トップページ>山行リスト(日付)>大滝・屏風岩山_記録20160710
大滝橋(8:37)〜(9:10)大滝(9:48)〜(11:12)965m地点(11:20)〜(11:38)東峰〜(11:48)屏風岩山(12:01)〜(12:42)大滝峠〜(12:55)大滝峠上(13:02)〜(13:28)一軒屋避難小屋〜(14:26)大滝橋 |
先週、マスキ嵐沢を遡行した際、左下に見えた大滝沢の大滝は、登山道から見下ろすだけで、今まで一度も滝下まで行っていないことに気がつきました。また、なかなか行ける機会がなく、屏風岩山〜大滝峠上の間が自己未踏区間となっていました。そんな訳で今回、その2点をまとめてクリアしようと、山行計画を練りました。
詳細は、以下をご覧下さい。 |
谷峨駅で西丹沢行のバスを待っている間、バス停の貼り紙が目に入る。
玄倉林道で、先月24日、クマの親子とみられる2頭に出くわし、男性が親グマに襲われた件のようだ。県内で人がクマに襲われたのは、2008年5月以来との事らしい。
....ということは、シ○○さん以来ということ?
クマ出没情報ブログを見てみると、丹沢でのクマ目撃情報は、日常的な出来事になっている。十分、気を付けなければ、と思う。 |
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[谷峨駅にて] |
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先週同様、今回も大滝橋で下車。
林道を歩いていると、前方に団体さんを見かけた。よく見ると、皆、沢装備だ。マスキ嵐沢だろうか。1、2、3、・・・と数えると、14人ぐらいになった。沢装備で、こんな人数の団体を見たのは、初めてだ。前回だったら、沢は、待ち行列になるな〜と、不安な心境に陥るところだが、今日は、関係ないので、ゆっくり後をついていく。 |
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[目の前に沢登りパーティ発見] |
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9:01、大滝沢に下る分岐点に到着。
左には、大滝沢に下っていく明瞭な経路が続いており、トラロープまで設置されてあった。
登山道から外れて、左の下り道に入ると、下流側に大堰堤が見えた。 |
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[大滝沢に下りる分岐点] |
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こんな立派な経路がついているのは、大滝のためだろう、ということで、この先、楽勝!と思っていたら、現実は、厳しい。
沢に下り立ったら、経路は消えていた。
上流に進もうとすると、左岸は、岩壁で進めず、対岸に渡ることにした。
今日は、水量が多かったのか、どうぞここで渡って下さいと言うような飛び石ルートが見つからない。少し上流に進んだところで、岩を伝って、どうにか渡ることが出来た。
その後は、歩き易い箇所を探しながら、上流へと向かう。 |
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[大滝沢に出た(上流方面)] |
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やがて、幅広な大滝が見えてきた。
早速、中型カメラを取り出し、三脚を立てて、撮影に入る。
滝下から見ると、緑の木々に囲まれ、神秘的な滝に見えた。
幅広い水流のため、大量の水が一気に落ち、男性的なイメージを受ける。
撮影終了後、来たルートを戻る。
この後は、屏風岩山頂上を目指すつもりだが、まだはっきりしたルートを決められなかった。手っ取り早いのは、この戻る途中で、右手斜面を登っていくルートなのだが、地図上では、崖となっており、果たして登れるのかどうかは、行ってみないとわからなかった。
「う〜む。」
右手斜面を見ながら、右岸を歩くが、やはり崖が続き、登れそうにないなと思っていた矢先、
「おっ、ここは。」
と思える斜面を見つけた。
「ここしかないだろう。」
ということで、取り付く。自然林の斜面だが、ちょっと木が少ないので、滑ったら転げ落ちそうだ。ストックを取り出し、慎重に登って行く。(写真下) |
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[大滝沢の右岸斜面を登る] |
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自然林の急登を終えると、目の前に植林帯の斜面が広がった。
ここは、斜めに植林帯を横断するように登って行く。
植林帯の反対側の端まで来ると、ここが尾根筋となっていた。ここからは、右手の登りへと進路方向を変える。やがて、尾根筋の植林帯が終わり、前方は、自然林となる。(写真下左)
これは、美林だと思ったのだが、視線を落とすと、ちょっと不気味だった。
やたらと穴のような窪みが目立ったのだ。(写真下右)
クマの寝床では、ありませんように、と祈りながら進む。
....激しくクマ鈴を鳴らしながら、登ったのは言うまでもない。
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[尾根筋に乗った] |
[穴が目立つ] |
