トップページ>山行リスト(日付)>小川谷廊下_記録20130713
2013年7月13日(土) 晴れ後、曇り 同行者:NASさん |
玄倉林道ゲート(8:21)〜(8:31)仲ノ沢林道分岐〜<仲ノ沢林道>〜(8:52)弥七沢通過後の道標〜(9:20)穴ノ平沢合流点〜<小川谷廊下>〜(14:15)東沢合流点(14:32)〜<中ノ沢径路>〜(15:32)林道合流点〜<仲ノ沢林道>〜(16:18)仲ノ沢林道分岐〜(16:27)玄倉林道ゲート |
前回、1年ぶりにマスキ嵐沢を訪問しましたが、今回は、同じように1年ぶりに小川谷廊下に行ってきました。去年ほど、混雑しておらず、待ち時間は、ありませんでしたが、昨年よりも、滝の通過が、難しくなったような気がしました。
詳細は、以下をご覧ください。
注意)
インターネットや文献において、滝のFNoのつけ方がマチマチですが、ここでは、「丹沢の谷110ルート」丹沢渓谷調査団(山と渓谷社:1995年)に準じたFNoを採用しています。
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小川谷入口へ続く仲ノ沢林道は、7/1〜9/30の間、車両通行止となっているため、玄倉林道ゲート前の駐車エリアに車を置き、少し戻って仲ノ沢林道を歩く。この林道は、いつも落石がゴロゴロしているという印象を持っていたが、今日は、特に目立つような岩は、なかった。
前回は、穴ノ平沢の少し手前まで、ひたすら林道を歩いたのだが、この場合、小川谷に下る時、通過する植林帯でヒルに取りつかれるリスクがあった。幸い、ヒルに遭遇することはなかったが、今回は、ヒル・ヘビが大嫌いなNASさんのリクエストから、ヒル回避ルートとして、弥七沢を渡った先の、林道が左にカーブするところで、河原へと下った。
しかし、河原を歩いてみると、白い石や砂が光に反射して眩しく、林道歩き以上に厳しい。木陰を求めて、河原の端を歩いてく。
ルートを確認すると、どうやらこの先で、水流を渡る可能性が出てきたので、途中の木陰で、ハーネス装着、沢靴に履き替える等、沢支度を行った。
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[玄倉林道ゲート前駐車エリア] |
[日陰の無い眩しい河原歩き] |
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堰堤を一つ、右側の鉄ハシゴで越えて、ようやく左手から、ヤブ沢(穴ノ平沢)が合流する。
それにしても暑い。
小川谷廊下に入れば、日陰が増すのではないかと期待しながら、上流へ向かう。
9:27、ようやく廊下入口の滝が見えてきた。
右手の岩壁を登る。水流から少し離れたところに今回は、残置ロープがぶら下がっていた。ロープの強度を確認した後、ロープの末端を軽く右手で掴んで、なるべく水流に近い方を登っていく。 |
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[入口の滝を登る] |
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続いてすぐにF1が姿を現す。去年は、パトロール兼トレーニング目的と思われる山岳救助隊のパーティ(7〜8人)が登攀中だったため、いきなり順番待ちとなった滝だ。
大岩右手に向かうと、アブミ代わりのシュリンゲが去年に比べて増えていた。(だが、事前情報よりは、短くなっていた)
また、右手に流れてくる水量は、去年とは、比較にならないほど、多かった。
まずNASさんがシュリンゲに足をかけた後、持ち前の両腕のパワー全開で登りきる。しかし、下半身ビショ濡れ。続いて、私の番だが、ここは、省エネと称して、ザックにロープを繋ぎ、上からNASさんにザックを引き上げてもらい、空身で登ろうというアイディアを出すが、これがものの見事、大ハズレ。
ザックが途中の岩に引っ掛かり、持ち上がらず、下からザックを押そうとしたら、モロに水流を顔面に浴びる。という訳で、登る前からすでに全身ズブ濡れとなった。
結局、ザックを背負い、オーソドックスに登る。しかし、両足がシュリンゲに掛かった後、次のステップが、うまく足に掛からない。右手の親指、人差し指でシュリンゲの輪を広げ、どうにか右足が入り、ようやく滝上に出た。
....去年も苦労したが、今年も同様。やはり、メタボには苦しい。
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[やっかいなF1(5m)] |
[水量とシュリンゲが増えていた] |
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F1で、いきなりパワー全開で、体力を消耗し、これから先が思いやられる。
F1の滝上から上流に進むためには、人の背以上ある岩の上に立たなければならない。前回、これらの岩の上に立たず、岩の横を回ろうとしたら、ツルツル気味の岩のため、両手が滑り、水流にドボンした覚えがある。
今回は、無事、岩の上に立って歩き、上流に向かった。
ほんの1、2分で、次のF2が見えてきた。水流が直線状のため、流れに勢いがある。水音も大きく、NASさんとの会話もままならない。
水流左奥の岩場にホールドがあり、登っていくが、最後は、結構、高度感がある。 |
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[すぐF2(6m)が現れる] |
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F2を越え、少し斜度の緩い滝を左の岩から越えていく。
やがて迫力のある水音を響かせているF3に到着。「丹沢の110ルート」では、5段の滝と記載されているが、どこをどう数えると5段になるのかよくわからない。
