トップページ山行リスト(日付)>ミツバ岳・世附権現山_記録20140412


ミツバ岳・世附権現山 

 山行日
2014年4月12日(土)       晴れ           単独行
 コース
浅瀬入口(8:15)〜(8:44)滝壺橋(8:47)〜(9:45)ミツバ岳(大出山)(11:02)〜(11:57)世附権現山(本権現)(12:20)〜(13:02)大仏ノ野(13:06)〜<南沢右岸尾根>〜(13:56)細川橋〜(14:00)あしがら荘入口
今回、久々にミツマタ見物にミツバ岳(大出山)を訪問しました。2005〜2009年の間は、毎年このシーズンに訪れてきた山域だったのですが、このところ、足が遠退いておりました。
開花シーズンからするとちょっと遅いタイミングでしたが、さて結果は、如何に。

詳細は、以下をご覧下さい。


 7:37、御殿場線谷峨駅にて下車し、駅前のバス停で、西丹沢行きバスを待つ。
 ここから駅舎を眺めていると、手前に桜の木が2本あったことを思い出した。残念ながら、1年ぐらい前に伐られてしまったのだ。
 今は、駅と反対側の道路横に何本か、桜の木がある。
 バスを待つ間、時間潰しにそちらの方に歩いていき、桜を撮影。(写真下)
 近づいて見ると、葉が目立ち始め、桜の花は、散り始めていた。

 バスを待つ乗客は、6人。この程度の人数ということは、やはり、ミツマタ目当ての登山者は、少ないのかなと思いながら、バスに乗車した。

 だが、車内は、既に登山者で満席。このため、座ることが出来なかった。
 この人数であれば、ミツマタ目当ての登山者も多そうだ。
[谷峨駅近くの桜]

 8:11、浅瀬入口で下車。
 驚いたことに降りたのは、5人だけ。殆どの乗客は、この先の西丹沢らしい。巷では、完全にミツマタのシーズンは、過ぎ去ったという判断のようだ。
 でも、この季節、西丹沢に行くのは、何故?
 新緑やシロヤシオには、まだ早いし、単に天気がいいからなのだろうか。
[浅瀬入口バス停にて下車(振り返って撮影)]

 ウィンドブレーカと、フリースを脱いで、長袖Tシャツ1枚になり、浅瀬に通じるトンネルを進んでいく。一緒にバスを降りた登山者の人達は、すでに遥か先の方を歩いていた。

 湖畔沿いの道を歩いていくと、駐車場などに植えらえた桜が、ちょうど満開なことに気がつく。どうも、このあたりの桜は、町のそれよりも1週間ぐらい、開花タイミングが遅いようだ。
 望郷の碑(世附集落が三保ダムにより水没したことを後世に残すための碑)や寺の沢の駐車場などは、満開の桜に囲まれていた。
[望郷の碑] [寺の沢駐車場]

 8:44、登山口の滝壺橋に到着。
 やはり、ミツマタのピークが過ぎているようで、訪れている登山者は、前方に2、3人が見えるだけだ。そういえば、さっきの寺の沢駐車場も空いていたことを思い出した。

 登山口には、今まで見たことのなかった「ミツバ岳入口」の看板が立っていた。
 ここは、登山口から上の植林帯までの急登が嫌らしい。道幅は狭く、土の斜面で滑りやすい。右側に転落すれば、沢まで落ちるのではないかと思われ、命の保証はない。特に下りに使用する場合は、要注意箇所だ。
 だが、そこを登り切れば、もう緊張するような箇所は、権現山までないので、後は、一歩一歩登っていくだけとなる。
[滝壺橋にて(登山口は、橋を渡った後)]

 植林帯の中の径路を登っていく。左側は、自然林だ。(写真下)
 過去の山行記録を調べてみたら、この植林帯の中の経路は、2008年ぐらいにできたようだ。それ以前は、自然林との境界部分を直登していたので、歩く距離は、短くなるが、スタミナを消耗するルートだった。
 だが、目の前に見える、かつての直登ルートには、落ち葉が積もり、踏跡は、完全に消えていた。
[自然林と植林帯の境界にて]

 植林帯の中、ミツマタの黄色い花を発見。
 山腹で、この程度の黄色ならば、まだ山頂の方も、大丈夫ではないかと期待が持てた。
[ミツマタが咲いていた]

 9:28、植林帯が終わり、前方には、自然林の斜面が広がる。
 まだ芽吹いていないということもあり、視界が良い。樹林の間から先を行く5人の登山者を見かけた。
[植林帯が終了し、自然林となる]

