トップページ山行リスト(日付)>塔ノ岳・鍋割山・櫟山_記録20150101


塔ノ岳・鍋割山・櫟山

 山行日
2015年1月1日(木)・2日(金)  晴後雪・晴     単独行
 コース
大倉(10:43)〜(12:07)駒止茶屋〜(12:36)堀山の家(12:38)〜(13:57)花立(14:03)〜(14:34)塔ノ岳(泊)
塔ノ岳(7:54)〜(8:26)大丸〜(9:16)小丸〜(9:54)鍋割山(11:35)〜(12:34)後沢乗越〜(13:25)栗ノ木洞〜(13:37)櫟山(13:44)〜(15:20)寄
 今年の初登りも、例年通り、塔ノ岳・鍋割山に行ってきました。
 塔ノ岳には、大倉尾根経由としましたが、今回の大倉尾根は、なかなか印象深い登りとなりました。
 詳細は、以下をご覧下さい。


<第1日>
 いつもより少し遅れて自宅を出たせいで、大倉から登り始めたのは、10:43となってしまった。
 前日の天気予報だと、12:00までは晴、15:00からは曇りとなっていた。だが、上空を見る限り、青空が見え、多少雲が出てきたという感じだ。塔ノ岳頂上に着くまで、天気は、もつだろう、そう考えていた。
[大倉バスにて下車]

 この時間帯であれば、もう初日の出参りの下山者とすれ違うことは、多くないだろうと思っていたが、そんなことはなかった。最初の休憩所である観音茶屋までに74人とすれ違う。
 ....人数は、厳密に数えた訳ではないので、ちょっと曖昧。
[丹沢クリステルさんに新年の挨拶]

 見晴茶屋の前では、10人ぐらいが休憩していた。ここまで来ると、だいぶすれ違う人も少なくなってきた。

 
駒止茶屋を過ぎる頃になると、目の前に何か白いものがポツリポツリと落ちてきた。
 雪? いや、正確に言えば、霰だった。
 上空を見ると、いつの間にか、雲だらけとなり、薄暗くなっている。大倉から長袖Tシャツ1枚だけで登ってきたが、肌寒く感じてきた。だいぶ気温が下がっているようだ。

 堀山手前で、右手に目を向けると、三ノ塔が、なんだかぼやけて見える。どうやら霰が激しく降っているようだ。(写真下)
[三ノ塔がぼやけて見える]

 堀山ピークを右から巻いていくと、駒止茶屋で降ってきた霰は、ゴマ粒よりも小さい粒子だったのだが、このあたりの霰は、粒が大きく、量も多くなっていた。それゆえ登山道に降ってきた霰が目立ち始めた。
[霰が降り積もってきた]

 12:28、堀山の家手前にて、いきなり霰(雪に近い)が激しく降ってきた。これは、イカンと、すぐに雨具を取り出す。(最近は、冬でも冬季用上着を持参せず、軽量化のため、もっぱら雨具を利用)
 こんなドカ雪状態が続くようだと、ちょっとマズイなと思った。前方が見づらいのだ。見る見るうちに登山道が真っ白になっていく。
[ザックに雪が積もっていく] [あっという間に登山道が真っ白に]

 堀山の家の前を通過する。小屋のスタッフの人だろうか、この大雪の中、チェーンソーで丸太を切っていた。その後、単純な階段歩きになると、周囲の草っ原は、まだそうでもないが、階段には、どんどん雪が積もっていた。
 徐々に歩行ペースが落ちていく。雪は、相変わらず大量に降っている。
 13:01、木道の左右にベンチが見える箇所を通過するが、木道は、真っ白となっていた。

 花立山荘直下の階段登りとなった。ここにきてスタミナ切れしたようで、全くパワーが出なかった。
 ゆっくり一歩一歩、登っていく。
 13:36、花立山荘に到着。
 ここで、小休止。振り返って箱根方面を眺める。
[花立山荘に到着]

 13:42、花立山荘を出発する。
 ここから、ますます雪が多くなってきた。ここまで来れば、塔ノ岳頂上は近い、そう思いながら、登っていく。

 13:57、花立到着。
 表尾根方面は、雪雲で、稜線が見えなかったのに何故か、前方の塔ノ岳は、見えていた。(写真下)
[花立は、もう雪だらけ]