ここは、最初、水流左近くを一段登り、その後、水流から離れるように左に登っていくのがルートだが、前回、確か最初の一段を登った後、身体を左に向けるため、方向転換しようとすると、意外にスペースがなく、ハラハラしながら体の向きを変えた記憶がある。
今回も、最初の一段を登った後、慎重に方向転換し、左上に向かうが、最初の一歩が恐ろしい。その一歩のために一応、ロープを出して通過する。ここは、上に登っていけば、手掛かりが多くなり、安心できるのだが、結構、垂直気味ゆえ、やはり、メタボには、キツイ。
....事前情報では、ここに残置ロープがあるとのことだったが、無かった。 |
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[F3(5段5m)手前にて] |
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大岩が見えてきた。F4だ。
ここは、大岩の右側を楽々通過することができる。 |
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[F4(2段5m)は、大岩の右側を通過] |
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たぶん、ここがF5と思われるのだが、自信はない。5mは、どう見てもない。3mぐらいか。
水流左の階段状の岩を登る。
ようやくリズムよく、歩き慣れてきた感じだ。 |
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[余り段差のないF5(5m)] |
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辺りが薄暗く感じてきた。あれほど、好天気だと思えたのだが、上空は、曇り空に変化していた。
F6を先行パーティが右から巻いているところだったので、滝下で小休止とする。
この時、小石が左岸岩壁のかなり上の方から落ちてきて、NASさんのヘルメットに当たり、飛散した。幸い、怪我することはなかったが、やはり、どこでも落石は、起こり得るということを改めて実感する。
先行パーティの姿が見えなくなったところで、出発。
右から巻いて、ロープを取り出す。ここのトラバースは、高度感があり、スリルがあるが、去年同様、残置のシュリンゲがあれば、問題ないと思っていた。だが、今回は、そのシュリンゲを掴んだ後のトラバースが、恐ろしかった。去年は、手掛かり/足掛かりがすぐ見つかったような気がするのだが、今回は、あちこち探してしまった。
ようやくトラバース終了というところで、私の目の前で左岸の上から拳大の落石が発生した。直撃に遭ったら、大怪我必至のような勢いだった。
上にシカでもいるのかなとNASさんと話す。先ほどの落石といい、ちょっと不安となり、さっさとこの場を立ち去る。 |
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[F6(2段5m)] |
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F7は、滝の裏側がくぐれる滝だ。
確か前回は、水量が少なかったせいか、滝の裏側を回らず、釜を左岸から進み、水流の右側を登った。今回は、釜が深そうで、水量があるため、滝の裏側をくぐるルートを選択。 |
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[F7(10m)の裏側を通過後、こちらを振り向いたNASさん] |
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ゴーロを進んでいくと、前方に小川谷名物の大岩が見えてきた。ツルツル岩とか、滑り台とか呼ばれている斜面がフラットな大岩だ。
この岩には、残置ロープがあるのだが、かなり弾力があり、ちょっと頼るのが恐ろしいくらいだ。
先行者の靴跡があり、結構、岩の表面が濡れていた。この岩は、砂が付着していると、滑りやすいが、今日のように濡れていても滑りやすかった。
腕力で、強引に登る。またしても上半身のエネルギーが放出されてしまった。
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[大岩が見えてきた] |
[固定ロープが一本、用意されてあった] |
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大岩を越えて、6分後、左右が狭まり、ゴルジュに突入する。
この通過が、小川谷の醍醐味だ。
続いてF8が出現。
ここは、水流右を登るが、水流に近づくと、飛沫だけで上半身がズブ濡れとなる。最初のステップで残置ボルトを発見。これは、去年なかったと思う。 |
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[ゴルジュを突き進む] |
[F8(7m)] |
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大コバ沢が滝となって合流する。
前回は、大きい滝だなぁという印象を持ったのだが、今回は、全くそのようなインパクトは、なかった。滝ということで、今回は、落石が連想され、さっさと通過していく。 |
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[大コバ沢出合] |
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ゴルジュ内のF9は、左の岩場(といっても土が積もっていて、滑りやすい)を通る。ここも、水の落ちる音が大きい。 |
