の腰痛発症が原因のようです)、今年は、水ノ木沢、西沢の間に位置する樅ノ木沢を目指しました。
 詳細は、以下をご覧下さい。


 「ありゃりゃ。駐車できない。」
 山伏トンネル入口手前の、僅かな道路横のスペースが、イガイガさんの定番駐車エリアだったのだが、今日は、トンネル手前の法面工事のため、そこには、柵が出来ていた。
 ということで、少し山中湖の方に下っていき、左カーブのところにある小広場に駐車。

 車から降りて、山支度開始。今回は、軽量化を考慮し、ここから沢靴を履いていくことにした。
 8:07、山伏トンネルに戻る方向へ出発。半袖姿のイガイガさんは、ちょっと寒そうだ。
[山伏トンネルから山中湖側の駐車エリアから出発]

 山伏トンネルを通り抜け、工事現場の歩行者通路を通り、右折する。いつものように山伏峠に向かう。山道に入ると、自然林の緑が眩しい。
 黙々と登山道を登っていく。途中、送電鉄塔(西群馬幹線258)の下をくぐる。ここは、隠れた富士山のビューポイントなのだが、生憎、今日の富士山は、完全に雲に隠れていた。

 大棚ノ頭直下の丁字路を左折し、送電線下で、ちょっと涼しい思いをした後、急な階段を登って、要所小屋ノ頭に到着。
 ここから甲相国境尾根の登山道から外れて西丸方面に向かう。
 最初は、一般登山道のような歩きやすい尾根歩きが続く。(写真下左)
 前方を歩くイガイガさん、何故かスリングを右手で回している。何のお呪いかなと思ったら、クモの巣対策だとわかった。
 この感じのいい尾根歩きは、2、3分で終了してしまい、ササヤブへの突入となる。(写真下右)
 まあ、いつもの事なので、驚くこともない。
[感じのいい尾根歩き] [恒例のヤブ歩き]

 例によって、途中で西丸を左から巻いていく経路に入る。
 そして、正面に植林が見えてきたら、左折して尾根筋を下っていく。右手を登っていけば西丸のピークに通じる所である。
 今までは、この尾根沿いに進み、1/25000地形図での1004m地点を経由して金山沢に下っていたが、今回は、途中で尾根筋から外れ、右にトラバースしていく経路に入った。
[右のトラバースルートに入る(イガイガさん撮影)]

 結果的に1004m地点の尾根の一本南側の尾根を下っていく。イガイガさんに言わせると、こちらの方が急斜面の下りが少ないとの事。
 確かに経路沿いに下っていくと、小沢に簡単に降り立つことができた。この先、下流側に進んでいき、所々崩れてしまった経路を忠実に辿っていくと、なんと金山沢に出た。その金山沢を渡り、斜面を登ったところが、ちょうど林道終点だった。
 つまり、今、歩いてきた経路は、昔、林道終点から続いていたようだ。
 イガイガさんと、今の経路について昔は、どのくらい整備されていたのだろう等、話をしながら、林道の緩い下り坂を進んでいく。

 林道終点から17分後、樅ノ木橋に到着。(何故か、山と高原地図28「丹沢」では、樅ノ木沢橋と記載されている) 橋の上から樅ノ木沢を見下ろす。2年前、訪れた時は、天気が良く、明るい沢だなと思ったが、今日は、天気が曇り空のため、非常に暗い沢に見えた。ちょっと気味が悪いぐらいだ。

 少し戻って、橋の下流側から樅ノ木沢に入る。ちょうど金山沢との合流点付近だった。
 ここで、ヘルメット、ハーネスなどを装着し、沢に入る。
[金山沢合流点付近から樅ノ木橋を見る]

 岩に乗ってみると、水垢が多い。意外と滑る事がわかった。いつも以上に慎重に歩かないとドボンしそうだ。水温は、さほど冷たいという訳ではない。
 だが、デジカメ撮影にとっては、泣かされる状況だった。上空は、雨が降ってきそうな雲で薄暗く、暗い画像しか撮れないのだ。
[最初の滝(イガイガさん撮影)]

