トップページ山行リスト(日付)>経ヶ岳_記録20140614


経ヶ岳

 山行日
2014年6月14日(土)        晴れ         単独行
 コース
上荻野(7:23)〜(7:32)用野橋〜(8:02)大沢登山口〜<荻野川右俣>〜?
昨年8月14日に荻野越を目指しましたが、今回は、そのリトライです。
いろいろ予想外な出来事が起こり、記憶に残る山行となりました。
詳細は、以下をご覧ください。


 本厚木駅発、半原行の1番バスに乗車。乗客数は、数えてみたら12人。早朝から、そこそこ乗客は、乗っているのだが、登山姿の乗客は、私一人だけだった。やはり、本格的な夏が近づくと、この山域は、不人気なのだろうか。
 ....単なる暑さ?、それともヒルのせい?

 7:21、上荻野バス停にて下車。
 既に日が高く、強烈な太陽光線を浴びる。今日は、暑くなるだろうなぁ〜と思いながら、歩き始める。だが、まてよ、これだけ暑くなるのであれば、ヒルは、出てこないのでは?と、暑さに対し、プラス思考を図る。
[上荻野バス停にて下車]

 途中、自販機を見つけた。まだ10分も歩いていないのだが、もう冷たい飲料は、手に入らないと思ったら、つい手が出てしまった。冷えた炭酸が喉を潤す。

 7:32、定点撮影地点での用野橋で華厳山を撮影。(写真下左)
 ここで、左折し、川沿いに進む。その後、道はY字路となるが、左の小道を進む。(写真下右)
 ようやく日陰となり、歩き易い。正面は、行き止まりのように見えるが、ゴルフ場に続いている。
[用野橋にて(正面奥は、華厳山)] [小道を行く]

 ゴルフ場の中の一本道を行く。
 まだ7時台だが、これだけ日が高ければ当然だが、すでにカートが走り回り、プレーヤーの姿が見えた。
 荻野川沿い(左岸)を歩いていく。いつもだと、水流の音は、殆ど聞こえないのだが、今日は、やたらと水流の音が聞こえてくる。川を覗き込んでみたら、今週降った雨のせいか、今まで見たことないほどの水量だった。川に小さな段差があるため、そこで水が落ちる音が、聞こえてくるようだ。
[ゴルフ場内を進む]

 正面に橋が見えてきた。ここは、橋を渡らず、右折する。(写真下左)
 この右折時、右手に、ちょっとした駐車スペースがあり、いつもだと、ハンターの軽トラックが何台か停まっていることが多い。だが、今日は、全く車がなかった。どうやら、今日の狩猟は、無いらしい。

 帰宅後、神奈川県のサイトを調べたら、今年のシカ管理捕獲は、5/14から来年3/25(主として、土曜、日曜、水曜に実施。但し、学校の夏休み期間(7月19日から8月31日)と年末年始(12月27日から1月4日)は、実施せず)となっていた。夏休みを外しているとはいえ、広葉樹の葉が茂っている中でも実施というのが、恐ろしい。捕獲対象エリアは、丹沢大山国定公園内の主に鳥獣保護区において。(つまり、鳥獣保護区という看板は、完全に無視されることになる)この捕獲エリアは、簡単に言ってしまえば、塔ノ岳、丹沢山、鍋割山、高松山、大野山周辺、それに檜洞丸南部といったメジャーな登山域と重複しており、かつ、土曜・日曜が含まれるだけに登山する方も、要注意だ。
 ここの経ヶ岳山域は、上記捕獲エリアから外れており、秋の狩猟シーズンまでハンターは、出てこないようだ。(但し、認可がどこで、どう変わるかわからないので、常に注意することに越したことはない)
 ....今までオレンジ色の上着は、狩猟期のみ着用していたが、これからは、年間を通じて着ていた方がよさそうだ。