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[F9(7m)] |
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F9を越えていくと、石棚が奥に見えてきた。
手前の3mぐらいの滝を越え、2段の石棚に近づく。ここも水流の勢いが激しく、なかなか迫力のある光景だ。当然、水音も大きい。
しばし、滝を観賞した後、石棚の巻道として左の岩場を登るが、ここは、結構、傾斜が急で、ロープを取り出す。トップをNASさんが行く。
自分の番となり、ヌンチャクを回収しながら、登っていくが、ここも何だか、去年に比べて残置ボルトが増えたような気がした。だが、途中でホールドが見つからず、ちょっと焦ってしまった。 |
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[石棚F10(2段20m)] |
[巻道は、ロープを使用して登る] |
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石棚を巻いた後、沢に降りるとき、去年には、なかった固定ロープが設置してあった。
ボルトといい、ロープといい、だいぶ整備されてしまった感がある。
この先は、再びゴルジュが続く。アーチ型の倒木があり、思わず撮影してしまった。
....でも、ぶら下がりは、しなかった。 |
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[ゴルジュが続く] |
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F11は、左から簡単に通過できる。滝上の岩は、そのうち落ちてしまうのでは、と思ってしまう。
ここまで来れば、小川谷廊下も終盤だ。 |
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[F11(5m)] |
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最後のゴルジュだ。ツッパリで通過してみたり、わざと片足を水流に突っ込んで、水流の力を味わってみたり、水流歩きを楽しむ。 |
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[ゴルジュ通過を楽しむ] |
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F12が目の前に現れた。滝上の奥には、壊れた堰堤がチラッと見えている。
NASさんにロープを出そうかと、尋ねるが、今日は、もう満腹ということで、ここは、直登せずに左からの巻道を使った。
巻道から再び沢に降りる所には、トラロープが設置してあったが、これは、確か去年も設置されてあったことを思い出す。スタンスを探すのが面倒で、結局、トラロープに頼って下ってしまった。 |
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[F12(5m)] |
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壊れた堰堤を通過すると、今までのゴルジュがウソのように広々としたゴーロになる。
適当に歩き易い箇所を進んでいくが、安定していない岩が多く、なかなか緊張の糸を緩めることができない。
右手に東沢が合流し、堰堤が見えてきた。
堰堤の手前にて小休止。ここで沢装備を解除する。 |
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[東沢出合の先の堰堤にて小休止] |
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堰堤下でゆっくり休憩した後、中ノ沢径路へと向かう。(14:32)
この径路も、年々崩れていく箇所が増えているような気がする。トラバースの危険ゾーンの何箇所かに固定ロープがあるのは、ありがたいが、もっと危険だと思うところにロープがない場合があり、結構、気が抜けない。
また、途中で涸沢を渡るときなど、経路を見失う可能性の高い箇所もある。
結局、小川谷で、枝沢に入って迷ってしまう確率よりも、中ノ沢径路で迷子になる確率の方が遥かに高いだろう。そんなことを考えながら、径路を歩いていた。
15:32、林道にようやく出た。この後、舗装路に出たところでヒルチェック。幸い、ヒルは、発見されず、NASさんニッコリ。
途中、アトピーの泉で、顔を洗ったりして、ゆっくりと林道を下っていき、駐車エリアへと向かった。 |
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[林道に出た] |
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今回も十分、水と戯れることが出来ました。
去年に比べて、水量が多く、ホールド/スタンスが少なくなったような気がして、滝の登攀/巻きがより難しく感じました。
ですが、この小川谷、飽きないコースです。毎年通いたい沢です。
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[ヤマユリ] |
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※山行時間には、撮影時間を含んでおりますので、ご注意下さい。
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