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10:39、南西から上がってくる尾根筋に合流した。
ここからは、以前登ったことのある尾根だ。ということで、小休止。
時計を見ると、大滝沢から右岸尾根に取り付いて、約40分が経っていた。穴が多かっただけに緊張の糸は、緩むことなく、この40分が短く感じられた。
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[南西からの尾根筋に乗った] |
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この先は、幅の広い尾根筋で、歩き易い。
左は、植林帯、右が自然林の尾根筋をのんびりと登って行く。
すると、前方から単独男性が下ってきた。挨拶するとき、よく見たら、朝のバスで一緒だった人だった。確か箱根橋というバス停ではない所で下車したので印象に残っていたのだ。(この辺りは、自由乗降区間だ)
「箱根屋沢ですか。」
と尋ねたら、
「そうです。箱根屋沢は、滝が結構、垂直で、高巻が恐ろしかったですね。」
との事。この時間で、既に登り終え、下りとは、ちょっと恐ろしいくらいのスピードだ。
そんな訳で、しばし後姿を見届ける。 |
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[左:植林、右:広葉樹林となる] |
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11:12、登り切った所で、小休止。地図と照らし合わせてみると、965m地点のようだ。
南側の視界が広がる。(写真下)
丹沢湖の向こうには、大野山が見え、その奥には、箱根の山々が聳え立つ。 |
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[丹沢湖、大野山方面を眺める] |
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11:29、小ピークに到着。手許の西丹沢登山詳細図を見ると、ここが、「東峰」と記載されていたが、これは、ちょっと違うと思われる。ここだと、屏風岩山頂上に比べて、あまりにも低過ぎるのだ。
さらに進み、見覚えのある小ピーク(というより、少し長い尾根筋の先端のような所)に着いた。
ここが、昔から言われている「東峰」だ。但し、ここは、展望も広がらず、保護柵だらけで、残念ながら休憩する気になれない。(写真下左)
西へ進むと、下りとなる。目の前には、屏風岩山の頂上が見えた。(写真下右) |
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[真の「東峰」] |
[屏風岩山頂上を見る] |
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一旦下った後、登り返し、屏風岩山頂上に到着した。(11:48)
ここも東峰と同じように樹林に囲まれ、視界が遮られている。
以前は、手製の山頂標識があったのだが、そのようなものは見当たらず、木の幹に手書きで「屏風岩山」と書かれてあった。この文字がなければ、比較的フラットな地形なので、山頂ということすら、気がつかないかもしれない。(写真下左)
ザックを下ろし、ランチタイムとした後、頂上周辺を歩きまわる。
その時、「屏風岩山」と書かれた木の幹には、赤ペンキが帯状に塗られ、傍の標石も、頭が赤く塗られて入ることに気がついた。丹沢で、よく見られる光景なのだが、その目的は、よく分からない。
だが、その赤く塗られた標石は、なんと三角点だった。どうも間違えて塗られたようだ。記録として撮影する。(写真下右)
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[屏風岩山頂上] |
[頭が赤く塗られた三角点] |
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12:01、頂上を発つ。ここからは、大滝峠上を目指し、自己未踏ルートに入る。
ところで、屏風岩山というのは、損な山だと思う。当初、この山は、植林帯だらけの極めて地味な山だと思っていた。というのも、東側のバス通りから眺めた屏風岩山は、山麓が殆ど植林帯に見えるからだ。(たぶん、登ったことのない人は、皆、そう思うのではないだろうか)
しかし、以前、二本杉峠の方から登って行ったとき、頂上付近の西側には、ブナの大木が目立ち、屏風岩山のイメージが180度、変わってしまった。つまり、この山は、東西で非対称な山なのだ。
そんな訳で、今回、頂上から北側に向かう場合も、西側は、ブナ林が見られるのではないかと期待していた。
するとどうだろう。案の定、下り始めてすぐ、立派なブナの木を見つける。(写真下) |
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[立派なブナの木] |
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これは、幸先がいいと思いながら、下っていくと、その後も、何本かブナの木に出会うことができた。屏風岩山北部の西側斜面も、やはり予想通りだった。
一方、右手の風景は、植林帯が多い。時々、樹林の間から箒沢権現山や、石棚山稜方面(但し、稜線は、雲に隠れていた)の眺めが得られた。(写真下) |
