トップページ山行リスト(日付)>経ヶ岳_記録20141223


経ヶ岳

 山行日
2014年12月23日(火)         晴れ         単独行
 コース
上荻野(7:26)〜(7:42)用野橋〜<岩倉沢左岸>〜(8:15)岩倉ダム〜(8:45)二俣(8:50)〜<岩倉沢左岸尾根>〜(9:48)法華峰林道合流点(9:54)〜<法華峰林道>〜(10:13)法華峰(536m峰)(10:18)〜(10:48)経ヶ岳(12:05)〜(12:41)荻野越(12:43)〜(12:59)法論堂林道合流点〜<法論堂林道>〜(13:59)坂尻
 今回は、経ヶ岳の自己未踏ルートで頂上を目指しました。
 この山域の夏は、ヤマビルが多く、苦労させられますが、冬は、ハンターに気を付ければ、ヤマビルが出てこない分、快適な山歩きとなります。
 ですが、なかなか予定通りに行かないものです。
 詳細は、以下をご覧ください。


 7:20、上荻野にて下車。
 本厚木駅前からバスに乗る時は、それほど寒いと思わなかったのだが、ここで降りた瞬間、
 「寒い〜」
と、思わず声が出た。とにかく吐く息が滅法白い。朝日を浴びているのだが、光が弱々しく、全く暖かさを感じない。すぐに手袋と耳当てをザックから取り出す。
 バス停撮影後、足が寒さで、ガクガク震えてくるので、さっさと歩き出す。(7:26)
[今回のスタート地点:上荻野バス停。自分の影が長いことに気がつく]

 宅地の中を歩き、用野橋に到着。(7:42)
 正面に華厳山や経ヶ岳方面の山並が見える。いつもであれば、橋を渡って左折し、ゴルフ場を突き抜けていくのだが、今回は、右折する。
 ここからは、自己未踏ルートだ。
[用野橋から華厳山・経ヶ岳方面の眺め]

 川沿いに続く道を進む。
 途中、四角い石碑があり、よく見ると「馬頭観世音菩薩」と書かれてある。側面には、昭和38年3月とあり、比較的新しい馬頭観音だった。初めての道というのは、こういう新しい発見があるので、ワクワクしてしまう。
[馬頭観音を見つけた]

 川沿いに進むと、小さな橋が見えた。
 橋を渡り、左岸沿いに進もうとすると、新しい保護柵が目に入る。この保護柵は、民家の方に獣を入らせないために設置されたようだ。正面にゲートが見える。ゲートがあるということは、その先に行けるのだろうと思い、ゲート開けて、通過する。
[前方に小さな橋あり]

 ゲートの先は、草叢となり、経路らしきものは、なかった。だが、足下をよく見ると、わずかな踏跡らしきものがあり、それを辿っていく。
 すると、1,2分で、すぐに立派な経路が現れた。
 事前にプリントアウトした地図(電子国土基本図で、目一杯拡大した)でも、まさに経路表示の破線は、このあたりから始まっていた。最近の地図は、精度がいいな〜と、ひとりで感心しながら、歩き易い経路を進んでいく。
[すぐ先から立派な経路が現れた]

 川の左岸を辿っていくと、横幅が長い堰堤が見えてきた。(帰宅後、調べてみたら、岩倉ダムと記されてあった。また、川は、岩倉沢と呼ぶらしい。)
 堰堤を越えていくと、前方に2番目の堰堤が見えてきた。この先で、経路が怪しくなり、適当に右手山側の植林帯に踏み込んで進んでいく。
 堰堤を過ぎると、再び、経路が現れ、ふと左側を見る。
[前方に横幅のある堰堤を見る]

 8:45、左手の沢が二分する箇所に到着した。
 あれっと思った。事前調査では、この二股には、来ないはずだったのだ。確認のため、プリントアウトした地図を取り出す。やはり、地図上の破線ルートは、沢の二俣に来る手前で、右手尾根の斜面を登っていくように記されてあった。
 そんな尾根に登っていくような道が途中、右側にあったかな?と、今歩いてきたルートを思い返す。
 行き過ぎたのだろうか。