 金冷シを過ぎると、標高が上がったせいか、さらに気温が下がり、鼻と口まわりの皮膚が、冷たく感じるようになる。最後の急登に差し掛かると、雪がさらに激しく降ってきた。
 14:34、塔ノ岳頂上に到着。
 さすがにこの降りしきる雪の中、頂上には、誰もいなかった。山頂標識隣の狗留尊佛如来に参拝した後、山荘に入る。

 小屋主の花立さんに新年の挨拶して、まずは、ホットコーヒーを注文する。
 夕食後、外を眺めると、もう雪は止んでおり、下界の小田原方面の市街地の夜景がキラキラと見える。これならば、明日は、予報通り、いい天気になりそうだった。
[雪が激しく降る中、塔ノ岳頂上に到着]

<第2日>
 5:30頃、目が覚めるが、まだ日の出には早い。確か日の出は、6:50ぐらいの筈だ。
 そろそろ起きなくては、と思うが、冷え切っているので身体が布団から出たがらない。だが、気合を入れ、6:00前に三脚とデジカメを持って外に出る。

 まだ日の出には、早過ぎるのだが、東の空は、すでに明るくなっていた。
 デジカメを三脚にセットして、撮影を開始する。
 その後、一旦、山荘に戻り、中型カメラを三脚にセットして、再び、外に出る。今度は、長時間、外にいる必要があるので、防寒用具として、首から上は、ネックウォーマー、毛帽子、耳当て、その上にウィンドブレーカのフードを被った。左手は、スキー用の厚手の手袋。右手は、カメラ操作のために指先を出す必要があるので、指先が手袋から出せるミトン型手袋である。
 この恰好で日の出を待つ。
 6:50頃、朝日が顔を出した。
 ....しかし、今年は寒かった。

 朝日が昇り始めた後、西側を眺める。
 撮影後、余りの寒さに右手が冷たくなっていた。一段落したところで、小屋に戻る。
 2階に上がって、中型カメラのメンテをした後、ザックのパッキングを行う。そんな作業をひとまず終えた後、1階に下りて、朝のホットコーヒーを注文した。(7:31)
 このとき、外の気温は、−8.8℃だった。小屋のスタッフさんに聞くと、夜明けは、-10℃ぐらいだったとの事。道理で寒かった訳だ。

 7:38、山荘を出る。
 太陽光は、白く、眩しい。あたり一面が雪だ。サングラスを持ってこなかったことを後悔した。
 雪上を歩くと、キュッ、キュッと鳴く。この辺りは、霰ではなく、完全に粉雪だった。
 下界を見下ろすと、昨日の雪は、丹沢山域だけではなかったということに気がつく。秦野盆地だけでなく、酒匂川河口付近の小田原市街地辺りも真っ白だった。
 ここ何年かは、尊仏岩跡に参拝していた(昨年は大量積雪で途中撤退)のだが、さすがに、この雪では、行く気になれず、今年はパスすることにし、鍋割山に向かう。
[小田原市街地方面の眺め]

 大丸を過ぎて、いつもの定点撮影地点、変形ブナの前で撮影する。(写真下)
 幹が折れたりすることなく、元気そうな姿を見せてくれた。何枚も撮影してしまった。
[変形ブナにて、いつものように撮影]

 その後、登山道が右にカーブする所で、ちょっと登山道を離れ、直進すると、視界が広がる。
 左手に大山を望む。

 小丸を越え、鍋割山が近づいてきた。
 頂上手前での崩壊地上にて、いつものように蛭ヶ岳方面を眺める。
 また、反対側(南側)の相模湾に目を向けると、大島が良く見えた。
 しばし、デジカメ撮影を楽しんだ後、鍋割山頂上に着いた。(9:54)

