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葛葉川本谷

 山行日
2014年7月13日(日)       曇り         同行者:NASさんグループ4名
 コース
葛葉の泉(8:08)〜<葛葉川本谷>〜(9:55)林道の橋〜<葛葉川本谷>〜(13:07)三ノ塔尾根登山道合流点(13:24)〜(14:11)牛首(14:20)〜(14:58)大倉
今回は、NASさんの山の会メンバーの方々と沢登りを楽しんできました。
NASさんは、以前から山の会メンバーから沢登りに連れて行って欲しいとのリクエストを受けており、このため、「シーズンになったら、丹沢で初級者向けの沢に行かないか」と、花立小僧に誘いの声が掛かっておりました。
そのようなメンバー構成であれば、やはり、コースは、初級と言われる「葛葉川本谷」だろうということになり、計画しました。 
詳細は、以下をご覧下さい。


 7:20、渋沢駅改札口にて、予定通り全員集合。集まったのは、NASAさん、NASさんの山の会のメンバーKEKさん、RIKさん、HINさん。(前回の表尾根・塔ノ岳山行とは、別のメンバー)
 本日の山行計画を地形図・遡行図で確認した後、2台のタクシーに分乗し、葛葉の泉に向かう。

 7:40、葛葉の泉に到着。
 すでに広場には、自家用車が7台駐車していた。これらは、沢登り登山者の車だろう。人気の沢であることがうかがえる。他に2名が沢支度中だった。

 ハーネスを取付けていると、近くを通りかかった男性から声を掛けられた。
 なんと、その方は、YAMさん(最近は、M-Kさんとの山行が多いような)だった。
 昨日、YAMさんは、葛葉川本谷を遡行されたということで、沢の状況を聞くと、水量は、それほど多くなかったし、倒木などもそんなになかったとの事。この時点で、沢の状況が分かったのは、大変有難かった。
 今日、来られたのは、やむなき事情により、立ち寄られたらしい。そんな会話をした後、YAMさんの車を見送る。

 8:08、駐車場のすぐ先から入渓する。
 まずは、沢靴に慣れるため、全員で水流の中、石の上などを歩き回る。水温は、そんなに冷たく感じなかった。水量も、いつもと同じ程度だ。
[葛葉の泉には、既に多くの自家用車が駐車していた]

 いよいよ出発。先頭は、花立小僧。最後は、NASさんで進むことにした。小さな堰堤を一箇所、右岸から巻くが、後は、水流沿いを進む。この辺りは、高い滝もなく、沢歩きに慣れるための第一ステップとしては、理想的なエリアだ。
[小滝を登る]

 8:33、最初のゴルジュ連瀑帯に到着。ようやく滝らしい滝が現れるところだ。1段目の滝(5m)は、水流右の岩場を登る。
 4段目(6m)は、シャワークライミングになるので、先頭の私としては、あっさり右から巻いた。
 ....今日の天気では、水遊びできないような。
[最初の連瀑帯(3段目、4段目)]

 次に6mぐらいの滝を水流左を登っていく。登り易い傾斜の滝だ。
 このあたりは、皆、リズムよく登っていく。
 その次の滝(写真下)は、水流右の岩壁を登るが、女性のRIKさんがホールドを探すのに手間取ってしまった。立ち止まっていると身体の左半分がどんどん濡れていく。ここで、RIKさん。飛沫の洗礼をチョッピリ受ける。
[ホールドを探している時間が長いと、飛沫を浴び続ける]

 8:57、8mぐらいの滝に到着。(写真下)
 まず、花立小僧が登ってみるが、岩が滑っていて、上の方のホールドが細かく感じた。それに高度感もあるので、登り終えた後、ザックからロープを取り出す。滝上でロープをセットし、一人ずつ登ってもらうことにした。
 そういえば、大昔、ここでロープで確保し、登っていたパーティを思い出す。今、自分がそれを実践することになったのは、何やら感慨深い。
[相変わらず尻の大きさが気になる花立小僧(NASさん撮影)]

 今日は、水量が、それほど多くないので、勢いも弱く、水流の中にも足を踏み入れることができる。
そんな訳で、適当に水流に入ったりしながら、現れてくる滝を登っていく。

 余談ながら、今回、デジカメを防水型しか持ってこなかったのだが、これが、失敗だった。天気がいい時は、それほど問題のないカメラなのだが、今日は、全体的に暗すぎて、写りがよろしくない。プログラムモードだと、勝手にストロボ発光でノイズが入ったり、ストロボを禁止すると、いちいち自分で露出補正等をしなくてはならなかった。
 ....やはり防水型の高機能カメラが欲しいところ。今日は、なぜかNASさんが防水型のデジカメを持参していた。
[軽快に小滝を越えていく]