 ここで、ヒル対策として、スパッツを装着し、その上端、下端にガムテープを巻き、隙間をなくす。見た目は、よろしくないが、いつもの防護策。(写真下右)
[橋を渡らず、右折する] [ヒル対策の姿]

 ゴルフ場の端まで来ると、大沢登山口の立札が立っている。(写真下)
 今日は、このまま直進し、華厳山への道標横を通過する。
[大沢登山口の立札]

 シカ柵の扉を通過し、植林帯の中に入っていくと、荻野川右俣(北沢)にぶつかる。(写真下)
 小さな沢だが、ここもやはり、水量が多かった。いつもは、簡単に渡れるのだが、今日は、流れの勢いが強く、慎重に渡る。
[今日は、水量が多い]

 さあ、ヒルゾーンに突入だ。
 経路がはっきりしないので、落ち着いて歩かないと、思わぬ怪我をしそうだが、自然と、足が速くなる。沢を渡って、ものの5分、足下を見たら、もうヒルだらけだ。結構、中型のものが目立つ。いちいち石で潰す時間もないので、取り敢えず、指でスパッツ等から外すだけだ。
 今年は、例年になく大雪だったので、ヒルがだいぶ減ったのではないかと密かに期待してしていたのだが、この辺りは、例年通りのようだ。
 ....あ〜、気持ち悪い。
[右岸沿いの経路を進む]

 前方の沢が倒木帯となる。前回、訪れた時と比べて、それほど変化が、なかった。
 前回は、右岸から巻こうとして挫折し、結局、水流の上を通っていったが、今回も結局、同じコースで、通過していく。
[前回同様、倒木帯が現れる] [水流の上を行く]

 やがて、左手に破れたシカ柵に植林帯の斜面が現れる。
 前回は、地形図と睨めっこして、この斜面だと左手の植林帯を登っていった。今回は、もう一度よく地形図を見て、もう少し先から右岸に取り付くことにした。
[前回、登った右岸の植林帯]

 沢沿いに進むと、すぐ先に堰堤が見える。足下の沢は、ちょっとしたナメとなっていた。
 正面の堰堤は、左岸に踏跡らしきものがあり、そこを登ることで簡単に越えることが出来た。
[前方に堰堤あり]

 堰堤を越えると、状況は一変し、明るい沢となる。だが、倒木が多く、簡単に直進出来ない。
 直射日光に当たると、一気に汗が噴き出るような状況だった。結局、多少歩き難い所でも、日陰を進むようになった。
 また、このあたりから右岸に荻野越に続く経路があるのではないかと、注意しながら歩くが、とても登れるような斜面ではなく、ちょっとこの先、不安になった。
 9:01〜9:06、日陰で小休止。水分補給する。ここまで来たら、もうヒルは、いなかった。
[堰堤を越えると沢幅が広がった]

 沢が右にカーブしていくあたりで、再度、地形図を取り出す。
 これ以上、沢沿いに進むと、行き過ぎるような感じだ。そうかと言って右岸に経路のような箇所は、見当たらなかった。
 う〜む。もう少し先まで沢沿いに行くべきか。ちょっと悩ましい。
 荻野越は、植林帯なので、ここの取り付き点も植林帯ではないかと思っていたのだが、その植林帯が見当たらない。
 9:10、地形図を見て、もうこのあたりにしようと、自然林ではあるが、右岸の登りやすそうな斜面を登っていくことにした。登りやすいと言っても、それなりの急斜面だ。ふと左を見ると、小さな尾根筋のようになっているのが分かったので、途中で小さな涸沢を横断し、そちらの尾根筋を登っていく。
[右岸取り付き点を見上げる。最初、右側に取り付いたが途中で左にトラバースした]

 9:20、この小さな尾根筋を登り続けていくと、なんと一本のロープを発見。(写真下)
 これは、何?
 荻野越に続く経路?
 ここが経路なのだろうか。しかし、冷静に考えると、明確な踏跡は、なく、ここが経路とは、思えなかった。考えられる事として、これは、ハンターが移動する時に使用するためにセットしたロープではないかと思われた。
 仮にそうだとしても、これは、上に登っていけるルートだろう。今まで、この先が荻野越かどうか不安だったが、なんとなくその方向には、出るのではないかという期待が高まった。
[何とロープが現れた]