 だが、別の考えも浮かぶ。
 ここが地図上の二俣ではなく、その二股の手前に存在する、地図に載っていない小さな二俣である可能性だ。
 周囲を見渡すと、右俣の沢を渡らず、右上斜面にシカ柵の扉が見える。やはり、ここは、地図に載っていない二俣で、右上に見えるシカ柵を通過していくのが地図上の破線ルートだとも思える。

 もっと考えてみる。
 ここは、地図上の二俣であるが、地図上の破線ルートの記載が間違いで、二俣から右手尾根に上がっていくのが実際のルートということも考えられた。
 ....こんなことを考えたら、ますます混乱。

 う〜む。さて、どうしようか。
 少し思考を変えようと、プリントアウトした地図の縮尺を見る。(この地図は、1/25000地形図より拡大して印刷されている)
 だが、ここに大きな問題があった。
 確かに縮尺の数値と線分は、書かれてあったのだが、数字が小さすぎて、裸眼で近づけても、老眼の目では、読み取れなかったのだ。
 ....ああ無情

 地図上の1番目の堰堤と2番目の堰堤の距離から推定して、2番目の堰堤からどのくらい歩いてきたか推定しようと思ったが、全く自信がなかった。
[この先で沢が二分する]

 今日は、夕方からの用事がないため、時間は、たっぷりある。
 それゆえ、引き返すことにした。
途中の尾根に登っていく分岐路を探してみたかったからだ。

 来た道を引き返し、左側斜面の植林帯を注意深く見ていく。 
 だが、左手に尾根に登っていくような経路は、結局、見つけることが出来ず、再び、2番目の堰堤まで戻ってきてしまった。
 すると、対岸の方から人の声が聞こえたので、堰堤に上がってみたら、反対側にハンター一人が座っていた。沢を挟んで話を聞くと、そのうち北側から別のハンターが、こちらにシカを追い詰めるとのことで、この場所は、危険との事だった。
 ちなみにこのエリアは、いつもゴルフ場に集合していたハンター集団のエリアかなと思ったら、別の集団だった。
 そうであれば、予定を変更して、この谷側エリアからさっさと脱出し、尾根筋に上がってしまえと、ここから北側の尾根斜面に取り付く。
[植林帯を直登する]

 高度差40m程度で、尾根筋に登り上がった。
 先ほどの話だと、この尾根の反対側(北側)からハンターが登ってくるはずだが、かなり遠くで犬の吠え声が聞こえた。まだ、この尾根に取り付いているような距離ではないようだ。
 今日、ハンターに出会うことは、覚悟の上なので、上半身は、オレンジ色のフリースを着用しているが、出会わないことに越したことはない。
 尾根筋をひたすら登っていく。
[尾根筋に立派な樹木あり]

 9:48、林道に出た。ここは、ちょうど田代の半僧坊から経ヶ岳への一般登山コースが林道に出る地点と同じ場所だった。ここで、小休止とした。
[林道に出た]

 一般登山道を歩いた後、途中で道を外れ、法華峰に向かう。
 10:13、法華峰ピークに初めて到着。
 周囲は、冬枯れの木立で、視界は広がらない。だが、木立の間からの遠景を眺め楽しんだ。
[法華峰頂上にて]

 その後、経ヶ岳に向かう。結構な登りが続いた後、頂上にようやく到着。(10:48)
 ちょうど8人の中年女性グループが出発するところだった。8人グループが去ると、頂上が一気に静寂になる。このとき、中型カメラを取り出し、丹沢山方面や、大山(ちょっと逆光)の撮影する。
 姫次あたりから北側は、手前の木に邪魔されて、良く見えなかったが、今日は、雲一つない山稜が、左から塔ノ岳、丹沢山、蛭ヶ岳(ピークだけ)、本間ノ頭と続いていた。

 撮影が終了し、三脚を片付けていると、半僧坊側から登山者がドドッと登ってきた。聞けば、27人の中高年団体さんだった。リーダの人が、ここで昼食としますとの説明があり、いきなり頂上が賑やかとなった。
 この間、頂上を離れ、経石見物して時間を潰す。
[経ヶ岳頂上にて]