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[左に箒沢権現山、奥は石棚山稜] |
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前方に鞍部が見えた。ここまで、何度も鞍部を通過しているので、もう鞍部は、飽き飽きしていた。
すると、左手前に分岐路があり、右前方も同様な経路が見えた。(どちらも廃路の様相) どうやらX文字のように2直線が斜めにクロスしている場所だった。
「おっ、ここが大滝峠か。」
そう思い、360度、見渡すと、右手の黄色いテープに「大滝峠」の文字を見つけた。
植林の苗木が植えられた頃は、視界が広がり、人や馬が往復していたのだろうか、そんな往時を想像してみる。 |
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[大滝峠に出た] |
[手書きの大滝峠] |
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大滝峠からは、登りとなった。結構、キツイ登りだ。
最後に急登かと、嫌々ながら登って行くと、前方に道標が見えた。大滝峠上だった。一般登山道との合流点だ。
「疲れた〜」
と、立ち止まっていたら、息遣いの激しいダブルストックの単独中年男性が、畦ヶ丸を目指して、ちょうど通り過ぎて行った。
....その形相に圧倒される。
ここで、ストックとクマ鈴をしまい込む。 |
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[畦ヶ丸登山道と合流] |
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大滝峠上からは、畦ヶ丸には向かわず、再び大滝橋に下っていくことにした。
このルートは、最近、歩いていないので、どんな山道だったか、さっぱり思い出せなかった。おかげで、初めて歩くような気分を味わう。
尾根筋ルート歩きから、ステタロー沢へと下り立つ。この沢のナメが印象的だった。(写真下) |
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[ステタロー沢] |
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ステタロー沢沿いに下っていくと、見覚えのある避難小屋が現れた。
一軒屋避難小屋だ。その手前には、ベンチがあったのだが、今は朽ちてしまい、使用不可となっていた。このベンチに纏わる思い出の山行は、結構あり、ちょっと残念な気分だ。結局、ベンチが使えないので、休憩をとらず、下っていくことにした。 |
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[一軒屋避難小屋] |
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マスキ嵐沢を見下ろすガレ場の上を通過した後、その沢の入渓点を左に見る。ここまで来ると、もう何度も歩いているルートだ。
14:26、大滝橋バス停に到着。次のバスは、14:47。その前は、11:02だ。こんなに間隔が空いているということは、結構、混んでいるかなと、ちょっと座れないことを覚悟する。
既に男性2人がバスを待っていた。その後、3人、2人、1人と下山者がやってきて、列が出来始めた。
14:47、新松田行きのバスに乗車する。
意外にも、結構、空いており、あっさり座れた。 |
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[大滝橋バス停に戻ってきた] |
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なんとバスの中で、AYさんとバッタリ。
聞けば、朝のバスも同じだったことが判明。だが、朝は、混んでいたこともあり、お互い気がつかなかった。AYさんは、今日、本棚沢の枝沢、ゴウツクボを遡行されたそうな。
玄倉では、10人以上、バスを待っている乗客がいたのだが、誰も乗ってこない。何で?と思っていたら、玄倉始発の臨時バスが後ろで待っていた。
「最近、玄倉でクマ騒動があったのに、なんでこんなに人が来ているんですかね。」
と、AYさんと話す。
....「奥のダムで堰き止められた玄倉川の色に人気があるのでは。」AYさん談。
日帰り入浴するため、山北で下車し、AYさんと別れる。
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[山北 さくらの湯] |
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今日は、2つの目的が達成できて、大変満足な山行となりました。特に大滝沢右岸からの斜面が登れたおかげで、効率よく屏風岩山に登れたのは、ラッキーでした。
また、帰りにAYさんと話せたのも、いい思い出となりました。
AYさん、今度は、反省会しましょう。
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※山行時間には、撮影時間を含んでおりますので、ご注意下さい。
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