 鍋割山荘に入り、小屋主の草野さんやスタッフさんに挨拶。
 早速、鍋焼きうどんを注文し、頂上のベンチにて富士山を眺めながら、フーフー言いながら食べる。意外にも鍋焼きうどんは、簡単に冷めなかった。その後、山荘内で、樽酒を頂き、正月気分で、ゆっくり過ごすが、11:35、鍋割山を出発する。
 例年、鍋割山荘に宿泊するのだが、今回は、休みが短いので、宿泊せず、下ることにしていた。
[鍋割山頂上にて] [富士山と鍋焼きうどん]

 後沢乗越に向かって下っていく。途中から雪は、だいぶ消えていた。

 後沢乗越にて、寄方面へ進む。久々に櫟山に行ってみようと思ったのだ。
 だが、その前に栗ノ木洞への登りが、こんなにキツかったのを忘れていた。ハアハア言いながら雪のついた急斜面を登っていく。

 13:25、栗ノ木洞頂上到着。
 視界が広がらない植林帯の中のピークだ。デジカメ撮影をしただけで、すぐに歩き出す。 
[栗ノ木洞頂上にて]

 13:37、櫟山に到着。
 ここは、ものすごく久々のような気がした。(後で調べたら、6年ぶりだった)
 以前は、もっと視界が広がっていたような気がしたのだが、今は、相模湾方面の木が伸びて、視界を遮るようになっていた。秦野盆地の雪は、もう殆ど融けてしまったようだ。今朝、塔ノ岳頂上で眺めたような雪景色では、なかった。
[櫟山からの眺望]

 櫟山を後にし、寄方面に歩き出す。
 日が当たる箇所は、もう雪は消えていた。だが、一箇所、道を間違えそうになった。(写真下)
 登山道の土の色から、右手に下っていくように見えたのだが、ここは、確か尾根筋に下っていくはずで、こんな斜面を下るのは、おかしいと、思わず立ち止まった。
 よく見ると、右折するのではなく、直進するのが正解だった。だが、直進は、少し登りになっていたので、下ってきた登山道からすると、少しでも登るのが不自然に思え、そちらに目が向かなかったのだ。
 直進すると、すぐに道標が現れ、やはり、このルートが正しいとわかった。
[間違えるところだった]

 だいぶ下ったと思ったのだが、日陰は、まだだいぶ雪が残っていた。このルートは初めてではないのだが、雪があるためか、光景に全く記憶がなかった。(写真下)

 14:20、三廻部林道に出た。
 ここの林道は歩いたことがなかったので、林道経由でもいいかなと思ったが、地図で確認すると、かなり遠回りになるので、やはり、登山道を歩くべく、林道を横断する。
[標高が下がってもまだ雪が多い]

 14:44、ゲートを通過すると、茶畑が見えてきた。ここまで来たら、ルートに記憶があった。
 土佐原集落と宇津茂集落の分岐点は、宇津茂集落に進む。(写真下)
[宇津茂集落へ]

 茶畑の中の農道を下っていく。途中、茶畑を撮影する。
 クネクネと曲がった農道を下っていくと、ロウバイ園という指示板を見つけた。
 ちょっと寄り道して、奥に入っていくと、そこがロウバイ園の入り口だった。
 説明板を読むと、まだ「寄ロウバイまつり」には、早過ぎたようだ。(写真下)
[寄ロウバイ園]

 15:20、寄バス停に到着。
 恐る恐るバス停時刻を覗く。というのも、以前、ここで、2時間近く待つ羽目になったことがあったのだ。12/31〜1/3までのバスダイヤは、特別ダイヤで、通常の休日ダイヤよりも、さらに本数が減らさているのだ。
 今回は、それを覚悟で寄に向かったのだが、まさか2時間待ちは、ないだろうと、ダイヤを見たら、次のバス時刻は、16:35だった。あと1時間15分ある。まあ、このくらいであれば、良しとしよう。
 バス待合所にて、ICレコーダでメモ録音したのをメモ帳に書き写す作業をしていたら、あっという間に1時間が過ぎていった。
 [寄バス停に到着]


 今回は、何といっても初日の天候変化に驚きました。登り始めは、晴れだったのに、4時間後は、大雪でした。こんな短時間で、周囲の景色が変わってしまうとは、ただ驚くばかりです。
 丹沢と言えども、油断はできないと、しみじみ感じ入りました。




※山行時間には、撮影時間を含んでおりますので、ご注意下さい。