 12:05、経ヶ岳頂上を出発する。
 今回は、荻野越に向かう。
 経ヶ岳からの荻野越までの間には、モミの木地蔵と、異種格闘木(西山を守る会にて命名)という名所がある。モミの木地蔵は、経ヶ岳に登っている途中で気がつき、参拝した記憶があったが、異種格闘木の方は、ここを何度か通っていたにもかかわらず、今まで気がつかなかった。そこで、今日は、異種格闘木という樹木を探してみたいと思っていたのだ。
 
 急斜面の下りには、トラロープが何本か用意されてあり、そのロープを利用して下っていく。 
 まずは、モミの木地蔵を目指す。
 確か一番幹の太いモミの木の下に安置されていたはずと、下っていき、目を付けたモミの木を振り返ったら、簡単に見つかった。 

 次は、異種格闘木だ。
 だが、これもあっさり見つけることが出来た。下りの場合、真正面に2つの木がくっついた状態の木が正面に見えたからだ。よく見ると、真っ過ぐ伸びた木は、モミの木のようだ。斜めに伸びているのは、広葉樹のようで葉がついていなかった。
 これは、反対側の経ヶ岳に向かう場合だと、気がつかないなと思ったら、反対側には、貼紙がしてあった。
[異種格闘木を発見] [反対側には貼紙が]

 12:41、荻野越に到着。
 ここは、オレンジ色の脚立がアクセントになっている。
 今回は、ここから右手斜面を下っていき、法論堂林道に出る予定だ。
 経路はないかと、探してみたが、明瞭な踏跡は、見つからなかった。適当に斜面を低い方へと下っていく。
[荻野越に到着]

 すると、正面にシカ柵が現れ、最低部分にシカ柵のゲートがあることに気がついた。そこを目指して下っていく。ゲートの前には、経路がある筈だと思ったが、どこが経路か、分からなかった。
 ゲートは、開きっ放しで、簡単にシカ柵の反対側に出られた。
[シカ柵ゲートを通過]

 ゲートの先にも経路らしきものは、見当たらなかった。
 何も考えず、最低部分を目指して下っていく。それほど急ではないので、余裕だ。
 やがて、再びシカ柵が現れ、これまた最低部に開いたゲートがあり、シカ柵の外に簡単に出られた。その後も、とにかく下へ下へと進んでいく。

 涸沢にぶつかり、左を見たら、舗装路(法論堂林道)が見えた。
 舗装路を目指して涸沢を下っていく。近くに経路はないか、チェックしていたが、特に経路らしきものは、見つからなかった。
 12:59、法論堂林道に出た。ここからは、この林道を下っていくだけだ。
[法論堂林道に出る]

 長い舗装路歩きだな〜と思いながら、下っていくと、右手に清川宝の山の石柱を発見。
 こんな場所に設置されているとは、思わず近寄って、デジカメ撮影する。
 清川宝の山は、昭和62年頃に清川村が美林を残すために指定し、石柱を立てたと聞いている。
 ....村内に50ヶ所ぐらいあるらしい。
[清川宝の山の石柱を偶然、発見]

 退屈な林道歩きかと思ったらそうでもなかった。
 途中、一羽の野鳥が人懐こく、なかなか離れない。カメラを取り出し近づいても、一向に飛んでいかない。という訳で、しばし、この野鳥をカメラで追いかけた。
 帰宅後、調べてみたら、ハクセキレイという野鳥のようだ。
[ハクセキレイ撮影]

 林道を歩き続け、坂尻バス停に13:59、着いた。
 バス時刻を見たら、次のバスは、14:02。グッドタイミングだった。
 ....道路の反対側にある飲料自販機にも行けず。
 [坂尻バス停に到着]


 前半のルートは、結局、宿題となってしまい、再度、挑戦したいと思っております。
 ですが、後半は、楽しめました。異種格闘木を探したり、荻野越からの法論堂林道側への経路探索など。
 ここ仏果山・華厳山あたりの山域は、本厚木からのバスで行けて、登山路、経路、尾根が豊富にあり(夏は、ヒルも豊富)、気に入っているエリアです。今後も、この辺りの自己未踏ルートを歩いてみたいと思っています。




※山行時間には、撮影時間を含んでおりますので、ご注意下さい。