トップページ山行リスト(日付)>マスキ嵐沢_記録20130706


マスキ嵐沢

 山行日
2013年7月6日(土)        曇り             同行者:NASさん
 コース
 大滝橋(8:55)〜(9:30)マスキ嵐沢入渓点(9:49)〜<マスキ嵐沢>〜(13:34)稜線〜(14:15)ベンチ(14:18)〜(14:52)西丹沢自然教室
 昨年、訪問しましたマスキ嵐沢の印象が良かったので、今年もNASさんと行ってきました。あいにく天気は、曇りで、水量は、昨年よりも少なく、滝の迫力は、イマイチでしたが、沢登りを堪能しました。
 詳細は、以下をご覧下さい。 

 車を西丹沢自然教室の駐車エリアに置き、新松田駅行のバスを待つ。
 8:32、新松田駅発の1番バスが到着したと思ったら、すぐ後方に次のバスがやってきた。臨時便なのか、10分後に出発した2番バスが早めに着いたのか、よくわからない。
 この1番バスが折り返し、8:45発の新松田駅行となる。このバスに乗車。
 乗客は、今回のパートナーNASさんと二人だけ。
 二人で話に夢中になると、バス停を見過ごす可能性があるので前方を見つつ、緊張感をもってシートに座る。
 ....登山道の分岐点で、よくやるパターン。何度か見過ごしたことあり。
[西丹沢バス停にて]

 8:52、大滝橋にて下車。車道を渡り、すぐ林道に入る。
 前日の天気予報で、小田原(神奈川県西部)は、晴時々曇(降水確率20%)で、それほど悪くなかったが、山北町のピンポイント天気予報をネットで見てみると、午前中は、弱雨(降水量は、0または1mm/h)で15時ぐらいから晴れという予報だった。秦野市などは、小田原と同様な予報になっており、どうも山北町だけが、小田原の天気予報と大いにズレていた。
 だが、今、上空を見上げると、ピンポイント天気予報が、ものの見事、当たっている。これからポツリポツリ来るのかなと思いながら、林道を行く。
 昨年も確かマスキ嵐沢は、天気が良くなかった。どうも天気と、この沢は、相性が悪いようだ。

 林道を歩く際、何気なく、右下の大滝沢を眺めていると、この沢、意外にナメが多いことに気がついた。昨今の豪雨のせいなのか、沢が掃除されたようだ。いつか、カメラを持って水流沿いに歩いてみたい欲望を覚えた。
[大滝沢沿いに進む]

 9:30、昨年、見落としたマスキ嵐沢の標識を見つけた。
 標識の前で沢支度に入る。
 前方に沢装備の登山者を発見。二人組のようだ。その後ろ姿を見送る。
 今日は、土曜日。人気のある沢ゆえ、既に何人かは、入渓しているだろう。

 汗が顔面から噴き出す程の暑さの中、水の流れに足を入れると、足首周りがとても心地よい。これなら、先が楽しみだ。ということで、NASさん先頭に遡行を開始。
 最初の滝は、左の水流から離れた岩壁を登る。
[マスキ嵐沢標識] [最初の滝]

 傾斜の緩い滝を越えると、その上で沢が二分する。左に進むと、4mぐらいの滝が現れた。
 水流から少し離れた右手を通過していく。
[沢が分岐して左を進む]

 この後、倒木が進路を邪魔する。昨年もこんなに倒木があったかなと、NASさんに話すと、昨年も同じように倒木だらけだったとの返事。そうだったっけと、倒木の事よりも、自分の記憶力衰退が気になった。(前回のレポートを読み返したら、しっかり倒木の事に触れてあった)
 倒木帯を抜けると、目の前の空間が広がり、ナメが現れた。
 こんなナメなんて、あったかなと、これまた自分の記憶力衰退が気になる。
 このナメ、晴れていれば、さぞかし気持ちのいい沢歩きとなるのだが、曇りの日の海水浴の如く、今日は、パッとしない。陽が燦々とふりそそぐ下、いつかは歩いてみたいものだ。
[ナメが広がる]

 崩れそうな岩が積み重なっただけといったイメージのF1に到着。
 NASさんは、左側から登り、途中で右の水流を横断し、後半は、大岩の間の水流沿いを登って行く。確か昨年は、左側の岩場だけを腕ずくで直登していったNASさんだったが、今回は、そのコースをやめた。だが、水流側にトラバースするのを下から見ていると、結構ハラハラしたので、私は、少し戻り、右からの巻道を利用し、途中の水流に合流し、後半だけを登る。
 ....でもズボンが結構、濡れてしまった。
[滝らしくないF1(8m)を攀じる]

 続いて、F2の下にやってきた。
 前回、確かNASさんは、水流から離れ、右の岩壁から登って行ったのを思い出した。でも、今、目の前にある右の岩壁は、パッと見ただけでホールドが細かいのがわかる。よく、去年、あんな右壁を登ったものだと感心してしまう。今回のNASさんは、倒木の左を登って行った。私は、水流の中にホールドを見つけ、倒木の右側を登っていく。
[倒木のある樋状の滝F2(5m)]

 両岸の樹木の枝が沢を覆うように伸びている。その枝の間から、F3が見えてきた。
 水流の一筋を見て、昨年よりだいぶ水量が少ないことに気がついた。下段を登り、上段を右斜めに登っていく。この後、再度、水流の方に進み、水流手前で、ターンして右へ登るのがルートだが、ちょっと足場がツルツル気味で、安全確保が難しい。
 NASさんが、ハーケンを取り出し、岩に打ちつける。ハーケンを持っていると、どうも打ちたい衝動に駆られるようだ。ハーケンの入らない固い岩だと思ったのだが、全然そんなことはなかった。ロープを伸ばし、確保して、NASさんが滝上に出る。その後、私の方で、ハーケンを回収し、登っていく。