 9:45、ミツバ岳(大出山)頂上に到着。
 早速、西側の斜面に向かう。湖畔を歩いている時、チラッと白い富士山が見えたのだが、ここでは、どうだろう。もう雲に隠れてしまったかと、ドキドキする瞬間だ。
 富士山方面を撮影。

 その後、中型カメラを三脚にセットし、じっくりと撮影。
 頂上に着いた時は、10人弱の登山者が休憩中だったが、撮影している最中にどんどん人が減り、気が付けば、自分一人となっていた。
 時計を見ると、頂上に着いてから、もう既に1時間が過ぎている。
 そんなに留まっていたかと思っていたら、不思議なもので、登山者が芋蔓式に次々と到着し始め、賑やかな声が聞こえてきた。撮影し続けるとキリがないので、このあたりで、中型カメラをザックにしまい込み、出発することにした。
[ミツバ岳頂上に到着]
・・・ この山頂標識は、初めて見たような気がする...

 ミツバ岳(大出山)から世附権現山(本権現)へと向かう。
 右手は、冬枯れの自然林で、左は植林帯が続いている。尾根沿いのルートが少し下った所で、左を見る。今は、枯草が広がるパッとしない広場だ。(写真下)

 だが、かつては、この周辺は、ミツバ岳頂上と同様、ミツマタの群落があった所だ。
 みつまたによる地域づくり実行委員会のパンフレットによれば、
 『三保地域(丹沢湖周辺)では、昭和20年頃まで地域の産業として、「みつまた」を和紙の原料として小田原印刷局に出荷していました。現在でも山中にミツマタの群生地が多く見られ、株は山中至るところに散在しています。』
との事で、このあたりも該当するエリアだったのかなと思う。
 刈り取られたのか、それとも枯れてしまったのかは、よくわからない。
[かつては、ここもミツマタ群落だった]
・・・ マウスポインタを画像の上に持っていけば...

 ミツバ岳を過ぎてから、自然林の樹木に赤ペンキで矢印や、丸印のマークが目立つ。
 これは、登山ルートを示すのだろうか。
 しかし、見苦しい。
 登山ルート以外の目的だとすれば、紛らわしい表示だし、矢印と丸印と、2種類存在するのも、よく分からなかった。
[赤ペンキ矢印でのルート案内?] [赤ペンキ丸印でのルート案内?]

 世附権現山の尾根筋に上がった。
 この尾根は、権現山頂上から西側にのびており、逆コース(権現山からミツバ岳に向かう場合)だと、左(南)に折れるポイントを見過ごし、道迷いに陥りやすい箇所だ。

 ここでは、その尾根筋沿いに赤ペンキで帯状に塗られたマークが何箇所か、付けられていた。
 これは、背の低い赤い標柱の傍の木にマーキングされるもので、登山ルートとは、全く関係がないものだが、先ほどの矢印や丸印と混同してしまうと、道迷いの原因になる。

 ちょうど南に曲がってミツバ岳に行くポイントでの赤ペンキでは、誰かが、後で帯状の赤に矢印を刻んだようだ。(写真下左)
[赤ペンキでのマークその1] [赤ペンキでのマークその2] [赤ペンキでのマークその3]

 11:57、世附権現山(本権現)頂上に到着。(写真下)
 頂上の周りには、15人ぐらいの登山者が休憩中だった。
 快晴の下、ベンチに憩う人達、シートを広げて地面に腰を下ろす人達と、長閑な光景だった。そんな中、山頂標識の傍にある三角点が、赤く塗られてあり、ビックリ仰天。 
[世附権現山頂上にて] [三角点が赤く塗られてあった]

 昼食後、出発する。(12:20)
 この先は、大仏ノ野に向かうことにし、浅瀬入口に向かう登山コースを下っていく。
 頂上から5、6分で、尾根の先端部に到着した。
 ここは、ルートを間違えやすい箇所で、もう少し行くと道標があるのだが、その手前で左に曲がってしまうと、大仏ノ野の方へ下ってしまう。だが、よく見ると、目の前の木の幹に「登山道→」という貼り紙がついていた。この貼り紙の効果は、大きいと思う。まあ、今の時期では、踏跡が比較的見やすいので、右手の方の正しいルートに進む可能性が高いだろう。
[ルートを間違えやすい尾根の先端]

