トップページ山行リスト(日付)>塔ノ岳_記録20130901


塔ノ岳

 山行日
2013年9月1日(日)       晴れ             単独行
 コース
大倉(7:15)〜(8:17)新茅荘(8:20)〜(8:37)戸沢出合(8:44)〜<政次郎尾根>〜(10:37)戸沢分岐(10:43)〜(11:10)新大日〜(12:43)塔ノ岳(13:13)〜(13:36)花立〜(14:18)堀山の家(14:24)〜(14:48)駒止茶屋〜(15:46)大倉
 今回は、久しぶりにサガミジョウロホトトギスを観賞しようと、表尾根方面に向かうこととしました。表尾根の稜線上では、なかなか出会えない花だということは、以前、探しながら歩いた経験からも認識しておりますが、過去の体験から、稜線の急斜面を下っていけば、発見できるかと思い、ロープを背負っての山行です。
 さて、その結果は。
 詳細は、以下をご覧ください。

 7:15、大倉をスタート。
 バスからは、大勢の登山者が下車するが、殆どは、大倉尾根に進むようだ。今回、戸川林道に向かうが、風の吊橋を渡るときには、もう前方に人の姿は、全く見えなかった。
 いきなり閑散とした光景を味わう。
 ....天気がいいだけにすごいギャップ。
[大倉の風の吊橋を渡る]

 戸川林道を黙々と歩いていくが、他の登山者を見かけることは、なかった。
 時々、車や自転車が追い抜いていく。
 8:17、新茅荘に到着。すでに店は、営業していた。ということで中に入り、小休止。
 サイダー缶を買って飲む。喉越しのよさで、一気に飲んでしまった。
 店の人に以前から気になっていた、ここの名称について確認したところ、以前、「新茅山荘」と名乗っていた時期があったとの事。それで、「新茅山荘」と記載されている地図などが多いのか、と納得。

 8:20、再び歩き出す。
 相変わらず、林道を歩いているのは、自分独りだけである。林道終点に近い作治小屋の前を通ると、戸沢の河原が見下ろせる。先ほど何台かの車に連続して追い越されたが、どうやら沢登りのグループだったようだ。見覚えのある車の横で、グループは、沢装備の支度中だった。
[新茅荘は、すでに営業中] [戸沢の河原を見下ろす]

 8:37、戸沢休憩所にようやくたどり着いた。途中、新茅荘で小休止しただけだったが、林道歩きに1時間20分ぐらいかかっている。感覚的には、それ以上歩いてきた気分だ。ここで、小休止し、水分補給。この先は、登りのキツイ政次郎尾根が待っている。

 8:44、休憩所の先に続く山道を進むと、すぐに政次郎尾根への分岐点に到着。道標には、右の分岐路に対し、「行者岳1.9km・新大日2.0km方面 正次郎尾根」との表記。
 ....何故か「政次郎」ではなく、「正次郎」となっている。新説発見でもあったのだろうか。

 道標に従い、右手の分岐路を進み、戸沢を渡る(小さな沢で、橋は無し)が、その後、一般登山道なのにルートがわからなくなる。「あれっ」と思ったが、戸沢の上流方面に少し登ってみると、左手植林帯の斜面に続く登山道が現れた。だが、道の進む方向が戸沢と離れていく方向なので、ちょっとおかしいかなと思ったが、その後、尾根を登っていく方向に続いていたのでルートを確信する。
 
 植林帯の中に続く登山道を登るが、ここにきて猛烈に暑さを感じる。
 気温が高くて、なんだか意識が薄らいでいくような状況だ。
 そんな時、いきなり携帯の着信音が鳴った。
 仕事関連?と、一瞬、血の気が引き、目が覚めた。
 携帯を取り出すと、着信音は、電話ではなく、メールだと分かった。
 メールを開くと、東海地震のテストメールということで、秦野市からのものだった。結果的にボーとしていた時に刺激を与えてくれる薬となり、この着信音は、有難かった。