 滝上に出ると、右岸にトラロープがぶら下がっていた。なんでこんなところにロープが下がっているのかと、F3の右岸をよく見ていると、巻道がつけられているようで、最後に沢に降りるためのトラロープのようだ。しかし、この巻道、上から見下ろす限り、途中の涸沢トラバースなどは、結構スリリングのように見えた。
[2段の滝F3(3m+12m)を眺める] [F3上段]

 F4の下で小休止。
 小休止している間に後方から単独男性と、中年男女1組のパーティが追い抜いて行った。
 前回は、確か水流右側から取り付いて登って行ったが、今、右手の岩場を見ると、よく登っていけたなと思うほど、滑っていて、取り付く気がしない。水流左から登っていき、途中の突起状の岩に手が届いたところで、水流を横断し、水流右を登り、途中で水流から離れ、右寄りに登っていく。
[水流左から登るF4(7m)]

 F5は、右手から取り付けば、真ん中ぐらいまでは、すぐに登っていける。途中から傾斜は、緩くなるが、手掛かりになる岩が、少ない。両足のフリクションで通過していく。
[F5(8m)]

 やがて再び倒木が進路を妨害する。
 その向こうにスラブの滝が見える。すでにNASさんは、あっさり登り終えていた。
[倒木あり]

 水流がだいぶ少なくなってしまった。
 11:42、大岩の近くで小休止とした。ここでペットボトルの水を初めて飲む。ついでに軽く食事をとる。こんな曇り空だからか、周囲からエゾハルゼミの鳴き声が聞こえる。
 11:55、歩き始めると、すぐに沢の水が消えてしまった。伏流になってしまったようだ。
 ちょっと歩き難いゴーロが続く。
 12:01、水流が再び現れた。
[小休止]

 12:04、正面に植林帯が見え、沢が二分していた。既に両側ともに水は、消えていた。右手の岩の上にケルンが積まれてあった。
 右手の沢を進む。NASさんは、かなり前を歩いていた。この先のF7直登を楽しみにしているからかもしれない。
[沢の分岐点(右を行く)]

 F6の階段状の涸滝(実際は、ほんの少し、水が流れているようで岩の表面が一部濡れていた)を登ると、すぐ先にF7(ここは、完全に涸滝)の下に出た。
 ここでロープを取り出していると、上から懸垂で降りてくる人がいた。先ほどの単独行の男性だった。滝上に登ったら、やめますとのことで、滝下で、小休止。
 男性の姿が見えなくなったところで、リードで登ることにする。トップは、NASさんだ。
 真ん中下あたりで、NASさん、ハーケンを打ち、中間支点を確保。だが、「すぐ上に残置があった。」と、30cm先に残置ボルトを見つけて苦笑い。
 2/3ぐらいを登ったところで、左寄りに進み、最後は、頭から滑り込むようにして滝の上に出た。
 その後、私が、セカンドで登る。途中、ハング気味だった箇所は、縦に細長い岩に小さな足場を見つけて、なんとか通過。

 NASさんと同様、途中で左に寄り、攀じっていく。
 12:55、無事、F7をクリアできた。
[F7(10m)にて登攀開始] [F7をセカンドで登る]

 F7を登り終えると、沢は、一気に源頭部という雰囲気になる。
 大木が倒れていた先で、小休止。ここで、沢装備を解除し、ハーネスを取り、沢靴を履きかえる。

 マスキ嵐沢の長所として、この沢の詰めが短いということが挙げられる。ヤブはなく、傾斜もそれほどキツイとは思わない。NASさんは、この点を非常に評価している。
 前回同様、左の涸沢を登っていく。最後は、白ザレの混じる斜面となって滑りやすい。
[最後のツメ]

 13:34、稜線に出た。ピークハンターではないNASさんなので、この先、権現山に登らず、稜線沿いに左へ進むことにした。
 ヘルメットを脱ぐと、涼しい風が直接、髪に触れ、何とも言えない爽快感を味わう。
[稜線に出た(振り返って撮影)]

 13:41、畦が丸へと続くルートとの分岐点をターンするように右折する。直進に対しては、木の枝が何本か置かれ、直進は、ルートでないことを暗示していた。
 その後も急斜面の下りや、トラバースが続き、緊張の連続である。植林帯の中を下るようになって斜面が広がり、ようやく安堵感が出た。
[西丹沢自然教室に向かう]

 西沢沿いの登山道に入ると、左岸、右岸と何度も沢を木橋で渡りながら、下っていく。大きめの堰堤がいくつか存在し、それを越える階段下りも、段差があり、神経を使う。
 そんな訳で、この登山道歩きがとても長く感じられた。

 14:49、吊り橋を渡る。橋の上は、涼しい風が吹いていた。ちょっと立ち止まって、風を全身で受ける。天気は、曇りのままだが、上半身は、もう汗ダクダクの状態だった。
 渡り終えたところで、西丹沢自然教室に無事、到着した。

 [西丹沢自然教室手前の吊り橋にて]


 1年ぶりのマスキ嵐沢でした。前回よりも水量が少ないので、滝は、登りやすいかと思っておりましたが、ぬめっている岩が多く、意外に時間を食いました。
 上記文中でも述べましたが、いつかは、この沢を快晴日に歩きたいと思っています。




※山行時間には、撮影時間を含んでおりますので、ご注意下さい。