 9:31、板立ノ滝下に到着。
 NASさんと左岸の岩壁ルートを観察する。残置ハーケンとスリングを見つけたが、相当古そうだった。時間的な問題もあるので、ここは、右から巻くことにした。
[板立ノ滝は、見学するだけ]

 9:47、3段(1m、3m、4m)の曲り滝を登っていく。ここは、水流近くを登っていくので、結構、飛沫を浴びることになる。
 曲り滝を登り終えると、頭上に橋があり、林道下を通過した。
 これで、沢登りも後半戦に突入だ。
[3段の曲り滝(2段目・3段目)(NASさん撮影)]

 後半戦に突入して、すぐ小休止。水分補給や、パンなどを食べる。
 上空は、相変わらず恨めしい曇り空だ。もう少し雲が切れてくれれば、ここは、南側斜面の沢なので明るくなり、沢の印象もだいぶ変わる筈だ。だが、残念なことに今回は、非常に暗いイメージになってしまった。
[小休止中]

 小滝を越えていき、ようやく富士形ノ滝に到着。(10:26)
 辺りは、倒木が目立つ。以前は、もっとスッキリしていたような気がした。

 ここで水流右側の乾いた岩場にロープをセットし、懸垂下降の練習などを実施。だが、岩壁が凸凹しており、理想的な練習場とは言えず、また、時間の都合で、何度も繰り返しできなかったことが残念だった。
[富士形ノ滝] [懸垂下降を練習]

 そんな折、滝下にいたNASさんの悲鳴が聞こえた。
 なんだ?と思ったら、右手親指の先にヒルがいて、吸血されたと言う。さっき、この滝上でロープセッティングした時に取り付かれたようだ。ここは、標高800m強ぐらいだと思うが、まだヒルの棲み処のようだ。だいたいヒルゾーンは、どんなに高くても標高700mぐらいまでだと思っていたが、これは単なる先入観のようだ。
 ....先日の大山の例もあり。

 富士形ノ滝上にて、土の斜面を見ると、確かに動くものがいる。よく見たら、ヒルだ。やや小さめとは言え、ヒルには違いなかった。
 これはイカンと、富士形ノ滝を全員、登った後、即座に上流へと移動する。
 なお、富士形ノ滝上の土の斜面あたりは、崩れやすく、落石の可能性があり、要注意だ。
[今回の事件発生?]

 全面的に濡れていたツルツルの一枚岩を左から順番に登っていくと、傾斜が急になっていき、水流もチョロチョロ状態となった。5,6分後、左に小さな涸沢が合流する。(写真下)
 よく見ると、左の涸沢入口に小さな赤テープがあるのだが、これは予め知っている人間でないと、まず見落としてしまうような状況だった。この涸沢ポイントを見落とし、そのまま右の本流を進むと、斜面がますます急になり、落石の危険が出てくる。

 ここで小休止。もう水流は、ないということで、私以外は、皆、沢靴を履き替えた。すると、HINさんの脛当てにヒルが一匹、取り付いていたのを発見。結構、大きめのヤツで、ヒルらしいヒルである。
 ....それを見たNASさんの驚きの表情が面白かった。

 吸血されずに済んだのは、幸いだった。ここで、HINさんが「ヒル下がりのジョニー」を取り出し、吹き付けると、ヒルは、暴れることなく静かに昇天した。
 「即死でしたね。」
 ジョニーの効果に一同満足する。
 ....ジョニーは、忌避の効果だけかと思っていたら、そうではなかった。
[左の涸沢入口に赤テープあり]

 左の涸沢に入ると、すぐ左手の土の斜面に踏跡が続いていた。こんなに土の斜面が長かったかなと思いつつ、登るが、柔らかい土で、ズルズル足下が滑っていく状態。登り終えた後、お助けロープを取り出し、後続のメンバーに使ってもらう。
 昨今のゲリラ豪雨等で、土砂がどんどん流されてしまった感じだ。以前は、もっと登り易い斜面だったので、それほど記憶になかったのだが、手掛かりになるような箇所が少なく、今回は、ものすごく印象深い箇所となった。
[沢から離れ、ズルズルの斜面]

 植林帯の登りとなると、NASさんと花立小僧以外のメンバーは、若さ爆発で、どんどん先に進んでいく。やはり、スタミナの面で、差が出るな〜と、残されたNASさんと苦笑い。
 そんな折、ポツリポツリと雨が降ってきた。
 いいタイミングで沢から離れたなぁとNASさんと話す。幸い、ヒノキの植林帯なので、雨は気にならなかった。