 やはり、沢は、晴れているときがいいなぁ〜と思う。曇り空の下で、海水浴をしているようなものだ。やはり、青空の下で水に入っていきたい。

 そう思っていると、前方で沢が二俣となった。左が西沢、右が樅ノ木沢だ。ここで、単独の中高年男性の釣人に追いついた。その釣人は、西沢の方へ、我々は、右の樅ノ木沢へと向かう。今までのルートは、西沢訪問の時に歩いているが、ここからが、自分にとって初訪問エリアとなる。
 正面に石積みの堰堤を見る。結構、大きな石だ。比較的明るい場所だったので、じっくり撮影した。その後、右手斜面から小さく巻く。
[樅ノ木沢の堰堤]

 しかし、沢の様相は、全く変わらず、西丹沢名物のナメは、まだ現れない。
 岩が多く、水の中を歩けるような砂地が少ない。たまに大岩(写真下)があったりするが、単調な事、この上ない。考えてみたら、堰堤を越えてから、まだ滝らしい滝を見ていなかった。
 事前情報で分かっていたことなのだが、実際歩いてみると、結構辛抱がいる。
[大岩の上にイガイガさん] [単調な沢歩き(イガイガさん撮影)]

 沢幅が狭くなり、ゴルジュとなった。その先に小滝が見える。ようやく沢っぽくなってきた。ここでじっくりとデジカメ撮影。よく見ると、小滝の奥にもう一つ滝があるようだ。だが、ここからだと全容が見えない。手前の小滝は、登れそうだったが、その手前の渕が深そうだ。この天気では、腰まで浸かる気がしなかったので、撮影場所からすぐに右斜面に取り付き、巻くことにした。
[ゴルジュの先に小滝あり]

 小さく巻くつもりだったが、奥の滝も一緒に巻いた後、トラバース気味に進んでいく。左下に沢を見ながら下るポイントを探す。ちょうど一本の立木があり、傾斜もそれほどでもないので、ロープを使えば、簡単に沢に戻れると思ったのだが、先行のイガイガさんは、まだまだトラバース続行中だ。そんな訳で左岸斜面を延々と水平に進んでいく。
 やがて、沢の方が近づいてきたという表現がピッタリで、降りることなく沢床に合流した。
 時計を見ると、12時を過ぎている。どこかで昼食にしましょうということになり、それでは、この先のミニ両門ノ滝下で、ということになった。

 12:34、ミニ両門ノ滝下に到着。ここでザックを下ろし、食事休憩とした。
 ミニ両門ノ滝を観賞しながら、パンを食べる。だが、右の滝の水量が少なく、迫力に欠けていたのが残念だった。
[ミニ両門ノ滝]

 食事を終え、出発。
 先頭で、ミニ両門ノ滝(左の滝)を水流沿いに登ろうと滝下に取り付く。食事中に考えていたルートだ。だが、ヌルヌル状態で、取り付いて3歩目の足が出せず、撤退。ここは、水流の少ない右側の凹状の岩を登っていく。

 この滝を上がると、ようやくナメが現れた。ただ左手に岩がゴロゴロしているので、スッキリしたナメという訳ではなかった。
 続いて5mぐらいの滝を登る。(写真下左)
 すると、光景が一変し、一面、ナメが広がっていた。ようやく西丹沢らしい沢となった。こうなると、デジカメの出番が多くなる。明るい所では、必ずといっていいほど、撮影に夢中になった。
 また、沢の分岐が多くなった。地形図と確認し、左、右、左、・・・と分岐を進んでいく。
[小滝を登るイガイガさん(振り返って撮影)] [ナメが続く]

 沢の幅は、狭まったが、美しいナメの滝が現れた。正面の沢の上に見える新緑が鮮やかだ。だが、もう少し明るければ、もっと感動的な光景となっただろう。悔しい気持ちで曇天の空を見上げる。
 ここは、3〜4段ぐらいの滝であり、それが全部ナメとなっている。ゆっくりナメの感触を味わいながら登って行った。
[ナメ滝を行く]

 13:28、ナメが終了し、再び、岩だらけの沢となってしまった。
 岩だらけの沢を5分ほど歩くと、沢が二分する。ここは、本流と思われる右に進んでいく。沢の水量が、だいぶ減った事に気がつく。
 13:35、ついに沢の水が涸れた。
 少し行ったところで、イガイガさんと、この先の進路について検討する。ここで右の尾根に取り付くのが、一番易しい登りではないかということになった。取り付くポイントを探すと、一か所、よさそうな斜面が見つかった。
[沢の水が涸れた]