 この尾根の先端で登山道から離れ、左手の斜面を下っていく。
 幅広い斜面が広がる。冬枯れの木立だが、樹皮の色が、ミツバ岳の登りの時よりも暗いような気がする。
 やがて、正面右側に植林帯が見えてきたので、そちらの方に向かって下っていく。
[登山道を外れて大仏ノ野へ向かう]

 植林帯の右端を目指して進む。右手に丹沢湖が見えてきた。
 ここからは、植林帯とザレ場の間を小さなステップで、下っていく。ザレ場を直進して下れば、効率がいいかもしれないが、急すぎて、とてもそんな勇気はない。
 急斜面のため、手で上体を確保しながら、植林帯寄りに下っていくが、結構、時間がかかってしまった。
 そんな途中、ひとつの光景に出会う。
[丹沢湖を見下ろす]

 下り終えると、細い尾根筋は、ササ原となった。
 植林帯の中を下っていくと、この尾根を見逃してしまう可能性があり、ここは、やはりザレ場との境界を下っていくのが、betterだ。
[ササ原となる]

 アンテナ近くに立つマユミの木が見えてきた。
 その前にも枝振りのいい木が立っていたのでカメラを取り出す。(写真下)

 だが、驚いたのは、左側の植林帯側の斜面だった。
[大仏ノ野にて]

 下山ルートは、南沢右岸尾根を下ることにした。
 だが、その方向に向かう前に新しくできた保護柵近くを通ると、見たことのない作業径路を発見。
 興味本位で、その作業径路を進んでみると、すぐ植林帯に突入しており、このまま進めば、予定していた尾根よりも一つ西側の尾根に下っていくように見えた。
 新しい経路歩きも面白いかもと思ったが、いきなり植林帯というのが、いただけない。やはり、当初の予定通り、南沢右岸尾根ルートを下ることにし、経路から外れ、軌道修正した。

 この右岸尾根ルートは、下りに1回、登り1回の経験があるが、ルートは、バラバラだ。以前、下った時は、途中で、左側に下っていく経路があったので、そちらを下った記憶がある。そのため、今回は、なるべく尾根筋を外れないように下ってみたいと思っていた。
[南沢右岸尾根を下っていく]

 13:16、右手にシカ柵が現れる。
 シカ柵を右手に見ながら直進していく。
 ここは、以前の登りの時に通ったことを思い出した。
[植林帯の横を下っていく]

 やがて、植林帯の急斜面となった。尾根筋のような箇所がなく、幅広い斜面だ。この辺りになると、かつて登りに使用したルートがどこだか、サッパリわからない。コンパスと地図を頼りに現在位置を標高600mだと判断し、ここから北側に下っていくことにした。
[急斜面となる]

 標高500mぐらいまで下っていくと前方に尾根が見えてきた。
 どうやら地図読みが正しかったようだ。ここからは、北東方向の尾根筋を進み、その後再び、急斜面となったところで、北側を下っていく。
 やがて、左下に舗装路が見えてきた。(写真下)
 確か尾根の先は、コンクリート壁の上に出てしまうはずで、東側は、民家の上のはずである。そんな訳で、左手の舗装路が近づいてきたところで、斜面を下っていく。

 13:49、舗装路に出た。
[舗装路が見えてきた]

 舗装路を下っていけば、細川橋バス停だ。
 その細川橋バス停には、13:56着。
 既に男性登山者が一人、バスを待っていたが、「一時間後ですよ。」とのことで、それならば、この先の「一茶」で、休憩しようと、一つ奥のバス停、あしがら荘入口まで歩く。
 店の前の桜は、ちょうど満開を迎えていた。
[あしがら荘入口にて(左奥が、一茶)]

 「一茶」でゆっくり缶ビール(店の外のカンバンメニューには、ビールが記されてないが、実際は、あるのだ)を飲み、小休止。店のママさんと、ミツマタや桜の話をしたり、山北町の観光パンフレットなどをもらって、時間をつぶす。

 14:55、あしがら荘入口バス停にて、バスに乗車。
 こうして今回も無事、帰路につく。
 [あしがら荘入口バス停にて]


 今回の目的であったミツマタは、やはり開花ピークを過ぎておりましたが、富士山と合わせた写真が撮れたのは、幸いでした。また、湖畔や中川での桜の開花は、谷峨や山北よりも、例年1週間程度遅いということもわかり、今後の撮影に活かしていきたいと思っています。




※山行時間には、撮影時間を含んでおりますので、ご注意下さい。