 しかし、ロープで安心したのも束の間。その先で、尾根筋が消えてしまい、超急斜面となり、左右に移動しなければならなくなった。右上の方が、なんとなく斜面が緩やかになっているように見えたので、そちらにトラバースしていく。
 木の幹につかまり、足場を確保したところで、息を整える。ふと、右手を見ると、隣の尾根筋が植林帯となっていた。
 しまった!荻野越に続く尾根筋は、隣だったかと、一瞬、後悔の念がよぎる。そうであれば、さらに右にトラバースしていくかと思ったが、その間には、急なガレ場があり、とても横断できるような状況ではなかった。
 仕方がない。このまま、上に向かおうと、前方を見る。(写真下)
 なんか、やたらとここだけ蔓が絡まり、簡単には通過できない状況だった。これって、クマの寝床ってことは、ないだろうなぁと思った瞬間、
 ドサッ と、木の上から、何か重量物が落ちたような音がし、斜面の上に方に去っていくような音が聞こえ、その後、いくつかの小石が、カラカラと、先ほどの右手のガレ場を落ちていく音が響いていった。
 ここで冷静に推理。
 どう考えても、シカではないと思うし、そこそこ重量感のある音だったので、サルではないだろう。これは、クマ?特に木の上から落ちるような感じだったので、やはりクマ?
 なんとなく、状況が、クマに収束していくので、前進は、諦め、来たルートを引き返し、左にトラバースすることにした。
 ....ちょっと、ヒヤヒヤ。
[前方は、木の蔓で、そう簡単に突破できない]

 左にトラバースしていき、どうにか登れそうになった斜面になったので、前進していくと、目の前にシカ柵が現れ、その向こうは、植林帯となっていた。
 おっ、やはり、ここが、正しい荻野越ルートだったかと、気分が明るくなる。シカ柵は、ちょうど破れており、簡単に通過することができた。だが、植林帯になったからと言って、傾斜は変わらなかった。登りやすいのは、左だと判断し、小さな尾根筋を登っていく。
[前方にシカ柵が現れる]

 小さな尾根筋に登ると、何と、ここでもロープを発見。
 よく見ると、シカ柵のあたりから続いていた。先ほど、シカ柵にぶつかったとき、直進せず、左にもっとトラバースすれば、このロープをもっと早く発見できたようだ。
 とにかくロープが再び現れたので、ルートに自信を持つ。
[2度目のロープ発見(谷側を撮影)]

 今度のロープは、比較的、長い。
 素直にロープを利用して登っていくが、残念ながら、斜面の途中で、ロープは終わっていた。その後は、登り易い斜面を適当に選んで、ハアハア言いながら前進する。でも、傾斜は、それほど強くなく、とりあえず2本足で歩けるような状況だ。
[ロープが続いていた]

 ふと、右手を見ると、荻野越が見えていることに気がついた。
 このまま素直に登っていくと、ちょっと華厳山寄りの稜線に出てしまうところだった。ここで軌道修正し、右にトラバースしていく。
[右手に荻野越を見る]

 9:57、荻野越に到着。
 ようやく念願の場所にたどり着くことが出来た。ザックを下ろして、しばし休憩する。
 ペットボトルを取り出して、達成感を味わいながら、喉を潤す。
[荻野越にて] [荻野越の看板の文字]

 荻野越を10:05に出発。経ヶ岳に向かう。
 10分弱、登っていくと、右手にガレ場が現れる。先ほどの沢を登り詰めていけば、この下に出てくるのだろう。ここからは、登山口手前のゴルフ場のクラブハウスが見えた。
[右下にガレ場]