 土の斜面を登ろうとした時、急に雨が降ってきた。ここでの尾根の取り付きは、いい判断だったかもしれないと、イガイガさんと話す。ザー、ザーと激しい雨音がするが、ササヤブの中に入ってしまうと、全く濡れることはなかった。
 だが、ササヤブが結構、キツい。軌道修正して、ササヤブの薄い右手に進み、尾根の稜線へ早めに出ることにした。

 13:44、尾根の背に乗る。傍に大きなモミの木(たぶん)が1本立っていた。ここにきて、雨がピタリと止んでしまった。あれほど激しい雨音だったのだが、単なる通り雨だったようだ。
 ここで一息ついた後、尾根の背沿いに登っていくが、ササヤブが進路を邪魔する。両手でヤブを漕ぎながら進んでいく。
[右手の尾根に取り付く] [ヤブ漕ぎゾーンへ]

 両腕の筋肉が疲れてきた頃、急にヤブが薄くなり、尾根の先端のような所に出た。
 地形図で確認すると、南側の1192m峰から続く尾根と合流する地点だった。だが、ここの地形は複雑で、1192m峰からの尾根は、かなり下の方で合流している地形だった。このため、ここが尾根の分岐点とは、全く思えなかった。
 イガイガさんとは、この尾根を下ってきて、1192m峰の尾根に迷わず行くのは、ちょっと難しいねぇ〜といった話をする。

 甲相国境尾根の稜線まであと標高差50mぐらいである。気合を入れて登っていく。幸い、ヤブ漕ぎするほどのササは、無く、歩き易くなっていた。
[ようやくヤブから抜けた尾根歩きとなる]

 上空は、薄暗く、いつまた雨が降ってもおかしくない状況だ。
 正面に小ピークが見える。その小ピークに直登すべく、薄いササの中を進む。
[稜線の登山道に出る寸前]

 14:30、甲相国境尾根の登山道に出た。山頂標識等、何もない小ピークだった。
 ここまで来れば、後は、この尾根道を歩いていくだけだ。
 ホッとしながら出発すると、すぐに雨が降ってきた。先ほどと同じように本格的な降り方である。だが、ここも樹林帯であるため、傘を差さなくても濡れることはなかった。歩き続けていると、またしても5分ぐらいで止んでしまった。今日の雨は、どうやら通り雨ばかりのようだ。

 14:41、油沢ノ頭に到着。(写真下)
 イガイガさんと、油沢って、どこだろうという話をしながら、歩いていく。この沢名は、西丹沢頂稜河川土地名称図や山と高原地図等に載っていない。(ひょっとして沢名ではない?)
 14:57、樅ノ木沢の頭の道標の立つ小ピークを通過。山と高原地図28「丹沢」では、樅ノ木沢の頭は、この先の1306m峰としており、現地の道標と地図の表記が異なっていた。このあたりの山名は、資料によってマチマチで、何を基準にすべきか悩ましいところだ。
 [甲相国境尾根を縦走中]

 15:56、要所小屋ノ頭に到着。これで、一周してきたことになる。
 いつの間にか雨雲は、消え、西から日が差してきた。
 どうやら、ここにきて天気は、回復しそうだ。
 [要所小屋ノ頭にて]

 大棚ノ頭直下にて右折し、山伏トンネル入り口に下っていく。
 下りが続くと、沢靴のままなので、足の裏が痛くなる。全くクッション性がないためだ。やはり、替えの靴を持ってくるべきだったと少々後悔。

 16:28、駐車エリアに到着。
 この後、イガイガさんの車に乗せてもらい、山中湖方面に下っていく。
 今日の宿泊地は、イガイガさんの秘密基地だ。
 
....今宵の酒は、たっぷりと持参。
 [山伏トンネル手前は、工事中]


 公共交通機関利用派の私としては、なかなか手の届かない西丹沢の沢でしたが、イガイガさんのご協力で訪問することが出来ました。
 イガイガさん、ありがとうございました。
 また宜しくお願い致します。




※山行時間には、撮影時間を含んでおりますので、ご注意下さい。