 13:07、ようやく登山道に出た。
 ここで、沢装備を解除しながら、小休止。(写真下)
 幸い、雨は止んでくれた。
 今日は、三ノ塔頂上まで登っても、曇っていて富士山も何も見えないだろうということから、ここから下山することとした。
[登山道に出た]

 長々と三ノ塔尾根を下って来て、ようやく牛首に辿り着く。(写真下)
 ここからは、舗装路歩きとなる。
 小休止して、舗装路の上でヒルチェック。幸いヒルは見つからなかった。
 ....残念ながら、ジョニーの出番は、無し
[舗装路に出る(牛首)]

 風の吊橋を渡って、大倉バス停に到着。(14:58)
 一人、ヒル被害に遭われたが、他のメンバーは怪我もなく、無事ゴールイン。
[大倉に到着]

 大倉からバス・電車を乗り継ぎ、鶴巻温泉で下車。
 弘法の里湯に入って、さっぱりした後、ビールで反省会。
 やはり、皆さん、沢登りは新鮮だったようで、「これで、初心者コース?」、「ホールドが足の指の先しかなかった。」、「いったい今、どこにいるのか、さっぱりわからない。」等、今までの山行では味わえない世界を堪能されたようだ。
 [弘法の里湯にて(先行の湯上り3人で、まず乾杯)]


 NASさん、山の会の皆さん
 今回は、沢登りにお付き合い戴き、ありがとうございました。もう少し天気が良ければ、最高でした。そのうち、NASさんが第2弾を計画されるかと思います。その時も、宜しくお願い致します。


 閑話休題:その1
 先日(8月のとある日)、イガイガさんと飲んでいました時、葛葉川本谷の話が出てきました。
 AYさんのブログにて記載されていました「葛葉川本沢」か「葛葉川本谷」かの件で、「ちなみに名称にはチトうるさいこの方はどちらを使用しているかなと記録を拝見してみましたら(こちら)でした。」と書かれてあったので、イガイガさんが、(こちら)をクリックしたら、ご自分のブログが出てきてビックリされたそうな。
 ....ご本人は、完全に忘却の彼方だったらしい。

 ちょっと手許の資料で調べて見ましたら、
  葛葉川本沢 ・・・ 「ブルーガイドブックス25 丹沢」 奥野幸道 (実業之日本社:昭和40年3月)
  葛葉川本谷 ・・・ 「丹沢の山と谷」(山と渓谷社:昭和33年11月)
              ※葛葉川の記載は、羽賀正太郎
と記載されていました。
 う〜む。この件については、丹沢の重鎮であるお二人が絡んでいたようであります。
 なお、水無川本谷は、両者ともに「本谷」でした。
 ....ちなみに花立小僧は、よりポピュラーな名称と思われる「葛葉川本谷」を長年、採用しております。


 閑話休題:その2
 上記と同じ8月のとある日、イガイガさんと飲んでいました時、イガイガさんが、防水カメラを新たに購入されたということで、見せてもらいました。
 それが
   WG−4GPS (GPS機能付き)
でした。購入動機は、滝を撮るために防水&シャッタースピード優先機能付のデジカメを探していたら、この製品に出会ったとの事でした。ちなみにAYさんも同じものを購入されております。

 今回、NASさんが珍しくデジカメを持参しておりましたが、それが
  WG−4(GPS機能なし)
でした。
 
 葛葉川での画像を見比べても、花立小僧持参のWG−1とはだいぶ明るく撮れています。
 仕様面で見比べますと
    WG−1:F3.5(W)〜F5.5(T)
    WG−4:F2.0(W)〜F4.9(T)
 ということで、レンズの明るさにも差が出ていました。
 但し、WG−4は、約229g(電池、SDメモリーカード含む)、WG−1は、約163gということで、若干重くなっており、サイズもいくらか大きくなっています。

 ですが、もう購入するつもりになっております。
.....完全にWG-4に包囲された状況ですので

 問題は、GPS機能が必要か否か。GPS有ですとバッテリーの消耗が早いようです。
 悩ましい所です。

 ですが、店にいったら、GPS機能付の方が安価で売ってました。
 ....何で?

 ということで、GPS機能付を購入してしまいました。
 イガイガさんの「黒」に対抗して、「青」を購入です。
 次回の山行が楽しみです。




※山行時間には、撮影時間を含んでおりますので、ご注意下さい。