トップページ山行リスト(日付)>大山川_記録20131012


大山川

 山行日
2013年10月12日(土)       晴れ         同行者:NASさん
 コース
大山ケーブルバス停(8:29)〜(8:40)大山ケーブル駅(9:00)=(ケーブルカー)=(9:10)阿夫利神社駅(9:17)〜(9:25)二重の滝(9:48)〜<大山川>〜(15:35)登山道合流点(15:58)〜(16:14)16丁目分岐点〜(16:51)阿夫利神社駅(17:00)=(ケーブルカー)=(17:06)大山ケーブル駅)〜(18:57)大山ケーブルバス停
 今回は、NASさんと大山川に行ってきました。この沢は、面白そうな滝が多く、いつかは行ってみたいと思っていましたが、ヤマビルの巣窟という情報を得ていたので、敢えて沢のシーズンを避けておりました。ですが、もうそろそろ、ヤマビルのシーズンは、終わっただろう、水量も少なく、濡れないで済むだろうという思いから、今回、挑戦してきました。
 詳細は、以下をご覧ください。


 伊勢原駅改札口に7:55、NASさんと合流した後、8:05発大山ケーブル行きのバスに乗車。バスは、満員状態となり、大山の人気の高さを再認識。
 終点大山ケーブルに着いたのは、8:29。すぐに歩き出す。というのも、このバスの乗客の先頭を切って大山ケーブル駅に行かないと、9:00始発のケーブルカーに定員オーバーで、乗れなくなるリスクがあると思ったからだ。

 8:40、大山ケーブル駅入口に到着。まだ駅のゲートが開いていなかったが、その前に既に20人ぐらいの列が出来ていた。この程度の列であれば、始発のケーブルカーに乗車できると一安心。

 列に並ぶと、ちょうど木陰が途切れており、日当たりが良すぎて、汗がにじみ出てくる。NASさんとの山行は、本当に中途半端な天気が少なく、快晴となるケースが多い。今日もそんな天気だ。
 8:50にゲートが開き、切符を購入してケーブルカーに乗り込む。

[伊勢原駅から大山を望む] [ケーブルカーに乗車]

 阿夫利神社駅で下車。下社に立ち寄って参拝後、二重の滝に向かう。
 途中で、「かながわの美林50選 大山のモミ林」という標柱を発見。こんなところにあったのかと妙に感心してしまった。
 9:25、二重の滝の前にやってきた。
 「このアプローチの短さがいいね〜。」と、NASさん。自家用車であれば、アプローチが短くなるというのは、水無川流域の沢などが当てはまるが、公共交通機関を利用してもアプローチが短いというのは、確かに珍しい。

 沢装備を終えて、滝下に立つ。近くから見上げると、結構、傾斜がキツそうだ。水流左の岩壁ルートを確認した後、NASさんがトップで登攀開始。
 途中に1箇所、残置支点があり、滝の落口よりも上部に残置スリングがあり、そこを通過して、登攀終了。滝下からだと、NASさんの姿はほとんど見えない。
 声を掛け合った後、セカンドで登っていく。
 NASさんの言う通り、取り付いてすぐ、ここの岩が脆いというのが分かった。これは慎重に登らないと、いくらでも落石が起きそうだ。
 1つ目のヌンチャクを回収した後、少し先でルートを見失い、思わず立ち止まる。傾斜がきついのでホールド探しがより一層、慎重になる。だが、無事ルートを見つけたら、スイスイと登っていけた。
なんだか知恵の輪を外すことができたような気分だ。
[二重の滝からスタート]

  こうして最初の滝(5m)をクリアするが、すぐに連続して、2条の滝(4m)がある。二重の滝は、この滝を入れて2段の滝とみなされるようだ。ここは、水流の少ない左側を登っていく。ロープ無しで登るも、最後の落口の箇所は、安全第一を考え、先行したNASさんからお助けスリングを上から出してもらった。
 
....メタボは、腿が上がらず、落口部分が、つらいのだ。

 「やはり、水がないね〜」、NASさんが呟く。
 二重の滝や、その上の2条の滝までは、水が流れていたのだが、すぐ先で、水流は、消えていた。
 どうやら、ガイドブックの記述通り、ここで水流とはサヨナラのようだ。
 倒木帯を通り抜けると、涸棚が右に現れる。これが7m滝のようだ。事前情報通りに左の凹部を登っていく。
[7m滝は、左の凹部を登る]

 事前情報では、次に2段5mの滝が出現することになっているが、どの滝がそうなのか、よく分からない。
 これが2段の滝?かなと、デジカメ撮影。
 ここは、難なくクリアした。
[これが、2段5mの滝?]