 15分後、またしても携帯の着信音が鳴る。
 今度こそ仕事関連ではないかと、再び、緊張感を味わう。恐る恐る携帯を見ると、また東海地震のテストメールだった。何で同じメールが届くのかと思ったら、今度は、松田町からのものだった。大倉尾根を越え、電波は、ここまで届くのだろう。

 まだ植林帯の登りが続く。目に汗が入ってきた。思わず、目を瞑ってしまう。防波堤となっている眉毛の限界を超えて汗が流れ落ちてきたのだ。
[政次郎尾根の登り]

 9:50、右手奥に行者岳・烏尾山の稜線が望めたが、見上げるほどの高さだ。あの高さ以上に登らなくてはならないと思うと、まだまだ先が長いことがわかる。暑さのせいだろうか。自分では、結構歩いたような気がしていた。
 9:53、傾斜が緩くなったところで、コンパクトデジカメを首からぶら下げていたのをやめて、ザックに入れる。というのは、カメラケースに汗が浸透し、中のカメラまで濡れていたからだ。
 
....こんな状況は、山で初めての経験。

 10:17、植林帯を抜けた。
 やれやれと思ったら、左手の木枝の間から塔ノ岳頂上の尊仏山荘が見えた。(写真下左) ザックに入れたデジカメを再び取り出す。しかし、まだ遥か先だ。結構、遠く感じる。
 少しだけ進むと、今度は、右手の視界が広がった。行者岳や三ノ塔の眺望に心が和む。(写真下右)
[木枝の間から塔ノ岳頂上が見えた] [三ノ塔の眺望]

 10:37、ヘロヘロ状態で、表尾根の稜線に上がった。
 意外にも木陰では、涼しい風が吹いていたので、思わず腰を下ろす。
 風がある割には、やたらと赤トンボが飛び回っている。この光景を見ると、もう秋だなと感じさせてくれるが、汗ビッショリの身体は、まだ夏気分だ。
 腰を下ろしていると、三ノ塔側から登山者が目の前を次々と通り過ぎていく。さすが丹沢の銀座通りだ。そういえば、朝の大倉も登山者が多かったことを思い出す。

 10:50、書策小屋跡に到着。表尾根の稜線は、日陰が少なく、陽が高くなったために暑さが倍増。
 歩行ペースが、かなりダウンしてしまう。
 新大日への登りで、一気に登れず、途中でザックを下ろし、小休止。あまりにも直射日光が強いので、ここから雨傘を取り出す。さすがに傘は、日陰エリアが広く、帽子よりだいぶ遮蔽効果がある。
 ....もっと早くから使用すればよかった。

 新大日ピークは、さっさと通過し、この先の木ノ又小屋のカキ氷を楽しみに登っていく。
[書策小屋跡にて]

 11:23、木ノ又小屋到着。だが、いつものカキ氷の幟が出ておらず、おかしいなと思って近づくと、小屋は、営業していなかった。
 「おお〜、かき氷が。」
 しばし、ボー然。
 思えば、表尾根の稜線に出てから、この木ノ又小屋のカキ氷だけを楽しみに登ってきたのに。
 今回のショックは、この上なく大きかった。

 さて、どうしようか。
 とにかく山小屋のある塔ノ岳に向かうことにした。
[木ノ又小屋前にて]

 稜線の途中で急斜面を下り、サガミジョウロホトトギス観賞を計画していたのだが、どうも身体がそれを許さない状況だ。すでにエネルギーを使い切っているような気分だった。今は、ひたすら塔ノ岳を目指して歩くが、どうしてもスローペースになってしまう。
 ....これが、熱中症???