 大きなモミの木の下に「モミの木地蔵」なるお地蔵さんを発見。参拝する。
 こんな場所にあったっけ?と、よく見ると、平成24年10月13日という日付が記されていた。おそらく、この時に安置されたのだろう。(帰宅後、調べたら、この日付以降、ここを歩いていなかった。)
[モミの木地蔵]

 10:28、経ヶ岳頂上に到着。
 頂上には、誰も居なかった。ここで、中型カメラを取り出し、大山方面を撮影することにした。
 三脚を適当な場所に立てる。
 今日は、珍しくこの時間帯でも、まだ遠景がクリアだった。
 ここからは、大山、表尾根、塔ノ岳、丹沢山、不動ノ峰、丹沢三峰などの眺めが広がる。
 結果的に撮影のために30分程度、頂上に留まっていたが、それでも他の登山者との出会いはなかった。
 撮影を終え、今日は、これで下山することにした。
[経ヶ岳頂上]

 11:02、経ヶ岳頂上をスタート。
 最短時間でバス停に行きたかったので、半僧坊方面に下ることにした。
 途中、林道を横断し、その後もどんどん下っていくと、ベンチが現れた。(写真下)
 ここで、小休止し、ペットボトルで水分補給する。視界が広がり、手前から送電線が続いていた。
[途中のベンチにて]

 11:56、車道に出た。この先が半僧坊前バス停だ。
 道路を横断すると、バス停付近の道路が変更されていることに気がついた。以前は、半僧坊前バス停は、二箇所(野外センタ−経由と田代経由)に分かれていたが、今は、一箇所に統合されていた。

 11:59、半僧坊前バス停に到着。
 バス時刻を調べたら、ちょうど11:59というバスがあった。ということは、もうすぐ来てしまうと思い、急いでスパッツを外す。だが、ガムテープのためになかなか外れない。ようやくガムテープを剥がし、スパッツを外すと、なんと、左足首付近に被弾箇所を発見。
 ガムテープの防御を乗り越え、ヒルが入り込んでいたのだ。
 これは、イカンと、両足ともに靴を脱ぐ。そうしているうちにバスが到着。
 結局、このバスは、パスすることにした。

 その後、じっくり両足をチェックしたところ、被弾は、最初の左足首の箇所だけと判明した。
 今までは、スパッツにガムテープを巻くときは、3周程度、巻いていたのだが、今回は、1周半程度にしていたのだ。理由は、剥がすのが面倒だったのと、3周は、ちょっと過剰ではないかと思ったからだ。
 ....100円ショップで購入できるガムテープをケチったのがいけなかった。

 次の12:29発のバスは、少々遅れて到着。ヒル騒動のために30分、遅れて帰路につく。
[半僧坊前バス停にて]
・・・ マウスポインタを画像の上に持っていけば...


 ようやく荻野越に到達することができました。
 ですが、最後に血を見ることになり、いささかショックでした。ガムテープのグルグル巻きで被弾したのは、初めてで、今回は、どこか油断がありました。やはり、ヒルは侮れないなと、大いに反省です。

 余談ながら、この日は、なんだか朝からせわしく、ワールドカップ(スペイン−オランダ戦の前半(1対1)まで)を自宅のTVで見てから家を出て、小田急線の車中で、携帯から試合結果(1対5)を見て驚き、山からの帰宅後、急いでシャワーを浴び、再び外出し、飲み会を2件(親戚、および高校)、ハシゴ。高校の飲み会は、2次会も出て、結局、家に帰ったのは、0時を回っておりました。
 ....個人的には、とてもイベントの多い1日でした。

 コース
上荻野(7:23)〜(7:32)用野橋〜(8:02)大沢登山口〜<荻野川右俣>〜(9:10)右岸取付点〜(9:57)荻野越(10:05)〜(10:28)経ヶ岳(11:02)〜(11:59)半僧坊前




※山行時間には、撮影時間を含んでおりますので、ご注意下さい。