 続いてハング滝(5m)が見えてきた。
 倒木が滝にかかっている。
 近寄って滝を見上げると、確かにハングしているが、そんなに高い滝ではない。途中2か所、残置スリングがぶら下がっていた。
 これを見たNASさん、「せっかくのハング滝なので、アブミを使用してみよう。」と、ザックの中からアブミを2つ取り出す。ロープで確保し、トップのNASさんがアブミを使用して登っていくが、アブミになかなか靴が入らず、結構、時間を要した。
 続いて、この花立小僧。セカンドということもあり、時間短縮を狙って、アブミをアブミとして使用せず、スリングの延長として掴み、強引に両腕の力で登ってしまった。
[倒木のあるハング滝] [せっかくなのでアブミを取り出す]

 ハング滝をこうしてクリアするが、時計を見たら、もう12時を回っていた。
 ということでランチとした。だが、ここまで5つぐらいの滝を通過してきただけで、距離的には、まだそんなに歩いていない。
 こんな調子で、登り切れるのかなと、今後は、時間との勝負になることが予想された。だが、隣のNASさんは、いつも以上に満足顔。ここは、水が無いので濡れない、長いゴーロ歩きもなく、滝は、連続して現れるというのが、評価大の理由だろう。

 12:30、8m滝下に到着。
 ここも滝の右側に倒木がかかっている。よく見ると、その倒木の下にトラロープが設置されてあった。そんな訳で、ここはトラロープを使わせてもらう。途中、足場が悪い箇所があり、ゴボウで登っていく。
 トラロープの設置場所まで直線的に登ろうと挑戦してみるが、最後がボロボロで登れない。このため、少し戻って、先行のNASさんと同様、左にトラバースする。トラバース後、左の落口を登る。この時、ロープを手放すが、トラロープの末端には枝が括り付けられてあり、その重みで、ロープは、再び倒木の下に戻った。どうも枝がついているのは、登り終えた後、元の位置にロープを戻すための措置のように思えた。
[右に倒木のある8m滝]

 8m滝の上には、すぐに10m滝が続いていた。
 事前情報では、この滝は、左壁が快適に登れるとの事だったが、高度があるので、一応、ロープを取り出す。トップのNASさん、ルートの左壁を無視して右壁側に取り付き、途中、ハーケン1箇所打ち込んで、登った。
 後で、NASさんに何で右側から登ったのか確認したら、右からでも登れると思ったので、ルートを探す楽しみを味わいたかったとの事。もう楽しさ充実のNASさんである。
[8m滝の後、すぐに10m滝(NASさんには自己ビレイしてもらい、撮影)]

 10m滝を過ぎると、今までのような連続して現れた滝も一段落してしまい、長いゴーロ歩きとなった。
 右手に涸沢を見た後、すぐに二俣に到着。(13:25)
 ここは、左右がそれぞれ左俣、右俣と呼ばれる分岐点だ。
 ちょうど分岐点の正面に一本の樹高のある木が目に映った。これは、事前にネットで調べた時、この二俣の目印となると、チェックしておいた木だった。

 右俣を進むと、沢は、どんどん狭くなっていく。倒れた大木の下をくぐりながら、小滝を登る。
[正面に左俣・右俣の分岐点] [沢が狭くなる]

 やがて正面にトイ状の滝(5m)が見えてきた。近づくと、岩壁には、濡れており、スリングが5か所、ぶら下がっていた。また斜度も結構、立っている。
 二人で、この滝のルートを確認していたが、これから登るとなると、ちょっと時間が足りないなということで、ここは、左から巻くことにした。だが、左からの巻道は、明確という訳ではなく、気がつけば、かなり高い位置まで登ってしまい、再び沢に戻ってくるまで時間がかかってしまった。
[トイ状の5m滝]

 14:08、沢のド真ん中に座り込んでいる岩の横を通過。ネットでも見かけたのを思い出した。ちょっと後ろから押したら、転がっていきそうな岩である。
[不安定な大石]