 塔ノ岳への登りが急になる手前の木陰で小休止。
 腹が減り、ここで昼食をとる。パンを口に入れたのだが、全く飲み込めない。ペットボトルの水を口に入れることで、どうにか喉を通すことができた。
 少しは、エネルギーが充填できたようだ。ここからは、傘をザックにしまって登り始める。

 塔ノ岳頂上手前にて振り返ると、大山が見えてきた。(写真下)
 この後、大山が雲に隠れてしまうかもしれないなと思い、ここで、中型カメラをザックから取り出し、三脚を立てて、本日のカメラ撮影を開始する。
[塔ノ岳頂上手前にて]

 撮影している時に、ふとザックの外側に付けてある温度計を見たら、37℃を指していた。直射日光が当たっての温度なので、正確な気温測定とは、違うが、道理で暑い訳だ。
 湿度が不明とはいえ、体感温度は、40℃オーバーではないだろうか。
[温度計は、37℃]

 12:43、塔ノ岳頂上に到着。
 日ノ出山荘の廃屋が綺麗に片付いていた。片付いた姿を見たのは、今回が初めてだ。廃屋でも正月の夕方・夜明けの撮影時には、冷たい西風から身体やカメラを守るため、防風壁代わりによく利用させてもらったものだった。
 廃屋跡をじっくり眺めていると、先ほどの書策小屋の時もそうだったが、意外に小さい小屋だったということを改めて認識する。
[塔ノ岳頂上(手前は、日ノ出山荘跡)]

 すぐに尊仏山荘に入る。
 小屋の中は、涼しい風が通り過ぎ心地よい。ようやく体温が下がる思いだった。
 ここで、サイダー缶、およびペットボトル1本を購入。結果的に2つとも、飲み干す。
 腰掛けていると、2階から尊仏山荘営業部長の猫が下りてきた。猫としては、もう老年期に入るらしいが、それほど年を取っているようには見えない。でも、以前見たときよりも、だいぶダイエットしたような体つきとなっていた。
 ....羨ましい限り。

 小屋のスタッフの方と、しばし話をした後、小屋を出る。
[尊仏山荘内にて]

 今日は、もう暑さでバテバテのため、まっすぐ帰ることにした。
 
....今日の山行は、いったい何だったのだろう。

 塔ノ岳を13:13、出発。
 だが、足下が、ふらつくような感じで、あまりスピードが出せない。
 金冷シで左折し、花立に向かう途中、右手斜面にシカを発見。休憩がてら、デジカメで撮影していると、奥にも別のシカがいることに気がつく。夫婦のシカかと思っていると、さらに3頭のシカを見かける。一家族のシカだろうか。こんな所で、5頭も見かけるのは、珍しい。

 ....最近は、塔ノ岳頂上付近のシカといえども、ハンターの対象になったと聞く。
[勘七ノ沢側の斜面にて]

 花立山荘でもペットボトルを購入し、一気に飲む。今日は、とにかく水が欲しくなる。
 花立山荘下の階段は、修理されたようで、以前より歩き易くなっていた。
[花立山荘下の階段]

 一本松跡を通過後、少しピッチが上がり、ひたすら大倉尾根を下っていく。

 15:46、大倉到着。

 到着した瞬間は、本当にホッとした心境だった。暑さで途中、倒れるのではないかと思えるほど、疲労度が高かったのだ。こんな身体状況に陥ったのは、山を歩いていて初めての症状だった。加齢とともに暑さに弱くなったということだろうか。それとも日頃、クーラに慣れてしまったせいだろうか。
 ....単にメタボのせい?
 [大倉に無事、到着]


 今回の山行は、サガミジョウロホトトギス目当てのつもりでしたが、暑さにバテテしまい、全然、目論見通りとは、なりませんでした。
 本日の水分補給量は、大倉出発後、
   サイダー缶    :250cc(新茅荘)
   サイダー缶    :250cc(尊仏山荘)
   ペットボトル   :500cc(同上)
   ペットボトル   :500cc(花立山荘)
   炭酸飲料缶    :350cc(大倉登山口 自販機)
   コーラ缶     :350cc(大倉 自販機) 
   持参ペットボトル :500cc ×4本 
 ⇒ 計 4200cc

となっております。
 新記録ではないかと。




※山行時間には、撮影時間を含んでおりますので、ご注意下さい。