 トイ状の滝が再び現れる。
 先ほど巻いたトイ状の滝と違って、ここは、簡単に登っていけた。
[トイ状の滝を通過]

 続いて8m滝?と思われる滝が登場。
 事前情報では、特に問題のないような滝だったが、高度感がありそうなので、一応ロープを使用して、NASさんが登っていく。
 だが、セカンドで登っている時、ホールドが細かくなる箇所があり、一瞬焦った。これは、確かにロープを出してよかったと思った。
[8m滝(NASさんには自己ビレイしてもらい、撮影)]

  ロープを片付け、時計を見ると、14:48。このまま登り詰めれば、途中で日没になってしまうのは、必至だ。ということで、地図で現在地を確認した後、左の斜面に取り付き、早めに沢から離れることにした。ここで左側の尾根を高度差200mぐらい登っていけば、山頂から下社に続く登山道にぶつかり、下山ルートとしては、最短だろうと思えたからだ。
 ズルズルの急斜面を登り始めて4分、無事、尾根の背に乗った。
ここまで来ると、今まで見えていなかった伊勢原の市街地が望めた。
[尾根の背に乗り、反対側の風景を眺める]

 忠実に尾根の背を登っていけば、登山道にぶつかるはずだが、急登が続き、予想以上に体力を消耗する。
 振り返ると、NASさんが、10m後方を登っていた。NASさんにしてみれば、もう楽しみがなくなったせいか、足取りが重そうだ。
[急登が続く]

 約40分、我慢の尾根登りを続けた結果、前方にモノレールが見えてきた。このモノレールは、山頂と下社を結ぶモノレールで、頂上寄りは、登山道に並行して走っていることを知っていたので、ようやく登山道に近づいたかと、ホッとしたひと時だった。

 振り返って、登ってくるNASさんを待つ。その時、ブナの木が1本、目に入った。そのブナを撮影していると、NASさんが近づいてきた。
 ブナ撮影地点から、ほんの10m先が、登山道だった。
[モノレールにぶつかる] [振り返ればブナの木]

 15:35、登山道に出て、沢装備を解除。
 この時、NASさんの右足から太ったヤマビル1匹を発見。せっかくの楽しい大山川の思い出が全て吹っ飛び、大山川と言えばヤマビルという思い出に変わってしまったと、NASさん大ショック。
 
....とにかくヤマビルとヘビが大嫌いなNASさんであった。

 15:58、登山道を下っていく。
 西日が眩しい時刻だが、まだ同じように下っていくハイカーが多かった。
 16:48、再び下社に参拝し、16:51、阿夫利神社駅に到着。どうにか17:00発の最終便ケーブルカーに間に合った。
[一般登山道に出た(振り返って撮影)]

 ケーブルカー下車後、バス停へと下っていくが、旅館で日帰り入浴の看板を見つけ、立ち寄ることにした。
 サッパリした後、生ビールで乾杯。その後、豆腐料理を注文。
 「最終ケーブルカーに乗れなかったら、今の時間でも、まだ歩いているだろうなぁ。」
 そう考えると、今日は、間に合って本当にラッキーだったと、生ビールのおかわりに繋がった。
 旅館の人に聞けば、伊勢原行のバスは、21時台まであるとの事。
 そんな訳で、ゆっくりと風呂上りのひと時を楽しむ。
[一風呂浴びて生ビールで乾杯] [豆腐料理三品]

 ほろ酔い気分で、こま参道を下っていくと、ちょうどバス停に停車しているバスを発見。
 バス時刻を知らずに下ってきたが、幸いにも発車5分前だった。
 車内には、何組かのハイカーが既に発車を待っていた。座席にゆっくりと腰を下ろし、さて、次回は、どこに行こうかと、NASさんと話しながら、帰路についた。
 [大山ケーブルバス停にはバスが既に到着していた]


 大山川、なかなか面白い沢でした。特に前半は、連続して滝が現れ、飽きることがありませんでした。ですが、岩は、結構、脆く、大きい岩でも、安心して体重を掛けることが出来ませんでした。

 今回、時間切れということで、途中から左の尾根に取り付きましたが、結果的に、最短で、安全ルートを採用したことになりました。
 前半がスローペースだったのが、反省点です。まあ、最終ケーブルカーに乗車でき、終わりよければ全て良し。満足のいく山行となりました。



※山行時間には、撮影時間を含んでおりますので、ご注意下さい。